3点ギア仕様ならではの巻き感度
10ステラには、現行モデルとは異なる3点ギアが搭載されています。
14ステラ以降はマイクロモジュールギアが搭載されているため、3点ギアが採用された最後のステラというわけです。
3点ギアとマイクロモジュールギアは何が違う?
シマノの現行リールは、5点のギアを使ったマイクロモジュールギアという機構を採用しています。
マイクロモジュールギアのほうが、シルキーな巻き感で心地良いことは確かです。
しかしながら、ギアの数が多いため、巻き感度は落ちてしまう傾向にあります。
巻き感がダイレクトに伝わる!
3点ギアはギアの数が少ないことから、巻き感がダイレクトに伝わってきやすいという特徴があります。
巻き感がダイレクトに伝わるということは、手元に伝わりにくい魚のアタリを見逃しにくくなるということに繋がるので、潮流の変化やヨレといった変化はもちろん、引き抵抗が少ないルアーや自重の軽いルアーの操作性も良くなります。
また、海に比べると流れを感じにくい湖の釣りでも、僅かな流れの変化を感じやすいです。
『10ステラ vs 18ステラ』比較検証
10ステラと18ステラの性能を比較してみました。
検証で使うタックルは、同じロッドとラインを使用。
現行機種にどの程度、迫ることができるのでしょうか。
以降の内容を読んでもらえれば、名実ともに名作リールであることがわかると思います。
巻き感
2台のステラを巻き比べると、はっきりとわかるほどの巻き感の違いがあります。
ダイレクトで高感度な巻き感を求めるのであれば、10ステラに軍配があがるでしょう。
止水の湖でも、流れの変化や違和感をしっかりと感じ取れます。
ノイズが少ないシルキーな巻き感であれば、18ステラに軍配があがります。
また全体的なバランスもよく、より等速で巻きやすいのは18ステラという印象です。
自重
同じ『2500S』での自重比較。
18ステラが205g、10ステラが220gでした。同番手でも約15gの差があります。
タックルの軽量化が進む昨今。最新ロッドとの組み合わせだと、少しタックルバランスを合わせづらくなってきそうです。
遠投性能
現行機である18ステラは、ロングストロークスプールが採用されています。
10ステラのAR-Cスプールに比べると、飛距離の向上が期待できるようです。
18ステラ | 10ステラ |
1回目:83m | 1回目:72m |
2回目:81m | 2回目:82m |
3回目:75m | 3回目:88m |
4回目:77m | 4回目:79m |
5回目:74m | 5回目:68m |
平均:78m | 平均:77m |
20gのメタルジグにて飛距離の比較を行いましたが、そこまで大きな差は感じられませんでした。
ルアーのウエイトやタックルによっては違いが出るかもしれませんが、釣果に影響するほどの大きな差はなさそうです。
『10ステラ』を中古で購入するときの注意点
最後に10ステラを購入するときの注意点を紹介します。
入手方法が限られる10ステラ。購入検討時は、ぜひ参考にしてください。
未使用に近いものを探そう
10ステラは発売から年数が経っているリール。それゆえパーツに欠陥がある中古品も多いです。
購入後のパーツ交換は、高額になることも多いので、高くても未使用に近いものを選びましょう。
ネジ山の状態をチェック
経験上、ネジ山が傷んでいるリールは、内部の状態が悪いことが多いです。
購入前は内部の確認ができないため、ネジ山の状態を一つの判断材料として選んでみてください。
内部の異音には注意
中古ショップで購入するときは、シャリ感とゴリ感の少ないものを選びましょう。
とくにボディ内部の異音に注意してください。ギア周りの不良に関しては、購入後のメンテナンスでは直せないことが多いです。
ただし、ラインローラーやハンドルノブのベアリングは、簡単に交換できます。これらの異音に関しては、さほど気にしなくても問題ありません。
シマノの名作『10ステラ』で極上の釣りを楽しもう!
シマノの名作リール『10ステラ』。
18ステラと比べても、遜色ないほどの完成度でした。
唯一無二のデザインはもちろん、ダイレクト感のある巻き感は、現代のルアーフィッシングでも十分に通用するでしょう。
中古ショップで状態のいい10ステラに出会ったときは、ぜひ購入を検討してみてください。