アブガルシアのゼノンを実釣インプレ!アンダー150gの軽さと唯一無二の個性が光る

2021/03/27 更新

2021年春にアブガルシアからリリースされるスピニングリール「ゼノン」。なんと2500番の自重はアンダー150g。そんなゼノンの仕様を詳しく解説し、ライトゲームで使って実釣インプレッションします!

アイキャッチ画像撮影:TSURI HACK編集部

Abuの新作「ゼノン」

アブガルシアのゼノンの画像
こんにちは、編集部しみけんです。

2021年春に、アブガルシアからスピニングリールのフラッグシップモデル「ゼノン」がリリースされることをご存知でしょうか?

アブガルシアのゼノンの画像
このゼノンがとても面白そうだったので、ピュアフィッシングから実機を借りて実釣してみました!

リールの仕様から実釣で感じたフィーリングまで、詳しくインプレッションします。

外観&スペックをチェック

まずは外観から見てみましょう!

アブガルシアのゼノンの画像
アブガルシアのゼノンの画像
アブガルシアのゼノンの画像
良くも悪くも、国内メーカーのリールとは一線を画す外観ですね。

正直、筆者も箱から出した時は「クセ強いデザインやな〜」と思ってしまいました。

しかし、釣り場に持って行ってロッドに付けると印象が変わり、かなり馴染んでいると思います。

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今回借りたゼノンは2500番なのですが、手にした時に2500番の割に少し小振りな印象を受けました。

そして実際にダイワ・シマノの2500番と比べてみたのですが、それは“気がする”ではなく、スプールもボディも本当に一回り小さかったのです。

表現するなら、2350番ぐらいのサイズ感。個人的に、このサイズ感はかなりおもしろいと思います。

なお、ボディ自体は小振りに見えますが、ギアなどの内部パーツは従来品からダウンサイジングされていないようです。(その仕組みは次で解説)

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サイズ感の次に目を引くのがボディデザイン。

まるでベイトリールかのように、ギア側のボディが下に張り出しており、この中にマシンカットされたギアが収まっています。

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逆側は対照的にかなりスリムになっており、左右の形状が大きく異なっています。

というのも、これは軽量化のために無駄なスペース(ボディ内の空洞となる部分)を省いた結果らしく、それゆえにボディがかなり小さく見えるのです。

つまり、「ギア部分を張り出した」というよりは、「周りの空洞部分を削った結果、ギア部分が張り出す形となった」という方が的確なのかもしれません。

さらに驚いたことに、この左右非対称のボディはマグネシウム製のワンピース構造です。(後方のカバー部分は樹脂)

かなり強度と剛性が高そうに見えます。

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次はスプールに目を移しましょう。

近年のリールらしく、放出されたラインを整流すべく前ツバ部分が傾斜した形です。(アブの呼称はロケットラインマネジメント)

ちなみに、ツバの黒点のように見える部分は塗装やディンプルではなく、ブランキングなのでしっかり貫通しています。

そして、スプール下部のスカート部分が大胆に肉抜きされたエアフィンスプールも特徴的。スプールが上死点に達すると、メインシャフトが大胆に露出します。

ちなみに、ラインストッパーは30lbリーダーにも対応するとのこと。

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ローターはC6と呼ばれるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)で作られており、剛性はマグネシウムに匹敵するそうです。

たしかに、握りこんでみるとかなり硬く感じました。

近年は国内メーカーも盛んにCFRPローターを導入していますが、それらと比べても同等かそれ以上に硬いです。

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ラインローラー部分は2ボールベアリング仕様。

ラインを乗せてみると、ご機嫌に回転してくれます。
動画で伝わるかわかりませんが、ベールの開閉動作にかなりカッチリ感があります。悪く表現すると、やや硬めです。

スピニングリールを長期間使っているとベールの動作が緩くなることがあるのですが、ゼノンは中のバネが強くてそれが無さそうな気がします。(使い込んだわけではないので推測です)

なお、ベールアームはアルミ製です。

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ゼノンはドラグにも特徴があり、すこしドラグノブを回すだけで大きくドラグ値が変わる、いわゆるクイックドラグを採用しています。

一般的なドラグよりも調整幅自体は狭くなりますが、ファイト中などに瞬時のドラグ調整が可能です。

アブガルシアのゼノンの画像
スプール支持部にはベアリングが搭載されています。

スプール内にはベアリングが入っていないため、ドラグは1ボールベアリング仕様です。

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純正でカーボンハンドルが装備されています。

ハンドルアーム(付け根の部分)は、今までのリールでは見たこともない形状です。

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各部のベアリングにはソルトシールドベアリングが用いられており、もちろん海水に対応します。

ゼノンのラインナップと発売時期

番手自重(g)ギア比最大巻上長(cm/ハンドル1回転)最大ドラグ力(kg)ボール/ローラーベアリング(個)PE糸巻量(号-m)ナイロン・フロロ糸巻量(lb-m)本体価格(円)
1000S1425.265310/10.4-902-100
2000S1455.269310/10.6-1004-100
2000SH1456.282310/10.6-1004-100
2500S1485.274510/10.8-1506-100
2500SH1486.287510/10.8-1506-100
2500MSH1486.287510/12-1508-170
3000SH1656.293510/11.2-1508-110
3000MSH1636.293510/12-22016-150
4000SH1706.2100510/12-22016-150
発売時期は、2021年5〜6月ごろを予定しているようです。


ゼノンを実釣インプレ

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ここからは、2500Sをライトゲームで使ってみた使用感をお届けします!

初春ということもあり、27cmまでのメバルを数多くキャッチできました。

驚異的に軽い

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自重148gは伊達ではなく、今まで使ったどんなリールよりも圧倒的に軽いです。

上の画像は6ft6inのアジングロッドに装着している状態ですが、2500番の割にややコンパクトかつ超軽量なため、こういった短めのライトゲームロッドでもすんなり収まってくれます。(国産機種の場合は2000番一択でした)

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その一方で、エギングロッドに合わせてもまったく違和感はありません。

この圧倒的な軽さと絶妙なサイズ感は唯一無二でしょう。

初動が軽い

巻き感に関しては、まず初動(巻き始め)が軽いことが魅力だと思います。国産ハイエンドに迫るか、少なくとも準ハイエンドと同等レベルに感じました。

さらに、ローターとカーボンハンドルが軽いせいか、初動が軽い割にハンドルが惰性で回らず、止めた時にビタッと静止するところも好印象。

回転中のフィーリングに関しては、国産ハイエンドに慣れていると、正直なところ「めちゃくちゃシルキー」という感じではありません。

とはいえ十分な滑らかさを備えており、巻きの質感を表現すると“サラサラとヌメヌメの中間ぐらい”。シマノのクイックレスポンスシリーズに近い印象を受けました。

巻いている際に妙な違和感等はなく、リールを耳元で振ってみてもカタカタ音が非常に小さいため、かなり高い精度でパーツを組み付けていることが予想されます。

ロートルク&高感度

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巻きに関してもう一つ言及すると、近年のリールと比較した場合、ややロートルクです。

これは筆者の体感ですが、ゼノンのノーマルギアと同価格帯の国産機種のハイギアがイコールぐらいになるイメージ。

言い換えると、ゼノンは巻き感度がかなり優れているということです。

引き抵抗が大きなフロートリグを使った際はもちろん、43mmのリップレスミノーの超低速巻きでもしっかりと潮の抵抗、その変化を感じ取れました。

かと言って、3.5号のエギをシャクったり、20gのスピンテールを巻いたりしてもシンドイわけではないため、この感度の高さはゼノンの武器だと思います。

剛性感は十分

超軽量かつややロートルクだと前項まででお伝えしましたが、それとは対照的にかなり高い剛性感を感じます。剛性感については、国産ハイエンドと比べてもまったく見劣りしないはずです。

3.5号ディープタイプのエギをシャクッたり、沖でヒットした大型メバルに対してアワセを入れたりしても、かなりボディとローターが硬い印象を受けます。

そして、このボディとローターの剛性感が巻きに関してもプラス方向に働いているのでしょう。

駆動系が生み出す必要十分なトルクを、硬いボディとローターによってロスすることなく巻き上げ力に変換しているような印象を受けます。

駆動系に対してボディとローターがやや強いような状態でバランスしているため、それが全体的な気持ちよさに繋がっているのかもしれません。

ドラグの出来が秀逸

使う前に一番心配していたのがドラグ性能でしたが、これが真逆な結果で驚かされました。正直、ドラグ性能はかなり高いと思います。

ドラグの滑り方はシマノに近く、溜め込む感じではなく、魚の動きに対してリニアに滑ってくれるテイストです。

また、滑り始めと滑ってからのアンバランス感もなく、実釣では0.8号(3lb)のリーダーで20cm後半サイズの大型メバルも難なくキャッチできました。

もうひとつ素晴らしいのが、いわゆるクイックドラグです。これは非常に実用的な機能だと思います。

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今回の実釣で使ったフロートリグは、仕掛けの特性上ラインの軌道が屈折しやすく(とくに横方向の流れの場合)、フッキングパワーが伝わりにくいので筆者はかなりドラグを締め込みます。

しかし、ヒット後はリーダーが細いので瞬時にドラグを緩めます。この時に、少ない回転でドラグ値を一気に変えられるシステムはとても便利です。

ファイト中にドラグ操作でバタバタする必要がないので無駄なバラシも減るのではないでしょうか。


ライントラブルが少なそう

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ライントラブルの有無・頻度をチェックするために、あえて使い古した3年物のPE0.5号を巻いてみましたが、3日間の実釣期間でトラブルはゼロでした。

もっとも、今回メインに使ったフロートリグはそもそもトラブルが起こりにくい仕掛けではあります。

筆者が「ライントラブルが少ないだろう」と推測した理由は、上の写真のベールの開き角度です。

リールに詳しい方ならお気づきかもしれませんが、ベールの開き角度がかなり小さいのです。国内メーカーのリールは角度が大きく、もっとスプールの外側へ開きます。

これはスプールから放出したラインをベールアームに当てることで、ループの大きさを調整することを意図しているのだと思います。

普通はスプールエッジにラインの整流効果を持たせているのですが、ベールアームにもその役割を与えているのでしょう。

2500番がおもしろい!

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2500Sしか使っていないのにこんなことを言うのもおかしいですが、ゼノンの中でも2500番はかなりおもしろい番手だと思います。

もちろん、ライトな釣りに徹するなら1000番や2000番、ヘビーな釣りに徹するなら3000番や4000番を選べばいいのですが……

ゼノンは適度なコンパクトさと圧倒的な軽さ、それと剛性感を備えているため、従来の2500番よりひとつライトな釣りまで対応できます。

筆者の基準では、6ftのアジングロッド、バスロッド全般、8ft6inのエギングロッド、MLクラスのシーバスロッド、この辺りのロッドはすべて許容範囲。

ここまで高いレベルで、アンダー1gのジグヘッドから3.5号のエギやシーバス用ルアーまで対応できるリールは他に見当たらないと思います。

今後の気になること

アブガルシアのゼノンの画像
ここでは、ゼノンの今度について考えてみたいと思います。

耐久性は未知数

多くの方が気になる部分だと思いますが、使い込んだわけではないので耐久性に関しては未知数です。

申し訳ないですが、今の段階では「使ってみた感じだと、そこそこ耐久性は高そう」これ以上のことは言えません。

チューニングで化けるかも

ゼノンが持っているスペック(軽さ・サイズ感・感度・剛性感)が唯一無二なだけに、チューニングのベースとしても魅力的だと思いました。

実釣中にも何となく伸びしろがあるような気がして、「もう少しグリスを減らしたら……」とか「オイルに変えたら……」なんてことを考えさせられました。

根拠はありませんが、ちょっと触るだけで大化けするような可能性も感じます。

総括

アブガルシアのゼノンの画像
好き嫌いは別れるけど、好きな人はめっちゃハマる。

ゼノンを一言で表すと、こんなところではないでしょうか。

細部の質感やメイドインジャパンにこだわる方には受け入れられないかもしれませんが、ゼノンの特性と使い道がリンクした方はハマると思います。

今までのスピニングリールとは一線を画す1台なので、釣具店に並んだらぜひ手にとってみてください。
撮影:TSURI HACK編集部

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TSURI HACK編集部

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