19セルテートってどうなのよ?

ダイワの汎用スピニングリールで最も強いリールといえば? と聞くと、おそらく100人中100人が「セルテート」と答えるのではないでしょうか。
そんな誰もが認めるタフリールが、2019年に最新のLTコンセプトを纏ってモデルチェンジしました。
今回は、見た目も刷新された19セルテートをリールマニアがインプレしていきます!
3つの進化
LTコンセプト化

前作までのセルテートは強さの代償として、軽さを多分に犠牲にしていたのです。
いくら強いとはいえ、ほかのリールが軽量化されていく中で、少し時代と逆行している感は否めませんでした。(いい意味でも悪い意味でも)
しかし、19セルテートは最新のLTコンセプトを採用することにより、番手によっては35グラムもの大幅な軽量化を実現。
16セルテートまではやや使い手を選ぶリールでしたが、19モデルは幅広いアングラーが使いやすいパッケージに収まったといえるでしょう。
全番手がモノコックボディ採用

16セルテートではHDモデルにのみ採用されていたモノコックボディが、最小番手(2500番)から採用されています。
モノコックボディの最大の恩恵は、なんと言ってもドライブギアがボディ面積の85%まで大型化されることでしょう。
ドライブギアが大型化したことにより、ギア自体の耐久性が向上し、巻き上げトルクも増大。ボディそのものの剛性と合わさり、まさに鬼に金棒のスペックになりました。
最大ドラグ力の向上

セルテートを手に取るアングラーは、ビッグフィッシュを狙ったり、ハードな釣行をこなしたりする方も多いでしょう。
それゆえにドラグのタフさも要求されるのですが、19セルテートは16モデルから最大ドラグ力が2~3キロの向上が図られました。
とはいえ、最大ドラグ力自体が向上するメリットはあまりありません。では、なにがメリットなのかというと、最大ドラグ力の向上に伴う“実用ドラグ力の向上”です。
前作までは微調整が効かなかった高負荷時においても、シビアな調整が可能なため、より安定したテンションを針先に掛けられます。
ハンズオンの印象
ノイズを徹底排除した巻き心地

金属ボディにありがちな尖ったノイズが皆無で、箱を開けた瞬間からヌメヌメとした巻き心地を体感できるのには驚かされました。
まるで、すでに慣らしが終わったかのようなフィーリングです。低速での滑らかさに加え、速巻きした時にゴロツキを感じないのはモノコックボディの恩恵でしょう。
ギアに強い負荷が掛かるXH(エクストラハイギア)モデルでも、ギアに対して均等に力が伝わっている感覚があり、それほど巻き重りを感じません。
巻き重りを嫌ってハイギアモデルを避けていた方にこそ手に取ってほしいフィーリングです。
ローターが強い

18イグジストから採用されている、ベールを新形状とした新型ザイオンローターを搭載しています。
軽いことに焦点を当てられがちなパーツなのですが、もっとも驚かされたのは、握った時の硬さ(剛性)でした。
ローターがたわむと巻き上げの時に力が逃げてしまうので、大型魚とのファイト時にこの強靭なローターが効いてくるはずです。
また、固いローターは振動の伝達にも優れるため、巻き感度にも大きく貢献してくれます。
初代以来のネイビーカラー

マグシールドを初採用した10セルテートから13モデル、16モデルと、暗いボディーにオレンジ系のゴールドの差し色がアイコンとなっていました。
しかし、19セルテートはイグジストのようなモノクロ基調のデザインに変更され、光が当たるとかなり青さを感じます。
初代セルテートへのリスペクトを感じるこのカラーリングは、往年のセルテートファンの方にはたまらないのではないでしょうか。
ここが気になる
逆転機能の廃止

イグジストには逆転機能(ストッパーレバー)が付いていたので、19セルテートにも付くのかと思いきや不採用。
レバー部分からの浸水はなくなりますが、今まで逆転機能を使用していた方は慣れるのに少し時間を要するかもしれません。
ちなみに、ボディ自体の防水性能が向上したので、ボディ内部のマグシールドボールベアリングが廃止されています。
ドラグがベアリング支持ではない

残念ながら、19セルテートのドラグを支持するは、ベアリングではなくて樹脂製のカラーです。
ビッグフィッシュ狙いの方が多く使うリールなだけに、ドラグ性能を左右する部分にカラーが使われているのは少し残念なポイント。
さらに高いレベルのドラグ性能を求める方は、ベアリング化を検討してみてもいいかもしれません。スプール内部に1個、メインシャフトに1個のベアリングを追加できます。
すべてが新しい。

今までは、良くも悪くも“強さ一辺倒”だったセルテートですが、LTコンセプトで武装し、タフでありながら現代のリールに求められるスペックを高次元で実現してきました。
「セルテートらしさがなくなった」という批判がある半面、よりオールラウンドな性格を強め、幅広い釣り人に受け入れられるリールとなったことは事実でしょう。
従来のセルテートユーザーの方もそうじゃない方も、ぜひ新生セルテートを手に取られてはいかがでしょうか。
ダイワ セルテート LT2500S-XH
自重:205g
ギヤ比:6.2
ベアリング数(本体):10ベアリング数(ローラー部):1
ドラグ力:最大 5kg
糸巻量:ナイロン 4lb-150m PE 0.6号-200m
巻上長(ハンドル1回転あたりの長さ):87cm
ギヤ比:6.2
ベアリング数(本体):10ベアリング数(ローラー部):1
ドラグ力:最大 5kg
糸巻量:ナイロン 4lb-150m PE 0.6号-200m
巻上長(ハンドル1回転あたりの長さ):87cm
動画編はコチラ
筆者の紹介

某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。
中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。
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