リールから異音が!ラインローラーが原因かも……
釣行前に部屋で回すと快調なリール。なのに、現場で回すとシャラシャラと異音が……。それって実は、ラインローラーの異常かもしれません。
全国でメンテナンスイベントを行なっていても、ラインローラーに問題を抱えているリールがとても多いんです。
最近、ライントラブルが多かったり、飛距離が伸びなかったりする方は、要チェックですよ!
筆者について
佐藤稜真
某リールチューンメーカー在籍時、全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。
中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。
そもそも、ラインローラーって?
ラインローラーは、ローターとベールの継ぎ目に位置しており、リールに巻かれてくる糸のヨレを戻す役割があります。
リールに戻ってきたラインが一番最初に触れるパーツなので、絶えず海水やドロにさらされ、「リールの中でもっとも過酷な環境下にある」と言っても過言ではありません。
しかし、小さく地味なパーツであるため、その役割の重要さに気づいていない方も多いのです。
回らないとなぜ困る?
ライントラブル・ラインブレイクが急増!
ラインローラーがスムーズに回らないと、糸ヨレがそのままスプールに回収されてしまいます。
当然、その状態でキャストするとラインがコイル状に放出され、飛距離が伸びないばかりか、バックラッシュも多発。
また、ファイト時には、ドラグに掛かるテンションが安定しないため、ドラグが上手く機能せずにラインブレイクを招きます。
ドラグ性能がよいリールと強いラインを用いても、ラインローラーに不具合があれば、それらは水の泡です。
放置していると、修理代が高額に!
ラインローラーの回転不良を放置しておくと、摩擦でパーツ自体にダメージが加わっていきます。そうすると、最悪パーツ自体が破損することに。
イベントでは、完全に破断したラインローラーに出会ったこともあります。言うまでもありませんが、パーツ交換が必要で、修理代は高額。
ここまでくると、鋭利なナイフで常にラインを擦っているのと同じなので、「釣りが不可能」といえる状態です。
なぜ異音が起こる?
ラインローラーの異音の一番原因は、ベアリングの回転不良です。
これは日頃のメンテナンスを怠っていたり、低品質なオイルを使ったりすることで、ベアリングのオイルが切れてしまい、磨耗するケースがほとんどです。
オイルが切れたり、馴染んでいなかったりすると、隙間から海水や汚れが入り、サビ・固着の原因になります。
ラインローラー異常の対処法
基本は、ベアリング交換
オイルを注して直ることもありますが、異音が出ている時点で、大抵の場合は磨耗が進んでいるのでベアリング交換になるでしょう。
ベアリングは自分で交換することもできますが、不要なトラブルをなくすためにも、基本的にはメーカーに預けて交換してもらうのがおすすめです。
社外ラインローラーという選択肢も
最近では社外品のラインローラーも発売されており、エキスパートを中心に流行しています。そのため、不具合を機に、社外品にカスタムするのも選択肢のひとつです。
純正品よりも高額なのがネックですが、極限まで糸ヨレを少なくしたハイスペックなラインローラーの使用感は、「快適」の一言。
とはいえ、カスタムを始めるよりも、まずはメンテナンスを覚えることが先決です。
【IOSファクトリー】 シマノ用 ラインローラー IMPACT(インパクト)
【IOSファクトリー】 ダイワ用 ラインローラー Direct(ダイレクト)
やっぱり大切なのは、“日頃のメンテナンス”なんです!
これまで3度にわたってリールのメンテナンスを紹介してきましたが、結論は毎回同じです。「日頃やる」、これしかありません。
「ローマは1日にしてならず」と言いますが、リールも同じです。
リールが不調だとテンションも自ずと低くなりますし、リールを修理に出している間は釣りに行けなくなり、修理代でルアーだって買えます。
無駄な時間とお金を掛けないためにも、日々のメンテナンスをしてあげてくださいね!