クロスウェイクとは
クロスウェイクは、グローブライド社モアザンブランドのシーバス用ルアー。ウェイクベイトに分類され、同社の名作『モアザンエックスクロス』の後継モデルともいえるでしょう。現在は廃盤となった前モデルを凌ぐ人気を誇り、全国各地のシーバスアングラーから絶大な信頼を集めています。
かくいう筆者もこのルアーの虜。夏から秋のシーズンにかけてはお守りのように抱えて周る定番ルアーです。
艶やかなルアーアクション
クロスウェイクの持ち味は水面直下をウネウネと泳ぐスネークロールアクションです。上からながめる姿は、水面をフラフラと移動するイナッコそのもの。リトリーブ中にバイトを待つあまり、息を呑んでしまうアングラーも多いことでしょう。
アクションだけでなく、遠くのシーバスにもアピールができるようにと甘いラトルサウンドを搭載。強いアピールと存在感は実績を積み上げるには十分すぎる要素です。
群を抜く飛距離
クロスウェイクにはダイワの重心移動システム『マグロック』が搭載され、同ジャンルのルアーでは圧倒的な飛距離を実現させています。自動でウエイトコントロールを行う構造が取られ、キャストでは後方・リトリーブ開始でセンターウエイトへと移行。ウエイト移動に不安がある場合は、着水後軽いトゥィッチをしてみましょう。
厳選!おすすめカラー5選
モアザンブランドのルアーの中でも、特徴的なカラーが目立つクロスウェイク。思考を凝らした美しい彩色には、グローブライド社の本気が伺えます。恐れ多い話ですが、編集部で厳選した5色を紹介させていただきます。カラー選びの参考にしてみてください。
半々チャート
シーバスルアーには珍しい、チャートイエローとクリアチャートのハーフ。メディアやアングラー間で大きな話題を生み、一時品薄が続いた人気のカラーです。光を透過する下半身からは、明暗部分のドリフトでは大役を担うことが容易に予想できますね。茨城県の涸沼では実績カラーといわれるため、釣行の際は持参をおすすめします。
干潟ゴーストピンク
水面付近が主戦場のルアーとクリアカラーの相性は抜群です。光の透過により、水中からの見え方はぼんやりと浮かぶ幽霊のよう。シーバスからは【何か分からない物体がおいしそうな動きで泳いでいる】と見えてしまうのかもしれませんね。
夕まずめ
3色に分かれたホログラムボディ。名の通り夕日を浴びることで、各色がそれぞれの反射を見せるカラーです。他のルアーには見られない色合いもひとつのポイント。シーバスだけでなく、珍しいルアーカラーに目がないアングラーは思わず飛びついてしまうことでしょう。
ゴールドグローイナッコ
イナッコ系の色合いとは一味違います。背面・エラはモアザンブランドで人気の3Dボラカラーを彷彿とさせますが、大きく異なるのは両面にあしらわれたゴールドとシルバーのツートンカラー。まぶしいほどのフラッシングは、腹を見せながら泳ぐローリングアクションでの明滅アクションに期待が持てますね。
トランスコノシロ
リアル系のコノシロカラーですが、気になるのは腹部のハーフクリア。水中で下から眺めたことを想像してみてください。光の屈折により、ローリング時のぼんやりとした明滅が読み取れることでしょう。カラーは普段信じられないアングラーも、光の加減には信憑性を感じられるはず。気になる方はぜひ手に取ってみてください。
シリーズラインナップ
クロスウェイクのラインナップは5種類。サイズ違いはもちろんのこと、使い分けが可能なシンキングモデルも存在します。各モデルの特徴を見ていきましょう。
75F-SSR
クロスウェイクのミニマムサイズ。2018年に発売されたシリーズの中でも新しいモデルです。ハクや稚鮎にも合わせやすいサイズ感から、初夏のシーズンは大きな期待が持てそうです。
ダイワ モアザン クロスウェイク 75F-SSR
90F-SSR
湾奥サイズといわれる90ミリの小型クロスウェイクです。メーカー表記の平均飛距離は驚きの52.8メートル。同サイズの表層系ルアーでも群を抜いた飛距離といえるでしょう。スイムレンジは~30センチをロッド角度とリトリーブ速度で調整可能です。
ダイワ モアザン クロスウェイク 90FSSR
110F-SSR
クロスウェイクのスタンダードモデル。平均飛距離56.9メートル、スイムレンジは90Fと同等のレンジ設計のルアーです。夏~秋のイナッコパターンの主戦力として扱うアングラーも多いことでしょう。
ダイワ モアザン クロスウェイク 111FSSR
140F-SSR
クロスウェイクシリーズの最大モデル。他3サイズと大きく異なるのは水面~約50センチと、スイムレンジが広くなっている点です。ロッド角度・リトリーブ速度で30~50センチの絶妙なレンジ操作が可能なのは強みといえるでしょう。自重約30グラムとヘビーウェイトなため、MLクラス以上のロッドで用いるようにしましょう。
ダイワ モアザン クロスウェイク 140F−SSR
シンキングモデル
クロスウェイクのシンキングモデルは潜行レンジ約30~120センチの設計。磯ヒラ・磯マルはもちろん、ヒラメにも対応が可能なシンキングミノータイプです。ラインナップは90Sと111Sの2サイズ。水面に出きらないシビアな状況でも、大きな活躍が期待できることでしょう。
ダイワ モアザン クロスウェイク 90S
ダイワ モアザン クロスウェイク111S
モンスターウェイク156F
モンスターウェイクはシリーズ最大のビッグベイト。落ち鮎・コノシロ・ボラなど、大型ベイトを捕食するシーバスを攻略するために生まれたルアーです。ランカーキラーとしての異名を持ち、一部地域では冬季のシークレットルアーとされるほどの実力。自重40グラムは通常のシーバスロッドでは扱うことは困難なため、ウエイト適合可能なロッドを用いるようにしましょう。
ダイワ モアザン モンスターウェイク 156F
禁忌?クロスウェイクとあのルアー達を比較してみた
シーバスルアーの中でも定番化しつつある、水面ウネウネ系ウェイクベイト。狙ったアクションを出すために、似た形状のものになってしまうことは往々にあります。クロスウェイクと見た目は似ていても、特徴が大きく異なる3つのルアーと比較してみましょう。
エスフォー11
エフテック社から販売されているウェイクベイトの先駆け的ルアー。111ミリ/15グラムのスペックですが、スイムレンジは最大で20センチまでに設計されています。
重心移動は搭載されているのものの、マグロック搭載のクロスウェイクと比べれば飛距離は劣りがち。しかし、より水面を意識したルアーがエスフォー11。スプラッシュ&ダイブアクションなどのトップレンジアクションにも応えられることが強みといえるでしょう。
アガケ95F/120F
シマノ社のエクスセンスブランドより販売されている、後発のウェイクベイトです。サイズラインナップは、クロスウェイクには見られない95ミリと120ミリの2サイズ。アガケのメーカー表記の平均飛距離は95F/40メートル、120F/50メートルと若干劣ってしまうことが見受けられます。
しかし、エクスセンスルアーの強みはAR-Cシェルの発泡ボディ。高浮力で低感性、泳ぎだしの良さ・安定性はアガケに軍配が上がるでしょう。
コモモⅡ110
アムズデザイン社(アイマ)から販売されているウェイクベイト。コモモⅡはクロスウェイクと大きく異なり、前述のエスフォーに近いトップレンジルアーです。浮力抜群で水面下20センチまでをメインフィールドにしていますが、フック番手は強気の#3。磯ヒラ・磯マルゲームにも最適なルアーといえるでしょう。
クロスウェイクの使い方
クロスウェイクはダイワ所属のエキスパート達が幾度によるテストを重ね、釣れる要素を詰め込んだルアー。高いポテンシャルを秘めているだけに、使い方は必ず抑えておきたいところでしょう。このルアーの良さをより引き出す使い方とは、どのようなものでしょうか?
リトリーブスピード
メーカー表記にもあるように、真価はデッドスローリトリーブの水面引き波アクションです。ハンドル1回転/3秒以上の巻き取りでも十分。手元に【巻き抵抗がぎりぎりで伝わらない速度】を意識して使用してみましょう。
ドリフト
上流側へ投げ、アップドリフトで流れに乗せながら泳がせることが基本。ルアー先行ではアクションが強すぎることもあるため、ライン先行のスラッグコントロールで扱うことがポイントとなるでしょう。流し込みたいヨレや反転流に差し掛かった瞬間には、リトリーブをステイ気味にすることも効果的ですよ。
対イナッコパターンの秘密兵器として
クロスウェイクは茨城県涸沼のイナッコパターン攻略を基に生まれたルアー。最も得意とする状況なだけに、使い方は至ってシンプルといえるでしょう。大切になるのはトレースコース。群れの端や切れ目を狙い、はぐれてしまったイナッコを演出することがおすすめです。
定番ルアーといわれるのは理由がある
ロコアングラーの間でも定番ルアーとして扱われることも多いルアー。定番化せずに消えていく作品が多い中、こうして人気を集め続けるのはそれなりの理由があります。あなたもクロスウェイクが選ばれる理由を手にとって感じてみませんか?