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「今来たところです」——釣り人がつく15の嘘を覗いてみよう。

「今来たところです」——釣り人がつく15の嘘を覗いてみよう。

釣り人は、少しの嘘と、たくさんの夢でできている。

釣れなかった日も、釣れたことにして語るのは、誰かと同じ景色を見たかったから。

本当のことより、そうであってほしいことを語る——そんな瞬間に、釣りという遊びの“人間らしさ”が滲みます。

今回は、そんな“釣り人の嘘”を15の断片で覗いてみましょう。

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

私が最初に出会った“釣りの嘘”

筆者が幼心に感じた“釣りの嘘”は、湖にほど近い、今はなき釣具店でのことでした。

当時、中学生だった私は、アメリカからやってきたであろう、やけにカラフルなワームを指して「これ、釣れるんですか?」と店主に聞きました。

すると店主は腕を組みながら、「釣れるよ」と無愛想に言いました。

隣のルアーを指しても「釣れるよ」。

棚の奥で埃を被っている巨大なルアーを指しても「釣れるよ」。

そう、その店に並ぶものすべてが、店主にとっては“釣れるルアー”だったのです。

確かに、ルアーである以上、いつかどこかで魚を連れてくる瞬間はあるでしょう。

でも、子どもの私は心のどこかで思ったのです。

——「それじゃトンチじゃないか」と。

そして極めつけは、ボート屋の親父の口癖でした。

「昨日までは釣れてたんだけどね〜」

その言葉を、私は湖畔で何度も聞きました。きっと、年がら年中そう言っているのでしょう。

帰り道、悪ぶった友達が、顎をしゃくれさせ、野太い声でそのセリフを真似しました。

僕らは、長くて暗いその道に飲み込まれないように、笑いながら、必死で明るいふりをしていたのです。

その後、私は大人になりました。

「このルアーだから釣れたんだ」——そんな嘘を何度も聞き、気づけば、私もまた、その輪の中にいました。

釣具店の片隅の水槽で泳いでいたブラックバスのように、私は、世界の広さも、他人の優しさも知らなかった。

だからこそ、嘘に惑わされ、嘘に救われもしたのです。

嘘はいけない。そう教わってきました。

けれど、サンタクロースを信じる子どもの枕元に、そっとプレゼントを置くあの瞬間にも、たしかにひとつの“嘘”が息づいているのです。

その嘘を悪と呼ぶなら、この世界は、少しばかり寂しすぎやしないでしょうか。

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そして今、改めて思うのです。

夢を語ったり、嘘をついたりするには、釣りという世界は、あまりにも完璧すぎると。

釣り人がつく15の嘘

さて、筆者の淡い回想はここまで。

お楽しみの「あるある」タ〜イム行ってみよう!

1.今来たところです〜

「釣れますか?」と釣り場で声をかけられた瞬間につく、定番の嘘です。

本当は夜明け前から来ていて、既に2時間ほどノーバイト。

この一言には、釣り人のプライドと未練が詰まっているのです。

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稀に、本当に今来た時があるから厄介です。

さらに、本当は釣れてるのに、それを明言すると好ポイントであることが知られてしまうため、濁す意味合いを込めて使う場合もあります。

2.釣れないっすねぇ〜(本当はめっちゃアタってる)

さっきから何度もアタリがあるのに、平然を装って放つ一言です。

隣の釣り人に気づかれたくない、でも自分のテンションはバレたくない──そんな時に出てしまいます。

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「釣れないっすねぇ〜」

この一言は、情報戦と駆け引きが交錯する、釣り人のポーカーフェイスなのです。

3.向こうにめっちゃ魚(ベイト)いましたよ〜

「こっちには来ないでくれ」と心の中で願いながら放たれる言葉です。

なぜなら、今まさに自分の目の前が“釣れそうな雰囲気”に包まれているからです。

他の釣り人が近づいてくると、その空気が壊れてしまいそうで怖い。

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だから、つい「向こうが熱いですよ!」とやんわり誘導してしまうのです。

4.ラスト1投!

100%の釣り人がつく嘘です。

これほど信用できない言葉もありません。

釣り人にとって「最後」は“終わり”ではなく、“奇跡を期待する儀式”なのです。

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この一言を口にした瞬間、なぜか魚が釣れる気がしてなりません。

やめられない理由が、まさにここにあるのです。

5.中古だよ〜(震え)

本当は新品で買ったのに、妻に「また買ったの?」と聞かれたら、こう言わざるを得ません。

声がわずかに震えるのは、やましさではなく、生存本能です。

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釣り人にとって“中古”という言葉は、財布と家庭を同時に守るための防御呪文なのです。

6.前から持ってたよ〜(震え)

妻に「新しいリール?」と突っ込まれたら、こう言わざるを得ません。

新品の輝きを“前からある感”でごまかすことで、家庭内の平和を守ります。

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釣り人にとってこの言葉は、愛と隠蔽のギリギリを渡る最終防衛ラインなのです。

7.友達にもらったんだよ〜(震え)

妻に「なんか釣具、増えてない?」と突っ込まれたら、こう言わざるを得ません。

嘘にリアルさを出すために、「友達が釣り引退するんだよ」と付け加えると、高確率で「あなたも引退したら?」と返されますのでご注意ください。

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それでも、“友達にもらった”という言葉には、レシートよりも強い証明力があるのです。

釣り人の家庭防衛において、これは最後の免罪符なのです。

8.サクッと1本/短時間釣行/ちょろ寄り

SNSでよく見かける常套句です。

血の滲むような努力と、費やした時間をなかったことにしてしまいます。

どこか、学生時代の試験前の「俺全然勉強していないわ〜」に通じるものがあります。

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“サクッと”の裏には、夜明け前からの準備、数え切れないボウズの日々が隠れています。

9.水中に引きずり込まれるかと思った/竿折れるかと思った

実際に引きずり込まれたり、竿が折れるほどの巨大魚は、そうそう釣れるものではありません。

それでも釣り場やSNSでは、このセリフがあふれています。

魚のサイズに比例して、釣り人の語りもスケールアップするのです。

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この言葉には、“あの一瞬の興奮をもう一度味わいたい”という願望が込められています。

10.オッシャー!(ルアー名叫び)ね!(ルアー名)だから釣れた魚!

プロの常套句です。

だって、実際にそのルアーだから釣れたのかどうかなんて、実証のしようがありません。

魚はそのルアーを狙っていたのか、たまたま通りかかっただけなのか、誰にもわからないのです。

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嘘というより、釣り人の自己暗示。

そしてたぶん、それを含めて釣りという遊びなのです。

11.うわ〜あと1cmでランカーだったのにぃ〜(周囲の反応をチラッ)

本当は嬉しいのです。でも残念なフリをする。

でも“あと1cmでランカー”ということで、十分な大物であることをさりげなくアピールできます。

釣り人にとって「惜しい」は、「すごい」とほぼ同義。

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悔しがりながら周囲をチラッと見るその瞬間、内心では誰よりも誇らしいのです。

12.あ〜、あるある!⚪︎cmあるよ!(後ろにズラせば)

厳密に測れば0.5cm足りないのですが、「ランカーでいいや、うん!」と自分に言い聞かせてしまいます。

魚をビヨーンと伸ばせない代わりに、メジャーでの計測時は、魚の口の位置がじわじわと後ろに下がっていくのです。

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釣り人にとって“ランカー”とは、もはや数字ではなく気持ちの単位なのです。

13.そのルアーめっちゃ釣れるよ!

本当は数匹しか釣っていないのに、「めっちゃ釣れる」と断言してしまいます。

だって実際に釣れたのだから、きっと“めっちゃ釣れる”に違いないのです。

釣り人は、たった数匹の成功を永遠の再現性に変えてしまう天才かもしれません。

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1匹釣れると、同じルアーを釣具屋に買いに走る。そして使わないルアーがどんどん増えていくのです。

14.今月はもう釣具買わない!

──それは、釣り人の誓いというより、“自分への裏切りの予告”です。

財布の中身が警戒する中、釣具屋の新製品コーナーが誘惑してきます。

「今月はもう買わない」と宣言することで、自分を一瞬でも正当化できるのです。

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そして翌日には、「必要経費だから」「消耗品だから」と言いながら、カゴの中に新しいルアーが入っています。

15. おめでとうございます〜!

本当は悔しいのです。

でも、どんなに眠くて不機嫌でも、人に会えば「おはよう」というのがマナーであるように、釣り人にも“礼儀”があります。

たとえ心の中で「なんで俺じゃないんだ!」と叫んでいても、口から出るのは「おめでとうございます〜!」という祝福の言葉。

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そう、釣り人は悔しさを礼儀と笑顔で包み込む生き物なのです。

嘘はどこから始まり、どこまでが夢なのか。

最初にルアーを見た時、こんな偽物のエサで魚が釣れるなんて——嘘みたいだと思いました。

けれど、竿を握るうちに気づいたのです。

自分の手と経験で、その“嘘”を少しずつ“本当”に変えていくことに、どうしようもなく夢中になっている自分に。

そして気づけば、私も含め、多くの人がこの嘘に酔い、嘘を愛しているのです。

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そして今日もまた、その嘘に付き合ってくれる魚たちに、静かに感謝して。

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