74UL-S・Q ~絃(GEN)~をインプレ
74UL-S・Q ~絃(GEN)~は、小型プラグやジグヘッドリグの遠投に適したモデルです。
“ラインテンションを操ってルアーの動きや軌道を自在に変える。”と記されている通り、繊細さを求めたロングロッド。
先ほどの510UL-Sも74UL-Sも同じUL-Sですが、まったくの別物。
ティップを見てみると、74UL-Sはソリッドセクションが長く、それに伴ってガイドの間隔も短かくなっています。
こうして細部を見れば、1本1本のロッドにしっかりコンセプトがあり、作り手の意思がよくわかりますね。
510UL-Sと同じく、やはりとてつもない軽さです。
51gという軽さで、7ft4inの長さを感じません。
20ルビアスFC LT2000Sをセッティングすると、重心位置はフロントグリップとブランクの境目ぐらいでした。
長くて柔らかい竿ながらキャストフィールも良く、クイックなモーションで投げてもダルさを感じません!
軽いルアーのウエイトも乗せやすく、よく飛んでいます。
また、ベリーからバットの反発が強いので、メバリングで多用する3〜4g程度のプラグも投げやすいですね。
ルアーをアクションさせてみたら、510UL-Sに比べるとティップがかなり入ることがわかります。
恐らく、ティップのガイドの間隔が短いのは、しなやかに曲がる穂先に糸を沿わせるためでしょう。
とくに“ティップの仕事”に注目したいと思います!
まずはデイゲームから!
ルビアスFC LT 2000SにPE0.3号を巻き、1.5gのジグヘッドで五目釣りを楽しもうと思います。
7ft4inの長さを活かし、シャローエリアで遠投しながらボトム付近をリトリーブで探っていきます。
510UL-Sよりも飛ぶので探れる場所も少し変わり、早速ヨコスジフエダイをキャッチ!
同じように釣り続けていると、コッパグレもヒット。
10cmにも満たないサイズでしたが、アタリは明確に出てフッキングもバッチリ!
次は根魚を狙おうと、目に見える障害物周りを入念に探ると、20cmちょっとのタケノコメバルをキャッチ!
ロッドが長い分だけロッドワークでリトリーブコースを変えられるので、障害物周りの釣りがとてもしやすいですね。
暗くなってきたのでここからはアジを狙うことに。
夕マズメになると中アジが沖のブレイクラインを回遊し始めます。
「そろそろかな〜」と思ったタイミングで、幸先よく20cmほどのアジがヒット!
流れが効いている沖の潮上に投げ、半ドリフトのような感じで底付近をリトリーブしていると穂先がコンッと入りました。
ティップが柔らかいので「フッキング決まるかな〜」とやや不安でしたが、問題なさそう。
バイト時や反転した時には穂先がクッと入り、510UL-Sよりも一段深い位置でバシッと気持ちの良いフッキングが決まります!
回遊が一瞬だったので数は伸びませんでしたが、20cmを超えるサイズも混じったので満足。
沖のブレイクまで飛ばし、そこからジグヘッドをコントロールしながら流して少ないバイトを拾えたのが良かったですね。
長いのに操作性抜群
7ft4inの軟調長尺ロッドですが、ダルさはまったく無くてシャープな操作感が非常に好印象。
ティップが柔らかくてベリー以下は張りが強くなっているので、ジグ単ロッドをそのまま延長させたような操作感です。
もちろん自重51gの抜群の軽さも効いています。
ソリッドティップのセッティングが絶妙
やっぱり、このロッドのキモとなるのはソリッドティップのセッティングでした!
曲がり方、曲がり幅が絶妙で、ラインテンションのコントロールがとてもしやすいです。
これがもう少し硬いと、ロッドワークでトレースコースやレンジを変えようとした時にルアーを動かし過ぎてしまうので、人間側がシビアな動作を要求されるんですよね。
かと言って、ぐにゃぐにゃにすると操作性や感度を損なってしまうので……。本当に絶妙なんです(笑)
また、しなやかなロングソリッドゆえにAGSの恩恵も大きくなっていると想像できます。ティップはガイド数が多いので、同じソリッドティップでもガイドがわずかに重いだけで一気にダルくなってしまうはずです。
バットパワーがとてつもない
500mlのペットボトルをリフトしてみたところ、難なく持ち上がりました!
これだけのパワーと強度があれば、不意のシーバスやチヌにもしっかり対応できるでしょう。
いや、むしろ狙って釣ってみたくなるはずです(笑)
510UL-Sと比較すると、バットの太さが一回りほど違います。
これは単純に、竿が長い分だけ後ろ(バット)が長くなっているってことですね。シンプルに、長さは強さです。
言い換えると、繊細な穂先と強靭なバットを同居させられるのは、ロングロッドのメリットといえますね。
巻きの釣りを極めた1本でした!
74UL-Sを総括すると、巻きの釣りを極めた1本でした!
軽くて竿を捌きやすく、感度も良く、繊細なラインテンションのコントロールもでき、ハイレベルなリトリーブ主体の釣りが可能です。
ただ投げてリールを巻くだけではなく、その先の世界を見させてくれるロッドでしたね。
お値段以上の価値がある!
6万円のハイエンドロッドながら、その使用感はお値段以上でした!
2本ともロッドから明確なコンセプトが伝わり、トータルバランスに優れているのが素晴らしいですね。
ライトゲームが好きな方には、ぜひ使ってもらいたいロッドです!
ダイワ 月下美人EX 510UL-S・Q ~麗(REI)~
ダイワ 月下美人EX 66L-S・Q ~凛(RIN)~
ダイワ 月下美人EX 68L-T・Q ~冴(SAE)~
ダイワ 月下美人EX 74UL-S・Q ~絃(GEN)~