エレキについて
エレキとは「エレクトリック・トローリング・モーター」の略称。
バスボートやアルミボートなど小型ボートに取り付けて、足や手で手軽に操船できる優れものです。
2003年に船舶免許の条件が緩和され、出力1.5キロワット(約2馬力)未満のエレキかつ、全長3メートル未満のボートであれば免許なしでも操船することできるようになり、より一層バスファンに親しまれるようになったアイテムでもあります。
エレキの種類
エレキには「フットコン」と「ハンドコン」の2種類があります。
まずは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを知り、自分に合ったエレキを選んでみてください。
フットコン
フットコンとは「フットコントロール」の略で、ペダルを足で操作しながらエレキを動かす種類のことを指します。
フットコンは両手が自由に動かせるので、ボートを進めながら釣りが出来ることが大きなメリットです。
デメリットとしてはハンドコンよりも価格が高いことやボートへの取り付けが複雑といったことが挙げられます。またペダル操作に少し慣れが必要です。
ハンドコン
ハンドコンとは「ハンドコントロール」の略で、ハンドルを手で操作しながらエレキを動かす種類のことを指します。
メリットは操作が簡単なこと、取り付けがクランプなどで簡単に行えること、価格が安いことが挙げられます。
一方で操作時には片手がふさがってしまうので、エレキを操作しながら釣りをすることは難しいです。
エレキの選び方
エレキを選ぶ際には種類の他にも選ぶポイントがいくつもあり、使用するボートなど必要な条件によって選び方が変わってきます。
選び方のポイントは以下を参考にしてみてください。
推進力
エレキの推進力はポンド(Lbs)で表され、数字が大きくなるほど進む力が強くなります。
推進力はボートの大きさを基準として適切なものを選ぶ必要があり、また推進力が高くなると必要な電圧(V)が増えることも考慮して選ばなくてはなりません。
▼バッテリーについて
エレキは製品によって、必要となるボルト数が12・24・36と異なります。
ボルト数に対するバッテリーは、例えば24ボルトのエレキでは、24ボルトのバッテリーを1個使うか、12ボルトのバッテリーを2個使って動かすかといった形になります。
エレキでどの推進力を選ぶか決める際は、必要となるバッテリーについても考えるようにしましょう。
シャフト長
エレキ選びの際にはシャフト長にも注目しておきましょう。
シャフトは短すぎるとエレキのプロペラが水面から出てしまったり、逆に長すぎると投げるときの邪魔になることがあります。現在市販されているエレキのシャフト長は、30インチから60インチまであります。
目安としては36インチが標準的なローボートやインフレータブルボート、42インチがアルミボート、50インチ以上のものはバスボート向けといった目安で選んでみてください。
プロペラの形状
エレキのプロペラには2枚と3枚のものがあります。
プロペラが2枚のものは自重が軽く抵抗が少ないため、動きの立ち上がりが良くスピード感ある細かな操作がしやすいです。またプロペラの枚数が少ない分、水草などのゴミが絡みにくいこともメリットとなっています。
プロペラが3枚のものは、安定的で強い推進力を得られるのが特徴です。一方で水草などゴミの絡みやすさは、プロペラが2枚のものに比べると多くなります。
変速機能
エレキにはスピードを調整するための変速機能が付いています。変速機には3段や5段のように変速スピードが決まっているものと、無段階変速のものがあります。
変速スピードが決まっているものは価格が安いことがメリット、無段階変速のものは価格が高くなりますが細かなスピード調整ができ、流れや風があってもボートを一定の場所にステイさせやすいメリットがあります。
おすすめのエレキ
ここでは各メーカーからおすすめのエレキをピックアップしてご紹介します。
種類の違いと必要とする機能を重視しつつ、予算とも相談しながら自分に合ったエレキを見つけてみましょう。
フットコン
▼ミンコタ エッジ
ミンコタのエッジは、幅広いラインナップと持ち運びやすさが魅力。
ポンド数のラインナップは45・55・70です。基本ラインナップの変速は5段階ですが、日本オリジナルモデルでバッテリー消費時間も長い無段階変速「EDGE MAXXUM」も発売されています。価格もお手頃でフットコン入門に最適な製品です。
▼モーターガイド X3
X3はモーターガイド社エントリーモデルのフットコン。
上位機種X5譲りの「VRSテクノロジー」や「新型コンポジットシャフト」の採用で、エントリーモデルとして最高クラスのパフォーマンスを発揮してくれます。
ポンド数は45・55・70で、変速は5段階と無段階がラインナップされています。
▼モーターガイド Xi5
ペダルとエレキ本体がワイヤレスとなっているXi5。
ペダルとエレキを繋ぐケーブルが無くなるため、ボート上のどこからでもペダル操作出来ることが最大のメリットです。
ポンド数のラインナップは55・80・105といずれもハイパワー。さらには振動子内蔵モデルやGPS対応モデルまでと、ハイレベルなアングラーも納得のフルラインナップとなっています。
ハンドコン
▼ラコメタ エレキモーター
ラコメタ エレキモーターは低価格なハンドコン入門におすすめの製品です。
船尾に取り付ける「通常タイプ」と船首に取り付ける「Fタイプ」があるので、用途に応じて選んでみてください。
ポンド数は32・40・55・86の4つをラインナップ。変速は前進5速・後進3速となっています。
▼ミンコタ ENDURA MAX
ENDURA MAXは、無段階変速でスピード調整がしやすいハンドコン。
下位のモデルで5段階変速の「ENDURA C2」と比べると、最大で約5倍バッテリーが長持ちします。
ポンド数は40・45・55で、シャフト長は全て36インチ。ローボートやインフレータブルボートでの釣りにおすすめです。
▼モーターガイド R5
ハイパワーが魅力のR5。ラインナップされているポンド数は70・80・105といずれもハイパワーなものとなっています。
また船外機禁止フィールドにおいて船外機の代わりとして使うのもおすすめ。
船尾にはR5を取り付け移動を行い、釣りの最中は船首に取り付けたフットコンで操船するなどの使い方も出来ます。
エレキでボートからの釣りを楽しもう!
手漕ぎや足漕ぎボートで釣りをして、体力的なツラさや操船のしにくさで大変な思いをした方も多いでしょう。
エレキがあれば移動や操船が楽になり、ボートからの釣りをより楽しみやすく、なりより釣果アップが期待出来ます。
今回ご紹介したポイントを踏まえ自分に合ったエレキを選び、ボートからの釣りを楽しんでみてください。