秋の釣りは、インナー選びが難しい

秋は朝と日中で気温が大きく変わり、服装に迷いやすい季節です。
ジャケットなら脱ぎ着して調整できますが、インナーは釣り場で簡単に替えられません。
朝の寒さを優先して選んだ結果、日中に暑さや蒸れを感じたり、汗をかいた後に冷えたりすることもあります。
こうした不快感は、気温だけでなく、釣行中にどれくらい動くかによっても変わります。
山下
インナーを選ぶ際は、暖かさに加えて、汗や湿気に対する素材の性質にも目を向けたいところです。
インナーの素材を見る前に知っておきたいこと
「暖かい」と「汗をかいても快適」は別

朝の冷え込みに備えるなら、暖かいインナーを選びたくなります。
ただ、釣り場まで歩いたり、日中に気温が上がったりする日は、汗をかいた後の着心地も気になるところです。
インナーには、水蒸気を取り込んで熱を生む「吸湿発熱」や、液体の汗を吸い取る「吸汗」、乾きやすさを示す「速乾」など、異なる働きがあります。
暖かさだけで選ばず、その日の釣りで汗をかきそうかまで考えることが、素材選びの出発点です。
汗をかいた後、なぜ冷える?

釣り場まで歩いている間は暑かったのに、竿を出してしばらくすると背中が冷える。
秋の釣りでは、そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。
汗が蒸発するときには、体の熱も一緒に奪われます。
歩くのをやめると体が生み出す熱が減るため、汗で濡れたインナーが肌に触れたままだと、冷えを感じやすくなります。
山下
朝は暖かく感じたインナーでも、汗をかく日の釣りでは、その後の着心地まで考えて選びたいところです。
秋の釣りに適した素材・機能の特徴
ポリエステル系|動く日や気温が上がる日に

歩いて釣り場を探す日や、日中は暖かくなりそうな日には、ポリエステル系のインナーが候補になります。
繊維そのものは水分を含みにくく、吸汗速乾性を備えた製品なら、汗をかいた後も乾きやすいのが特徴です。
朝の冷え込みには、脱ぎ着できる上着を重ねると対応しやすいでしょう。
山下
ただし、ポリエステル製なら何でも同じではありません。
薄手か中厚手か、吸汗速乾性があるかを見て、その日の釣りに合う一枚を選んでください。
メリノウール系|冷える時間が長い日に

朝の冷え込みが強く、釣り場でも寒い時間が長そうなら、メリノウール系が候補です。
ウールは湿気を繊維の内部に取り込み、肌に触れる表面を比較的さらりと保ちやすい素材です。
少し汗ばむ程度なら、暖かさと着心地を両立しやすいでしょう。
山下
厚手のメリノウールは、汗をかくと乾くまで時間がかかる場合もあります。
秋は薄手を基本に、寒さを感じたら上着を重ねる着方が使いやすいでしょう。
発熱インナー|動きが少ない寒い日に

寒い釣り場で、あまり動かずに竿を出す日には、吸湿発熱機能を謳う化学繊維系のインナーも候補になります。
体から出る湿気を利用して暖かさを生むインナーで、薄手の製品なら重ね着もしやすいでしょう。
一方で、釣り場まで長く歩く日や、日中に気温が上がる日は、発熱インナーを着ていると汗ばむこともあります。
山下
ユニクロの「ヒートテック」などに使われているレーヨンは水分を含みやすく、汗を多くかいた後は乾くまで時間がかかる場合があります。
動きが多い日には、速乾性を備えたインナーのほうが使いやすいでしょう。
釣り方や天候に合わせたレイヤード例

インナーの特徴が分かっても、実際に何を重ねるかは釣行によって変わります。
ここでは、動く量や天候が異なる3つの場面を例に、秋の着方を紹介します。
ランガンするオカッパリ

ランガンでは、釣りを始める前の移動だけでも汗をかくことがあります。
肌には薄手の吸汗速乾インナーを着用し、その上に長袖シャツ、外側には脱ぎ着しやすいジャケットを合わせるのがおすすめです。
歩き始めて暑くなったら、汗をかく前にジャケットを脱ぎます。
釣り場で立ち止まり、寒さを感じたときに再び羽織れば、行動量の変化にも対応しやすいでしょう。
動きの少ない船釣り

船釣りでは、釣り座に着いてから長時間同じ場所で竿を出すこともあります。
冷え込む日は、薄手のメリノウール系や発熱インナーにTシャツまたはフリースを合わせ、外側には風を防げるジャケットを着用するといいでしょう。
出船前の荷物運びで汗をかきそうなら、準備中はジャケットを脱いでおくのも一つの方法です。
船が走り始める前に着直せば、準備中の暑さと移動時の冷たい風の両方に対応できます。
雨の日の釣り

雨の日はレインウェアを着続けることが多く、気温が低くても歩いているうちに内側が蒸れる場合があります。
薄手の吸汗速乾インナーを肌に直接着て、寒さに応じて中間着を一枚加える組み合わせなら、着込みすぎを避けやすいでしょう。
暑くなった際は、雨の当たらない場所で中間着を脱ぐなどして調整します。
山下
レインウェアの内側が濡れているときは、雨の浸入だけでなく汗が原因のことも。
雨を防ぐことに加え、内側を蒸れさせない着方も意識したいところです。
秋の釣りに使いたいインナー5選
フォックスファイヤー TS EXストレッチクルーS/S
| サイズ | S-XL |
|---|
フォックスファイヤーの吸汗速乾素材であるトランスウエットを使用した半袖Tシャツ。
さらりとした肌触りに加え、ストレッチ性も備えています。
秋は長袖シャツやジャケットの下に着用すれば、朝の冷え込みには上着で対応しつつ、日中に歩いて汗をかく釣りにも使いやすい一枚です。
ファイントラック ドライレイヤーベーシックロングスリーブ
| サイズ | S-XL |
|---|
ファイントラックの肌に直接着る薄手のメッシュインナー。
汗がメッシュの孔を通って上に着た吸汗速乾シャツに吸収され、撥水性のある生地が肌への濡れ戻りを抑えます。
釣り場まで歩いて汗をかいた後や、日中に気温が上がる秋の釣りで、肌のベタつきや汗冷えを軽減してくれます。
ワークマンのメリノウールを100%使用した長袖インナーです。
吸湿性と保温性を備え、朝の冷え込みが強い日や、動く時間の少ない船釣りに向いています。
ラグラン袖で腕を動かしやすいのもポイント。税込1,900円なので、メリノウールを試してみたい人にも取り入れやすい価格です。
ミズノ 365オールインワン メリノウール クルーネック長袖シャツ
| サイズ | S-XL |
|---|
メリノウール50%とポリエステル50%を組み合わせた長袖Tシャツ。
肌側にメッシュ状のポリエステル、表側にメリノウールを配した二層構造で、汗の拡散と乾きやすさに配慮されています。
朝は冷え込み、日中は歩いて汗をかく秋の釣りで、インナーとしても一枚着としても使えます。
フリーノット 光電子 レイヤーテック アンダーシャツ 薄手
| サイズ | M-3L |
|---|
体温を利用した保温素材「光電子®」を採用した、薄手の長袖インナー。
肌側には微起毛加工を施し、暖かな着心地を実現。
吸汗速乾性も備えており、朝の冷え込みに備えつつ、釣行中の汗にも配慮したい日に候補になります。
秋のインナーは、その日の過ごし方に合わせて

秋の釣りでは、朝の寒さだけでインナーを選ぶと、日中の暑さや汗に悩まされることがあります。
釣り場でどれくらい動くか、気温がどう変わるかまで考えると、自分に合う素材を選びやすくなるでしょう。
インナーは釣り場で簡単に替えられないため、その日の気温や運動量を考えて選ぶことが大切です。
山下
寒さは上着で調整しつつ、汗をかいた後も快適に過ごせるインナーを選んでみてください。
撮影:山下洋太
