タフ&ハイレスポンスの名機に大型モデルが出た!

大径ギアを内包したモノコックボディとZAIONローターで、強さと軽快な巻きごこちを両立した名機として人気を集める19セルテート。
そんなリールに、ショア・オフショアをはじめとするビッグゲーム対応の大型番手「セルテートSW」が2021年に登場しました。
19セルテートの基本コンセプトは継承しつつ、更なるパワーアップを遂げた注目の大型リールを編集部Kと編集部Mが全力でインプレしていきます!
21セルテートSWのスペックと特徴をおさらい

パッと見のデザインはほんとにでっかくなった19セルテート。
しかしその中身はビッグゲームに対応した数々の機構がこれでもかと盛り込まれ、完全に別物のリールに仕上がっています。
モノコックボディ+G1ジュラルミンギア

ボディ構造とギアは20ソルティガでも採用されている金属製モノコックボディ&G1ジュラルミンタフデジギア。
モノコックボディは高負荷がかかっても歪みにくく防水性抜群。さらにデッドスペースが少なく、その大部分がギアケースとして機能しています。
そこに収まるギアは大径かつ肉厚な超高強度アルミ素材。パワーゲームで必須となる、強力な巻き上げパワーを発生させる源泉がここにあります。
ZAIONエアローター

ローターは高強度樹脂素材のZAION製。
強度は確保されつつも軽量なため、巻き出しが軽くメリハリの効いたリトリーブを可能にしています。
マグシールド

メインシャフト部及びラインローラーのボールベアリングはマグシールド仕様。
外海で塩分濃度の高い海水を浴びる事も多いショア・オフショアゲームでも、思い切り使える耐水機構です。
ATD

ファイト中でも操作しやすい大型ノブを採用したドラグはATDを採用。
ドラグワッシャーは中型サイズで7枚、大型サイズで9枚が設定され、最大ドラグ力を高めつつ耐久性と放熱性もアップさせた新構造へアップデートされています。
タフエアベール

セルテートSWには、ダイワの十八番である軽量かつトラブルレスなエアベール構造を、さらにパワーアップさせたタフエアベールが搭載されています。
通常のエアベールよりも4倍肉厚なステンレス素材を使い、同重量のチタンソリッド素材の13倍もの耐久性を実現しています。
ローターブレーキ

ベールオープン時にはローターの回転を止めるローターブレーキを搭載。
特にキャスティングの釣りで発生しがちなキャスト時のベール戻りを防ぎ、安心して釣りに集中させてくれる機構です。
ラインナップ
| 品名(番手) | 巻取り長さ(cm) | ギア比 | 自重(g) | 最大ドラグ力(kg) | 糸巻き量 PE(号-m) | メーカー希望本体価格(円) |
| 8000-P | 92 | 4.8 | 615 | 25 | 3-400、4-300 | 73,800 |
| 8000-H | 111 | 5.8 | 625 | 25 | 3-400、4-300 | 73,800 |
| 10000-P | 98 | 4.8 | 620 | 25 | 4-400、5-300 | 73,800 |
| 10000-H | 118 | 5.8 | 630 | 25 | 4-400、5-300 | 73,800 |
| 14000-XH | 134 | 6.2 | 635 | 25 | 5-400、6-300 | 73,800 |
| 18000-H | 131 | 5.8 | 850 | 30 | 6-400、8-300 | 85,200 |
実売価格
市場での実売価格は、8000〜14000番が65,000円前後、18000番が72,000円前後といったところ。
ソルティガには手が届かないけど、それなりのリールを使っておきたいショア・オフショアアングラーのハートを掴む値ごろ感と言えそうです。
21セルテートSW 8000-Hを実釣でインプレしていく!
ローターやドラグを除けば、最上位リールのソルティガにも迫る勢いのスペックを有したセルテートSW。
果たしてどこまでやってくれちゃうリールなのか、8000-Hを使って玄界灘の青物ジギング&キャスティングでインプレしていきます!
軽快な巻き出しでシャクリも回収も楽ちん!

まずもって驚いたのが巻きだしの軽さ!6000番以上の大型スピニングリールとなると、巻き出しは少なからずモッタリしがちですがスルスル巻けます。
150〜180gのジグを使い、船長からボトムから40回はしゃくれという鬼タスクが与えられましたが、比較的楽に続ける事ができました(笑)
もちろん回収も楽々。モノコックボディ+大径ギア+ZAIONローターのバランスの良さを感じます。
巻き上げ剛性も特に不安なし

ZAIONローターって樹脂でしょ?それなりの青物掛けて大丈夫?なんて不安は魚を掛けてすぐに払拭されました。
ドラグを締め込んだ状態で4〜5kgのワラサを相手にしても全く巻き負ける様子なし!
ボディはもちろんローターもたわむ様子はなく、もう少しパワーのある魚でも戦える余力すら感じました。
キャスティングでもルアーが気持ちよく飛ぶ

ロッドを持ち替えてキャスティング性能も検証してみました。ラインシステムはPE3号+50lbナイロンリーダーで、ノットをスプールまで巻き込む設定。
スプールやガイドにラインが当たる音は静かで、30〜50g前後のダイペンが気持ちよく飛んでいきます。
ソルティガにも採用されたLC-ABS仕様のスプールはラインの放出性が高く、キャスティングの釣りでも必要な飛距離をしっかり出せていました。
ライントラブルはほぼ無し
2日間にわたる実釣中は、1台のセルテートSWをジギングとキャスティング両方で使用し続けましたが、ライントラブルはほとんど無し。
キャスティング中に一度エアノットがありましたが、引っ張れば解ける軽度のもの。
高切れなどの目立ったトラブルはなく、ラインマネジメントのレベルも高いリールであると言えます。
ATDのおかげで不意の突っ込みも怖くない

ATD仕様のドラグはほぼ新品という事もありスムーズで、出て欲しいタイミングで出て、耐えるところはしっかり耐えるメリハリの効いた挙動。
船べりで魚が急に突っ込んでもドラグがオートマチックに仕事をしてくれるから、落ち着いて魚をいなす事に集中できます。
ドラグ音は爆音!少々荒れててもよく聞こえる
ドラグサウンドは20ソルティガにも似た金属的でけたたましく鳴るタイプ。
風があったり、荒れた天候でフードをかぶっていてもしっかり耳に入る音量で、やり取りの状況把握も容易にしてくれそうです。
実際に使ってみた感想をまとめると
軽快さと剛性の高さのバランスが絶妙

実釣で感じたのはリーリングレスポンスの良さと剛性の高さ、さらにはキャスティング性能まで非常にいいバランスでまとまったリールということ。
こと「軽快さ」という面では、これまでのストロング&ヘビーな大型リールにはない特色かもしれません。
とにかくしゃくっても投げても疲れにくく、アングラーへの負担を減らしてくれる嬉しいリールです。
近海ジギング・キャスティングならベストバイ候補

ZAIONローターの剛性にやや不安があったものの、それ以上にモノコックボディと大径ギアの恩恵が大きいと感じました。
実釣で使用した8000番や、同じボディを使った10000番、14000番に関して言えば、近海ジギングまでの釣りであればなんら不足はなし。
軽快な巻き感や重量まで考慮すると、ソルティガをも凌ぐ近海ジギングのベストバイリールにもなりえそうです。
マグロ・大マサ相手のビッグゲームにはちょっと不安かも
一方でマグロやGT、20kg以上のヒラマサなどを狙う釣りも対象となる18000番の大型番手に関していうと、剛性や耐久性の面で不安が拭えないのも事実。
金属ローターや高耐久ドラグなど、数々の対ビッグフィッシュ機構を搭載した20ソルティガには流石に及ばない分野となりそうです。
設計はもとより製品名や型番表記まで刷新されたセルテートSW、どうだった?


最上位機種にも肉薄する新機軸なリールだった!

オフショア対応リールとして必要なタフさを持ちつつ、軽快な使い勝手で独自のキャラクターを確立させているセルテートSW。
ただの「最上位機種のダウングレード製品」ではなく、ゲームによってはベストチョイスとなる「新たな選択肢」として、明確な存在感を感じられるリールなのは間違いなさそうです!
ダイワ セルテート SW 8000-P
ダイワ セルテート SW 8000-H
ダイワ セルテート SW 10000-P
ダイワ セルテート SW 10000-H
ダイワ セルテート SW 14000-XH
ダイワ セルテート SW 18000-H








