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「ここ、釣り禁じゃないの?」警察拘束・高速逆走——危険すぎる怪魚遠征記。

「ここ、釣り禁じゃないの?」警察拘束・高速逆走——危険すぎる怪魚遠征記。

インドと聞いて思い浮かぶのは、カレー、ヨガ、数学、そして少し不安になるようなカオスな日常。

そんな国で、怪魚ハンター山根が初の釣行に挑みます。

警察に拘束される波乱の幕開けから、ダム直下でのワラゴアッツーとの激闘、クセの強すぎる現地ガイドとの攻防まで。

インドは本当に怪魚天国なのか? リアルすぎる釣行の全貌をお届けします。

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

世界一の人口を誇る大国——インド。

インドの街中の風景

インド共和国は人口世界1位、面積世界7位を誇る大国であり、総人口は14億人、人口密度は日本や中国よりも高く、世界2位となっています。

世界的なIT国家として急成長してきた一方で、今もなおカースト制度(現在禁止されているヒンドゥー教に基づく身分制度)の名残が根強く残っています。

二度と行きたくないと答える率9割?

バンガロールの街並み

僕のように旅人目線でイメージするインドは、トラブルが多くて計画通りいかない国。

ネット上では『二度と行きたくないと9割の人が感じる』なんて誇張したワードを目にすることもあるほどです。

山根

予想されるトラブルは、”食中毒” ”交通機関の遅延” ”ぼったくりや詐欺”などなど。

さて、どんな旅になるのでしょうか。

マニアックな3つのターゲット

インドで釣り上げられたスネークヘッド

南米や東アジアに比べると釣り目的で渡航する人が少ないインドですが、じつは淡水魚王国なんです。

大物どころではゴールデンマシールやバガリウスなど世界中のアングラーが夢に見る魚もいますし、汽水魚も含めると1000種類以上もの魚が生息していると言われており、インドの固有種も豊富です!

今回の釣行記でご紹介する対象魚は3つです!

▶︎ワラゴアッツー(Wallago attu

口裂けナマズと呼ばれる口裂けナマズ

一番の目標は口裂けオオナマズとも呼ばれる”ワラゴアッツー”。東南アジアから南アジアにかけて広く分布しています。

眼の後ろまで切れ込んだ大きな口が特徴でナマズ好きなら一度は釣ってみたいと思うフォルムです。

呼び名:ワラゴー

最大:130〜150cm

▶︎チャンナマルリウス(Channa marulius

ブルズアイスネークヘッドと呼ばれるマルリウス

チャンナマルリウスはトーマンや、日本にも生息するカムルチーと並び、“世界三大雷魚”とも称される大型淡水魚です。

シンガポールに住んでいた小学生時代に初めてトーマンを釣り、高校生活の夏は海部郡でカムルチー釣りにハマりこみ、そして遂にマルリウスに挑戦する時がやってきました。

呼び名:ブルズアイ、コブラスネークヘッド

最大:100〜110cm

▶︎カトラ(Labeo catla

インドの大衆魚であるカトラ

カトラという魚はフナのような形と生態を持つ大型魚で、最大30〜50kgほどまで成長するとされています。

主に微細な餌を食べるプランクトンフィーダーであり、ヌカやパン粉を使って釣っていきます。

インドでは釣りの対象魚としてだけでなく、主要な水産物として漁獲される魚です。

呼び名:カトラ

最大:120〜150cm

目指せ!サイババの街”プッタパルティ”

早速、警察に捕まる

デリー行きのフライト

LCCを上手く使いながらバンガロール(インド南部にあるカルナータカ州の州都)という都市を目指す中、経由地であるインドのニューデリー空港で想像の100倍を超えるトラブルが発生しました。

なんと、警察に一晩拘束されることに……。容疑は衛星通信機の不法所持。

数日間の拘束や裁判所への出廷、高額な罰金も覚悟しましたが、デリー在住の日本人の方に助けていただき、事なきを得ました。

警察署で差し出されたチャイ

拘束中に一杯だけ頂いた温かいチャイ。ホッとした瞬間でもありました。

山根

インドの法律を理解していなかったことを猛省しながら、フライトを取り直して目的地を目指します。

ネット環境にイライラ

バンガロールのバスターミナル

バンガロールでは現地SIMとeSIMの2枚体制にしていたにも関わらず、配車アプリUberが上手く機能しなかったり、ホテル予約アプリAgodaも何故か開けなかったり……。

そもそも、インドのEビザを取得する際もサイトに繋がりづらく、2晩も徹夜しました。

山根

インド渡航を計画されている方は余裕を持って申請してください!

2026年1月時点ではマジで繋がらなかったです。

怖っ!インドの長距離バス

幹線道路を逆走する路線バス

紆余曲折あり、バンガロールから釣りガイドが住むプッタパルティに向かうバスに乗り込みます。

定刻通りに出発し、トイレ休憩後もオンタイム。良いじゃんインドのバス旅、と思っていると——突然、高速道路を500mほど爆速で逆走!

おそらく、数キロ戻ってUターンするのが面倒だったのだと思いますが……。

山根

正面衝突しそうな場面もあり、さすがに恐怖を感じました。

サイババに見守られる街に到着

プッタパルティの街並み

逆走の甲斐あって、定刻通りプッタパルティに到着しました。

ここはサイババ生誕の地として超有名な観光地だそうで、至る所にアフロヘアが特徴的なサイババの写真が飾られています。

街に飾られているサイババの写真

ちなみに、サイババは南インドの聖者であり、慈善病院や学校を無償で建設し、愛と奉仕の精神で世界中に数百万の信奉者を集めた人物です。

今でもプッタパルティのサイ病院は、身分に関わらず完全に無料らしいですよ。

この日、プッタパルティに住むフィッシングガイド、イムラン氏と合流。

打ち合わせを兼ねて陸っぱりに誘われ、明日から始まる3日間の遠征について話しながら、軽く竿を振りました。

山根

この時の釣りが、後々あんな展開につながるとは、まだ知る由もありませんでした。

口裂けオオナマズが集まる場所へ

インドの野菜売り場

初日。イムランの案内で、ペンナ川に建設されたダムへ向かいます。

まずは屋台でチャイを飲み、高台に車を停めてピクニック風の朝ごはん。

その後、街に立ち寄ってなぜか野菜を買い出し。さらに、水草が繁茂する水辺では「トイレ休憩」と言いながら、さりげなく釣り場をチェック(確かに釣れそうではあったケド)……。

これも旅の醍醐味なのか、何事もスムーズには進みませんでした。

許可を得てダム直下へ

ペンナ川を堰き止めるダム

9時くらいには着くだろうと計画していたものの、ダムに到着したのはお昼頃。

『俺は正規のガイドだから、このダム直下で釣りが許されているんだ!』『1匹は絶対釣れる』という言葉を信じ、半ば勢いでイムランについていきます。

ダム管理用の橋

着いてみると笑っちゃうくらい、ガチのダム直下

高さは10m以上ありそうですし、日本では100%釣り禁止のような場所です。

レッド&ホワイトのビッグスプーン

インドのビックスプーン

バイブレーションで一通り探るも反応なし、イムランが勧める2枚重ねのビッグスプーンをキャストしてみます。

水中にうっすらと見える構造物の際をストップ&ゴーでかすめてみると、十数メートル下から「ゴンッ」と吸い込まれるような衝撃が伝わってきました!

強烈な引き

ワラゴーのヒットシーン

ラインを擦られないように指でドラグを抑えながら止めにかかります。

遥か下の水面で大暴れしているオオナマズ。足場の高さは圧倒的に釣り人有利だと感じながら落としダモで掬い上げることに成功しました。

ワラゴアッツーを釣ったぞ!

大きく口が裂けたワラゴアッツー

目の後ろまで口が切れ込んでいますね!

ヒゲの位置が日本のナマズよりも吻端(ふんたん)に寄ってるのも特徴です。

じっくり観察したいところですが、水辺ははるか下……。

満足に置き写真も撮れずにリリースの準備です。

口裂けナマズことワラゴアッツーを持つ怪魚ハンター山根

落としダモに戻す前に記念写真をパチリ。初めてのワラゴアッツーに感動です!

こうしてみるとビワコオオナマズよりもずっとヒゲが長いです。

ダム下は最強だった

大きく口を開けたワラゴアッツー

その後もダム直下ではワラゴーのヒットがありました。

2匹目はじっくり観察したかったので、落としダモを使わずに、僕が水辺まで出向いてランディング!

山根

やっぱり魚と触れ合うのは水の中が一番安心できます。

マルリウス狙いでランガン

広大なペンナ川

ワラゴー釣りに満足したところで、マルリウス狙いに移ります。

イムランのアドバイスで、マルリウスは身を隠せる大きさの岩や立木などについているとのこと。

果てしなく続くペンナ川の岸辺をプロップルアーでランガンしていくと——「ジュバッ」と水面が割れました!

バークレイ DEX Choppo 105

サイズ 95/105/120 mm
重さ 14/21/28g

マルリウスもGET!

コブラスネークヘッドとも呼ばれるマルリウス

小さいと分かっていながらも、緊張しながらのランディング!

ついに、念願のマルリウスを釣ることができました。

体表とヒレに散りばめられたスターダスト模様が美しいです。

あれ、でも尾鰭の付け根に”ブルズアイ(ダーツの的の中心部)”の由来となった「的」の模様がありません……。個体差でしょうか?

2匹目はサイズアップ!

ブルズアイが無いマルリウス

もう一匹釣って確認だ! ということで、1kmほどランガンすると2匹目がヒット。

あれれ、やはり尾鰭の付け根に「的」のような模様がありません。

イムランに「ブルズアイはどこ?」と尋ねると、『目が赤いことが名前の由来だ』と教えてくれました。

スターダスト模様が特徴的なペンナ川のマルリウス

僕はてっきり、尾鰭の付け根にある模様から“アイスポット(eye-spot)”の名を持つピーコックバスのような由来だと思っていたので、これはちょっと恥ずかしい勘違い……。

とはいえ今回のペンナ川釣行では、尾鰭に模様がないタイプや飾り鱗そのものがほとんど見られない個体群もいることを知ることができました。

初日に目標としていた2魚種をキャッチできたので、残る2日間はカトラ狙いに切り替えます。

なんでも、次は“超スペシャル”なダム湖へ向かうとのことです。

山根

でも100km以上離れてるとか言ってるし、僕はこの時点で何か怪しいなと感じ始めました。

カトラ狙い開始

カトラ用の釣り餌

翌朝、恒例のチャイを飲んでからゆっくり出発です。

道中、「2時間で着く」と言われていたにもかかわらず、イムランがホテルに餌を忘れたと言い始めました。

ホテルの人に届けさせると言うものの、一向に来ません。結局、この日も釣りを始められたのは昼から……。

撒き餌もしっかり使う釣りだと予習していたのですが、手元に届いたのは、たった2kgほどの付け餌だけ。

山根

それで4,000円すると言われ、いよいよ雲行きが怪しくなってきたと感じ始めました。

ブッコミウキ釣りで狙っていく

カトラ釣りの仕掛け

ちなみに、カトラ釣りで使用した仕掛けの全容はウキとラセンを使ったもので、日本の吸い込み釣りをウキ釣りでするような形でした。

イムランが用意してくれたロッドは3本、僕も1本出して4本体制で狙っていきますが……。

オリーブバルブのみ……

肉食性のオリーブバルブ

半日という短い時間ではカトラのヒットはなく、時折、オリーブバルブという魚がダンゴをついばむ程度。

ちなみに、このマブナみたいなオリーブバルブ(Systomus sarana)、とても獰猛で練り餌やパンだけでなく活き餌にも食らいついてきます。

よく見るとヒゲもあるし、地味だけど嬉しい釣果でした!

ガイドへの違和感が、確信に変わった夜

停電したホテル

「明日もこのダムで釣りするぞ!」と意気揚々なわりに、なぜか最寄りの街はスルーし、2時間かけて同じホテルに戻ることに。

部屋に入った途端に停電し、ホテルを変えることになりました(僕は寝るだけなのでそのままでいいと伝えたのですが……)。

ゴミ箱に群がるインドの牛
夜の街は牛だらけでした

結局、チェックインできたのは夜11時。

そんな状況で、イムランがまたも衝撃的なことを言い出しました。

要するに——
・明日は餌を増やすから5,000円
・釣れなければ翌朝に別の池で対応
・翌朝のガイド料は半日分
・初日の夕マヅメ分もガイド料(半日分)を追加

……と、ガイド料が想定よりどんどん上がっていきます。

さすがに違和感を覚え、「今日のダム湖でカトラを釣ったことあるの?」と問いただすと、なんとカトラ釣り自体が初めてだということが判明しました。

つまり、僕の支払ったガイド料で新規開拓をしているということ……。

山根

そこで翌日のプランは白紙にし、イムランが最も実績のあるポイントへ案内するようお願いしました。

最終日、釣れたのは……

朝食専門のインドの屋台

寝るのが遅かったからという理由でドライバーは朝起きず、朝食はゆっくり。

ガソリンスタンドを探し(朝のうちに入れておけー)、さらにブランチ的なチャイまで……。

結局、池に着いたのは完全にお昼。

正直、この時点でカトラはほぼ諦めていました。

インド人との距離感や接し方を学ぶ時間だと割り切り、最終日の釣りを開始します。

竿の数倍増作戦

カトラを狙ったブッコミ釣り

昨晩、珍しくガイドに物申したのが効いたのか、今日は撒き餌も用意され(昨日は届けた人が忘れていたのかも)、竿の数も8本に倍増。

昨日と同じく、2時間に一度の餌替えをしながら待っていると……。

ウキなし仕掛けのラインが、スーッと緩みました!

▶︎ついに来たぞ!

竿に駆け付ける怪魚ハンター

慌てて竿に駆け寄り、合わせると軽い……。

でも、何かついています!

頼む、小さくていいからカトラ来い!

上がってきたのは——。

初めてみる魚だ!

夕陽に照らされたミリガルカープ

見たことのないソウギョのような魚で、ミリガルカープというそうです。インドではとてもポピュラーな魚とのこと。

最大で60〜80cmほどになり、主にデトリタスを食べる魚です。確かに、ボラのような口の形をしていました。

結局、カトラは釣れませんでしたが、生息域が広い魚なので、またいつかリベンジしたいところです。

山根

それでも、最後に未知の魚が釣れたのは、素直に嬉しい一匹でした。

後に知った——イムラン、じつは良い奴。

インドの名ガイドイムラン

今回、僕は3週間の旅で、4カ所の水辺を巡ってきました。

その旅の最初に案内してくれたのが、イムランでした。帰国して改めて思うことを最後に書かせてください。

時々イラッとする場面もありましたが、インドで出会ったガイドの中では、彼が最もプロフェッショナルなフィッシングガイドでした(ガイド料は高いケド)。

魚の扱い方や知識、釣りの技術、そして信頼性。インドというお国柄も含めて考えると、確かに腕の立つ名ガイドでした。

山根

ということで、インドの旅はまだまだ続きます。ぜひお楽しみに!

撮影:山根央之

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