日本一有名だけど、日本一難しい。
とも表現される明石のタイ。
速い潮流と荒い海底に加え、魚探にはたくさん映るのに一筋縄では攻略できないその気難しさ。
でも、この“ムズ面白い”感じが魅力なんですよね!
ならば、究極のロッドで勝負しよう!
そんな明石はタックルと仕掛けについてもシビアで、「日本で一番フィネス」と言って過言はないでしょう。
気難しい明石鯛がタックル戦争を巻き起こしているわけです(笑)
用意したのはコチラ
今回用意したのは、2023年に登場したがまかつのフラッグシップ「ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXX(ダブルエックス)」です。
トレカ®T1100Gやトレカ®M40Xといった最高峰の素材、がまかつが有する設計ノウハウが惜しみなく注ぎ込まれており、お値段はなんと約6万円!!!
明石でも繰り返し実釣テストを行って完成させた、至極のタイラバロッドです。
1本目は、シリーズ中もっともフィネスなB67FL-solid 。
FLはフェザーライトを意味し、タイラバロッドとしてはこれ以上にないほどのしなやかさ(追従性)を備えます。
なんとソリッドティップの先径は、アジングロッドにも匹敵する0.8mm! (タイラバロッドの相場は細くて1.1mm前後)
標準自重:95g
ルアーウエイト:20-80g
適正PEライン:0.5-1号
2本目は、シリーズ中もっともシャープなB65ML-solid。
B67FL-solidより若干太い0.9mm径のソリッドティップを搭載しており、チューブラーブランクには張りがある先調子気味の1本です。
軽量かつ高感度ながら、負荷の大きな釣りにも対応するとのこと。
標準自重:99g
ルアーウエイト:60-150g
適正PEライン:0.5-1.2号
3本目は、スピニングモデルのS65ML-Solidです。
こちらも0.8mm径のソリッドティップを搭載していますが、60gまでのフルキャストが可能な1本。
シャローエリアも多い明石では、キャスティング&横引きで大活躍するはず。
標準自重:90g
ルアーウエイト:30-150g
適正PEライン:0.5-1.2号
いざ明石海峡へ!
釣行したのは4月上旬。
まだノッコミシーズンには入っておらず、かと言って完全に冬のパターンでもない、ややこしいタイミングです。
船長に近況を聞いてみると、「釣れてないよ!」とのこと(笑)
今回は、筆者(なおと)に加えてライターのtsuki氏と編集部しみけん氏も参加し、TSURI HACK KANSAIの3人態勢で明石鯛を狙います。
ちなみに、全員グリーンのジャケットですが制服ではありません。
タングステンヘッドにネクタイだけをセットした“明石セッティング”で、1投目から本気でいきますよ!!
・・・
・・・
釣り開始から3時間が経ち、ここまでの特記事項は「特になし」。
船中に怪しい空気が漂います(笑)
ここで船長が「一番堅い場所で時合いを迎えよか〜」と移動を決断。
やってきたのは明石海峡大橋西側の淡路島沖、水深60m前後のエリア。
潮が良くなってくるとあって、タイラバ船・タイサビキ船が続々と集まってきて船団のようになってきました。
そして、西向きに2ktで流れていた潮が1.5ktぐらいまで緩んだその時……
しみけん氏のB67FL-solidがブチ曲がった!!
魚探の感度は中層って言ってましたよ(笑)
映ってなくてもおると信じて底をネチネチしてたら、ホンマにおったわ!
どんな感じでアタりました?
トラウトロッドみたいなだけあって、喰い込みは鬼やな。そして、掛かった後はバレる気がせん(笑)
シングルカーリーで、フックはアシスト2cmぐらいの地獄針。
船長の予想通り、潮の緩んだタイミングでアタリが出ました。
これは時合いでしょう!
しみけん氏の底ネチネチをコピーしつつも、そればっかりでは魚が仕掛けを見切ってしまいます。
一旦仕掛けを魚の目線から切ろうと、中層まで高速で巻いてからフォールさせると……
ラインに違和感が!!
そのタイかなりデカそうやん!
まるで青物みたいなタイやな〜。
でも良いサイズやから嬉しっ♪
操作してる時はチューブラー部分がかなりパッツンな印象ですが、大きい魚が掛かると曲がりますね。ちょっと意外でした!
時合いで連発といきたいところでしたが、残念ながら追加できずに潮が止まってしまいました。
ハイシーズンならここで数が伸びるところですが、渋い時はこんなもの。
言い訳ですが、魚の写真を撮っていて時合いでタイムロスもしています(笑)
しかし! 止まった西向きの流れが東へと転流し、潮が動き始めたその時。
またしてもヤツにアタリが!
しかも、S65ML-Solidに持ち替えてますやん!
グッ(反転)ってなったからゴンッ(アワセ)ってしたら釣れたわ!
残念ながらまたしても連発はなく、雰囲気もイマイチになって来たので明石海峡大橋の橋脚周りに移動。
橋脚には特大のマダイも着いているので期待大!
そして遂に、沈黙を貫いていたtsuki氏の竿が曲がった!!
これは間違いなくタイの引きです!!
慎重にいきましょ!
タモお願いしまーす!!
人によってはタイよりも美味しいって……
穴釣りではそんなサイズなかなか釣られへんよ。はっきり言うて。
tsuki氏がガッカリカサゴを釣ったこともあって、須磨沖の水深20〜40mのエリアへと移動してきました。
「東向きの流れが緩まないからちょっと厳しいかもやけど、魚は映ってるよ」
とのことなので、なんとか1枚絞り出したい!
ここでまたしても、アタリを引いたのは……
でも……これは青物やわ。
そんなこんなでストップフィッシング!
タイからのアタリは何度かあったものの、初手アタリのみでなかなか追ってこず、かなり渋い結果となってしまいました。
すべてが噛み合わないと1枚に繋がらないので難しいですね……。
なんか締めようとしてない?笑
ーーー4日後ーーー
というわけで、マイボートを出してホームグラウンドの丹後沖にやってきました。
ポイントは冠島周りの90〜130mライン。いわゆるディープタイラバです。
B65ML-solidに150〜200gを乗せ、船をドテラで流していきます。
釣りを開始してすぐにアタリがありましたが、釣れたのはレンコダイ(笑)
そこからは釣れども釣れどもレンコダイラッシュ……。
ちょっと良さげな手応えだと思ったらアオハタ。
その後もポイントを周り続けましたが、レンコダイばかり。
午後になると風も無くなって船が流れなくなったため、またしても無念のストップフィッシング……。
桜幻XXを振り返ってインプレ
最後に、今回使った桜幻XX3機種の使用感を振り返ってお届けします!
B65ML-solid
B65ML-solidを使って感じたのは、汎用性の高さ。
明石のような60〜80gのヘッドをバーチカルで使うフィールドから、丹後のような150〜200gのヘッドをドテラで使うフィールドまで、かなり幅広く対応してくれます。
ソリッドティップはしなやかな反面、チューブラー部分には張りがあるため、ロッドへの負荷が大きくなるバーチカル状態や、船底へとラインが入るような状況でも使いやすいですね。
その反面、60gを下回ると曲がりしろが少なくて追従性も薄くなるため、やはり軽いウエイトを使った時の安定感はB67FL-solidが勝ると感じました。
また、感度の高さも魅力ですね。
穂先の目感度が良いので明石のような急潮流域でも底取りがしやすく、反響感度も良いので深くて二枚潮が多発する丹後でもアタリがボヤけません。とくに手元に伝わってくるクリアな反響感度には驚きました!
丹後で実釣をした際は他のロッドを持ち込んで比較してみましたが、反響感度も着底感度も荷重変化に対する感度も、どれも圧倒的です。
使う前は軽い細身のブランクゆえにも強度と剛性が不安だったものの、それは魚を掛けると払拭されました。
低負荷時はパンッっと張っているのですが、負荷が大きくなるにつれて胴まで曲がり込み、そこからジワジワと粘り強く復元してくれます。
試しに、青物がヒットした時にあえてロッドを立ててみても折れそうな気配はなく、これはトレカ®T1100Gが効いていそうな気がしました!
それから、キャストがしやすいのも◯。
胴に張りと粘りがあるのでかなり投げやすく、ドテラで船が流れない時や、バーチカルでもラインを斜めにしたい時にとても便利です。
B67FL-solid
誰でも使いやすいB65ML-solidに対し、B67FL-solidはエキスパート向けのロッドですね。
まるでフルソリッドのようにしなやかな反面、100gを切る軽さには驚き。
はっきり言って、攻めすぎです(笑)
とくに使いやすいのはラインが斜めになるドテラ状態の時。60g前後のウエイトを乗せると絶妙な曲がりをしてくれます。
近年は明石でもドテラ状態で流したり、ラインが斜めになるように操船する船宿も多いため、そういったシチュエーションにはドンピシャでハマるでしょう。
その一方、ウエイトによってはバーチカル状態でロッドを水平に構えると曲がり込みがかなり大きくなり、底取りが難しくなって感度も下がるため、そんな時はロッドを海面に向けて曲がり幅をアングラーがコントロールする必要があります。
ラインとロッドの角度を意識して、ロッドの曲がり方をコントロールし、「鯛に竿のどの部分を食わしたいか」を考えながら使いたいロッドです。
もちろん、荷重変化の感知能力やバラしにくさは抜群。究極レベルにしなやかなショックアブソーバーです!
ただし、ラインが船底に入るような状態ではかなり使いにくい、キャストがしにくい、根掛かりを外しにくい、といった弱点もあるので“ある程度使い手を選ぶロッド”だとは思います。
使いこなせるとゼロをイチにできるロッドだと感じました!
S65ML-Solid
投げるまではパワフル、投げた後は繊細。
これがS65ML-solidの良さだと感じました!
軽さと細さからは想像できないほど胴の復元力が強く、引き手で曲げ込んでしまえば、押し出しがめちゃくちゃ強いです。
そのうえ、高弾性のブランクとソリッド、ローライドの小口径ガイドが効いているのか、キャスト後のブレの収束が非常に速く、糸抜けも抜群。
実釣時は2.5号のリーダーを2ヒロ半組んでいましたが、結束部の抜けもスムーズでライントラブルは一度も起こりませんでした。
飛距離も抜群で、軽く投げただけでも優に50mは飛んでいます。
巻き感度も素晴らしく、このベイトロッドのようなガイドが効いているように思えます。
リトリーブ中に糸の動きを観察していると、元ガイドから先はまるでベイトタックルのように動いていて驚きました。
糸が常にガイドへ張り付いたような状態になり、ロッドに掛かっている荷重が安定するため、余計なノイズが消えて水中の情報がクリアに伝わっているような気がします。
もちろんソリッドティップの恩恵もあって、反響感度も荷重変化に対する感度もスピニングとは思えないレベルでした。
かなり余力のあるロッドなので、使い手の発想次第ではかなり幅広く遊べると思いました。
試しに80gのジグもシャクってみましたが、PE1号+リーダー5号ぐらいまでのSLJなら全然OK。
その他にも、ライトラインと小さなプラグでシラスナブラを打ったり、ボートエギングをしたり、バチコンをしたり……と、個人的には妄想が膨らむ竿です(笑)
私もお財布と相談してみようと思います(笑)
ぜひ体感してみてほしい!
超高額なロッドですが、今回使った3本とも、間違いなく“お値段以上の感動”があると思います!
モデルごとにコンセプトも明確で、ただ高級な素材を使ったスペック偏重主義的なロッドではなく、魚やフィールドをとても研究して作られたロッドだと感じました。
タイラバファンの方は、ぜひ一度手に取ってみてくださいね!
▼今回使ったロッド
がまかつ ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXX B67FL-solid
全長(ft-in) | 6’7″ |
---|---|
標準自重(g) | 95 |
仕舞寸法(cm) | 155.5 |
継数(本) | 2 |
ルアーウエイト(g) | 20~80 |
適正ライン(PE/号) | 0.5~1 |
先径(mm) | 0.8 |
グリップ長(mm) | 445 |
希望本体価格(円) | 59,000 |
がまかつ ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXX B65ML-solid
全長(ft-in) | 6’5″ |
---|---|
標準自重(g) | 99 |
仕舞寸法(cm) | 150 |
継数(本) | 2 |
ルアーウエイト(g) | 60~150 |
適正ライン(PE/号) | 0.5~1.2 |
先径(mm) | 0.9 |
グリップ長(mm) | 445 |
希望本体価格(円) | 60,500 |
がまかつ ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXX S65ML-solid
全長(ft-in) | 6’5″ |
---|---|
標準自重(g) | 90 |
仕舞寸法(cm) | 154.5 |
継数(本) | 2 |
ルアーウエイト(g) | 30~150 |
適正ライン(PE/号) | 0.5~1.2 |
先径(mm) | 0.8 |
グリップ長(mm) | 400 |
希望本体価格(円) | 60,000 |
▼その他の番手
がまかつ ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXX B67UL-solid
全長(ft-in) | 6’7″ |
---|---|
標準自重(g) | 97 |
仕舞寸法(cm) | 155.5 |
継数(本) | 2 |
ルアーウエイト(g) | 30~90 |
適正ライン(PE/号) | 0.5~1 |
先径(mm) | 0.8 |
グリップ長(mm) | 445 |
希望本体価格(円) | 59,500 |
がまかつ ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXX B67L-solid
全長(ft-in) | 6’7″ |
---|---|
標準自重(g) | 98 |
仕舞寸法(cm) | 155.5 |
継数(本) | 2 |
ルアーウエイト(g) | 40~120 |
適正ライン(PE/号) | 0.5~1.2 |
先径(mm) | 0.8 |
グリップ長(mm) | 445 |
希望本体価格(円) | 60,000 |
がまかつ ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXX S62M-solid
全長(ft-in) | 6’2″ |
---|---|
標準自重(g) | 93 |
仕舞寸法(cm) | 147 |
継数(本) | 2 |
ルアーウエイト(g) | 40~180 |
適正ライン(PE/号) | 0.5~1.2 |
先径(mm) | 0.9 |
グリップ長(mm) | 400 |
希望本体価格(円) | 60,000 |
がまかつ ラグゼ 桜幻 鯛ラバーXX S60MH
全長(ft-in) | 6’0″ |
---|---|
標準自重(g) | 92 |
仕舞寸法(cm) | 146 |
継数(本) | 2 |
ルアーウエイト(g) | 40~200 |
適正ライン(PE/号) | 0.5~1.2 |
先径(mm) | 1.6 |
グリップ長(mm) | 360 |
希望本体価格(円) | 60,000 |