「一番釣れる時期」って言われるけど……

どうも、編集長のしみけんです。
暖かくなってきて釣り物がいろいろと増えてきましたが、その中でも個人的に大好物としているのがチヌ釣り。
春はノッコミなので一番釣りやすいシーズンなわけですが、そう簡単にボコボコ釣れるわけでもありませんよね。
釣れるって聞いたけど、全然釣れんやん……
なんて経験をした方も多いのではないでしょうか?
初場所はさらに難しい

グレと比べると、チヌはストラクチャーフィッシング的な要素が強く、「ポイントを知っているかどうか」が釣果を大きく左右すると思っています。
それゆえにポイントをまったく知らない初場所は、とくに釣果を伸ばすのが難しい印象です。
でも、初めての場所にも行ってみたいし、そこで好釣果を得たいものですよね。
というわけで今回は、頑張れば初場所でも竿頭を取れるのか? 一般アングラーの筆者が挑戦してきました!
今回のお供は……

今回のお供は、ちょっと前にグレ釣りで使って感動した、がまかつの「がま磯 アテンダー3」。
▼感動した時の模様はコチラ

2024年にチヌ号数となる0号・0.6号・1号が発売されました。
初場所のチヌを狙いつつ、あわよくば3本とも曲げてやろうという魂胆なわけです!
メジャーフィールドの磯&堤防に挑戦してみた
Day1 磯

ということでやってきたのは、和歌山県湯浅の磯。
ここ湯浅は、チヌ釣りのメッカとも言われるメジャーフィールドです。
訪れた4月中旬はノッコミシーズンにあたり、釣果も良い感じに出ています。

なぎ丸渡船さんに渡してもらったのは、「二のハエ」という磯。
同じ和歌山でも串本のような荒々しさはなく、「いかにもチヌ釣り場」という感じです。
ちなみに、チヌ釣りは地元兵庫でしかやったことがないので、初遠征でございます。

さっそく釣りを始めたいところですが、初場所なのでオモリを使って地形を調べます。
大雑把にでも、水深や地形、底質をイメージできると違いますからね。
すると、竿下(5m先)から水深は5mほどあり、30mぐらい投げると10〜15mほどの深さでした。
投げても投げなくても釣れそうですが、どんな釣りも遠く・深くなるほど難しくなるので、「エサ取りがうるさくなければ磯際で釣りたいな」というところです。

3本持ってきたアテンダー3の中から、まずはド定番の0.6号をチョイス。道糸・ハリスは1.5号です。
B-2B(4B強に相当)のウキを半遊動で組み、とりあえずウキ下は3ヒロからスタート。
もう少しオモリ負荷の小さなウキでも良かったのですが、この後に正面 or 斜め前から強い風が吹く予報だったので、それへの対策として余分にオモリを打てる仕掛けにしてみました。

一投目を振り込もうとしたその時、カメラマンとして来ていたtsuki氏にヒット。
アテンダー3 1-53が曲がります!

幸先よく朝イチに良型をキャッチしてご満悦の様子。
緩い横方向の流れに乗せて、磯際を3ヒロのタナで流していたらヒットしたそうです。
磯際でもエサ取りがうるさくないらしいので、これはチヌが寄っているんじゃないの!?

立て続けに筆者の06-53も曲がります! 朝イチからチヌが寄っていますね〜!
やっぱり、アテンダー3はチヌを釣っても掛け心地が素晴らしいです。
大きくしなやかに曲がりつつも、有り余るトルクで余裕のやりとりを楽しめます。

tsuki氏が釣ったやつよりは小さいものの、まずまずサイズ!
1枚目の嬉しさと安堵感は何回経験しても良いものですね〜。

ここで06-53を一旦たたみ、0-53にチェンジ!
普通はしないと思いますが、時合いの最中に竿と仕掛けを変えるのはめっちゃ焦ります(汗)

筆者が必死に竿を変えている時に、tsuki氏は1枚追加していたようです。
やはり時合いか〜! おれも一気にたたみかけるぞ〜!
と思ったら、潮止まってますやん。
時合い終了。

こんな潮がビタ止まりの状態では、「タイトなストラクチャー攻めがセオリー」と個人的には思っています。
話はフカセ釣りから逸れますが、穴釣りって潮とか時合いに関係なく釣れませんか?
ブラックバスなんかも、カバーの奥を撃てば無理やり喰わせられたりしますよね。
ストラクチャーという安心要素が気を緩ませるのか、魚種を問わず、“間違い”を起こしやすいような気がしています。
というわけで、穴釣り理論に基づいて手前の磯際に仕掛けをピッタリ張り付け、マキエをウキに被せます!

で、この穴釣り作戦が功を奏しました!
0号は曲がりの支点移行が速く、一気に胴まで曲がる感じが楽しいですね。
その一方で、魚を暴れさせずにジワーっと締め上げられるので、磯際狙いでも安心して使えます。

ちょっとサイズダウンしましたが、こいつもしっかりノッコミに入っている個体でした。
潮が無いといえども磯際は波やらその跳ね返りやら、何かしらの水の動きがあるので、何もない沖よりも釣果に結びつくことが多いと思います。

ここで最後の1本となる、1-53にチェンジ。
先ほどとは逆に、「竿を変えている間に潮が動き出さんかな〜」と、あえてゆっくり目に作業します。
すると……
潮は止まりっぱなしで、向かい風だけが強くなっているではありませんか(汗)
まあ、世の中そんなもんですよね。

向かい風が強くなって注意したいのが、風に押されたウキが手前に寄ってくること。
仕掛けが手前に来過ぎると、根掛かりしたり、アワセた時に磯に擦ってプッチンしたりしてしまいます。
なので、大きめのウキにするとか、オモリの打ち方を工夫するとかして、流されにくい仕掛けにすることが大切ですね。
あとは、流されるスピードや馴染むまでの時間を考えて投入点を決める、寄り過ぎたら無理せず回収して再投入することも忘れずに。

今日は穴釣りパターンが正解なのか? 2枚目とまったく同じ釣り方でヒット!
磯際は潮がなくてもハリスの存在感が消えやすいのでは? と思っていたりもします。

1号になるとだいぶ余力があり、スピーディーにやりとりできますね。
かといって竿がカンカン叩くことはなく、1.25号のハリスでもためきれるので、非常に実用的な印象です!

斜め前からの風は、9m/sぐらいになってきました。
立っているのがシンドイ&穂先を海面まで落としたいので、座って釣りをします。
1号はやや重たいものの、張りが強いので強風下でも曲がらず、操作が効くのも強みです。
一概に「軽い低号数の方が操作性が良い」というわけではないのも、釣竿選びの奥深さかと思います。

やはり磯際が正解だったというか、これだけ前からの風が強いと磯際しか釣りようがないというか(笑)
今回はちょっと極端だった気もしますが、沖の地形がわからない初場所や、初心者の方は磯際から釣っていくのが良いような気がします。

この後はさらに風が強くなってしまい、結局4枚で納竿。
港に帰ってみると、フカセ釣りの竿頭は7枚でした。残念!
ですが、難しいコンディションだったことや自分のレベルも考えると、個人的には満足感のある結果です。
Day2 堤防

2日目は南の爆風によって、どこの渡船も出船せず。
ということでやって来たのが、関西を代表する大人気堤防「神戸空港親水護岸」。
大阪湾周辺では貴重な、北向きに釣り座を構えられるフィールドです。
もっとたくさん釣り人がいるかと思いましたが、パラパラ程度。
人気のポイントに人が少ないなんて、理由はひとつだけでしょう(笑)

近くの釣具屋さんで状況を聞いてみると……
今年はチヌが悪いわ〜。冬の水温は高かったけど、3月にまったく上がらなくて、たぶんノッコミがかなり遅れている。1枚か2枚釣れたら御の字やで。
とのことなので、貴重な1枚を狙います!

神戸空港は、向かいの人工島との間に形成される水道部しかポイントがありません。
干満差が大きな瀬戸内海は、こういった水道部はだいたい流れが速く、潮が緩むと港湾部特有の二枚潮になるのがセオリー。
しかも堤防は沖磯と異なり、基本的には横方向への流れしかなく、それによって道糸がガッツリ上潮を受けて引っ張られるので、堤防特有の難しさがあるわけですね。

前日の疲労感もあったため、竿は軽さを重視して0-53をチョイス。
そして、エサを撒いて流れを見ると潮がかなり走っています。
速い潮を釣るにも、この後訪れるであろう二枚潮を釣るにも、しっかりオモリを使って対処したいので、B-2Bのウキを半遊動でセッティングしました。

釣りを始めてみると、潮が飛んだかと思えば、緩んで二枚潮になったり、またゆっくり流れ始めたりと、非常に複雑。
こんな状況でその都度ベストな仕掛け(ウキ)に変えていたら、釣りをする時間がまったく無くなるので、“ある程度の状況なら70〜80点ぐらいで対応できる仕掛け”で釣りをするように心がけています。
そこそこ浮力のある3B〜5Bぐらいなら、オモリの打ち方次第でわりといろんな潮&水深を釣れますよ。

二枚潮で釣り辛い状況が続いていましたが、ウキが綺麗に消し込んでアテンダー3に荷重が乗ります!
0号といえでもトルクのスカスカ感はなく、曲げ込んでいるとジワジワ竿が復元してくるので、オートマチックに魚を浮かせる感覚は健在です。
スリルやマニュアル感を楽しみたい方には不向きかもしれませんが、ゆっくりと竿が起きてくる感覚が好きな筆者にはたまりません。

良型ではあるもののノッコミの雰囲気はなく、普段からこの辺を回遊しているか、居着いている魚っぽいですね。
ヒット時は潮がフラフラして仕掛けが綺麗に流れなかったので、G6+G1+BBを段打ちして、仕掛けをなるべく直線状態にして立てることを意識していました。
フワッとさせるか、斜めに張って流す状態が理想ですが、それをやろうとすると海中で仕掛けがグチャグチャになったり、仕掛けが手前に寄ってマキエとズレたりするので、妥協案的な釣り方ですね。

この後も試行錯誤しましたが、残念ながら1枚だけで納竿となってしまいました。
見えている範囲では、堤防の中で唯一釣れたチヌだったので竿頭です! フカセ釣りをしていたのは2人ぐらいでしたが……(笑)
2日間の実釣を振り返ると、無理をせず、基本通りの釣りをしたことが魚に結びついたように思います。
チヌにはグレと違った面白さがあったり、港湾部特有の難しさがあったりして、やっぱり楽しいですね。
チヌ釣りにアテンダー3をおすすめする理由

前回のグレに続き、アテンダー3はチヌを釣っても素晴らしい竿でした。
何が素晴らしいのかを、4つの点からお伝えします。
掛け心地が最高

チヌ釣りは、やりとりの時間を楽しめることが魅力ではないでしょうか。
グレやヒラマサは大きくなるとやりとりを楽しむ余裕は無くなってきますが、チヌは年無しサイズであっても獲れる確率が非常に高い魚です。
それゆえに、“その時間”を楽しめる、釣趣の深い竿を使いたいと思っています。

アテンダー3はこの点に優れていて、一言で表すと、「魚を掛けている時にニヤッとできる竿」です。
上の写真、よく見てもらうと筆者がニヤッとしているのがわかるはず(笑)
魚が走った時に竿が追いかける感覚、止まった時に戻す感覚、首を振った時にいなす感覚が素直でわかりやすく、竿とのコミュニケーションを楽しめます。
アテンダー3は「大きい魚を獲れる」というイメージが強いかと思いますが、釣趣の観点でも一級品です。
楽しめて獲れる
二つ目の魅力は、曲げる楽しさとオートマチックに浮かせる能力が1本の竿に同居していること。
チヌ竿によくある、トルクがスカスカで“その非力さによるスリル”を楽しむタイプの竿ではありません。(そういった竿が悪いと言っているわけではありません)
0号といえども自分から復元してくる竿なので、竿尻を魚に向けるようなやりとりや、竿を左右に振るようなやりとり、糸を出すやりとりも不要です。

0号でも0.6号でも1号でも、肘当てか腰当てで竿をためていればOK。
竿を持って耐えていたら魚が浮くので、リールを頑張って巻く必要もありません。
昔から「アテンダーは強過ぎる」という方も一定数いますが、筆者としては余裕のあるトルク感がアテンダー3の気持ち良さだと思います。
大きいウキも使いやすい

チヌ釣りでは、大型の円錐ウキやカン付き脚長ウキ、自立式棒ウキなどを使う方も多いのではないでしょうか?
とくに前作のアテンダー2と比べると、大きくて重たいウキの飛距離・投入精度は格段によくなっています。
キャスト時にリリースポイントが掴みにくい、キャスト後のブレが大きくて糸のガイド抜けが悪い、といった低号数の胴調子特有のネガが一気に解消されました。
おそらく、アテンダー2愛用者の方が一番初めに驚くポイントだと思います!
低号数の操作性が飛躍的に向上した

胴調子特有の操作時のダルさは、低号数ほど顕著に現れます。
グレ釣りで1.25号を使った時にも「アテンダー2と全然違う!」と感動しましたが、チヌ号数はそれ以上に大きな差でした!
低負荷時の曲がりは目に見えて少なくなっており、糸の捌きやすさは格段に向上しています。
実釣時は風が強い時間が長かったのですが、竿が風を切って真っ直ぐな状態をキープしてくれるので、糸の操作ができて疲労感も少なかったですね。
筆者流・号数ガイド

アテンダー3を買いたいけど、どの号数にしようか迷う……。って方も多いはずです。
全部買えたら最高ですが、なかなかそうはいきませんよね。
そこで、0号〜1.25号までを使った筆者が、独断と偏見で号数選びの目安をお伝えします。
0号|アテンダー3のポテンシャルを一番感じやすい

チヌ釣り専門、じっくりチヌの引きを楽しみたい。
という方には0号がおすすめです!
号数が低いので絶対的な限界領域は下がりますが、それゆえにアテンダー3のポテンシャルをフルに感じやすいと思います。
それでも年無し程度なら涼しい顔で獲れると思いますが(笑)

個人的には、今まで胴調子の0号や00号は嫌いでした。なぜなら、操作性が悪かったから。
キャストやラインメンディングの時のダルさ、風を受けると曲がって操作しにくいなど、“掛けるまでのストレス”が“掛けた後の楽しさ”を上回っていたわけです。
でも、そんな0号嫌いな筆者でも「アテンダー3なら0号もアリやな」と思えてしまいました。
“既存の胴調子のネガが消えた”を一番体感できるのが0号です。
0.6号|チヌの王道番手

ちょっと強気にいきたいな〜。という方には、永遠のド定番である0.6号をおすすめします。
0号よりも張りが強くなるので、ウキや道糸をこまめに操作する方には0.6号の方が合うかもしれません。

“0.6号では獲れるけど0号では獲れない”というシチュエーションはあまり想像できませんが、浮かせるスピードは0.6号が速いです。
そのため、速い潮の中で大きなチヌがたくさん釣れる時や、マダイが釣れるような場所では、0.6号の方が時短できて楽かなと思います。
0号は時短しないのが楽しさなわけですが(笑) ということで、0か0.6かは完全に好みですね。
1号|チヌ&グレ対応の超万能番手(個人的にイチオシ!)

個人的に一番欲しいと思ったのが、チヌ・グレ兼用での1号です!
0.6号よりもさらに張りがあるので“操作時の先調子感”が強く、グレにも対応できるトルクがあります。
1号でグレを釣っていないにも関わらず、「グレもいける!」と言っている根拠は……

愛用中のマスターモデル2口太 M(1号相当)です。
1号クラスながら、40アップの口太&尾長、デカいイスズミ、アオブダイ、ヒブダイなどを今までたくさんキャッチできました。
どんな1号竿でもこれができるわけではなく……
別な5万円クラスの1号竿を同じように試したことがあるのですが、限界が下がって、マスターモデルで獲れていた魚がかなり苦しくなってくるんですよね。

それでいて、チヌを釣っても嫌な叩き感がなくて楽しめる。
マスターモデル2口太 Mも本当に良い竿です。(高かったけど買って大正解でした)

少々脱線しましたが、マスターモデル2の使用感も踏まえてアテンダー3を使ってみたら、「1号でチヌ&グレ兼用が十分成り立つ」という結論になったわけです。
もちろん、0.6号より強くなったからといって竿がカンカン叩くことはありません。
ひょっとすると、マスターモデル2とアテンダー3で悩む方もいるかもしれませんが、筆者が今買うなら迷わずアテンダー3を選びます。
1.25号|強気に口太を狙うなら

口太グレをメインにするなら、1.25号がおすすめ。
ただし、マスターモデル2口太 Mを使ってから、個人的には「口太には1号で十分」と考えています。
なので、筆者としては「強気に口太を釣るなら1.25号」という感じです。

40cmクラスがたくさん釣れる状況、速い潮の中をガンガン流していく時、大きな外道がよく釣れる場所は、スピード感&安心感のある1.25号が良いと思います。
また、まだ経験が浅い方にも1.25号はおすすめです。
さらにパワーが必要な、深ダナのストラクチャー周りでの大型口太狙い、50cm前後の尾長が混じるような海域は1.5号が安心でしょう。
素晴らしい竿でした!

アテンダー3でグレ釣りとチヌ釣りをして思ってのは……
余裕があれば全部アテンダー3で揃えたい! ということ。
大きく曲がって粘る竿が好きな方には、ぜひ一度使ってもらいたいですね。
撮影:tsuki / TSURI HACK編集部
sponsored by:がまかつ
がまかつ アテンダー3 0-53
がまかつ アテンダー3 0.6-53
がまかつ アテンダー3 1-50
がまかつ アテンダー3 1-53