銀参郎アルティメイトをインプレ
実釣での使用感を踏まえ、銀参郎アルティメイトの使用感をインプレッションします。
軽さの恩恵が凄まじい
銀参郎アルティメイトの一つ目の大きな魅力が、軽さです。どのくらい軽いのかと言うと……
MH270で135g、MH300で144gなので、オリジナル銀参郎と比べてそれぞれ8g、9g軽量です。
また、市場の3m前後のエントリークラスに注目すると、200g前後のものが多いので“2/3の重さ”しかないんですね。
ハイエンド系ロッドに関しても、3mで140g後半〜200gが相場のため、同カテゴリーにおいても最軽量クラスとなっています。
数字上でももちろん軽量なのですが、モーメント(持ち重り感)も考えて設計されているので、体感的には数字以上に軽く感じられます。
「軽い」と言ってしまえばそれだけなのですが、仕掛けをより丁寧に落とし込める、竿先がブレにくい、小さな違和感に気付きやすい、疲労の蓄積が少ないなど、軽さのメリットは計り知れません。
使うまでは数字でしか理解できませんが、実際に使うと、歩き続けて落とし続けてアタリを取り続けるヘチ釣りにおいて、“軽いことがどれだけ有利か”を存分に体感できます。
言い方を変えれば、普段2.7mをメインに使っている方は、それと同じ感覚でアルティメイトの3mを使えるはずです。
柔能く剛を制する調子
軽量ながら魚を浮かせる能力は抜群で、糸をほとんど出さずに竿まかせで魚をコントロールできます。
硬さで強引に魚と引っ張り合いをするわけではなく、突っ込みに対しては竿全体がスムーズに追従しつつ、魚が動きを緩めたタイミングにはグイグイ浮かせる独特の調子です。
高弾性ロッドながらチヌが暴れることはなく、スーッと浮き上がってくるのでかなり不思議なフィーリングでした。良い竿特有の、「上がってきたら案外大きかった!」という感覚がありますね。
おそらく年無しクラスを掛けたらよりわかりやすいと思いますが、独特の安定感は40cm程度のチヌでも十分に感じられました。
暴れさせることなく障害物から大型を抜いたり、細ハリスで大型を狙ったりするには抜群の調子ですね。
手感度が良い
ヘチ竿の感度は、目感度と手感度の2種類があると考えています。
穂先の目感度に関しては、今回は「評価をするのが難しい」という結論になりました。
というのもタナ釣りがメインで、ラインだけを見ながら釣りをしていたため、穂先の目感度に頼るシチュエーションがなかったのです。
この点は釣り方やスタイルによって感じ方が分かれる点かもしれませんね。
しかし、軽さのおかげか、竿をゆっくり聞き上げた時の荷重変化などは非常にわかりやすく、手感度はかなり優れていると感じました。
また、軽さによって人間の感度を下げないのも大きなメリットだと思います。
とくに長時間の釣行では、疲労によって人間の感度・集中力がどうしても下がってきますが、軽量な分だけそれが軽減されます。
今回の釣行で反射的にアワせられたのも、“体が動く状態にあった”ということだったのかもしれません。
雨でも操作性が損なわれない
もちろん糸抜けは十分良く、ノーシンカーでもイガイがスルスルと落ちていきます。
糸を送った時にも引っ掛かる違和感等はなく、仕掛けを操作するに当たってのストレスは皆無です。
実釣時は雨が降って風が吹いているタイミングもありましたが、ノンスティック加工のおかげで道糸がブランクに張り付くことがなく、スムーズに仕掛けを落とし込めました。
釣果が変わるロッドです!
銀参郎アルティメイトの凄さを一言で表すと、圧倒的な軽さと魚の獲りやすさを両立していること。
人間への負担が少なく、魚を確実に浮かせられるので、今回のような渋い状況では“ゼロをイチにできる”ロッドだと感じました。
その一方で、高活性に大型をバンバン掛けてもバラシと疲労が少ないと思うので、限りなく“アタリの数=釣果”に繋げられるはずです。
手に持っただけで真価はわかりませんでしたが、実際に使って1釣行・1シーズンという視点で見ると、大きく釣果が変わるロッドだと確信しました!
がまかつ がまチヌ へちさぐり銀参郎 アルティメイト MH 2.7m
がまかつ がまチヌ へちさぐり銀参郎 アルティメイト MH 3m