竿頭になりたいんだ!
今シーズンはカワハギの大アタリ年!
船でも堤防でも爆発的に釣れていて、カワハギ仕掛けが釣具店から消えるほど。社会問題(?)にもなっています。
“エサ取り名人”とも呼ばれるやや難易度が高いターゲットですが、今年に限っては異常に数が多く、初心者の方でも爆釣するくらい釣れています。
そんな情報を聞きつけ、鼻息の荒くなった男二人が沖へ。
カワハギの肝が大好物の筆者と、カメラマンという“名目”で大量のアサリを持ってきた編集部しみけん氏。
今回は、ガチで釣りをして竿頭を目指します!
道具の準備も抜かりなく
カワハギ釣りは、誘って掛ける釣り。
カワハギはホバリングしながらエサをついばむので、丁寧に仕掛けを操作し、小さなアタリを掛けアワせることが求められます。
つまり、イカメタルやタチウオテンヤと同じように竿の性能がとても重要で、専用竿が不可欠です。
また、カワハギ釣りの中にもいろいろな釣り方があるので、状況や釣り方に竿を合わせることも大切。
ということで、今秋発売されたがまかつのデッキステージカワハギを3本用意!
使い分けつつ、その使用感も検証していきます。
175AR-オールラウンド
175AR(オールラウンド)はその名の通り、汎用性が高いモデルです。
シリーズ中では、もっとも先径の細いカーボンソリッドティップを搭載しています。
宙釣りができる操作性を備えつつ、ゼロテンションができるしなやかさも備えた、バランスに優れた1本です。
176SS-センシティブセンサー
176SS(センシティブセンサー)は、しなやかなグラスソリッドティップを搭載したモデルです。
グラスソリッドはカーボンソリッドよりも柔らかく、目感度に優れるのでより小さな変化も表現します。
柔軟な穂先を活かしたゼロテンションや弛ませなど、中オモリや集寄のみを動かして細かく誘う釣りが得意です。
173AC-アクティブコンタクト
173AC(アクティブコンタクト)は、硬めのカーボンソリッドティップを採用したモデルです。
アクションとフッキングレスポンスを重視した調子で、掛ける釣りに特化しています。
宙の釣りや高活性時、深場で活躍する竿です。
ハードモードで実釣
準備はバッチリ。「目指せ竿頭!」ということで向かったのは、和歌山県の中紀エリア。
近況では、なんと100枚以上釣っている方も!
久しぶりのイージーモードwww
夜が明けて、いざ出船!
11月下旬、天候は曇り後晴れ、中潮周りという状況。
ポイントまでは意外と遠く、1時間弱ほど走ります。
沖に出るほど強い北風が吹いているような……。
ポイントに到……着……?
白波? ウネリ?
おかしいな〜。おかしいな〜。
どれぐらい荒れているかというと……
立っているのもやっと。
というか、思いっきりコケました(笑)
しみけん氏と「こんな状況でカワハギ釣りなんて……」という会話を7往復ぐらいして、釣りスタート。
水深は30m前後、オモリは30号です。
とりあえずボトム付近を探って、魚の反応を見ます。
人間側はタフコンディションですが、海の中は意外と賑やかそう?
一投目から早速アタリが!
ファーストフィッシュは、定番外道のトラギスでしたー。
カワハギ釣りでは、コイツ達を上手くかわしていくのも釣果を伸ばすコツ。
一旦底をきってからカワハギだけにアプローチできるようにします!
荒れているのでアタリはかなり取りにくいものの、穂先にコココンッと金属的なアタリが!
かなり小さめですが、荒れている中でもしっかりアタリを判断して、本命を釣れましたよ。
さすがに小さ過ぎるのでリリース。
今年はアタリ年ゆえに小型も多いので、小型で元気そうな個体はどんどん海に帰します。
開始1時間ほどでようやく5枚。100匹には程遠いペースですが、ようやくリズムを掴んできました。
エサ取りが多ければ底をきって宙の釣り、エサ取りが少なければじっくり底を這わせるのが良さそうです。
175ARを1本目に選んだことで、当日の雰囲気を早く掴めたと思います!
本命ポイントの水深は45m前後と、少し深くなりました。
ここで硬めの173ACに持ち替えてみます。
深くなった分だけレスポンスを重視して、フッキング率を上げる作戦です!
エサ取りを警戒し、少し浮かせ気味で誘いを入れていると、ココンッと小気味の良いアタリが!
素早くフッキングも決まってヒット。
ジャーン!
目標としていた肝パンの良型をゲット!
作戦がハマったのか、30分ほどで5枚を追加。ツ抜け達成です!
173ACに水深と魚の活性がドンピシャでマッチしたと思います。
このまま一気に数を伸ばしたいところでしたが、海がさらに荒れてきました……。
ここで柔らかめの176SSにチェンジ!
エサ取りは少なく、根も荒くないので、なるべく仕掛けを浮かせないようにする作戦です。
タコ釣りのような要領で、オモリを海底に着けたまま、穂先のしなやかさを活かして仕掛けだけを踊らせます。
すると……
穂先をゆーっくり聞き上げると、コツコツっとした金属的なアタリがあり、またもや良型をキャッチ!
やっぱりボトムにベッタリなのか、下の針に掛かっていますね。
荒れた状況では、硬い173ACだと仕掛けが動き過ぎて釣りにくいのですが、176SSなら喰わせられます!
そのまま連発して1時間で10枚をキャッチ。トータル20枚の釣果で後半戦に突入!
やっぱり大半のカワハギは下の針に掛かっており、しっかり仕掛けを底に着けるのが重要でしたね。
エサ取りが少ないこともあって、この作戦が機能しています!
未だ5枚の釣果でしょんぼり気味(笑)
竿のローテーションの都合、状況にマッチしていない竿を使っているので苦戦を強いられている様子。
後半戦はさらに荒れてきて、ペースダウン。
それでも、釣り方と道具が合えば納竿間際までポロポロとアタリが出て、拾い釣りで数を重ねました!
筆者の最終釣果は31枚!
近況に比べると渋い数でしたが、コンディションを考えると自分を褒めてあげたいぐらいです(笑)
そして、当日の竿頭は53枚! 残念ながら、竿頭とはなりませんでした。
撮影をせずに釣りに徹していたら……という心境でございます(笑)
ちなみに、しみけん氏の釣果は15枚。
撮影係のハンデはあったものの、竿を使い分けた筆者とは明確な差が出ました。
なにをしても釣れる良い状況ならまだしも、こういった難しい時には道具の差が顕著に現れますね。
使い込んだ3本を振り返って
難しい状況で真剣に釣りをしたからこそ、わかることがある。
ということで、当日使った3本の使用感を振り返ってみます!
175AR-オールラウンド
やはり、175ARはバランスに優れる器用な竿でした。
さまざまな状況と釣り方に対応できるので、「これ1本があればカワハギ釣りは成立する」といった感じです。
1本でいろいろ試せるがゆえに状況判断もしやすいので、パイロットロッドといったイメージ。
竿の曲がりを見てみても、“カワハギ釣りの王道”といった調子です。
繊細なカーボンソリッドティップなので、目感度・手感度ともに優秀でした。
173ACに比べて柔軟なのでバラシも少なく、少々船が揺れても使いやすかったですね。
また、シリーズ全機種がスパイラルガイドなので、荒れていても穂先絡みが起こりませんでした。
176SS-センシティブセンサー
176SSは、ボトムを丁寧に攻める釣りで威力を発揮する1本でした。
仕掛けを弛ませるテンションコントロールがしやすく、エサ取りが少ない砂地では抜群に使いやすいです。
柔軟なグラスソリッドは喰い込ませるのが得意で、低活性時や吸わせ系のハリとも好相性。
175ARよりもしなやかに動いているのがわかると思います。
これによって荒れた状況でも仕掛けを浮かせることなく、ボトム付近を丁寧に誘い続けられます。
目感度も良く、中オモリを使ったテンションの強弱で食わせる釣りにも最適。
逆に、柔軟なグラスソリッドは振動を吸収するので、他の2本と比べて手感度は劣ると感じました。
173AC-アクティブコンタクト
173ACは、リニアな操作ができてスピード感のある釣りにドンピシャの1本でした。
人間の動きに対して仕掛けがラグなく動くので、エサ取りや根をかわしやすく、カワハギが高活性で浮き気味な状況に向いています。
フッキング性能も高く、深場や潮が速い状況においても、手首を返すような小さなモーションでもフッキングが決まりました。
動画では分かりにくいかもしれませんが、175ARに比べると、穂先まで硬いのが特徴。
曲がりが少ない分だけ手感度は高く、カワハギ特有の金属的なアタリが反響して手元まで届きます。
その一方で目感度は175ARに劣り、穂先の動きでアタリを取るような使い方には不向きでした。
また、硬いのでアンダーハンドで遠投がしやすく、キャスティング釣法にもよかったですね。
大アタリ年とはいえ!
今年は大アタリ年と言われていますが、やはりカワハギ釣りなので、好釣果を得るには釣り方や道具をしっかり合わせることが大切だと痛感しました。
とくに今回のような難しいフィールドコンディションでは、小さな違いが釣果差となって現れます。
大雑把では大アタリ年を楽しみきれないので、しっかりと準備をして臨んでくださいね。
がまかつ デッキステージ カワハギ 176SS-センシティブセンサー
全長 | 1.76m |
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自重 | 98g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 93cm |
オモリ負荷 | 20-30号 |
がまかつ デッキステージ カワハギ 175AR-オールラウンド
全長 | 1.75m |
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自重 | 98g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 92.5cm |
オモリ負荷 | 20-30号 |
がまかつ デッキステージカワハギ 173AC-アクティブコンタクト
全長 | 1.73cm |
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自重 | 98g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 91.5cm |
オモリ負荷 | 20-30号 |