宵姫華がモデルチェンジ

こんにちは、編集部しみけんです。
数あるライトゲームロッドの中でも、おそらくトップクラスの注目度を誇るラグゼ宵姫華弐(よいひめはなに)。
初めてルアーでアジを釣ったのがコーストラインAJ、少し前に宵姫爽をインプレしたこともあり、筆者も非常に気になっていました。
今回は、そんな宵姫華弐を深掘りしていきます!
ラインナップ
S68FL-solidがイチオシ!

がまかつ社から筆者宅へ送られてきた14本の華弐の中から、「1本でジグ単やるなら間違いなくコレ」と筆者が選んだのがS68FL-solid。
軽量リグへの追従性、PEラインとのマッチング、幅広いフィールドへの対応力、豆〜尺アジ・メバルへの適性。
S68FL-solidを振った時に、求めるこれらの要素を満たしていると直感。実際に使ってみると、想像通りの“ド真ん中感”でした。
宵姫華弐の細部をチェック

使用感をお届けする前に、まずは宵姫華弐の細部を紹介します。
もっとも気に入っているのが調子。
よく動くフレキシブルなティップは、一目見ただけで「軽量リグの操作感が明確だろうな」とわかります。
公式情報では「ややレギュラーテーパーに振った」と言われていますが、リグの操作時(低負荷時)はアジングロッドらしいEXファーストテーパーでしょう。
そこから負荷を大きく掛けていくと、バットまでしっかり曲がり込んでいきます。
人によって調子の好みは違うと思いますが、「掛けるまでは先調子、掛かった後は胴調子」というテイストは筆者の理想です。

穂先に注目すると、カーボンソリッドを3番ガイドの位置で繋いでいます。
このカーボンソリッドの先径は0.7mm。
S54FL-solidとS59FL-solidの先径は0.6mmなので、同じFLパワーでも穂先を若干硬くしているのでしょう。

ガイドは元ガイドから1本足。
トップガイドのみSiCリングで、1番ガイド以下はすべてトルザイトリングです。

ティップ周辺のガイドは、ライトゲームロッドの中でも非常に小口径な部類。

ガイドを固定するスレッドとコーティングのエポキシは、極薄。
公式情報では触れられていない部分ですが、軽さへのこだわりを感じます。

宵姫爽のリールシートはVSSでしたが、華弐はDPSを採用。(ロックナットはオリジナルデザイン)
このリールシートはリザウンドグリップと呼ばれる、がまかつ独自の構造で取り付けられていることも目に見えない特徴です。
リザウンドグリップは、リールシートを固定するためのブッシング材を分割しており、中空部を設けることで軽量化・高感度化を狙っています。

前作や爽と同じく、リアグリップは極小。

ロゴはリールシートの直下に。
軽いリールを合わせたくなる



宵姫華弐は持った瞬間にわかるほど、とにかく軽いことが特徴です。
普段使っている6ft9inのジグ単ロッド(定価約5万)の自重は71gなので、S68FL-solidの46gには驚き。
竿が軽すぎるので、軽いリールを合わせても、重いリールを合わせても、タックルの重心位置はほぼ同じです。
重いリールを付けたからといって、より穂先が軽く感じられることもなかったので、リールは軽ければ軽いほど良いと思いました。
秀逸なキャストフィール
宵姫爽を使った時にも同じことを思いましたが、糸抜けが良く、ルアーがよく飛びます。
キャスト時に竿がしっかり曲がることも投げやすくてよく飛ぶ理由だと思いますが、注目してもらいたいのはキャスト後の挙動。
スロー再生で見ると、振り切った後に穂先がリバウンドして一度上に跳ね上がりますが、リバウンドをこの1発だけで綺麗に収めています。
軟調・長尺ロッドの泣き所である竿ブレを、ここまで抑えているのには関心。
おそらく、軽量な小口径ガイドの恩恵もあるのでしょう。
ルアー別の使用感

ジャンルとしてはジグ単用ロッドだと思いますが、ジグ単に加えてプラグもしっかり使い込んでみました。
ルアー別の使用感を詳しく解説します。
ジグヘッド

ジグヘッドのウエイトは0.8〜3gまで使いました。
操作感が薄れがちなPEラインでも、穂先がジグヘッドの荷重を逃さないので、アンダー1gのジグヘッドを使っても明確な操作感があります。
ジグヘッドを見失わないフレキシブルなティップは、PE使いの味方です。
その一方で、水深15mラインで2〜3gの重量級ジグヘッドを快適に扱うこともできました。
深い場所で重いジグヘッドを使うと、ティップが適度にアングラーの入力を吸収するため、おそらく海中のジグヘッドはナチュラルに泳いでいるはずです。
逆を言うと、重いジグヘッドを高くリフトするような誘いは難しいため、メリハリをつけたアクションにはより硬い番手が適します。
プラグ

ワンダー50ライト、SPM55、オルガリップレス、ガンシップ36といった、3g前後のメバル用プラグは難なく扱えます。
さすがに3g台の飛距離はS72L-solidに劣りましたが、フルキャストすれば十分すぎる飛距離を稼げます。
プラグの中でもとくに相性が良いと感じたのは、ワンダー50ライトなどの引き抵抗が少ないシンペン。
デッドスローで巻いたり、止めて流したりすると見失いがちですが、柔らかいティップが追従するのでそんな心配もありません。
また、アミパターンの時に多い渋いバイトに対しても、柔らかいティップが針先を魚に乗せてくれるため、かなりフッキング率が高かったです。
抜け感度・反響感度ともに◎

まず、抜け感度(荷重変化を捉える感度)は、リグへの追従性(操作感)とほぼ同義だと筆者は解釈しています。
つまり、リグの荷重をティップに掛け続けられていれば、そこからさらに荷重が掛かったり、掛かっていた荷重が抜けたりすれば全部アタリだと判断できるわけです。
S68FL-solidはティップに荷重が乗りやすい上に、6ft8inのレングスがその荷重を増幅させて手元に伝えてくれる(テコの原理のようなイメージ)ため、テンション変化によるアタリの判断力が非常に優れます。
実釣時には、竿をサビいてジグヘッドを持ち上げている最中に、フワッとジグヘッドの荷重が消えるアタリを鮮明に捉えられました。
抜け感度と反響感度は「両立が難しい」と聞いたことがありますが、反響感度も文句なし。
海藻地帯でメバリングをした時、「ジグヘッドがワカメの茎に触ったな」「ワカメの葉に触ったな」「テトラの地肌に触ったな(ってことはワカメが生えていないな)」「ワカメじゃないモシャモシャの海藻に触ったな」といった具合に、“触れたモノの質”までクリアに伝わってきました。
ファイト中の安定感が抜群

軟調・長尺ロッドゆえに、ファイト中の曲がりしろが大きいこともS68FL-solidの特徴です。
写真は20cm程度のガシラ(カサゴ)を釣った時の曲がりですが、“その程度”の魚でもこれだけ曲がってくれます。
ライトゲームの場合、リールのドラグでファイトすることもできますが、筆者のような“竿で魚を釣りたい”人にとっては魅力でしょう。
口切れや針外れが少ないことに加え、ドラグを締められることも曲がる竿のメリットです。
竿がショックアブソーバーとしての役割を果たす分、ドラグによるラインの放出量を減らせるため、細いラインをカバーしつつ主導権を取りながらファイトできます。
ワカメ林でメバリングをしている時にも、潜られてバラすことは一度もありませんでした。
風に強く、足場を選ばない

6ft8inのジグ単ロッドは長すぎると感じる人もいるかもしれませんが、いろんな釣り場や状況に対応するには、6ft後半が理想だと筆者は考えています。
例えば風がある時は、キャスト後に素早く道糸を海面に置いたり、空中を漂う糸を減らすために穂先を海面に近づけたりする必要があります。
こんな風対策をしやすいのも長い竿のメリットです。短い竿だとラインを風に取られて釣りが難しくなります。(とくにPEラインの場合は)
また、足場が高い防波堤や、前方に捨て石が張り出した石積みなどでも、長さによって高い操作性を確保できます。
足場が低い無風の堤防だけならショートロッドに分がありますが、不測の状況にも対応しうる“懐の深さ”がロングロッドの魅力でしょう。

また、ボートアジング&メバリングで使いやすいのもGOOD。
風でボートが揺れても穂先を安定させやすく、足場が高くなっていることが多い艏でも穂先を海面に近づけられます。
ボートは足元が不安定なのでラインテンションのコントロールが難しくなりますが、追従性の高いティップも合わさり、操作感が消えることはありませんでした。
華弐S68FL-solidを使い込んで……

最後に、インプレッションの補足とちょっと思ったことを書いておきます。
すべての人の最適解ではない
全14本のラインナップの中から、筆者がもっとも気に入ったS68FL-solidを紹介しましたが、すべての人にとって最適な1本ではないと思います。
例えば、漁港内でしか釣りをしない、豆アジしか狙わない、プラグしか使わない、アジングロッドは5本体制、といった人には魅力が薄いかもしれません。
ロッドの好みは、釣りに対するスタンスの延長線上にあるものだと思うので、好みが分かれるのは当然でしょう。
宵姫爽にS68FL-solidを追加してほしいな〜
軽量リグの操作性に優れ、アタリを取りやすく、釣り場を選ばないS68FL-solidは、お手本のようなライトゲームロッドだと思います。
お財布事情が許せば、ビギナーの方にもおすすめしたい1本ですが、“4万円”はなかなかハードルが高いプライスでしょう。
爽S58FL-solidは非常に優れたアジングロッドでしたが、“汎用性の高いライトゲームロッド”となるとS68FL-solidが光ります。
ライトウェイト・ミドルレングスロッドの決定版!

軽量リグの操作感を最優先した、汎用性の高いライトゲームロッド。
こんな竿をお探しの方にドンピシャでハマるのが、宵姫華弐S68FL-solidだと思います。
とにかく竿からのインフォメーションが多く、釣りを楽にさせてくれる1本なので、気になった方はぜひ手にとってみてください。
▼今回の記事で使用した番手
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S68FL-solid
標準全長(cm) | 203.5 |
---|---|
標準自重(g) | 46 |
仕舞寸法(cm) | 106 |
パワー | FL |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.1-3 |
適正PEライン(号) | 0.1-0.3 |
適正ナイロンライン(lb) | 0.8-2 |
先径(mm) | 0.7 |
グリップ長(mm) | 205 |
▼その他の番手
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S54AL-solid
標準全長(cm) | 163 |
---|---|
標準自重(g) | 37 |
仕舞寸法(cm) | 85.5 |
パワー | AL |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.1-1.5 |
適正PEライン(号) | 0.1-0.3 |
適正ナイロンライン(lb) | 0.8-1.5 |
先径(mm) | 0.6 |
グリップ長(mm) | 150 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S54FL-solid
標準全長(cm) | 163 |
---|---|
標準自重(g) | 39 |
仕舞寸法(cm) | 85.5 |
パワー | FL |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.1-2 |
適正PEライン(号) | 0.1-0.3 |
適正ナイロンライン(lb) | 0.8-1.5 |
先径(mm) | 0.6 |
グリップ長(mm) | 150 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S59FL-solid
標準全長(cm) | 175 |
---|---|
標準自重(g) | 41 |
仕舞寸法(cm) | 92 |
パワー | FL |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.1-2.5 |
適正PEライン(号) | 0.1-0.3 |
適正ナイロンライン(lb) | 0.8-1.5 |
先径(mm) | 0.6 |
グリップ長(mm) | 150 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S57UL-solid
標準全長(cm) | 170 |
---|---|
標準自重(g) | 42 |
仕舞寸法(cm) | 89.5 |
パワー | UL |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.1-2.5 |
適正PEライン(号) | 0.1-0.3 |
適正ナイロンライン(lb) | 0.8-2 |
先径(mm) | 0.6 |
グリップ長(mm) | 185 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S62UL-solid
標準全長(cm) | 188 |
---|---|
標準自重(g) | 45 |
仕舞寸法(cm) | 98.5 |
パワー | UL |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.1-3 |
適正PEライン(号) | 0.1-0.3 |
適正ナイロンライン(lb) | 0.8-2 |
先径(mm) | 0.6 |
グリップ長(mm) | 200 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S69UL-solid
標準全長(cm) | 206 |
---|---|
標準自重(g) | 49 |
仕舞寸法(cm) | 107 |
パワー | UL |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.1-5 |
適正PEライン(号) | 0.1-0.3 |
適正ナイロンライン(lb) | 0.8-3 |
先径(mm) | 0.7 |
グリップ長(mm) | 210 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S57UL+-solid
標準全長(cm) | 170 |
---|---|
標準自重(g) | 44 |
仕舞寸法(cm) | 91.5 |
パワー | UL+ |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.1-3 |
適正PEライン(号) | 0.1-0.3 |
適正ナイロンライン(lb) | 0.8-3 |
先径(mm) | 0.6 |
グリップ長(mm) | 185 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S64L-solid
標準全長(cm) | 193 |
---|---|
標準自重(g) | 47 |
仕舞寸法(cm) | 101 |
パワー | L |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.1-5 |
適正PEライン(号) | 0.1-0.3 |
適正ナイロンライン(lb) | 1-3 |
先径(mm) | 0.7 |
グリップ長(mm) | 210 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S72L-solid
標準全長(cm) | 218 |
---|---|
標準自重(g) | 53 |
仕舞寸法(cm) | 113.5 |
パワー | L |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.1-9 |
適正PEライン(号) | 0.1-0.3 |
適正ナイロンライン(lb) | 1-3 |
先径(mm) | 0.8 |
グリップ長(mm) | 245 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S64ML-solid
標準全長(cm) | 193 |
---|---|
標準自重(g) | 49 |
仕舞寸法(cm) | 101 |
パワー | ML |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.1-9 |
適正PEライン(号) | 0.1-0.4 |
適正ナイロンライン(lb) | 1-3 |
先径(mm) | 0.8 |
グリップ長(mm) | 220 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S72M-solid
標準全長(cm) | 218 |
---|---|
標準自重(g) | 55 |
仕舞寸法(cm) | 113.5 |
パワー | M |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 0.7-12 |
適正PEライン(号) | 0.2-0.5 |
適正ナイロンライン(lb) | 1-4 |
先径(mm) | 0.8 |
グリップ長(mm) | 255 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S80MH-solid
標準全長(cm) | 244 |
---|---|
標準自重(g) | 63 |
仕舞寸法(cm) | 126.5 |
パワー | MH |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 1-20 |
適正PEライン(号) | 0.3-0.6 |
適正ナイロンライン(lb) | 1.5-6 |
先径(mm) | 0.9 |
グリップ長(mm) | 270 |
がまかつ ラグゼ 宵姫 華弐 S86H-solid
標準全長(cm) | 259 |
---|---|
標準自重(g) | 70 |
仕舞寸法(cm) | 134.5 |
パワー | H |
使用材料(%) | C99.9/G0.1 |
継数(本) | 2 |
ルアーウェイト(g) | 1-28 |
適正PEライン(号) | 0.3-0.6 |
適正ナイロンライン(lb) | 1.5-8 |
先径(mm) | 0.9 |
グリップ長(mm) | 300 |