これはアジングロッドか……!?

がまかつのLUXEブランドから発売されている「寧音」というロッドをご存知でしょうか?
この寧音、何用のロッドだと思います?
なおと
パッと見だと「アジングロッド」と思う方が多いかもしれませんね!
他に類を見ないロッド、寧音。

じつはこの寧音、ロックフィッシュロッドなんです!
もちろん“ただのロックフィッシュロッド”ではないので、まずは寧音がどんなロッドなのかを解説します。
一般的なロックフィッシュロッドと一線を画すコンセプト

寧音のコンセプトは“大型根魚の要塞を精密に攻め落とすロックフィッシュロッド”。
つまり、従来よりもライトなルアー、ライトなラインを用い、より繊細にアプローチしようというロッドです。
ラインナップは全4機種。
注目すべきは適合ルアーウェイトの下限で、最硬調のB70H-solidでも3.5g!
なおと
従来の“ハードロックフィッシュ”というスタイルでは、喰わせきれなかった大型根魚を狙うという魂胆ですね。
まるでアジングロッドのようなブランク

一見、ブランクはキャロ・フロート用のアジングロッドかのよう。
とても細身で、振ってみると軽くてシャキッとしており、明らかに高弾性カーボン特有のそれです。

4本すべてが、ティップはハードタイプのカーボンソリッド。
ちなみに、B64ML-solidの先径は0.8mm、B70H-Solidでも1mmと極細です。
ライトゲームロッドの宵姫華弐が0.6〜0.9mmなので、いかに細いかがおわかりいただけるでしょう。
このソリッドティップがあそこまでのライトウェイトを扱える理由ですね。
なおと
チューブラーとソリッドの継ぎ目も美しく、カーボンソリッドの使い方は「流石がまかつ」です!
ベイトなのにトリガーレス

じつは、4本すべてがベイトロッド。
そうなんです! 寧音のリールシートにはトリガーがなく、まるでスピニングロッドのような格好をしています。
そしてなんと、反響感度を高めるために、リールシートは中空のカーボンパイプ構造です。

エンドグリップも小さく、装飾パーツや塗装も最低限で、徹底的な軽量化が行われています。
なおと
「必要な物だけ残してある」って感じの外観です!
スパイラルガイド

ガイドはチタンフレームのトルザイトをスパイラルにセッティング。
ラインテンションのON/OFFが多いロックフィッシュでは、糸絡みが軽減されるのは大きなメリットです。
もちろん、ブランクとラインの干渉も回避できます。

すべてのガイドがシングルフットとなっており、軽量化しつつ、ブランク本来の性能をスポイルしないように仕上げられています。
なおと
スレッド巻きも薄くてコンパクトで、無駄なスレッド&エポキシを載せないように配慮されていそうです。
全4モデルを使い込んでみたら……

そんな寧音を4本持って真夏の日本海へ。
本命はキジハタですが、ロックフィッシュ以外にも良さそうだったので、いろいろな魚を釣ってきました。
なおと
いつもはハードロックスタイルなので、どれだけ違うのか楽しみです!
B64ML-solid

B64ML-solidは、日中に堤防周りの敷石を狙うフィネスな釣りに使ってみました。
5g以下のシンカーに2.5~3inのワームを組み合わせると、カサゴが連続ヒット!
見た目は華奢ですが潜られることは無く、しっかり根回りを攻められます。

敷石の先の砂地を狙うとアオハタの子供が連発。
感度が非常に良いので、底質を見分けるのも楽チンです。

2.5gジグヘッド+アジング用ワームでもしっかり投げられるので、かなりライトゲームロッドに近い存在と言えるでしょう。
なおと
いつも20gや30gで遠投して探ることが多いので、「手前にこんなに魚が入っているの!?」ってなりました(笑)
B74M-solid

続いてB74M-solidは、手前ジックリ+ちょい遠投という感じで狙っていきました。
5〜14gシンカーのフリーリグを使ってみましたが、下から上まで気持ちよく操作できます。
水深と距離に合わせてシンカーを変えていき、7g+2.5inホッグ系ワームでちょっとマシなキジハタをキャッチ!

5g+2.5inホッグ系ワームのフリーリグで、牡蠣殻ゾーンのボトムを探っていると真っ黒の夏らしいチヌが!
底は見えない少し深いポイントですが、牡蠣殻にシンカーが当たる感覚、抜ける感覚がクリアに伝わるので、根掛かりを回避しつつコツッという小さなバイトを掛けられました。
なおと
45cm程度のチヌなら、パワー的にはまだまだ余裕ですね!
B79MH-solid

長尺ロッドが好きなので、一番楽しみにしていたのがこのB79MH-solid。
14g+4inシャッドテールワームのフリーリグを沖の根に投入し、ジックリ誘うと良型のキジハタがヒット!
ベリーからバットの張りが強く、遠距離でも2/0のオフセットフックをバチッと貫通させられます。

見えているチヌがいたので、草陰に隠れて3.5gシンカーのライトテキサスをそっとキャスト。
53cmの年無しチヌをキャッチできました!
なおと
軽いシンカーも重いシンカーも使えるのは、ハードソリッドティップの恩恵ですね。
B70H-solid

B70H-solidは、マイボートを出してナイトの一発狙いに!
20gジグヘッド+4inシャッドテールのスイミングを軸に、潮が緩いタイミングは5gのフリーリグまで落として合わせていきます。
すると、40cmクラスから小型までキジハタがたくさん釣れました。

そして、40UPのベッコウゾイも登場!
ライトウェイトからヘビーウェイトまで扱えて、大型を掛けても安心感がある。
なおと
こんなロッド、他にないのでは?
4本ともみっちり使い込んだので、寧音シリーズ共通の良さを紹介していきます!
“引くぐらい”の感度

手元に伝わってくる感度は、驚きを超えて、引くレベルでした(笑)
ボトムには泥・砂・小砂利・岩・牡蠣・藻などいろいろなモノがありますが、全部クリアにわかります。
とくにラインとロッドの角度を90度にし、さびくようにロッドを動かすととんでもない情報量が手元に伝わってくるんです。
ラインが水を切っている感覚や藻に擦れている感覚なんかも明確なので、次に起こることが想定でき、リスク回避をしつつ高精度な釣りができます。
なおと
今までの情報が0.10.20という伝わり方だとしたら、寧音は0.1.2.3.4.5と情報が細分化されるような感覚!
小学校の時、初めてプレステ2を使って「めっちゃ画質綺麗やん!」ってなったアノ感覚です(笑)
ハードソリッドならではのコントロール性

寧音の核心は、ハードソリッドの入り具合と戻り具合、それによるコントロール性と断言できます。
そもそもロックフィッシュロッドは、ルアーが根にスタックするのを回避するためにティップを硬くするのがセオリーです。
しかし、ティップが硬いとルアーが跳ねすぎたり、ファーストバイトで吐き出されたりと、「硬ければ良い」という単純な話ではありません。
というのも、堤防周りの敷石やシャロー帯に潜むキジハタ(とくに日中)は、余程活性が高くない限り岩の隙間から出てこようとしません。(あまり語られないけど、沖のボート釣りとの大きな違いです)
そんなシビアな状況では、スタックを外しながらも、外した後にルアーが飛びすぎないハードソリッドがめちゃくちゃ有利なんですよね!
なおと
スタックを外した後に、ルアーが飛んで根から離れるか、根に対してタイトにフォールするか……
わずか数センチでも明らかに喰いが違います。
キャスタビリティも良い

高弾性かつ細身なので、キャスト時の振り抜きも抜群に良いです。
ソリッドティップながらキャスト後のブレを収めるのも早く、糸抜けも良いので、軽い力でもルアーを遠くに飛ばせます。
また、荷重移動もスムーズで、高弾性とはいえ曲がらない&戻りが極端に速いわけではないので、キャストフィールは穏やかでバックラッシュもしにくいですよ。
なおと
夜釣りをすることも考えると、バックラッシュしにくいのはかなり重要です!
魚を掛けた時の安心感もある

華奢な見た目とは裏腹に、曲げ込む程に強さを感じられます。
コンセプトで“根魚”ではなく“大型根魚”と謳っているだけあって、小物竿ではありません。
大きな魚が引き込んだ時に耐えていると、しっかり曲がって粘りながらグ〜ッとロッドが復元してくる、いわゆる“がまかつらしさ”も健在です。
なおと
隣で見ていた友人も「まだまだ曲がりしろに余裕があるな〜!」と驚いていたくらいです。
トリガーレスはメリットが多い

「トリガーレスどうなん?」と心配な方に一言、「最初以外は気になりません!」。
トリガーレスの心配事といえば、バックラッシュした時にロッドが手からすっぽ抜けて飛んでいくことですよね。
しかし、グリップには滑り止め加工が施されていて、リールシートとカーボンパイプの段差に指も掛かるので、実際に使ってみると不安はありませんでしたよ。
また、無理にトリガーに握りを合わせなくて良いので、握り方の自由度が高いのもメリットだと思います。
なおと
普通のロッドのように手首がガッチリ固定されず、フワッと持てるのでカーボンパイプの反響感度も活きてきます!
筆者流・寧音の番手選び

寧音が良いのはわかった。でも、どの番手が自分に合うのかイマイチ察しがつかん。
なんて方も多いのではないでしょうか? 似たようなロッドが無いので当然だと思います(笑)
なおと
ということで、ルアーウェイト・魚のサイズの2軸を中心に、それぞれのロッドの守備範囲を筆者なりに解説します!
B64ML-solid:スーパーライトウェイト

B64ML-solidは7gまでのシンカーを扱うことに長けており、感覚的には「アジングロッドの延長」です。
下限は、2gの極小タングステンシンカーと2~3inのワームを使ったライトテキサス、2g前後のライトゲーム用ジグヘッドと、まさにスーパーライトウェイトの世界。

レングスが6ft4inとあって、堤防周りをジックリ狙うような釣り方とはベストマッチ!
同じ近距離でも、水深が深かったり、重めの仕掛けでテンポ良く探りたい場合は、B74M-solidの方が向いていると思います。
あとは、「サイズ関係なく楽しむ」という点においてはシリーズ中でもダントツですね。
500gのペットボトルを持ち上げると、バットまでしっかり曲がり込んでいく様子がわかります。
ちなみに、ジグ単用のアジングロッドは500gだと結構ヒヤヒヤするので、パワーはジグ単ロッドより少し強いくらいな印象です。
3.5gシンカー+グラスミノーM (約2g)のテキサスリグをキャストしている様子です。
トータルウェイト(シンカー+ワーム)は5〜7gが一番気持ちいいと感じました。
なおと
B64ML-solidの真価を発揮させるには、BFS専用リールを使いたいですね!
がまかつ LUXXE 寧音 B64ML-solid
全長 | 6ft4in |
---|---|
自重 | 47g |
仕舞寸法 | 101.0cm |
パワー | ML |
継数 | 2本 |
ルアーウエイト | 1~9g |
適正ライン(PE) | 0.5~0.8号 |
先径 | 0.8mm |
グリップ長 | 250mm |
B74M-solid:もっとも寧音らしい寧音

B74M-solidは下限が3gシンカーで、10g±4gくらいのシンカーが扱いやすいと感じました。
ワームの大きさは、一般的なシャッドテールやホッグ系だと“3.5inまで”が目安。
4inを超えると物によってはワーム単体で10gほどあるので、バルキーなワーム+軽いシンカーという使い方もアリですね!

45cmのチヌもベリーからバットまで曲げて耐えているだけで、フワッと浮かせられましたよ。
繊細さと強さのバランスという点では、「一番寧音らしい寧音」だと個人的に思います。
B64ML-solidより1ft長いこともあって、元ガイドからグリップの前はほとんど曲がることなく残っています。
釣竿は“長さ=強さ”という側面もあるので、B64ML-solidに比べると大型の捌きやすさは格段に上ですね。
10gシンカー+ドライブホッグSW 2.5in(約3.5g)のフリーリグをキャストしている様子です。
荷重がスムーズに移動し、最後はティップのブレが素早く収束。これが寧音の気持ちよさ!
トータルウェイトは5〜14gがキャストしやすく、一番気持ちいいのは10g前後です。
なおと
極力軽い仕掛けで大型を狙いたい。
こんなスタイルにはB74M-solidがマッチするはずです!
がまかつ LUXXE 寧音 B74M-solid
全長 | 7ft4in |
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自重 | 57g |
仕舞寸法 | 116.0cm |
パワー | M |
継数 | 2本 |
ルアーウエイト | 1.5~14g |
適正ライン(PE) | 0.5~1.0号 |
先径 | 0.85mm |
グリップ長 | 310mm |
B79MH-solid:シリーズ屈指の汎用性

遠投をベースに、幅広いウェイトを使うならB79MH-solid。
10〜14gのシンカーが使いやすく、20gくらいまでは難なく対応できるので、汎用製の高さはシリーズ随一でしょう!
B74M-solidよりもバルキーなワームを使いやすく、4inサイズのワームがベースになるならB79MH-solidの方が使いまわしやすいと思います。

チヌをフリーリグやテキサスリグで狙ってみましたが、これがまた相性抜群。
7ft9inあるので曲がりしろも多く、年無しサイズも無駄に暴れさせることなく取り込めますよ。
長い分だけB74M-solidよりさらにバットが残っています。
ベリーからバットが強く、フッキングストロークも大きく取れるため、遠距離でのフッキングも決まりやすいですよ!
14gシンカー+ドライブシャッド3.5in(約6.5g)のフリーリグをキャストしている様子です。
長くてベリーからバットが強いため、空気抵抗の大きなバルキー系ワームもしっかり振り抜けます。
それと、グリップが長いのも遠投しやすい理由ですね。
なおと
遠浅のポイント、根が高いポイント、足場の高いポイントにはもってこい!
がまかつ LUXXE 寧音 B79MH-solid
全長 | 7ft9in |
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自重 | 62g |
仕舞寸法 | 122.5cm |
パワー | MH |
継数 | 2本 |
ルアーウエイト | 2.5~21g |
適正ライン(PE) | 0.6~1.0号 |
先径 | 0.95mm |
グリップ長 | 330mm |
B70H-solid:大型狙い&ボートスペシャル

MAX28gまでキャストできる最硬調のモデルですが、決してガチガチのロッドではありません。
ハードソリッドの恩恵によって、下はトータルウェイト7gほどの軽量リグも操作可能。
それでいて20gのジグヘッドリグのスイミングも難なくこなすわけですから、驚き。

40アップや50アップが濃いエリアではB70H-solidがベストかなと思います。
陸っぱりでそんなエリアはかなり少ないと思いますが、ボートで出ると珍しくないんですよね。
沖だと仕掛けが重くなりますし、ショートレングスが使いやすくなるので、個人的にはボートでイチオシの一本です!
B79MH-solidより9inも短いので、「バットが強くなった」のではなく、「全体が一回り強くなった」という印象です。
短くて強いので初期ファイト時に魚の頭を自分に向けやすく、速いテンポでショートポンピングできるので強引なファイトがしやすくなります。
20gシンカー+ドライブシャッド4in(約8.2g)のジグヘッドリグをキャストしている様子です。
トータルウェイトはスペック上の上限ですが、ワームがバルキーでもフルキャストでバシッと振り切れます。
やはりコンパクトに振れるので、ボート上での投げやすさも特筆事項です。
なおと
こんなに強くて繊細なロッドは、フルチューブラーじゃ絶対に作れないと思います(笑)
がまかつ LUXXE 寧音 B70H-solid
全長 | 7ft0in |
---|---|
自重 | 58g |
仕舞寸法 | 111.0cm |
パワー | H |
継数 | 2本 |
ルアーウエイト | 3.5~28g |
適正ライン(PE) | 0.6~1.2号 |
先径 | 1mm |
グリップ長 | 315mm |
感度も操作性も良いが、なにより楽しい!

従来のハードロックスタイルも、それはそれで楽しくて魅力的な釣りだと思います。
しかし、ライトウェイトを操ってバイトさせる快感、掛かった後のブチ曲げファイトの快感は寧音でしか味わえません。
釣果を上げるための合理性に加え、ロックフィッシュというカテゴリーに“新たな楽しみ”をもたらした点も見逃せません。
安いロッドではありませんが、ロックフィッシュ好きの方にはぜひ手に取ってもらいたいロッドでした。
撮影:ちゃったTV なおと
sponsored by がまかつ
がまかつ LUXXE 寧音 B64ML-solid
全長 | 6ft4in |
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自重 | 47g |
仕舞寸法 | 101.0cm |
パワー | ML |
継数 | 2本 |
ルアーウエイト | 1~9g |
適正ライン(PE) | 0.5~0.8号 |
先径 | 0.8mm |
グリップ長 | 250mm |
がまかつ LUXXE 寧音 B74M-solid
全長 | 7ft4in |
---|---|
自重 | 57g |
仕舞寸法 | 116.0cm |
パワー | M |
継数 | 2本 |
ルアーウエイト | 1.5~14g |
適正ライン(PE) | 0.5~1.0号 |
先径 | 0.85mm |
グリップ長 | 310mm |
がまかつ LUXXE 寧音 B79MH-solid
全長 | 7ft9in |
---|---|
自重 | 62g |
仕舞寸法 | 122.5cm |
パワー | MH |
継数 | 2本 |
ルアーウエイト | 2.5~21g |
適正ライン(PE) | 0.6~1.0号 |
先径 | 0.95mm |
グリップ長 | 330mm |
がまかつ LUXXE 寧音 B70H-solid
全長 | 7ft0in |
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自重 | 58g |
仕舞寸法 | 111.0cm |
パワー | H |
継数 | 2本 |
ルアーウエイト | 3.5~28g |
適正ライン(PE) | 0.6~1.2号 |
先径 | 1mm |
グリップ長 | 315mm |