釣りの可能性を拡張する“ウェーダー”というギア
サーフで青物、渓流でトラウト、河口や河川でシーバスやチヌを効率よく狙っていくためにも、ウェーダーの存在は欠かせません。
入水することで、今まで到達できなかった領域までが守備範囲となり、おのずと魚と遭遇できる確率が向上します。
販売価格4万円オーバー。ハイエンドモデルをレビュー
筆者もウェーダーを用いた釣りはするものの、4万円を超えるような価格帯(ハイエンド)のモデルは、使ったことがありません。
そこで、今回は写真のリバレイ(RBB)「ZIPチェストウェーダーII」をお借りし、その実力を検証してみたいと思います。
河川ウェーディングゲームに最適化されていますが、ウェーダーを必要とする、幅広い釣りに使うことができる一着です。
リバレイ(RBB) ZIPチェストウェーダーIIの特徴
リバレイ(RBB)ZIPチェストウェーダーは、現場からの声を聞き、改良を重ねてより最適化された、プロスペックのウェーダーです。
※2023年3月に一部仕様変更されたものが新発売予定
基本的にウェーダーは、強度と快適性がトレードオフになってしまうもの。しかし、その相反する2つの要素を絶妙なバランスで共存させ、タフでありながら最上級の着心地に仕上げています。
実際に現場で着用するとこんな感じ。
僕は173cmの60kg。足のサイズは27cmで、Lサイズを着用。足の大きさは丁度良く、体周りの作りは、まだまだ余裕があります。
そしてスリムフィットとは言っても、膝上からは立体裁断を採用しているため、ガッシリとした大柄な方でも、問題なく履くことができるでしょう。
屈伸しても突っ張りが少なく、体の動きに馴染みます。
透湿防水素材だから快適
メインとなる生地には透湿防水素材を採用。この時点で、エントリーモデルとは一線を画しています。
文字どおり、透湿性と防水性能を兼ね備えているため、ウェーダー着用時の不快な蒸れを極限まで減少させます。
ナイロン素材を用いたウェーダーは、裏地にメッシュを設けることで、蒸れを軽減していたりするのですが、透湿防水素材ならメッシュを設ける必要がそもそもありません。
サラッとした履き心地で、非常に快適でありながら、同時に軽量化も図れるのです。
膝下は強度重視
透湿防水素材はナイロンに比べ、強度が落ちるという弱点が。それを補うためにも、膝下は、強度を重視した5レイヤー透湿防水生地を採用しています。
藪こぎなどの際にも、ウェーダーへの致命的なダメージ(穴があくなど)を防ぐ役割を果たしてくれるのです。
膝を曲げたり、ときには膝小僧をつくこともあるウェーディングゲーム。膝下部分の生地は分厚くしっかりとしており、“頑丈さ”を感じとることができます。
ブーツ接着部分から水漏れがはじまり、ウェーダーが使えなくなってしまった……そんな経験をお持ちの方もいると思います。
ブーツとウェーダー本体の接着部分は二重構造で、負担のかかりやすい箇所を効果的に補強。
上部は軽量・快適性を重視
膝から上の部分は軽量・快適性を重視し、3レイヤー透湿防水生地を使用。
また、脚部と同じく、身体のラインに馴染む立体裁断を採用。スリムなシルエットでありながら、動きやすくゴワつかない着心地で、アングラーの動きをサポートします。
僕のような細身の人間にとって、基本、ウェーダーは生地が余り、ブカブカしてとても動きにくい。機動性も非常に悪くなります。
履きやすく脱ぎやすい、高強度フルジップ仕様
前面には、履きやすく脱ぎやすいように、高強度の防水フルジップを配備。
ジップは防水機能を持たせた、YKKのAQUASEAL®。写真でみると目の大きなジップですが、水の侵入を見事なまでにシャットアウトします。
この通り、前面は腰まで大きく広げられるので、とにかく着脱がスムーズ。ちなみに、大きく広げることができるので、釣行後の乾かす作業にも役立ちます。
下部にもファスナーが設置されているのでベスト、レインジャケットを着た状態でも開閉ができ、用を足すときに非常に便利です。
ソールはオールマイティなフェルトピン
河川や河口部でのシーバスゲームを見据えた設計で、ソールはサーフでも岩場でも使える、汎用性の高いフェルトピンを採用。
この小さなピンがあるだけで、苔の生えた岩場でも滑りにくいのです。
止水ジッパーポケットなども完備
前面の胸部分には、止水ジッパーが採用されたポケットが2つ完備。
スマートフォンを入れるには適していませんが、車や自宅のキーなどを入れておくと、濡れることなく釣行することができます。
胸部内側にはスマートフォンにピッタリなポケットが。魚が釣れたときには、サッと取り出し、写真を撮ることができますね。
釣りにおいては、なにかと便利なDカンも完備。釣行時に小物をぶら下げるだけなく、ハンガーにS字フックを引っ掛けて乾かしたりするため、使用後のお手入れの際に重宝しそうですね。
腰部分のベルトループは、強度を持たせるために、やや太めの設計をしています。