IM Zに200-Cが追加されました

ダイワ史上初のデジタル制御ブレーキを搭載し、大きな話題となったIM Z リミットブレイカー。
そのIM Zシリーズに2024年、IM Z TW 200-Cが追加されました。
噂よると、カバーできるルアーの幅がかなり広がって、バーサタイルになったのだとか。
なおと
ベイトリール大好きマンの筆者がインプレします!
ラインナップ
IM Z TW 200-Cのスペックについて

まずはIM Z TW 200-Cとリミットブレイカーのスペック的な違いから紹介していきます。
基本的な仕様はリミットブレイカーと共通

IM Z TW 200-Cの基本的な仕様は、IM Z リミットブレイカーと同じです。
番手が違うからといって、ボディサイズ等が異なるわけではありません。
IM Zにおける代表的な機能である、スマホ連動の「ダイワコネクティングシステム」やデジタル制御ブレーキの「インテリジェントマグフォース」はもちろん共通。
他にもTWSやATDドラグ、ハイパードライブデザインといったパッケージングも同じです。
最大の違いはスプール

リミットブレイカーとの最大の違いはスプールです。
スプールを浅溝化し、リミットブレイカーが苦手としていた軽量ルアーへの対応力を上げたのが、IM Z 200-Cです。
リミットブレイカーの下限ウエイトは14gとアナウンスされていましたが、200-Cは下限ウエイトが7gまで落とされています。
ハンドルは-5mmされて90mmに

リミットブレイカーから-5mmの90mmハンドルを採用しています。
さらにハンドルノブを、パワーラウンドEVAノブからハイグリップIシェイプパワーラージノブに変更。
じつはこのノブ、従来のIシェイプよりも厚めに作られています。これによって、繊細さを出しつつも指掛かりの良さやホールド力も高めています。
ただ軽いルアーを投げられるだけではなく、“それを操作する”ところまで配慮されているわけですね。
ギアレシオ7.3の追加

リミットブレイカーはギ比 8.4(100cm/1回転)のみの展開でしたが、200-Cはギア比7.3(87cm/1回転)のモデルも追加されました。
この点も、「より汎用性を求めた」ということなのでしょう。
ちなみに、リミットブレイカーよりもボールベアリングが2個少なくなっているのですが、それはウォームギアの両端部分です。
飛距離を実測!

IM Zといえば、やっぱり気になるのは飛距離ですよね。
ということで、飛距離を実測してみました!

IM Zのブレーキは、5つのモードに8段階のブレーキ力設定値を掛け合わせ、40パターンのセッティングが可能です。
今回の検証では、実釣時の実用性を重視して“バックラ覚悟のギリギリセッティング”ではなく、“バックラのリスクがないセッティング”での飛距離を計測しました。

ダイワコネクティングシステムに表示される飛距離は、ラインの放出量をベースにした数値です。
ということで、キャスト後に糸フケを回収し、距離計測機とPEラインのカラーを用いて着水点までの直線距離を計測してみます。
すると、90m前後の距離で4〜6.6%の差がありました。
糸フケの量は、投げ方や風、距離、ルアーの空力によっても変わるので、参考程度にイメージしながらお読みくださいませ。
なおと
検証時はほぼ無風、時折1m/sの追い風が吹く環境でした。
マニック95(8g)

最大飛距離: 51.2m
平均飛距離:48.12m
ブレーキ:ロングキャスト×ブレーキ力設定値3
タックル:セブンセンス モンスターストリーム MSB-902-SR + PE1.5号
8gのプラグで50m超えてれいれば十分な飛距離! いきなり驚きです。
なおと
横風や向かいがある状況、同重量でもリップがついているルアーだとブレーキは4か5に上げるのがベターでしょう。
スウィングウォブラー85S 12g

最大飛距離:59.0m
平均飛距離:56.36m
ブレーキ:ロングキャスト×ブレーキ力設定値3
タックル:セブンセンス モンスターストリーム MSB-902-SR + PE1.5号
マニックと同じブレーキセッティングでしたが、ルアーが重い分だけよく飛んでいました。
なおと
ブレーキを3にすると、キャスト直後の制動、後半の伸びを両立できているのでベストセッティングだと思います。
サスケ120 烈波(17g)

最大飛距離:57.2m
平均飛距離:56.12m
ブレーキ:ロングキャスト×ブレーキ力設定値4
タックル:セブンセンス モンスターストリーム MSB-902-SR + PE1.5号
これまでの2つに比べるとやや空気抵抗が大きなルアーですが、それでも55m強の飛距離を記録。
なおと
ブレーキは3でもキャストできますが、姿勢が乱れた時に少しラインが浮くので、トラブルレスという観点では4がベストだと思いました。
ベイルーフシーク108S(26g)

最大飛距離:80.5m
平均飛距離:75.28m
ブレーキ:ロングキャスト×ブレーキ力設定値2
タックル:セブンセンス モンスターストリーム MSB-902-SR + PE1.5号
重くて空力の良いルアーになると、一気に飛距離が伸びます。力まずに8割の力で80m級の遠投ができるのは素晴らしい!
なおと
筆者のフォームだとブレーキ2でもバックラッシュしませんでしたが、初速が速くなるフォームの方は3が安心かもしれません。
ネコメタル(40g)

最大飛距離:117.6m
平均飛距離:116.12m
ブレーキ:PEロングキャスト×ブレーキ力設定値2
タックル:ブラックレーベル 7112XHRB + PE1.5号
ブレーキ1だとジグの姿勢が変化した際にバックラッシュしたので、2に落ち着きました。
空中姿勢がバラつくフロントバランスやセンターバランスのジグは、PEロングキャスト×外部ダイヤル2 or 3が基準になると思います。
なおと
ロッドがややショートレングスで復元力も不足気味だったので、ベストタックルが組めれば少なくとも5%は伸びると感じました!
ネコメタル 逆付け(40g)

最大飛距離:125.9m
平均飛距離:121.6m
ブレーキ:PEロングキャスト×ブレーキ力設定値2
タックル:ブラックレーベル 7112XHRB + PE1.5号
ネコメタルは逆付けにすると重心がリア寄りになるので、同じブレーキセッティングでも少し飛距離が増します。
なおと
とはいえ完全な後方重心ではないので、ブレーキ1ではたまにラインが浮くので少し怖いですね。
TGベイト(45g)

最大飛距離:142.1m
平均飛距離:134.54m
ブレーキ:PEロングキャスト×ブレーキ力設定値1
タックル:ブラックレーベル 7112XHRB + PE1.5号
タングステン製ジグがいかに飛ぶか、がよくわかる結果になりました!
目標の150mには届きませんでしたが、体格の良い方がベストタックルで投げれば余裕で越えるはず。
なおと
ブレーキ1でもバックラッシュする心配はありませんでした。
BB180SF(3oz)

最大飛距離: 48.2m
平均飛距離:45.28m
ブレーキ:PEブレイドモード×ブレーキ力設定値4
タックル:フルレンジ C77SXH +PE3号
この手のビッグベイトは、どんなリールで投げてもこれぐらいの飛距離になるので「IM Zだから飛ぶ」というものではありません。
なおと
ショートキャストで小場所を撃つなら、マックスブレーキモードの方がブレーキ力が強いため、強いサミングをせずとも着水音を抑えられるので使いやすかったですね。
考察:PEロングキャストとロングキャストモードの比較

ブレーキ力設定値を1に揃え、PEロングキャストモードとロングキャストモードの飛距離を比較してみました。(ルアーはメタルジグ)
PEロングキャストはロングキャストよりもかなりブレーキが弱いのか、想像以上に大きな差があります。
その一方で、ブレーキを1や2にするとバックラッシュのリスクが高まるので、ルアーはジグや鉄板バイブなどに限られるでしょう。
なおと
実用性を考慮すると、大半のルアーはロングキャストモードをベースに調整するのがおすすめです!
凄いのは飛距離だけじゃなかった

よく飛ぶリールだとはわかりましたが、飛距離やキャスタビリティはリールの一側面にすぎません。
ということで、しっかり実釣も行ってきました!
まだ海水温が10℃を下回る凄くシビアな状況ですが、シーバスをメインに狙います。
タックルのセッティングは飛距離検証の時と同じく、9ftのシーバスロッドにPE1.5号、リーダーは20lbです。

とにかくキャストが楽しいので、アタリが少なくても心が折れません(笑)
モードとブレーキ力設定値の掛け合わせを変えると、まるで別なリールぐらいにキャストフィールが変わります。
使う前は、「電子制御によって飛ぶけど面白みの無いリールになってるかも……」と思っていましたが、ベイトリールならでは&IM Zならではの“使う楽しみ”が存分にありました。
ベイトリール大好きマンとしては、このあたりも重要なポイントです!

1匹目を釣るのに少々手こずりましたが、流心の深みにフルキャストして巻いてくると、マゴチがヒットしました!
最近はハゼを捕食するために汽水域へと上がってきているマゴチが多いみたいです。

その後は年無しのチヌをキャッチ。
30gのジグヘッドワームを遠投し、70mほど先でヒットさせました。IM Zの飛距離が活きます。

マゴチがかなり多いのか、立て続けにヒットしまくりでした。
それから数日間デイゲームで狙ってみましたが、釣れども釣れどもマゴチばかり。
本命のシーバスはどこへ? という感じで右往左往……。

なんだかんだ、シーバスを発見するのに1週間ぐらい要してしまいました(汗)
夜に小場所でボイルしているのを見つけ、シンペンをそっとショートキャストして喰わせました。
軽いルアーも難なく使えるので、1タックルで大場所から小場所までカバーできるのはシーバスマンとして嬉しいですね。
なおと
ということで、使い込んだIM Z TW 200-Cの使用感を振り返ります!
トラブルレス性能はピカイチ!

バックラッシュのしにくさは目を見張るものがありました。
ブレーキさえ合わせておけば、バックラッシュをゼロにしつつも、大遠投を可能にしてくれます。
また、スプールの回転数が高くても低くてもブレーキがしっかり制御されているのもポイント。
今までの遠投系リール、例えばスティーズ A TW HLCなんかと比べると、ショートキャストのしやすさは段違いです。
レスポンスの良い200スプールのおかげで、初速の遅いショートキャストでもしっかり回転が立ち上がり、そこにインテリジェントマグフォースによる緻密なブレーキが介入。
これによって、ショートキャストでの伸びとバックラッシュ回避も両立させられています。
なおと
今までの遠投系リールのようなピーキーさはありませんよ!
最高レベルの汎用性

遠投性能・トラブルレス性能と並ぶ特筆事項が、軽量級ルアーへの対応力です。
シーバス用プラグを例に挙げると、マニック95(8g)やスーサン(7g)なんかもスパスパ投げられます。
「これが本当に38mmスプールか!?」と、驚きでした!
それに加えて100g前後のビッグベイトも難なくキャストできるため、とくにワンタックルで釣りをするアングラーの強力な味方となると思います。
筆者は今まで、スティーズ A TW HLCを超絶指サミングで使ったり、モアザンPE TWでヘビーウエイトを投げたり、かなり無茶な使い方をしてきました。
しかしIM Z TW 200-Cは、ラインが許す範囲で、そんな無茶を“当たり前”に変えてしまうほどの対応力を備えているリールだと思います。
なおと
「ベイトフィネス以外は全部できるんじゃ?」ってレベルです。
感度も良い

やや大柄かつ重めなリールゆえに意外かもしれませんが、感度が良くて情報量が多いのもIM Zの魅力です。
ノイズの無い軽やかな巻き心地で、リトリーブ中の変化を捉えやすいです。巻きの質は軽いといえどもしっとりしていて、昔のダイワっぽいスカスカな軽さではありません。
また、パーミングしている手にも情報がよく伝わり、フォール中や風の強い日、ドリフト中のアタリもコツッと響いてきました。
おそらくボディの精度が非常に高く、各構成パーツが一つの塊となり、リール全体の剛性が高くなっているから感度も良いのだと思います。
なおと
ボディが柔らかかったり、余計な遊びが多かったりするリールは響かないんですよね。
IM Zならではのパワーとスピード

パワーに関しても、ショアから狙うような大型シーバス・フラットフィッシュ・ロックフィッシュ・中型青物なんかには申し分ないでしょう。
例えば、手前のブレイクをかわす時はポンピングだけで間に合わないことも多いですが、リールにこれだけパワーがあれば、リーリング主体のファイトで浮かせられます。
従来、ベイトはスピニングよりもスピードで劣りましたが、XHなら100cm/1回転なので4000番のスピニングのXHに相当するスピードです。
それでいて、ベイト特有のパワーがあるわけですからね。

今回はXHを使い込みましたが、巻き重りをそこまで感じなかったのも印象的です。
いくらベイトといえどもギアレシオが8を超えてくると、鉄板バイブ等の抵抗の大きなルアーを巻く際に強い巻き重りを感じるのですが……
「本当に1回転100cmか!?」と疑うレベルでした。
なおと
ずっとベイトリールを使い続けてきたからこそわかる凄さです!
XHはかなり速い

先ほど紹介した通り、XHの100cm/1回転は強力な武器です。
ただし、“使いこなせれば”という条件付きかな? とも思います。
おそらく、慣れるまではイメージよりもかなり速くルアーが動いていると思うので、人によっては使いにくく感じるかもしれません。
ギアレシオ7.3のH(87cm/1回転)も、他のベイトのXHに匹敵するスピードなので、選択する際はしっかり吟味してくださいね。
なおと
単にHとかXHってアルファベットに注目するのではなく、“何cm巻くか”を理解しておきましょう!
ドラグ性能も◯

ドラグ性能に関しても文句なし。
ATD特有の粘りも感じられ、滑り始めてからも溜めが効くので、非常に実用的です。
ドラグのクリック音も大きめで良い感じ。
ナイトゲームはドラグ音が無いと、ラインの締め込まれる音や指の感覚などで判断しないといけませんが、クリック音があると聴覚だけでファイトできますよ!
なおと
波風がある状況や船上でもしっかり聞こえるはずです!
超カッコイイ!

何よりも、IM Zはカッコイイ!
そのフォルムも然り、やはりブレーキ調整の時に光るのがGOOD。ナイトゲームの時なんて映えまくりです。
なおと
スターウォーズとかナイトライダーみたいな感じでカッコイイでしょ?笑
スーパーバーサタイル!

正直、高過ぎる!
と思っていましたが、実際に使ってみてその性能を知れば、この価格にも納得です。
釣り方やルアーの種類が多岐に渡る現代、これだけ適応力が高いリールは非常に価値があると思います。
価格的に買いやすいリールではありませんが、買ったら幸せになれるのは間違い無いですよ!
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撮影:ちゃったTV なおと
ダイワ IM Z TW 200H-C
標準自重(g) | 245 |
---|---|
巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転) | 87 |
ギア比 | 7.3 |
標準巻糸量ナイロン(lb-m) | 16-110/18-100 |
標準巻糸量PE(号ーm) | 2-200/3-120 |
ハンドルアーム長(mm) | 90 |
ベアリング(ボール/ローラー) | 10/1 |
最大ドラグ力(kg) | 7 |
スプール寸法(径mm) | 38 |
スプール寸法(幅mm) | 24 |
ダイワ IM Z TW 200HL-C
標準自重(g) | 245 |
---|---|
巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転) | 87 |
ギア比 | 7.3 |
標準巻糸量ナイロン(lb-m) | 16-110/18-100 |
標準巻糸量PE(号ーm) | 2-200/3-120 |
ハンドルアーム長(mm) | 90 |
ベアリング(ボール/ローラー) | 10/1 |
最大ドラグ力(kg) | 7 |
スプール寸法(径mm) | 38 |
スプール寸法(幅mm) | 24 |
ダイワ IM Z TW 200XH-C
標準自重(g) | 245 |
---|---|
巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転) | 100 |
ギア比 | 8.4 |
標準巻糸量ナイロン(lb-m) | 16-110/18-100 |
標準巻糸量PE(号ーm) | 2-200/3-120 |
ハンドルアーム長(mm) | 90 |
ベアリング(ボール/ローラー) | 10/1 |
最大ドラグ力(kg) | 7 |
スプール寸法(径mm) | 38 |
スプール寸法(幅mm) | 24 |
ダイワ IM Z TW 200XHL-C
標準自重(g) | 245 |
---|---|
巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転) | 100 |
ギア比 | 8.4 |
標準巻糸量ナイロン(lb-m) | 16-110/18-100 |
標準巻糸量PE(号ーm) | 2-200/3-120 |
ハンドルアーム長(mm) | 90 |
ベアリング(ボール/ローラー) | 10/1 |
最大ドラグ力(kg) | 7 |
スプール寸法(径mm) | 38 |
スプール寸法(幅mm) | 24 |