ダイワ×タレックス TLX015
TLX015 / ¥24,000(税抜) ※写真はマットブラック×イーズグリーン
こちらが今回レビューする、2021年春にダイワから新発売された偏光サングラス、『TLX015』。
流行り廃りのない、オーソドックスなスポーティースタイル。掛け手を選ばないシェイプと、比較的横幅に余裕を持たせた設計がうれしい一本です。
兎にも角にも、TALEXレンズ搭載
偏光サングラスの良し悪しを判断する上で重要なもの。それはレンズの性能です。
車で言えば、エンジン。ロッドで言えば、ブランクス。リールで言えば、スプールやギヤ。そんな風に言い換えるとイメージしやすいでしょうか。
論より証拠。レンズ越しの視界です。反射で見えなかったウィードも、ばっちり見えるように
もちろん掛け心地やデザイン、生地やディテール、フレーム全体の作りなど、他にもサングラスとしての評価を上げる要素は多分にあります。
しかし、視界から正しい情報を提供する=「偏光サングラスが道具として背負った役目」とするならば、ここに妥協を許すことはナンセンス。(ちなみにTLX015は掛け心地も非常に良好。こちらは後述します)
絶妙なレンズ濃度が心地いい
今回レビューするサングラス(TLX015)のカラバリは3色。そして、そのどれもが多くの日本人にマッチする濃度設定(可視光線透過率:30〜40%)です。
そもそもサングラスというものは、日差しの眩しさから目を守る道具。欧米人など(青い目をした人たち)がサングラスを愛用するのは、虹彩(黒目)の色素が薄く光を通しやすいためです。(眩しがりということ)
少し脱線しました。
とどのつまり、日本人と欧米人では“心地よいと感じるサングラス濃度”に差があるということです。(もちろん個々人の感じ方、体質にもよります)
タレックスレンズは、そのあたりの設定がじつに絶妙。暗くなりすぎないカラー濃度からも、日本人に合わせた“工業製品としての妙”を読み取ることできます。
裏面マルチコートが“ニクイ”
このサングラスをよく見ると、表面はハードコート(ミラーコート)でギラついた印象を持たせていますが、裏面は反射を抑えたマルチコートを採用しています。
この記事を読んでいる方。もし眼鏡ユーザーであるならば、ご自分の眼鏡を手に取ってみてください。眼鏡レンズは反射を抑えるために、緑色(っぽくみえる)のコートがかかっているのがわかると思います。これがマルチコート(反射防止コート)です。
機能的には優れているマルチコートですが、カラーレンズ表面に乗せてしまうとコートが緑色に見え、レンズカラー本来の自然な見た目になりにくい。
TLX015に搭載されているレンズは、表面はハードコート(モデルによってはミラー)を施すことで、サングラスとして自然な見栄えを。裏面はマルチコートとすることで、横方向や後方からの不快な映り込み(レンズ裏面のギラつき)を抑えています。
ずれ落ちにくく、かけ心地に優れた軽量フレーム
ここで、レンズ以外にも目を向けてみましょう。軽く、ずれ落ちにくいフレームを採用している本作。インジェクションフレームでほどほどに弾力があり、非常に掛けていて心地よい。
また、鼻パッドが調整できるため、自分好みのセッティングにできるのもストロングポイントです。
テンプルには“BOSTON CLUB”の文字。なるほど。
日本人の顔に合わせたカーブ設計
個人的には軽量であることよりも感銘をうけたのが、フレームのフロントカーブ。日本人が無理なく掛けられるカーブ(フロントの湾曲)でありながら、横からの光の侵入を防ぐ絶妙な設計です。
湾曲しているとなにが良いのか……その理由は2つ。
顔に沿うように掛けられるので、「横や後方からの光の侵入を防いでくれる」こと。そして、「視野を広く確保してくれる」ことです。
このように見てもらうと、イメージしやすいのではないでしょうか。顔のサイドまで覆いこむように、レンズが顔のカーブに沿っていますね。これが上記二つの強みを実現しています。
しかし、ただ単に「カーブがついていれば良い」というわけではなく、カーブがキツすぎると今度は鼻パッド部分が浮いてしまうなど、掛け心地に影響が出てきてしまうのです。このさじ加減がじつに難しいところ……。
余談ですが、海外メーカーのサングラスで“アジアンフィット”と銘打ったモデルがラインナップしていることがあります。この場合、顔のカーブが平たいアジア人に合わせ、同じモデルでもカーブ設定(もしくは鼻パッドの高さ)を変更して流通させているということがほとんどです。