Chapter 1
どうせやるなら、「プロ」前提。
初めて釣りをしたのは小学生のとき。当時は「なんかダサい」ってイメージが強くて(笑) 中学でスケボーに出会ってからは、高校まで没頭してました。プロ(スケートボーダー)を志した時期もあったけど、周りのレベルの高さに圧倒されて、受験の時にはすんなりその道を諦めた。
「自分に何ができるか?」と、ぼんやり見えてきたのがアパレルへの道。将来的にはショップを持ちたいと考えていたので、受験して経営学部に進学しました。
ー 大学に行くまでは、ほとんどバス釣りには触れてこなかったんですね。
大学2年のときに、テレビで「バスプロ」っていう職業があることを知った。今まで抱いていた“釣り”のイメージとは違って、スポーティーでスタリッシュな姿に「これで食べていきたい!」と思ってしまったんです。単純ですけど、それくらいセンセーショナルな出来事だった。
ー 最初からプロになることを前提で、釣りをはじめたんですか?
もちろん。なのでタックルを揃えるより先に、船舶免許をとりました。そのあとエレキを買って、ロッドは海外から取りよせた。スケートにしてもアメリカのカルチャーだから、そういうのが好きなんでしょうね。初バスは牛久沼で、最初に釣ったルアーはスピナーベイト。当時よくあった、お店に裸(パケなし)で吊るされている安物だったかな。そこからしばらくして、すぐにアルミボートを購入しました。
ー 当時、憧れたアングラーはいましたか?
並木さん(並木敏成)だね。釣りのスタイルがとにかくカッコイイ人。渡米したいと思ったのも並木さんの影響が大きい。河口湖の近くに移住して、日本のトーナメントに出場していた時期もあったけど、すぐにアメリカ行きを決意しました。同世代にはダイちゃん(青木大介)、エグシュン(江口俊介)、イッチー(市村直之)なんかがいて、今考えると華の世代だった。
ジャケット ¥29,500 Tシャツ ¥9,500 パンツ ¥18,000 キャップ ¥5,500(すべてDAIWA PIER39 / グローブライド) その他、私物
ー なかなか渡米なんて、かんたんに決意できるものではなさそうです。
やっぱり「本場の釣り」というのを体感してみたくて。まずはアマチュアで2回参戦してみた。そのあと並木さんに「アメリカで一緒に釣りがしたいです」と直接メールをして、サポート(弟子入り)させてもらったのが2005年のこと。そこでいろいろなことを勉強させてもらった。それこそタックルセレクトやフックの交換、エンタメとしての“魅せ方”という技術まで。
次の年にはビザを取得して、本格的にアメリカでの生活をスタートさせました。「人と同じことをしたくない」っていう自分のスタイルは、その頃から変わっていません。
ー 向こう(アメリカ)での仕事はどうしたんですか?
「オレ、寿司握れます!」って頭下げて、日本食レストランで働いた。店に立ってから、寿司なんか握ったことないのがバレて大目玉くらったけどね(笑) その後、死ぬ気で覚えたから今でもしっかり握れる。行動力さえあれば、なんとかなるもんですよ。