STEP.001エギングの魅力

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アオリイカ
エギングの人気ターゲット。釣りの引き味・食味ともに“イカの王様”と称されることも。北海道の西部から沖縄にかけて広く生息しており、比較的身近なイカでもあります。一般的にエギング=アオリイカ狙いというイメージもあり、今回の記事でもメインターゲットとして紹介していきます。(別名:ミズイカ、バショウイカ、モイカ)出典:PIXTA
ヤリイカ
ヤリイカがエギングで狙えるのは、産卵のために接岸する冬~初春。※地域差があります。群れで回遊を行うため、1杯釣れたら驚くほどに連発することも。出典:PIXTA
ケンサキイカ
地域によりますが、エギングでも狙えるターゲット。アオリイカ狙いのエギングがオフシーズンを迎える夏ごろに接岸します。見た目こそヤリイカに似ていますが、繊細な性格なイカだといわれ、小型のエギやスッテなどをメインに使用します。出典:PIXTA
スルメイカ
ヤリイカ・ケンサキイカに姿こそ似ていますが、非常に攻撃的でエギにも良く反応するイカです。エギングで狙える地域は限られますが、初夏~秋にハイシーズンを迎えます。出典:PIXTA
コウイカ
4~5月ごろにシーズンを迎え、堤防などからも狙うことができます。岩礁の混ざる砂地を好み、海底に潜んであまり動かないイカです。底を引きずるようにエギを動かして誘ってみましょう。出典:PIXTA
ヒイカ
晩秋~冬に狙える小型のイカです。港湾部や湾内にも多くみられるため、他のイカが生息しない地域でも釣れていることがあります。小型ですが群れの規模が大きく、一旦釣れ始めると止まらないなんてことも。
STEP.002時季による違いは?

春は大型狙い!
春は産卵期の親イカシーズンと呼ばれます。産卵のために大型アオリイカが接岸し、体重2キロ、3キロを超える個体も珍しくありません。春のエギングは、イカが活発に動きはじめる水温18度以上が目安です!シーズン初期は釣りやすいですが、産卵行動がはじまってしまうとエギへの反応が悪くなってしまいます。夏はオフシーズン
春の親イカが死んでしまうため、姿が見えるのは孵化したての幼生。そのために夏はエギングに適さない時季とされています。夏でもアオリイカが狙える場所は、全国的にも限られてしまいます。近隣の県まで行かないと釣れない! なんてこともあるんです。秋はビギナーにも最適
春に生まれたイカが成長し、活発に捕食活動を行う時季です。食欲旺盛で、エギにも積極的に襲い掛かります。1年で最も釣りやすく、秋はビギナーにも最適だといえるでしょう。また、身もやわらかく、最もアオリイカが美味しい時季です。はじめてのエギングは秋がオススメです。冬は深場を狙い撃つ
水温が低くなるにつれ、活発に餌を追うことがなくなってしまいます。水温の安定している深場にたまっていることも多いため、岸からのエギングで釣果を上げるのが難しくなってしまいます。冬にエギングをするのなら磯や水深のある堤防、ボートなどで狙うのがオススメです。
STEP.003エギングに最適なタックル


エギングで使用するロッド
長さ:操作性を考え、8~8.6フィートを基準にしましょう。硬さ:汎用性を考えても、ML~Mクラスをおすすめします。- POINTMLクラスの場合
- メリット・ロッドが柔らかく、フッキング時やファイト中に身切れしづらい。・エギのウエイトをロッドに乗せやすく、キャストがしやすい。・子イカとのファイトも十分に楽しむことができる。・ロッドが軽いために疲労を感じにくい。デメリット・ロッドが柔らかいために、エギに対して力が伝わりづらい・適したエギの号数に限りがある(コンパクト)2000」などのボディーサイズが小さいタイプが使いやすいでしょう。
- POINTMクラスの場合
- メリット・対応幅が広く、さまざまなエギを使うことができる。・秋の子イカから春の親イカまで、シーズンを通して使いやすい。・メタルジグなどのルアーも扱いやすく、汎用性が高い。デメリット・MLクラスに比べ、ロッドの自重がある。
- ここに注目!
- 最初の1本はMクラスがおすすめ! 慣れてきたころ、スタイルに合わせた選び方をしましょう。

エギングで使用するリール
2500~3000番の小型スピニングリールを選びましょう。ギア比はハイギア・ノーマルギアとありますが、どちらでも問題はありません。ハイギアはラインスラッグを早く巻きとれるぶん、巻きが重く感じます。ノーマルギアは丁寧なラインスラッグコントロールが可能で、巻きが軽いです。- ここに注目!
- エギングでは、ロッド同様に軽いリールがおすすめです。近年の技術進歩で、驚くほど軽いリールも増えています。まずは200グラム前後を基準に選ぶと良いでしょう。

エギングで使用するライン
エギングでは、PEラインを主に使用します。PEラインは摩耗に弱い反面、細くても直線強度が非常に高く、飛距離を必要とするエギングでは欠かすことができないアイテムです。PEラインを使用する際は、摩耗対策として、ショックリーダー(以降「リーダー」という。)を合わせて使用するようにしましょう。- POINTPEライン選び方
- よほどの大型狙いではない場合、号数は0.6または0.8号といった選択肢で考えましょう。エギングがメインなら0.6号、シーバスやライトショアジギングを意識するなら0.8号がおすすめです。
- POINTリーダーの選び方
- メインラインの3~4倍の太さを目安にします。大体の目安は2~2.5号です。根の荒い場所でエギングをする場合のみ、太いリーダーを用いましょう。
エギについての解説

エギの各部位
エギには各部位に名称があり、エギの種類によって形状などが変わることも。形状が違うことで、得意なことが異なります。ラインアイ・羽・シンカー・カンナなどは購入前にチェックしておきましょう。
エギについての豆知識
実はエギが“日本発!最古来の疑似餌”だということをご存知でしょうか?起源は江戸時代。漁具が発祥となり、今では全国規模どころか海外でも使用されるようになりました。日本が誇るジャパニーズルアー。とても歴史のあるものなんですね。
STEP.004エギングの服装と持ち物

エギングの服装
膨張式ライフジャケットは必ず装備しましょう。釣り場に立つ以上、必須装備です。また、全体程にはあまりダボつかず、かさばらない服がおすすめ! 腕が動かしやすく、シャクリの邪魔になりません。
エギングで使用する持ち物

タックルバッグ
エギングで使用するバッグは、エギケースが収まるものを基準にしましょう。バッグのタイプはショルダー・ウエストなど、動作のしやすいものがおすすめです。メタルジグなどを持ち歩く場合、サブポケットなどがあるバッグが使いやすいですよ。エギケース
必須ではありませんが、あるに越したことはありません。普段使用するエギの本数に合わせ、サイズを決めましょう。ランディングネットorギャフ
抜き上げられないサイズと遭遇することもあります。ギャフの使用は慣れが必要です。持ち運びは大変ですが、ランディングネットの方が安心ですよ。ルアーボックス
渓流用のルアーボックスにはレザーのウォレットタイプのものなど、利便性が高く、見た目も○なアイテムがありますので、ぜひチェックしてみてください。また、小物ケースやフックケースも持ち運ぶ際は、防水性の高いケースを選ぶと良いでしょう。ラインカッター
夜のエギングでは必須のアイテムです。ジップロック
釣れたアオリイカを持ち帰る場合に使用します。直接クーラーボックスに入れて墨だらけ……ということもありえるので、1枚あると重宝しますよ。
注意点&マナー
続いてエギングの注意点とマナーです。これから先エギングを楽しみ続けるためにも、意識をしてくださると嬉しく思います。実釣前に必ずチェックするようにしてください。- POINTキャストの際は周囲を確認
- エギを投げる際は必ず“周囲に人がいないか”を確認しましょう。エギはカンナの付いた危険なものです。人に当たれば怪我を免れません。注意をしましょう。
- POINTロープや船に気をつけよう
- エギを投げ、漁港内のロープや船にひっかけてしまうケースも増えているそうです。無理な場所では決してエギをキャストせず、広い場所で行うようにしましょう。
- POINT墨跡がついてしまったら
- 堤防の墨跡はアオリイカが釣れた証拠ですが、墨跡に迷惑されている方もいるのです。例えば漁師さん。自分の仕事場が汚されていくのは、気持ちのよいことではありませんよね。
- POINTリリースについて
- あくまで個人の判断ではありますが、サイズの小さなアオリイカはなるべくリリースをしてあげましょう。産卵期の抱卵個体に関しても、なるべくリリースする方がよいでしょう。産卵がなければ、個体数は増えません。
- POINTリリースの方法
- アオリイカは非常にデリケートな生き物だといわれています。熱されたコンクリートの上に置いてしまったり、高さのある場所から勢いよく海に落とすなどで命を落とすことも。
- POINT禁漁期間
- 地域によって、アオリイカの採捕が禁止となる時期があります。罰金や釣り禁止にも繋がることがあります。こちらはあくまで“ルール”として捉え、厳守するようにしましょう。
STEP.005釣り方①:エギングの基本動作
エギングの実釣編です。まずは基本の動作から覚えましょう。エギをキャストする
周りに人がいないかを確認し、キャストをします。腕に力を入れすぎても飛距離は伸びません! まずは少ない力でキャストを行い、真っすぐ飛ばすことをマスターしましょう。エギを着底させる
エギを海底に沈めることが基本です。キャストを終えたら、着底するまで待ちます。着底するとまっすぐだったラインが緩んでたるみがでます。目視で判断を行いましょう。ほとんどのエギは1メートル/3~5秒ほどで沈下します。この時、着底までの秒数を数えておき、ある程度の水深を理解しておきましょう!①:糸のたるみを取ります
②:8時の方向にロッドを下げます。
③:勢いよく振り上げます。
④:12時方向でロッドを止めます。
⑤:少しだけ巻き取り、ロッドを下げます。
イカを誘う
エギングでは、エギを『シャクり』という動作で動かす必要があります。左から準備「①:少しだけリールを巻き、糸のたるみを取ります」「②〜④:8~12時方向あたりにむけ、ロッドを振り上げます。」「⑤:リールを少しだけ巻き取りながら、ロッドを8時方向へ戻します」。この動作を2回セット、3回セットなどと連続で行うことでより強いアピールを行うことも可能です。
- ここがポイント!
- アオリイカはエギが沈んでいる間に抱き着くことがほとんど! シャクった後は集中力を研ぎ澄ませましょう。
エギの使い分け

号数
春・秋ともに3~3.5号が主力といえるでしょう。『秋はイカが小さいから2.5号や3号が良い』と思われがちですが、食欲旺盛な小イカはサイズ問わずに襲い掛かることもあります。春の親イカシーズンも同様です。イカのサイズに合わせるというより、その時の状況に合わせて選ぶことが重要ですよ。
- ここがポイント
- 3号は3.5号よりも沈下が遅めです。3.5号では抱ききらない・反応がない時などに付け替えるのが常套手段ですよ!

タイプ
エギによっては、同じ見た目でもタイプが異なる場合があります。■ ノーマルタイプほとんどのエギがこれに該当します。まずはノーマルタイプを選ぶと良いでしょう。■ ディープタイプ
ノーマルタイプよりも沈下が速いです。水深があるポイントや、手返しよくチェックしたい時に使用します。■ シャロータイプ
ノーマルタイプよりも沈下が遅いです。水深が浅いポイントや、ゆっくりエギを見せたい時に使用します。■ ラトルイン
内部機構にラトルが搭載されており、音によってイカにアピールします。秋シーズンなどは特に人気のタイプです。
- ここがポイント
- ノーマルで抱ききらない場合や、反応がない時はシャロータイプに交換する……など、エギのローテーションを考えるのも攻略の1つです!
カラーローテーション
アオリイカは“色の認識ができない”と言われています。そのぶん光やシルエットの濃淡には敏感に反応し、これを捕食に活かしています。これに基づくならば、シルエットと光を基準に選ぶと良いでしょう。■ 日中銀テープ・ホロテープ・クリアといった反射によるフラッシング効果が期待出来るカラーか、日光を浴びることで発光するケイムラもオススメです。
アピール重視のケイムラ、フラッシングで寄せる銀・ホロテープ。使い分けましょう。■ 夜間
赤テープ紫テープなどのシルエットが出やすい色がおすすめです。
更にアピールを強めたい場合は、蓄光して光るグロー系・音を発するラトル入りもあると便利ですよ!

STEP.006釣り方③:アタリの取り方~取り込み
最後にアタリの取り方から、アオリイカをキャッチするまでの流れを説明します。アタリの取り方
エギングはラインでアタリを取ることが重要です。目視する場合はよく観察し、ラインが横に走ったり、突然ラインが引っ張られたりなど、何か怪しい動きがあればアワセてみましょう。それでもわかりづらい場合、手元のラインを指で挟んでみましょう。ダイレクトに変化が伝わってくるため、アタリが取りやすいですよ。

アワセ
アタリを感じたら、真上にロッドを振り上げるようにし、アワセを行います。この時に鋭すぎるアワセは禁物。身切れが起きないように気を付けましょう。取り込み
エギのカンナにはカエシがついていません。ラインテンションが抜けた瞬間に外れてしまうことがあるため、ラインを張りながらゆっくりとアオリイカを寄せてきましょう。小型であればそのまま抜き上げてしまうこともできますが、イカの体重で身切れをしてしまうこともあります。ネットを使用するか、ギャフを使用したほうが安心ですよ。
- ここがポイント
- アオリイカが浮いてきた場合、まずはカンナの掛かりどころを確認しましょう! 足1本の場合はタモ入れが無難です。