本記事は特定の成分や飲料の効果・効能を保証するものではありません。紹介する内容は筆者の体験や一般に知られる情報に基づいており、すべての方に当てはまるものではありません。体質や体調に合わせ、必要に応じて専門家にご相談ください。
学びが導いた新しい視点

2025年から、ライター・小林は栄養学の学びをスタートしました。
取り組んでいるのは、分子栄養学(オーソモレキュラー)をルーツとした「精密栄養学」という、まったく新しいアプローチの栄養学です。
学びながら、自分の身体でさまざまな実践も重ねてきました。
こうした経験を踏まえ、今回はTSURI HACKライターとしての視点から、“釣りと健康”に欠かせない「水分補給」について書いてみたいと思います。
というのもじつは僕、日常的に飲むスポーツドリンクを“自作”しているんです。
KOBAYASHI
これがかなり調子が良くて気に入っているので、この記事では、その作り方や期待できる効果について、栄養学の視点も交えながらご紹介していきます。
自作スポーツドリンクの作り方は超簡単

まず、「自作」と言っても、じつはまったく難しくありません。
必要な材料はとてもシンプルです。
水、クエン酸、にがり(塩化マグネシウム)、塩(自然塩)、はちみつ(お好みで)、レモン果汁(お好みで)、ビタミンC、重曹(炭酸水素ナトリウム)などがあればOK。
これらを自分の好みに合わせて組み合わせるだけで、“自分専用”のスポーツドリンクが簡単に作れてしまいます。

僕は、これらの材料をあらかじめミックスして瓶に入れておき、飲みたいときに水に溶かして飲んでいます。
NICHIGA(ニチガ) 塩化マグネシウム
スポーツドリンク=手軽な水分、ミネラル補給液

「スポーツドリンク」と書いていますが、何も“スポーツ専用”というわけではありません。
これは、日常生活の中での水分・ミネラル補給にぴったりの飲み物。
むしろ、ナトリウムやマグネシウム、カルシウムなど、日頃から不足しがちなミネラルを手軽に補えるという点で、日常的に飲むほうが理にかなっています。
コップ1杯あたりのコストを厳密に出すのは難しいですが、ざっと計算しても10円程度でしょうか。
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つまり、とにかく安く作れるうえに、ペットボトルごみも出ない。経済的にも、環境的にも、とてもエコなドリンクなんです。
市販スポーツドリンクとの違い

市販のスポーツドリンクも、水分やミネラルを手軽に補える点では優れた飲み物です。
ただし、糖分や人工甘味料が多く含まれていることもあり、血糖値の急変(血糖値スパイク)によって逆に疲れを感じる場合もあります。
糖は即効性のあるエネルギー源ですが、長時間の活動には不向き。持久力を必要とする釣りでは、脂質やケトン体などの“持続型”エネルギーが重要になります。
自作なら糖度を調整でき、添加物も不要。クエン酸やマグネシウムを加えることで、疲労や痙攣の予防にもつながります。
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不要なものを削ぎ落とし、本当に必要な成分だけを選び取れる——それが、自作スポーツドリンクの最大の魅力です。
自作スポーツドリンクのレシピと効果

材料 | 分量 |
---|---|
水 | 500ml |
クエン酸 | 約1g |
にがり(塩化マグネシウム) | 約1g |
自然塩 | ひとつまみ(0.5〜1g) |
はちみつ or 黒糖 | 大さじ1(約15g) |
レモン果汁 | 大さじ1〜2(お好みで) |
基本的には、これらの材料を水に混ぜるだけでOKですが、自作の醍醐味は、体調や好みに応じて調整・アレンジしていくことにあります。
というのも、体質やコンディションは人それぞれ。何が合うか、合わないかには個人差があるからです。

僕の場合は、免疫力を高めたいという目的があるので、レモン果汁だけでなく、より高濃度のビタミンCを加えて飲んでいます。
クエン酸やビタミンCを入れると酸味が強くなるため、どうしても酸っぱめの味になります。
甘さがほしい場合は、砂糖やはちみつを加えてアレンジするのもオススメです。
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とはいえ、これは“ジュース”ではなく、水分と栄養を補給するための飲み物。そんな意識で飲むのがちょうどいいと思います。
各食品が持つ効果
これらの各材料が持つ効果などを見ていきましょう。
それぞれの役割を知ると、ただの水分補給が「体を守る戦略」へと変わります。
材料 | 役割 |
---|---|
クエン酸 | エネルギー産生を助け、疲れにくい身体へ |
にがり(塩化マグネシウム) | 筋肉や神経を守り、こむら返り防止 |
自然塩 | 脱水や頭痛を予防 |
糖(はちみつ・黒糖) | 持続的なエネルギー補給 |
レモン果汁(ビタミンC) | 抗酸化作用・免疫力サポート・鉄分吸収促進 |
必ず入れておきたいのがクエン酸。
スポーツドリンクに限らず、僕たち人間にとってクエン酸は欠かせない存在です。
というのも、クエン酸はエネルギーを生み出す「クエン酸回路(TCA回路)」の中心で働いており、僕たちが動き続けるために必要なエネルギー産生に深く関わっているからです。
このエネルギーは、生化学ではATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれます。
つまり、クエン酸はATPをつくるために欠かせない成分なのです。

ちなみに、一般的な精製塩には、ほとんどミネラルが含まれていません。
そのため、自作スポーツドリンクには、ミネラルを豊富に含む「自然塩」を選ぶことが大切です。
中でも、沖縄産の「ぬちまーす」や「雪塩」は、含まれるミネラルの量が桁違い。
自作ドリンクの材料として、非常にオススメです。
重曹(炭酸水素ナトリウム)入りもオススメ

また、炭酸水素ナトリウム(重曹)を加えることもあります。
レモン果汁やクエン酸と組み合わせることで化学反応が起こり、二酸化炭素(CO₂)が発生。
シュワっとした炭酸飲料のようになり、酸性から弱アルカリ性に傾くため、酸味がやわらいで飲みやすくなるんです。
酸性と弱アルカリ性のメリットとしては以下の通り。
酸性飲料のメリット | 弱アルカリ性飲料のメリット |
---|---|
消化を助ける:胃酸の分泌をサポートし、食欲を促進 | 胃へのやさしさ:胃酸過多を中和し、胸やけや胃もたれを防ぐ |
爽快感:酸味が喉をスッキリさせ、暑い環境で飲みやすい | 疲労回復:乳酸などの酸性物質を和らげ、疲労感を軽減 |
ビタミンCの安定性:酸性のほうが壊れにくく抗酸化作用を発揮 | 水分吸収の効率化:アルカリ寄りになると腸での吸収がスムーズ |
殺菌的効果:酸性環境は一部の細菌の繁殖を抑える | 体内バランスの調整:酸性に傾いた体をサポート |
こうした効果を踏まえると、「どちらが良いか」ではなく、状況に応じて使い分けるのがベストです。
短時間の爽快な水分補給には酸性寄り、長時間の持久力維持や疲労対策には弱アルカリ性寄りが適しています。
たとえば炎天下で釣りを始めるときは酸味の効いたスッキリ系、長時間の釣行後や帰り際にはアルカリ寄りの疲労回復系──そんなふうに使い分けるのが、僕にとっては効果的です。

ただし注意点もあります。
重曹入りのドリンクは、混ぜた直後から炭酸ガスが発生するため、時間が経つと効果が薄れてしまいます。釣り場に持っていく場合は、作り置きには向きません。
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もし重曹を使いたい場合は、クエン酸と重曹を別々に持ち運び、飲む直前に混ぜるのがベストです。
持ち運びの工夫

「なんだかんだ言って、コンビニでペットボトルを買ったほうが早いんじゃ…?」と思われるかもしれませんが、慣れてしまえば意外とカンタン。
釣りに行くときは、材料をジップ袋などに小分けして持っていけばOK。
現地で水に加えるだけで、フレッシュな自作スポーツドリンクがすぐに完成します。
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多めに用意しておけば何本分でも作れるので、長時間の釣行や泊まりがけの釣りにもぴったりです。
体と相談しながら、飲み物も選ぼう

よく冷えた市販のスポーツドリンクで喉を潤すのも、時には悪くありません。
でも、「自分の体が本当に求めているもの」を知ることは、自分自身を理解する第一歩でもあります。
自作のスポーツドリンクは、ただの水分補給ではなく、飲みながら自分の体調や感覚を確かめる“ツール”にもなります。
釣りという自然との対話の中で、自分の体とも静かに向き合う——そんな時間を支える存在でもあるのです。
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飲み物は“ただの水分”ではなく、僕たちの体を動かし続けるための大切な“燃料”。
だからこそ、こうした自作ドリンクを続けてみるのもオススメです。
本記事は特定の成分や飲料の効果・効能を保証するものではありません。紹介する内容は筆者の体験や一般に知られる情報に基づいており、すべての方に当てはまるものではありません。体質や体調に合わせ、必要に応じて専門家にご相談ください。