アイキャッチ画像撮影:TSURI HACK編集部
【全6問】グロイ・怖い・見たくない!身近な寄生虫クイズ

見た目には健康そうで美味しそうな魚であっても、じつは体内に寄生虫が棲みついていることがあります。
なかには人に害を及ぼす種類も存在し、注意が必要です。
そこで本記事では、釣り人にとって身近な寄生虫について、クイズ形式でご紹介します。
判定はシンプルに「有害 or 無害」でお答えください。

山根
全問正解できなかった方は、この機会にせめて“危ない寄生虫”だけでも覚えておくことをおすすめします。
1問.体表に寄生するエイリアンみたいな虫

魚の体表にしがみつくように寄生しているこの円盤のような形の生き物……。
よく見ると魚の体表を器用に移動していて、万が一自分の皮膚に乗ってきたらどうしよ……ってゾクゾクしたりします。
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A. 【無害】サケジラミ(ウオジラミ)

こちらは触手のようなものが……。
これらの寄生虫は総じてウオジラミと呼ばれており、カイアシ類の仲間やチョウ類の仲間を指します。
淡水・海水を問わず様々な種類が確認されており、サケやブリ、金魚やイワナなど、おもに浅い海や河川、湖沼に棲む魚が宿主です。

山根
なお、人に寄生することはないためご安心いただけますが、観賞魚に寄生した場合は体調を崩すことがあります。
活き餌を与える際には十分ご注意ください。
2問.透明感があってどくろを巻いた虫

サバやタラ、イカなどにも寄生することが知られています。
こちらは、魚の身の中に小さな線虫を発見した際に撮影した写真。
全長は約2cmで、半透明の細長い体です。
よく観察すると、わずかに動いているのが確認でき、生きていることがわかります。
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A. 【有害】アニサキス

先ほどの線虫の正体はアニサキス。
皆さんご存知の通り、誤って食べてしまうと激しい腹痛や嘔吐、下痢といった症状を引き起こします。

アニサキス対策として効果的なのが加熱と冷凍です。
60℃で1分以上の加熱や-20℃で24時間以上の冷凍で死滅するとされています。

山根
僕はイワシやサバのお刺身を食べようとして、お皿の上で見つけたことが何度かあります……。
3問.ブリの身を切ったら衝撃的な生物が……

苦労の末に釣り上げた青物。食べるのを楽しみに持ち帰り、いざ切り開いてみると──
筋肉の一部が溶けたように変色しており、不審に思って掘り返すとミミズのような寄生虫が、ゆっくりと姿を現します。
「これはもしや、噂に聞くアニサキス……?」
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A. 【無害】ブリ線虫

この寄生虫の正体は「ブリ線虫」。その名のとおり、おもにブリやハマチに寄生し、大きいものでは50cmを超える個体も確認されています。
形状からアニサキスと混同されがちですが、アニサキスの体長がおおよそ2〜3cmであるのに対し、ブリ線虫ははるかに長いので判別は比較的容易です。

山根
なお、ブリ線虫は人に対して無害で、誤って摂取しても健康への影響はありません。
ただし、ブリにはアニサキスが寄生している場合もあるため、調理時には注意が必要です。
4問.エラや口の中に可愛い虫が棲んでいます

釣り上げた魚の口の中やエラの奥に、まるで“ダンゴ虫のような姿をした大型の寄生虫”が潜んでいることがあります。
見た目に驚かされるかもしれませんが、個人的には……ギリギリ「可愛い」に分類してもいいかな、と思える存在です。
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A. 【無害】サヨリヤドリムシ(タイノエ)

この寄生虫の名前は「サヨリヤドリムシ」。
その名のとおり、おもにサヨリに寄生しますが、人に対して害を及ぼすことはありません。

山根
このような形状の寄生虫は、総称して「ウオノエ類」や「タイノエ類」と呼ばれ、複数の種類が知られています。
5問.卵の中に棲む寄生虫

魚の卵は、煮付けや天ぷらにすると非常に美味しいですよね。
ただし、調理中に写真のような黒い線虫が出てくることがあります。
筆者の経験では、スズキの卵でとくによく見かける印象があり、ときには数百匹が集まってひとかたまりになっていることもあります。
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A. 【無害】フィロメトラ

魚卵の中に見られる黒い線虫や塊の正体は、「フィロメトラ」という寄生虫です。
卵巣にのみ寄生するタイプであり、誤って食べてしまっても人体に影響はありません。
スーパーマーケットで販売されている魚卵でもしばしば見られるほど、じつは身近な存在なんです。

山根
ちなみに、上の写真は寄生虫っぽいですが、こちらは魚の血管です。
6問.身に白い粒があるぞ

魚の身の中に白い粒のようなものが見えることがありますが、じつは寄生虫の一種です。
スズキ、チヌ、ヒラメなどで時折確認されるもので、大量に寄生しているとやや不快に感じることもありますが、1〜2個程度であれば見落としてしまうほど目立たないこともあります。
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A. 【有害】クドア

この白い粒の正体は、粘液胞子虫の一種である「クドア」のシストです。
生食した場合、下痢や嘔吐などの軽度な食中毒を引き起こすことがあります。
国内で報告されている魚由来の寄生虫による食中毒の多くは、アニサキスとクドアによるものであり、いずれも十分な注意が必要です。

クドア対策として有効とされているのは、-20℃で4時間以上の冷凍、または中心温度75℃以上で5分以上の加熱。
クドアは種類によって目視で見つけられないものもあるため、白い粒がなくても食中毒を起こす場合がある厄介な寄生虫です。

山根
お刺身を食べてお腹を壊した経験がある方は、もしかしたらクドアが原因だったかもしれませんね。
怪しいと思ったら生食は控えよう

今回は釣った魚を食べる習慣がある人にとって身近な寄生虫をご紹介いたしました。
有害寄生虫に共通することとして、定められた時間をかけて加熱および冷凍したものでは全て死滅することが挙げられます。

山根
少しでも不安だなと感じたら、冷凍や加熱処理してから食べると安心ですよ。






