日本のシーバス釣りの歴史

シーバス釣りが日本で確立されたのは今から約45年ほど前、1980年(昭和55年)頃で、意外にも歴史はまだ浅いのです。
当時は、シーバス専用ルアーがまだ発売されておらず、一部のシーバスを狙うアングラーたちは、バス釣り用のルアーを代用していたそう。
当時はバス釣りが人気を集めていましたが、シーバス釣りは認知度も人気もまだ低い時代でした。日本のメーカーから専用ルアーが登場したのは、それからさらに10年ほど後のことです。

1990年代、平成に入るとようやくシーバス釣りがブームとなり、夜釣りが流行しはじめます。
都市部でも大型の魚が狙える点が魅力とされ、この頃になるとシーバスルアーや専用タックルを手がけるメーカーも一気に増えていきました。
ようやく日の目を浴びたシーバス釣り業界は、そこから一気に飛躍を遂げ、現代では最先端技術を取り入れたアイテムも登場するなど、時代の進歩には目を見張るものがあります。
積み重ねられた技術や知見は現代のルアーにも活かされ続けており、シーバスルアーは今なお新作が次々と登場。シーバス人気も衰える気配を見せていません。

あかねん
今では定番となったルアーも、当時は大人気で手に入らなかったとか。
オールドシーバスルアー8選
ここでは約25〜35年前に使われていたルアーをオールドルアーとしてご紹介。
既に無くなってしまったメーカーもあれば、今なお現役でルアーを発売しているメーカーもあり、感慨深いものがありますね。

あかねん
比較的、中古釣具屋やネットオークションなどで手に入りやすいものをピックアップしたので、皆さんもぜひお手に取って普段の釣りに使ってみてくださいね!
①K-TEN BKF/タックルハウス

1988年に発売開始された、言わずと知れたタックルハウス社の名作ミノー『ブルーオーシャン』。
K-TENシステムという、全自動重心移動システムを開発したタックルハウス社の要とも言えるルアーです。
今でもその能力は変わることなく健在しています。
【使い方】

私はBKF90のサイズを、河川ウェーディングでのデイゲームに使用しています!
もちろんナイトでも使えるのですが、BKF90のサイズ感とフリフリ泳ぐアピールが春の河川のデイにぴったりです!
高速域では暴れ過ぎになるのでオススメできませんので、しっかり見せたい時に使うと良いでしょう。
②K-TEN BKRP/タックルハウス

1990年に発売開始されたトップウォータープラグです。
独特のフォルムは、アングラーの想像力をかき立てます。
これはロッド操作をしなくても、水面で左右にドッグウォークするような動きをするミノーで、画期的なルアーです。
【使い方】

ベイト、とくにイナッコやコノシロが水面に追われている時は大チャンス。ざわざわしていたりボイルがある時は、こちらを投げてみてください。高速巻きでは泳がないので、スローに巻きます。
トップで反応が出ない時は、ロッドティップを下げて水面直下を泳がせてみるのもアリですよ!
③ザ・ファースト/マリア

1989年に発売された、マリア初のシーバスルアーです。
発売当時は公表されていませんでしたが、115と140に関しては先述したタックルハウス社のBKFと同じ型を使用し、共同開発ということで製作されたそう。
BKFと比較すると、動きは派手で浮力が高く、固定重心です。スローリトリーブではヨタヨタとした千鳥アクション、ミディアム以上の速さでは大きめのウォブンロール。
残念ながら、すでに廃番になってしまっています。
【使い方】

固定重心の丸いシルエットからは想像もできないほどよく飛びます。
そして泳ぎが安定している為、まずはサーチミノーとして河川のウェーディングで投げています。回遊の魚が通れば一撃で食ってきますよ!
浮力が高いので根掛かりもとれやすく、牡蠣瀬などのスタックしやすい場所にもオススメです。
④ラ・セグンダ/マリア

ザ・ファーストの後継機種として1998年に発売されたソルトミノーです。
コンセプトは「見た目のグレードアップとコストダウン」だそう。
ザ・ファーストの時代にはなかった金型の技術向上のおかげで、エラやウロコの掘り込みなど、細部のデザインが可能になりました。
こちらも残念ながら、廃番になっています。
【使い方】

ウエイトアップしたおかげで更によく飛び、また形状からもレンジキープ力が高いので、サーチミノーとして使用しています。
リップが大きめなので、シャッドのようにも使っています。とくに70mmは小場所の居着きシーバスやボートゲームでの穴撃ちなどにオススメです!
竿を小刻みに動かしてトゥイッチすると綺麗にキビキビダートするのも魅力。
⑤カウントダウン/ラパラ

世界的に有名な老舗メーカーRapalaから発売されている言わずと知れた王道シンキングミノー、『カウントダウン』。未だに多くのファンを持つ愛されるルアーです。
1965年に誕生し、バルサ材を使用している為、ゆっくりと平行に沈むのが特徴です。
ナチュラルなウォブリングアクションで、バスやシーバスはもちろん、メバルやトラウトにも絶大な効果があります。
【使い方】

小粒でナチュラルな動きなので、派手なアクションのルアーではなかなか口を使わない時や、手返しよく探る時に使用しています。
シンキングなのであまりスローには巻かず、比較的早めの巻きスピードで活性の良い魚を拾っていくイメージです!
その名の通り、カウントダウンして色んなレンジを探りましょう。
⑥エスフォー/エフテック

元祖サーフェイス系の名作リップレスミノー『エスフォー』。
水面〜水面直下をウネウネと引き波を立てるウェイクベイトなので、水面爆発系ルアーと言えます。
今ではウェイク系ルアーは各社様々なルアーが発売されていますが、この「エスフォー」が元祖なんです。
惜しくも、現在は廃番となっています。
【使い方】

おもにシャロー帯でイナッコや落ち鮎などがベイトになっている時に使っています。
水面直下のデッドスローでウネウネアクションが弱ったベイトを演出します。突然の水面爆発にアングラーもドキドキ!
ウェイク系ルアーはアピールが非常に強いので、表層を意識している魚が近くにいればすぐに反応してくれるでしょう。
⑦ワンダー/ラッキークラフト

1998年にラッキークラフト社から発売された元祖シンキングペンシル『ワンダー』。
使い手を選ばず、圧倒的な飛距離とナチュラルなフリフリローリングアクションはシーバスも思わずエサだと認識してしまうほど魅力的です!
今でも一軍ルアーとして使っているアングラーが多く、時が経っても絶大な信頼を得続けています。
【使い方】

常夜灯の下では独壇場。明暗を通常の速度で引いてくるだけで、そこにシーバスがいれば口を使います。
スレているシーバスには秘技『チョンチョンイレギュラーダート』が効果テキメン!
ティップを軽くチョンチョンと弾くと、イレギュラーなパニックアクションが生まれます。
これがまた面白いので是非トライしてみてください!
⑧メタルX スパイラルフォール/メガバス

1999年頃にメガバスから発売されたメタルジグ『メタルX スパイラルフォール』。
その名の通り、弱ったイワシが旋回して落ちていく様子を完全再現した、フォール専用ジグです。
Sサイズは28g、Lサイズは50gです。謳い文句は『ラクして釣るジグ』。
【使い方】

オフショア、とくに水深が20m未満の浅めな港湾で威力を発揮します。イワシが入っている時なら激アツです!
シーバスが潜んでいそうなストラクチャー周りなどで落とし、ゆっくり巻いたり、ゆっくりリフト&フォールさせます。
激しくシャクるのには向いていないので、その点に注意してください。
ルアーの魅力は、時を超えて

見覚えのある懐かしいルアーに、思わず笑みがこぼれた方もいれば、今回初めてその存在を知り、興味を持った方もいるかもしれません。
どれも、ただ古いだけではない“釣れる理由”を備えた名作ばかり。ぜひ手に取って、今の釣りに取り入れてみてください。きっと、新たな楽しさに出会えるはずです。

あかねん
シーバス釣りの礎を築いてきた偉大なメーカーやルアーたちへの敬意を胸に、今こうして釣りができることに感謝しながら、これからも存分に楽しんでいきましょう。
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