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魚の鮮度を保つ“魔法の水”だと?よろしい、ならば実験だ!

魚の鮮度を保つ“魔法の水”だと?よろしい、ならば実験だ!

釣った魚の鮮度を保つ画期的なアイテム「リブウォーター」。

高濃度ナノバブル水と天然塩をブレンドした擬似海水で、酸化や雑菌の繁殖を抑え、魚の鮮度維持に効果を発揮すると言われています。

初心者でも簡単に使えるため、魚料理好きや釣り愛好家に注目されています。

本記事では釣った魚を料理して食べるのが大好きな筆者が、リブウォーターを実際に使ってみて、その効果を検証したいと思います。

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

リブウォーターとは

リブウォーター

リブウォーターとは、高濃度ナノバブル水に天然塩をブレンドした擬似海水です。

「鬼締め」の発信でも有名なYoutuberである西田てんちょーが監修、釣り用バッグやギアを扱うメーカーのLSDデザインズより発売されました。

リブウォーター

魚の鮮度劣化は、酸化と温度変化、雑菌・微生物などが原因とされており、リブウォーターは酸化と雑菌にアプローチします。

超高濃度ナノバブルは酸素と結合することにより、酸素を軽減し、酸化を抑制。

雑菌や微生物を吸着し、ナノバブルが圧壊する際に、雑菌や微生物を壊す働きがあると考えられています。

tsuki

tsuki

魚にかけるだけで鮮度維持ができるという効果に半信半疑の人も多いですが、発売からすぐ売り切れている店舗もあり、魚料理が好きな人にとっては非常に注目度の高いアイテムです。

そもそも海水には雑菌が含まれる

釣り上げた魚

海水には、食中毒や感染症を引き起こす、ビブリオ菌など多くの雑菌が含まれています。また、釣った魚を置きがちな船上や地面も、清潔とはいえない環境です。

リブウォーターを使って、魚の表面についている海水を洗い流すことにより、雑菌の繁殖を抑えようというのが狙いです。

水道水ではダメなの?

真水で洗った魚

洗い流すなら水道水で良いのでは? と思われる方もいるかもしれません。

真水には、塩素(カルキ)も含まれており、軽い殺菌作用があるのは確かです。

しかし、塩素は次第に抜けるものであり、塩分濃度(浸透圧)の関係からも海水魚を真水にさらし続けるのはよくないとされています。

tsuki

tsuki

水道水で雑菌を洗い流した後、リブウォーターで処理するのが、理想的な状態でしょう。

リブウォーターの使い方

神経締め

リブウォーターの基本的な使い方を解説します。

必須ではありませんが、釣った魚は元気なうちに脳締めや神経締めを行いましょう。

血抜き

エラを切って血抜き処理をして、十分に血が抜けたら、クーラーボックスに入れて冷やし込みます。

温度変化は鮮度劣化に影響する重要な要素ですので、冷やし込みは忘れずに行なってください。

クーラーボックスに入れる前に、早めにリブウォーターで処理しておくのも効果的です。

ツバスを洗浄

持ち帰った後、ウロコを取って、流水で洗い流します。

流水で洗い流した場合、キッチンペーパーなどを使って、水気はよく拭き取っておきましょう。

筆者は持ち帰った後、できるだけすぐに魚を処理するタイプですが、できれば内臓も早く取る派です。

面倒な方は一旦何もせず、リブウォーターをかけて冷蔵保存し、後日に捌くのも良いでしょう。

魚の体全体にリブウォーターを満遍なくかけます

動画のように贅沢にかけ流しても良いですが、霧吹きなどを使っても問題ありません。

少量をムラなく吹き付けられますよ。

魚を冷蔵保存

処理後は、普通に冷蔵保存します。

tsuki

tsuki

筆者はミートペーパーに包んでから、真空状態にしてみました。

青物で比較検証してみた

リブウォーターの比較

明石で釣れたツバス(ブリの幼魚で赤身魚)を使って、リブウォーターの効果を検証しました。

脳締めから神経締め、血抜き処理し、冷やし込んで持ち帰り。

当日のうちにウロコを取り、内臓はとらず、水道水で洗浄しました。

水気をよく拭き取った後、リブウォーターをかけ、ミートペーパーに包んでから真空し冷蔵保存。

リブウォーターをかけなかった、同じサイズのツバスも用意しました。

リブウォーターを使った魚

内臓を抜かずに5日間寝かせた状態の様子です。

上のツバスは未処理、下のツバスはリブウォーターで処理したものですが、見かけの差は大きくありません。

リブウォーターを使っていない魚

リブウォーターを使っていなくても、きっちり処理していれば、内臓を抜いていなくても全く問題なさそうです。

少しだけ臭いはするが、気にならないレベルでした。

リブウォーターを使っていない魚の内臓

内臓を出してみたところ、さすがに少しドロッとしており、自己消化(分解)が始まっている感じではありました。

このまま放置しておくと、どんどん腐敗が進んでいきそうです。

リブウォーター未使用魚の身

身の状態は、まだまだ綺麗で食べ頃な感じです。

きっちり処理していたためか、身割れもなく、身質もしっかりしています。

リブウォーターを使用した魚

処理済みの個体も、もちろん十分な鮮度を保っていました。

リブウォーターを使っていない個体と比較すると、生臭さは若干少ない印象を受けます。

リブウォーター使用魚の内臓

比べてみると、わずかな差ではありますが、内臓の鮮度が良いように感じられます。

弾力があり、各組織もしっかりしている印象です。

リブウォーター使用魚の身

5日寝かせた状態の時点では、リブウォーターを使っていない個体と比べても、身の見た目や質感は大きく変わりません。

包丁を入れた時も身の張りなどに違いは感じられませんでした。

身の比較

切り身にして見比べても変色などはなく、見た目に大きな違いありません。

食べ比べてみたところ、リブウォーターを使っていないものは、若干生臭さが強い印象です。

処理したものは、匂いが少なく、食感もやや強めでした。

身を食べ比べ

処理済みの身は、熟成が1段階ほど遅れているように感じ、確かに若干鮮度は保てているようです。

できるだけ鮮度を保った状態のまま、魚を維持しておきたい人には確かに良いアイテムかもしれません。

とはいえ、匂いや食感も含めて味の感じ方は人それぞれですので、鮮度=美味しさとも言えません。

tsuki

tsuki

今回のパターンでは、未処理で熟成が進んだツバスの方が、個人的には若干美味しいと感じるくらいでした。

アジで比較検証してみた

リブウォーターをアジで比較

青物以外の魚にもリブウォーターを使ってみました。

青物の時と同様、脳締めと血抜き処理済み。

当日のうちにウロコ取りして水道水で洗浄し、内臓はとらないまま、リブウォーターで処理したものとしていないものを用意。

アジの見た目

内臓をとらずに5日間寝かせてみましたが、結果は青物の時とほぼ同様でしたので、プラス2日して計1週間寝かせてみました。

1週間の時点でも見た目や身の弾力に大きな変化は見られませんでしたが、リブウォーターで処理したアジは、若干生臭さが少なかったです。

目がやや白濁してきており、鮮度劣化が始まっている印象を受けますが、白濁の度合いはどちらも同じです。

リブウォーターを使っていないアジの内臓

リブウォーターで処理していないアジの内臓の様子です。

さすがに1週間も内臓を抜かずに寝かせると状態は悪くなっていました。

かなりドロっとした状態になっており、自己消化が始まっているのが見受けられます。

リブウォーターを使っていないアジの身

内臓の状態は悪かったですが、身はまだ綺麗な状態でした。

今がちょうど食べ頃かなといった感じです。

匂いも少し気にはなりますが、食べられないレベルではありません。

リブウォーターを使ったアジの内臓

内臓の状態は、比べるとしっかりしてるかなというレベル。

さすがに1週間も内臓を抜かずにおくと、状態は悪くなってしまうようです。

臭いは、リブウォーターを使っていない個体と比べるとマシではありますが、まったく臭いがないワケではありません。

リブウォーターを使ったアジの身

身質に関してもほぼ同様、劇的な変化はありません。

変色なども特になく、まだまだ賞味期限内です。

比べると若干張りがあり、刃切れも良かったかな? という感じ。

アジの身を比較

食味に関しても、青物の時とほぼ同様でした。

未処理の個体は、若干生臭い印象があり、熟成が1段階進んでいる感じです。

逆に処理した個体は、臭いが少なく、鮮度を保っている印象があります。

アジの食べ比べ

臭いや身の張りなど、若干レベルですが、リブウォーターの有無で状態に差はあることを確認。

とはいえ、魚の処理を適切に行なっていたため、検証期間の範囲ではどちらも美味しく食べられました。

感覚的には何も処理せずに雑に保存した魚が4〜5日でダメになっていたところ、リブウォーターで処理することによって、プラス1〜2日くらいは賞味期限を延ばせるようなイメージでした。

tsuki

tsuki

とはいえ、劇的な効果は感じられなかったというのも正直な感想です。

寒天培地による実験

寒天培地の実験

味覚や臭いの差は、個人差もあり、ましてや文章では伝えきれない部分もあります。

そこで、どうにかリブウォーターの効果を可視化できないかと考え、ある実験を行なってみました。

中学校や高校の実験でやったことがある方は、ご存知かもしれませんが、写真のような※寒天培地(かんてんばいち)を使って自由研究チックな検証をしてみます。

※寒天を使用して作られる培地で、微生物学や植物学の分野で微生物や細胞を培養するために広く利用されています。

魚の表皮

リブウォーターで処理した魚の表面と処理していない魚の表面から、綿棒を使ってサンプル採取します。

余計な雑菌がつかないよう、綿棒は抗菌済みで個包装のものを使用。

綿棒の先端を寒天培地にこすりつけ、蓋をしてしばらく放置し、雑菌や微生物を培養してみました。

寒天培地で比較

2日間放置すると、写真のような結果に。

左側が未処理のサンプル、右側がリブウォーターで処理したサンプルです。

白く盛り上がっている部分が、雑菌のコロニー(増殖している状態)です。

リブウォーターを使っていないサンプル

未処理サンプルを拡大すると、白く盛り上がっている部分が、多く見受けられました

菌の種類までは専門家ではないので、特定できませんが、雑菌が繁殖している様子が判ります。

水道水で洗い流していても魚の表面には、ある程度雑菌がいるようです。

リブウォーターを使ったサンプル

リブウォーターで処理した魚のサンプルの様子です。

未処理のサンプルと比較すると、雑菌はゼロではないですが、明らかに少ないように見えます。

もちろん、菌の種類によって増殖するスピードも異なりますので、これだけで雑菌が少ないとは言い切れません。

tsuki

tsuki

検証方法もあくまで自由研究レベルではありますが、雑菌の繁殖が抑えられている様子は可視化できました。

できるだけ新鮮な魚を食べたい人に!

ツバスの身

魚の味そのものを美味しくするアイテムではありませんが、新鮮な状態で味わえる期間を延ばせるため、魚料理の可能性をグッと広げてくれるアイテムでした。

できるだけ新鮮な状態を保って食べたい! でも釣った魚を丁寧に処理する時間やスキルがない……。魚の生臭さそのものが苦手……。など、そんな方に特におすすめしたいアイテムです。

撮影:tsuki

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