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磯でやってはいけない“6つのコト”。意外とやってしまっている人が多い……

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目次

安全対策を怠ると非常に危険な釣り場

磯釣りは楽しいが危険

大自然の中で様々な大物たちと対峙できることが磯釣りの醍醐味。

一方で、ちょっとした油断や過信が重大な事故に繋がる危険な釣り場でもあります。

今回の記事では、磯釣りでやってはいけないことをご紹介するので、ぜひ危機管理にご活用ください。

サンダルで磯に行ってはいけない

磯でサンダルは大変危険

滑りやすい磯の風景

普段から滅多に靴を履かず、サンダルで生活している僕ですが……磯釣りだけはサンダルで行きません

滑りやすいことはもちろん、指先やくるぶしなどの露出している部分を怪我するリスクが高いので大変危険です。

専用シューズを着用しよう

磯靴の種類

磯釣りでは磯靴(スパイク)と呼ばれる専用シューズの使用が望ましいです。

専用シューズといってもシューズタイプ、長靴タイプ、足袋タイプなど様々なものがありますので、できれば釣具店で試着して自分の脚にフィットするものを選ぶと良いでしょう。

僕はハイカットシューズが苦手で、磯や源流では素足に近い感覚で履ける足袋(タビ)を選択することが多いです。

しかし、足袋タイプには生地が薄い、濡れやすいといったデメリットもありますので自分のスタイルに合ったものを選びましょう。

磯の特性を把握して靴を選ぼう

フェルトスパイクシューズ

靴底の種類は磯の特性にあわせて、凹凸の少ない磯ではフフェルトスパイク、ゴツゴツした磯や磯までのアプローチで山道を歩く場合はスパイクやラジアルソールが適しています。

もっとも汎用性が高いのはフェルトスパイクソールと言われていますが、落ち葉の上などは大変滑りやすいのでご注意ください。

初めて磯釣りに挑戦される場合は、経験者や釣具店の方に、靴選びなど準備段階からアドバイスをもらいましょう。

膨張式ライフジャケットで磯に行ってはいけない

もし、破けたら……

磯で自動膨張式は危険

普段の堤防釣りや船釣りで膨張式ライフジャケットを使用している方も多いと思います。

ところが、磯釣りではこの膨張式は適切と言えません。

磯は角が尖っている他にも、カキやフジツボといった先の鋭い貝類がたくさん付着しており、浮力体を破られてしまう可能性があります

浮力体の入ったフローティングベスト

浮力体の入ったフローティングベスト

磯釣りでは、落水時や陸に這い上がる際に、岩に擦っても破れない浮力体が入ったフローティングベストを着用するようにしましょう。

また、レジャー用ライフジャケットの性能確認試験で、L2もしくはL1規格をクリアしているものを購入すると安心です。

この試験は規格ごとに定められたオモリをライフジャケットに吊り下げた状態で淡水に浮かべ、24時間以上浮き続けられることを確認するものです。

視野が確保しやすい磯釣り用のライジャケが好ましい

磯釣りに適したロックショアベスト

フローティングベストの中でも、動きやすくて足元が見やすいものが適しています。

例えばルアーフィッシングの場合、シーバス釣りなどで使われるゲームベストよりも、磯専用のロックショアベストと呼ばれるものがオススメです。

餌釣りの場合は、針やハリスといった小物を収納しやすい磯用フローティングベストが適していると言えます。

足元への注意を怠ってはいけない

緑や黒っぽい部分はメチャ滑る

磯のコケは滑りやすい

磯靴は普通の靴より滑りにくいだけで、決して滑らないわけではありません

とくに濃い緑色の部分は付着藻類のせいでとても滑りやすく危険です。

ヌメリの強い磯はどんなソールの磯靴でも滑るので、目視しながら避けて通る癖をつけましょう。

濡れている場所は波を被る証

濡れている磯は波を被る

岩が黒くなっている、つまり濡れている部分は滑りやすいだけでなく波を被る場所なので、基本的には歩かないようにすべきです。

とくに、初心者の方は靴のソールを濡らさずに実釣を終えることを意識すると良いでしょう。

どうしても濡れている場所に立ち入らなくてはならない場合は、数波先の波までしっかり確認し、万が一大波が来た時の逃げ道を必ず確保しましょう。

足元や手を掛ける場所に要注意

磯での転倒

磯を歩いたり上り下りしたりする時は、1歩1歩足や手を掛ける場所を確認しながら進みましょう

ゴロタ場は岩が動くことがありますし、崖では手を掛けた岩が取れてしまうこともあります。

この画像は、溶岩帯を登っていた時、小石に体重を掛けた瞬間にポロっと石が外れて転倒してしまった際のものです。

張られているロープを信頼してはいけない

地磯&源流に残置されたロープ

磯の残置ロープ

地磯の場合、崖を降りて釣り座にエントリーする場合があり、人気の釣り座ではロープが張られていることも多々あります

一見すると親切でありがたいと思えるこのロープ、釣り人は“残置ロープ”と呼んだりしますが決して過信してはいけません。

そもそもロープが必要な時点でかなり危険な釣り場なわけですが、ここでは残置ロープの危険性についてお話しします。

僕はヒヤリとした経験があります

古い残置ロープは撤去する

残置ロープは紫外線で痛んでいたり、結ばれている木が朽ちていたりすることがよくあります。

僕が経験したのは磯ではなく源流釣行ですが、試しに安全を確保した上で、体重をかけて引っ張るとロープが結ばれた木がズボッと抜けてしまいました

他にも、数年ぶりに再訪した場所でロープが短くなっていたり……。

もし、何も知らないで命を預けていたらと思うとゾっとしますよね。

残置ロープは切れるものだと思って掴む

崖を降りるための懸垂下降

磯や渓流で張られているロープは、どんなに太くても、新品ピカピカでも、要注意です。

体重を掛ければ必ず切れるものだと思って掴むようにしましょう。

ロープに命を預ける場合は、必要な装備を整えたうえで自分でロープを張り、必ず練習を積んでからにしましょう。

海に背を向けてはいけない

1000波に1波の大波

磯に打ち付ける数時間に1度の大波

天気予報などで発表される波高とは、有義波高のことであり、気象庁では以下のように定義されています。

“ある地点で一定時間(例えば20分間)に観測される波のうち、高いほうから順に1/3の個数までの波について平均した波高。これは目視観測による波高に近いと言われている。 ”

気象庁HPより

つまり、平均値であり最大値ではないんです

統計的に、100波に1波の割合で波高の1.6倍、1000波に1波の割合で2倍の高さの波が出現すると言われています。

試しに計算してみましょう

磯の大波が来た瞬間

波高1mの予報が出ている中で磯釣りに出掛ける場合を想像しましょう。

例えば計算しやすいように、波の周期が6秒だと仮定すると、600秒(10分)に一度の割合で1.6m6000秒(100分)に一度の割合で2mの大波が押し寄せることになります。

先ほど「磯が濡れている場所は波を被る」と書きましたが、例え乾いていたとしても波が押し寄せる可能性があることを知っておいてください。

前を向いていれば異変に気付ける

磯では海に背を向けてはいけない

安全な場所に立つのはもちろん、打ち寄せる前に大波に気付くことも大切です。

他の波より明らかに大きいので目視で確認できますし、打ち寄せる直前には磯際の海面がザァーっと音を立てて引き下がります。

このような予兆に気付くためにも、磯釣りの鉄則として、海に背を向けてはいけません

常に海面や音の変化を気にかけ、危険を察知したら釣り具を投げ捨ててでも直ちに安全地帯まで避難しましょう。

何ごとも過信してはいけない

天気予報を過信しない

天気の急変

波高についてご紹介しましたが、そもそも天気予報の数値を鵜呑みにしてはいけません

天気予報はあくまでも参考程度とし、現場の気象・海象から的確に安全マージンを判断するようにしてください。

また、磯釣りを安心して楽しむためには、天気や海象についても学ぶべきでしょう。

遊泳力を過信しない

磯から落水した時の目線

自分の遊泳力を過信するのもやめましょう。

磯際の波や流れは大変複雑です。泳ぎ慣れている方でも、落水するとパニックに陥ることが珍しくありません。

波に揉まれながらでも磯に這い上がるべきか、乱流が発生していない場所まで磯から離れるべきか、最悪のことも想像しながら磯に立つようにしましょう

防水性能のある通信装備を身に付けよう

衛星通信機と防水ケース

落水した時に、フローティングベストの他にも命を救ってくれるアイテムがあります。

それは、助けを呼ぶための通信機器です。近年は防水性能の高いスマフォも普及していますが、僕は念のために防水ケースに入れてゲームベストに仕舞っています

また、圏外となるような釣り場に出掛ける場合は、衛星通信機を持っておくと安心です。

装備と知識を万全にして磯釣りを楽しもう

磯の王者イシダイ

今回は、磯釣りでやってはいけないことをお伝えいたしました。

最後の項目でご紹介した通り、磯に限らず自然を相手にする遊びにおいて過信こそがもっとも危険です。

いつだって自然に敬意を払い、安全対策を万全にして磯釣りを楽しみましょう。

撮影:山根央之

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