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サイレントが一番怖い。釣り場に潜む“静かな危険生物”

サイレントが一番怖い。釣り場に潜む“静かな危険生物”

自然の中で楽しむ魚釣りでは、ヒトに害を与える生き物と遭遇することも!

今回の記事では、気配を感じにくい危険生物をご紹介いたします。

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目次

静かな危険生物

クマやハチだけじゃない

渓流に降りてきたツキノワグマ

釣り場で遭遇する危険生物と言えば、昨今ニュースになることが多いクマでしょうか。

その他にも、イノシシやスズメバチなんかも危ない生物ですよね。

これらの生き物は、存在感や音で威嚇してくることが多く(稀に不意打ちを仕掛けてくることもありますが)、襲われる前に危険を回避できることがあります。

サイレントな危ない奴をご紹介します

ヒルによる感染症

一方で、今回ご紹介する静かな危険生物たちは、気付いたらこの写真のように「時既に遅し……」になりがちな厄介者ばかり。

僕の脚のようにならないために、釣り場に潜む危険生物を把握して対策しましょう。

ちなみに、この写真はヒルに噛まれたことが原因で感染症になってしまったケース

痛いし、痒いし、靴履けないし、完治するまで地獄のような数日間でした。

イソブヨ・ブユ

そもそも小さい

ブヨ

出典:photo-ac

ブユ、ブト、ブヨなどと呼ばれる吸血虫は、わずか1~4mmという小さな体を利用して静かに人に近づいてきます。

ブユに噛まれると、数日から2週間もの長きにわたり強い痒みや腫れが続きます

とくに被害が多いのは渓流釣りや磯釣りですが、堤防で大量発生する場合もあるので要注意です。

噛まれている感覚が希薄である

魚釣りの最中の虫刺され

ブユの仲間に刺されても(正しくは噛まれても)、吸血されていることを感じにくく、痒みも数時間経つまで強くなりません

また、集団で吸血してくるのもブユの危険な性質。

何の対策もせずにいると、何十カ所も噛まれてしまいます。

肌の露出を抑えて身を守ろう

魚釣りの虫よけ対策

ブユは蚊のように衣類の上からは吸血できないため、肌の露出を無くすのがもっとも有効な対策です。

虫よけスプレーだけでなく、長袖長ズボン、長靴、バラクラバ(目出し帽)、グローブなどを上手く使って対策しましょう。

クラゲ

仕掛けに絡んだ触手が危険

クラゲの触手に注意

海中を優雅に泳ぐクラゲたちですが、中には有毒触手を持つ種もいます。

魚釣りをしていて、クラゲの触手が仕掛けに絡みついて上がってきた経験はありませんか?

これが有毒触手だった場合、誤って素手で触ってしまうと、強い痛みを感じるとともに刺された患部が赤く腫れてしまいます

魚が釣れなくなる

制作:TAKEBUCHI ※仕掛けにクラゲの触手が絡むイメージ

仕掛けにクラゲの触手が絡むと魚が釣れにくくなりますので、ティッシュなどを使って触手を取り除くか、仕掛けの予備に余裕がある場合は交換しましょう。

また、取り除いた触手を釣り場に放置すると二次災害に繋がる危険があるので注意してください。

得体のしれない物は触らない

釣り場の危険生物ウミケムシ

万が一、クラゲに刺された場合は患部を海水(真水は触手を刺激するのでNG)で洗い、皮膚についた触手を優しく流しましょう。

クラゲ以外にも、釣り糸や針に引っかかってくるウミケムシ等の得体のしれない物は、ペンチなどを上手く活用して素手で触らないようにしてください。

アカエイ

鋭利な毒針が超危険

手首より長いアカエイの毒針

ブッコミ釣りやルアーフィッシングで掛かってくるエイの仲間には、鋭い毒針を持っている種類が多いので大変危険です。

万が一刺されると、出血を伴う大怪我に至る場合があり、呼吸障害や血圧低下、発熱といった症状が出る場合があります。

棘が患部に残っている場合は取り除き、傷口を洗い流し、出血している場合は止血して病院へ行きましょう。

踏んで刺されるケースも多い

鋭利な毒針を持つアカエイ

外道として釣れた場合は、距離をとれますが……

ウェーディングや潮干狩り、サーフィンなどを楽しんでいると、誤ってエイを踏みつけて刺されることがあるので要注意です。

言葉で要注意というのは簡単なのですが、エイは砂泥に潜っていることもあり、目視で確認するのは至難の業

まさに静かな危険生物の代表格と言えるでしょう。

エイガードを活用しよう

ウェーディング時はアカエイに注意

魚釣りでは、シーバスを狙った干潟のウェーディングがもっとも被害に遭いやすいと言えるでしょう。

対策としてエイガードと呼ばれる装備が販売されていますので、エイの目撃情報や被害が多い場所では活用してください。

ソックスタイプと呼ばれるエイガードです。

ウェーダー内に装着しますので、1サイズ大きいウェーダーが必要です。

ヘビ

毒蛇との遭遇

地面と同じ模様の毒蛇

僕がもっともヒヤッとしたのは毒蛇との遭遇。それも1度や2度ではありません。

足を着いたわずか20cm横に、マムシがトグロを巻いて鎮座していた時は本当に怖かった……。

ちなみに、マムシの被害は届け出の義務が無いため正確な数は発表されていませんが、年間約1000人程度が噛まれて10名前後が死亡しています。

毒蛇ほど静かで見つけにくい

コンクリートを這い上がるシロマダラ

シマヘビやアオダイショウといった無毒なヘビは比較的見つけやすいのですが、マムシやハブはジッとしていることが多く、模様も地面の色とそっくりなので発見が遅れがちです。

こちらから攻撃しなければ噛まれることはほとんどありませんが、気付かず踏んだり触ったりすると大変危険

ちなみに、この画像はシロマダラ。一見毒蛇のような模様をしていますが無毒なヘビです。

長靴や手袋を着用しよう

長靴を履いてマムシ対策

噛まれることが前提の対処法になってしまいますが、素肌を噛まれるよりも、長靴や手袋の上から噛まれた方が体内に注入される毒量が少なく済む場合があるそうです。

ヒル・マダニ

音も無く忍び寄る危険生物

服についたマダニ

ヒルやマダニといった吸血生物は、意識していてもなかなか見つけられません。

とくにマダニは目視で避けることが難しく、近年では都市部の公園にも生息すると言われているので注意が必要です。

家に連れ帰ってしまうことも……

吸血前のヤマビル

車に戻って沢靴を脱いだらヒルがついていた……とか、家に帰って服を脱いでいたらマダニが噛みついていた……とか。

ヒルやマダニは吸血されていることに気付かないケースが多く、車や家に連れ帰ってしまうこともあります。

感染症に注意

ディートの入った虫よけ剤

マダニに噛まれると重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という感染症を発症する危険があり、2021年には116人が感染して12人が死亡しています。

釣りに出掛ける際は、マダニやヒルの忌避効果が認められている虫よけ剤を活用したり、肌の露出を控えたりして対策しましょう。

対策を忘れずに。

睡眠病を媒介するツェツェバエ

マムシやマダニにいたっては、毎年死者が発生している危険な生き物ですので、対策も忘れずに魚釣りを楽しみましょう。

余談ですが、僕の皮膚にとまっているこのハエ、アフリカで年間1万人の死者を出している睡眠病を媒介するツェツェバエです。

これも、刺されている時はあんまり痛みを感じないんです……。

撮影:山根央之

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