アイキャッチ画像撮影:山下洋太
アカハタ急増中!?

釣って楽しいのはもちろん、生・煮・焼・蒸・揚のいずれでも美味しく食べられる高級魚“アカハタ”。
夏が旬というイメージを持たれる方も多いと思いますが、昨今の海水温上昇もあってか、1年を通して見られるようになってきましたね。筆者自身、船で釣りすることが多いですが、ここ数年はオアシス的な癒しの存在になっています。
今回は、そんな高級魚をより堪能するために、ちょっとした一手間を加えたアカハタ変わり種レシピ3選をご紹介します!
山下
刺身、煮付けなど……定番料理に飽きてしまったという方必見です!
アカハタ変わり種レシピ3選
①胡麻和え

アカハタの胡麻和えは、ほうれん草や小松菜などに使う胡麻和えの和え衣とアカハタの刺身を和えた料理。
刺身に飽きてしまった方や、余った刺身を有効活用したい方におすすめのレシピです。
材料
- アカハタ(30cm大の半身)
- いりごま白(15g)
- 砂糖(小さじ1/2)
- 薄口醤油(小さじ1/2)
- ねりごま(小さじ1/2)
- ごま油(小さじ1/2)
- かぼすの搾り汁(小さじ1/4)
- 大葉(お好みで)
- 万能ネギ(お好みで)
- みょうが(お好みで)
- スプラウト(お好みで)

①アカハタを三枚におろして、柵にし、皮を引いて削ぎ切りしておきます。

②和え衣を作ります。いりごまをすってから砂糖をよく混ぜ、混ざったらところに薄口醤油、ねりごま、ごま油を入れてさらに混ぜます。
POINT
すりごまと砂糖をよく混ぜてから、水分を含む調味料を入れること。この順番がとても重要です!
最初からすべてを混ぜようとすると砂糖が均一になりにくく、味にバラつきがでます。

①削ぎ切りにしたアカハタと②和え衣を優しく和えましょう。お好みで、細切りした大葉やみょうが、小口切りした万能ネギ、スプラウトも一緒に和えちゃってOKです。

しっかりと和えたら、お皿に盛り付けて完成です。
山下
アカハタと胡麻の旨みに香味野菜の味が相まって最高です!
柚庵焼き

柚庵(ゆうあん)焼きとは、醤油、酒、味醂、そして柑橘類の搾り汁を混ぜた柚庵地と呼ばれるタレに漬けてから焼く料理。
江戸時代から親しまれる料理で、考案者である茶人の北村裕庵の名前を取って柚庵焼きと命名されたそうです。
柚庵焼きはアカハタの旨みに柑橘の香りが乗って、さっぱりとした味わいを楽しめます。
材料
- アカハタ(30cm大の半身・頭・中骨)
- 濃口醤油(大さじ2)
- 酒(大さじ2)
- 味醂(大さじ2)
- 砂糖(大さじ1)
- ゆずの搾り汁(大さじ1)

①まずはアカハタを切り分けます。三枚におろして切り身にしましょう。厚すぎると味が入りにくくなるので、1.5cmほどの厚みで切っておきます。

頭は兜割りしてカマを落とし、中骨は5cmほどに切っておきます。

②次に柚庵地を作ります。濃口醤油、酒、味醂、砂糖、ごま油、ゆずの搾り汁を混ぜます。

①アカハタの切り身と②柚庵地を、袋に入れて30分ほど漬け込みます。

漬け込んだら、魚焼きグリルで中〜強火で焼いていきます。

数分焼いて表面が乾いたら、ハケやスプーンなどで漬け込んだ際の余った柚庵地を塗ります。
この「焼く⇄塗る」の工程を完成まで3〜4回ほど繰り返し行います。
POINT
焼き色がしっかりとつき、少し焦がすぐらいのイメージで焼くのがベスト!
焼き目がついていないと味が薄く、ぼんやりとした仕上がりになってしまいます。

⑤表面に焦げ目ができて、中まで火が通ったらお皿に盛り付けて完成です。
山下
アカハタの淡白な白身に柑橘系の味がプラスされ、爽やかな味を堪能できます!
唐揚げのきゅうりおろしがけ

最後に紹介するのは、アカハタ定番の唐揚げにきゅうりおろしをかけた料理。
すっきりとしたきゅうりおろしをかければ、いつもの唐揚げが夏らしく、かつ料亭のような味わいになります。
また、きゅうりはもちろん、火を通していない生姜にも体温を下げる効果があり、暑い中で釣りをした後に食す料理としても相性抜群です。
材料
- アカハタ(30cm大の半身)
- 濃口醤油(大さじ1)
- 酒(大さじ1)
- 味醂(大さじ1)
- 砂糖(小さじ1)
- 小麦粉(適量)
- 片栗粉(適量)
- 揚げ油(適量)
- きゅうり(半分)
- 生姜の搾り汁(適量)
- 薄口醤油(少量)

アカハタを三枚におろし、一口大にカットします。

濃口醤油、酒、味醂、砂糖を入れた漬け地に、カットしたアカハタを30分ほど漬け込みます。

きゅうりをすりおろし、水気を切ります。
水気が少なくなったら生姜の搾り汁と薄口醤油を少量入れて、味を整えましょう。

漬け地から取り出したアカハタに、「小麦粉1:片栗粉1」の割合で混ぜた揚げ衣を薄くまとわせます。

180℃に熱した油で揚げていきます。
POINT
用意できるのであれば、揚げ油は米油がおすすめ。
米油で揚げると軽い仕上がりになり、よりきゅうりおろしとマッチしやすくなります。

お皿に揚げたアカハタを乗せ、上からきゅうりおろしをかければ完成。
山下
きゅうりおろしが油っぽさを抑えて、すっきりとした味わいです!
【おさらい】下処理はしっかりと

どの料理でも基本となる下処理。美味しい料理に仕上げるにはしっかりと下処理することが重要です。
アカハタの下処理の手順を写真とともに紹介していきますので、しっかりと押さえておきましょう。
①ヒレをカットする

まずは、アカハタのヒレをハサミでカットします。
ここでヒレをカットしておくのは怪我を防止するため。
ヒレがあるとこの後の工程で指に刺さって流血した……なんてことが起こり得るので、綺麗に取り除いておくと良いでしょう。
山下
また、ヒレをカットしておくと、ヒレ付近のうろこを取りやすくなります。
②うろこを落とす

次に、うろこ取りで全体のうろこを取り除いていきます。

アカハタのうろこは小さく、うろこ取りでは細部まで取り除きにくいため、慣れている人であれば、包丁でうろこをすきとるように剥がすすき引きがベストです。
すき引きをすると身に負担を掛けにくく、かつ小さなうろこを確実に取り除けます。
③内臓とエラを取り除く

うろこを取り終えたら、肛門から包丁を入れて腹を裂き、内臓をかき出します。
エラにも包丁を入れて、一緒に取り除きましょう。
山下
アカハタのエラは鋭くて危険なので、手で持つときは慎重に!
④流水で洗う

内臓とエラを取り除いたら、流水でアカハタ全体を洗い流します。
腹はもちろん、体表面もしっかりと綺麗にしておきましょう。

洗い終わったら、キッチンペーパーなどで水分をしっかりと取り除きます。
山下
ここで水分が残っていると、この後の工程で水が身に移り、水っぽくなるので要注意です!
⑤頭をカットする

次に、頭をカットします。
大型のアカハタは骨が太くて頭を落とすのに苦労するかもしれませんが、力任せにカットするのはNG。
力ずくでカットすると身が潰れてしまいます。

なかなか骨が切れないときには、骨と骨の継ぎ目に包丁を入れてカットするようにしましょう。
刃が骨に入りやすく、かつ包丁の刃が欠けることも防止できます。
⑥三枚におろす

あとは三枚におろして下処理完了です。
まずは腹側から浅めに包丁を入れ、中骨に当たる「コツコツ」という感覚を維持しながら尾ビレ側まで刃を入れていきます。同じように2〜3回刃を入れて徐々に背骨まで到達させましょう。
腹側の中骨と身の切り離しが完了したら、今度は背側から同様に包丁を入れます。
背側も腹側と同じように切り離したら、最後に背骨に包丁を入れて身を完全に切り離せば半身が完了です。

片面が終わったら裏返し、背・腹と同じようにおろして、三枚おろし完了です。
山下
三枚におろすときは、魚種を問わず腹→背→背→腹の順番が基本です。
どう調理してもウマい魚です!

アカハタは味わいのある白身魚で、どんな料理にしても美味しく食せるのが魅力です。
今回紹介したもの以外にも、ちり蒸し、アクアパッツァなどにするのもいいでしょう。
紹介したレシピはアカハタ以外の他の魚にも流用できるので、ぜひ試してみてくださいね!