GWは海水がまだまだ冷たい
一年で一番釣りに行きたくなる時

待ちに待ったゴールデンウィーク。
陽気に誘われて魚釣りに出掛けてみようと計画されている方も多いでしょう。
そんなところに水を差すようで恐縮なのですが……
じつはGWって釣り初心者にとっては釣りやすい時期とは言えないんです。
今回の記事では、GWに魚が簡単に釣れない理由と、GWに初心者でも楽しめる釣法や釣り場を紹介します。
地上より海中は季節の進行が遅い

GWともなると地上はすっかり暖かくなっていますが、海水温は1月中旬から2月初旬と同じくらいの冷たさなんです。
これは水の比熱が空気よりも大きいことが原因で、簡単に表現するなら海水温は地上の気温より1~2ヶ月遅れて変動します。
つまり、GWは魚たちにとっては「まだちょっと寒いかな……」というシーズンなのです。
釣り場が混雑する

GWは釣り場の混雑にも要注意。
人気の釣り場にいたっては、「釣り座も駐車場も空いていなくて釣り糸すら垂らせない……」なんてこともあります。
また、よく釣れる堤防の先端や外側は満員で、「空いているのはあまり釣れない内向きだけ……」ってことも珍しくありません。
GWに釣れにくい釣り方
サビキ釣り

多くの地域では、GWはサビキ釣りが釣れるか否かの狭間の時期にあたります。
その年の魚の回遊次第で、釣れることもあれば、まったくダメってことが起こりやすい時期なんです。(経験上、まったくダメって割合が多めです)
小アジや小サバが回遊していれば簡単に釣れますが、もし来遊がなかったら高確率でボウズになってしまいます。
ちょい投げ釣り

九州など季節が早く進む地域では、GWぐらいから投げ釣りでキスが狙えるようになります。
また、水温の低い東北・北海道方面ではカレイを狙ってみるのも良いでしょう。
しかし多くの地域では、サビキ釣りと同じく低水温が理由でなかなか厳しい釣りになります。
ザリガニ釣り

お子さまに大人気のアメリカザリガニもほんの少し時期早しです。
夏日が続いていれば、ちょうどGW頃に姿が見られるようになりますが、まだ動きが鈍くて餌をすぐ離しがち。
なんてこともあるので、少し難易度が高くなります。
初心者でも楽しめる釣りとは?
マスの管理釣り場

ここからは、魚釣り初体験の方にオススメなGWの釣りをご紹介します。
ひとつ目が、ニジマスやイワナといったマス類を放流している管理釣り場です。マス類は冷水を好むのでGWでも高活性。
放流されている魚は食用として養殖されているので、塩焼きやムニエル、大きなニジマスはお刺身でも美味しく食べられますよ!
初心者を歓迎している釣り船

思い切って、沖釣りからはじめてみるのも良いかもしれません。
というのも、近年は初心者歓迎の船宿が増えていて、「魚釣りを船釣りから始めた」という人が大勢いらっしゃいます。
「お住まいの地域名 初心者歓迎 釣り船」といった検索ワードで調べてみましょう。
手ぶらでOKな釣り船を利用すれば、釣り具を購入せずとも魚釣りデビューができちゃいますよ!
川の小物釣り

「近場でお金をかけずに楽しみたい」という方は、身近な川魚を狙ってみてはいかがでしょうか?
ザリガニこそ時期早しとご紹介しましたが、カワムツやアブラハヤ、オイカワ、タナゴといった魚たちはGW頃には活性が上がってきています。
都市型河川でも川魚釣りは楽しめますので、気軽にチャレンジしてみてくださいね。
パンコイも楽しいですよ

もう一つ、身近な川魚釣りでオススメなのが食パンを使ったコイ釣り。
カワムツやアブラハヤに比べると、警戒心が高くて少々難易度は上がりますが、魚との駆け引きを味わうには最高のターゲットですよ!
経験者はステップアップのチャンス
ウキフカセ釣り

既に魚釣りを経験している方は、いつもの釣り場で大物釣りに挑戦してみるのも良いかもしれません。
というのも、水温が上がり始めるGWは体力のある大きな魚から動きが良くなります。
チヌやメジナなど、堤防から狙える大物たちをウキフカセ釣りで狙ってみるのもオススメです。
メバル釣り

GWはメバルがハイシーズンを迎えていますので、ヘッドライトなどの装備を整えて夜釣りに挑戦してみるのも良いでしょう。
日中に比べて釣り場が空いているし、メバルは夜行性が強いのでより一層釣りやすくなりますよ。
渓流釣り

一歩踏み込んだ川釣りに挑戦してみたい方には、最盛期を迎えている渓流釣りがオススメです。
GWはアブやハチといった厄介な虫たちも殆どいませんし、雪解けが落ち着いてきて魚たちの活性も日に日に上がってきます。
まさに、渓流釣りを始めるのに打ってつけのタイミングと言えるでしょう。
どうしてもGWにサビキ釣りがしたい時は
釣果情報を入念に調べよう

例えば、周囲より水深の深い釣り場など、地理的な要因でGWでもサビキ釣りが成立する場所もあります。
また、アジやサバは釣れていなくても、水温が冷たい時期でも釣れやすいマイワシやカタクチイワシが回遊している可能性も。
どうしてもGWにサビキ釣りをしたい方は、釣果情報を入念に調べ、慎重に釣り場を選びましょう。
魚に合ったサビキ仕掛を用意する

釣果情報を調べるついでに、釣れている魚の大きさやサビキの種類も把握しましょう。
水温が低い時期は、サビキの種類によって釣果が大きく変わることも。
情報が無い場合は通常のサビキに加えて、トリックサビキや投げサビキも持っておくと良いでしょう。
釣れそうな外道も下調べしておく

アジやサバといった回遊魚が釣れなくても、スズメダイやベラといった堤防に常駐している魚が釣れることもあります。
中には小さくても脂が乗って美味しい魚とか、綺麗だけど毒があるなんて魚もいますので、外道(狙っていない魚)で釣れそうな魚も予習しておきましょう。
GWでも釣り場や対象魚を絞ることで楽しめる

GWはサビキ釣りやちょい投げ釣りなど、初心者が手軽に始めやすい釣法で魚を釣りにくい時期であることをご紹介しました。
その一方で、適した釣り場や対象魚を釣行前に把握しておくことで、魚釣りを十分楽しむこともできます。
しっかり情報収集を行い、楽しい思い出作りに繋げていただければ幸いです。
撮影:山根央之