魚釣りで訪れるピンチ!

魚釣りをしているとさまざまなピンチやトラブルに見舞われます。
今回は、そんな窮地を逃れるために、わずかな望みをかけて釣り人が取りうる行動をご紹介!
少々大袈裟なイントロになってしまいましたが、身近なトラブルの一助となれば幸いです。
ライントラブルでだまになった時

PEラインを使っている時のライントラブル。
ほぐして、引いて、ほぐして、引いて、もうちょい引いて……
嗚呼ーーーー! だまになってしまった(汗)
そんな時、釣り人が駄目元で挑むこと。それは……
無理やり引っ張る

だまを中心にして、ラインの両端を無理やり引っ張る!
これこそ、ライントラブル解消の最終奥義です。
上手くいけば、プルンッという感触と共にだまが解けます。
失敗するとブチッとラインが切れてしまいますが、意外と解けることが多いのも事実です。
根掛かりが外れない時

釣り人が必ず直面するトラブルといえば、根掛かり。
きっと、経験率100%だと思います。
ロッドを煽ったり、ラインを弾いてみたり。それでも駄目なら、最後は竿を真っすぐにしてイチかバチかに賭けるわけです。
フックを伸ばすためにジンワリ引っ張る

じつはここにちょっとしたコツがありまして。
それは、ゆっくり、ジンワリ、少しずつ負荷を増やしながら超慎重に引っ張ること。(お願い外れて……と祈りながら)
ラインシステムに対して細軸の針を使っている時や、フックの先が岩などの硬いものに掛かっている時は、フックが伸びて回収できることがあります。
ラインブレーカーの使用が好ましい

画像提供:tsuki
ちなみに、スプールを抑えてラインを切ろうとすると、リールにダメージを与える場合があるので注意が必要です。
心配な方はラインブレーカーを利用しましょう。
もちろん、ラインを手に巻いて引っ張ると怪我をするのでNGですよ!
ファイト中の根ズレが発生してしまった

大物とのファイト中にラインが何かに擦れる感覚。嫌ですよね。
細いラインが蠣瀬や磯に触れると一瞬で切れますが、倒木に擦っていたり、太いラインを使っていたりすると、意外と堪えてくれます。
こんな時、これ以上擦られないようにとドラグを締めこむ人もいるかと思いますが……
思い切ってラインをフリーに

僕は思い切ってスプールをフリーにしたり、ベールをオープンにしたりしてラインブレイクを回避することが多いです。
ハサミで糸を切る時に、糸が弛んでいると切りづらいのと同じで、釣り糸も緩んだ状態ではなかなか切れないものなんです。
海外だったら泳いで外しに行くこともありますが、基本的にはギャンブル。魚の泳ぎ方次第では外れますし、もっと根に潜られることもあります。
ルアーのリップが折れてしまった

岩にぶつけたり、橋脚にぶつけたりして、ルアーのリップを折ってしまった時。皆さんどうしていますか?
きっと、僕と同じことを試す方も少なくないはず。それは……
シンペンとしての動きをチェック

「リップレスミノーとして使えるかも」って期待して、とりあえず泳がせてみませんか?
ちょっと貧乏臭いけど、とくにシンキングミノーの場合は「シンペンとして使えるんじゃね?」ってなりますよね。
実際、ものによってはよく釣れたりするから驚きです。
中高校生の頃(20年くらい前)、“i字系ルアー”なんて言葉が無い時代に、バス釣りに熱中していた僕はリップの折れた5cm前後の管釣用のサスペンドミノーでよくバスを釣っていました。
足元まで魚が追ってきた

ルアーフィッシングでは、魚が目の前までルアーを追ってくることがあります。
食え! 食ってくれ! 頼むーーーー! って祈っている間に足元まで来て、どうしようもなくなっちゃうんですよね。
それがもし、ロクマルのバスだったり、アカメだったり、イトウだったりすると、もう心臓はバクバク。
こんな時、釣り人が取るべき行動とは?
リトリーブ速度を緩める

皆さんが一番よくやるのは、リトリーブスピードを落とすことでしょう。
わずかですが時間稼ぎになりますし、ルアーの速度が変わったことによってバイトしてくることも確かにあります。
一方で、ルアーの速度が落ちたことで見切られるケースも多いですよね。個人的には、もっとも後悔に繋がりやすいパターンかなと思います。
エイトトラップ

何年か前に流行ったエイトトラップも一つの手段だと思います。
このテクニックが有名になったのはビッグベイトですが、どんなルアーでも有効で、僕はミノーを使ってピーコックバスを食わせたことも。
コツは、駄目だと思ってから30秒くらいはやり続けること。
デカい魚は一旦ボートや岸際に隠れてから、もう一度バイトしてくることもあります。
ピタッと止める

これはシチュエーションと魚種、そして賛否を問うかもしれませんが……
ルアーと魚が至近距離だった場合や、急流でのアップキャストの場合、例えば源流のイワナなどが該当するのですが、最後の最後にルアーを急停止させるのです。
すると、魚がルアーにぶつかりそうになって思わずパクッ!
みたいな感じで釣果に結び付くことがあります。
針を飲みこまれてしまった

最後に、ぜひとも今日から実践してほしいことをご紹介します。
釣りをしているとどうしても、針が見えないくらい奥まで飲まれてしまうことがあるはず。
ペンチを突っ込んで外そうとする方もいらっしゃいますが、無理に外すよりも生存率の高い方法があります。
ハリスを切ってリリース

針を飲みこまれた場合、無理に引っ張らずに口元でハリスを切ってリリースしましょう。
バーブレスに越したことはありませんが、バーブ付きでも構いません。
魚に残された釣り針は腐食して外れたり、排泄されたりすることが多いです。
リーダー(ハリス)カットリリースは日本ではあまり普及していませんが、世界に目を向ければカジキやマグロ、ピラルクといった大型魚を狙ったスポーツフィッシングでは当たり前の手法となっています。
小型魚でも、イワナを用いた野外実験で高い生残率を示す結果が出ているんですよ。
こんな瞬間も魚釣りの醍醐味

今回はおもに僕が実践している危機回避についてご紹介しました。
魚釣りをしているとトラブルも多いですが、それに上手く対処できた時って快感だったりしますよね。
そんな瞬間も含めて、魚釣りって楽しい遊びだなって僕は思います。
撮影:山根央之