レバードラグリール

レバードラグリールのメリットと使い方を解説。おすすめ7機種も紹介

みなさんはレバードラグリールをご存知でしょうか?

スタードラグとの違いやレバードラグの使い方、そのメリットを解説!

おすすめの人気レバードラグジギングリールも紹介します。

目次

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レバードラグのジギングリール

レバードラグとスタードラグ

近年のジギング用ベイトリールは、スタードラグタイプが主流となっています。

しかし、大物や深海狙いのジギングにおいて根強く支持されているのがレバードラグリール。

両者の違いはドラグの仕組みにあり、星形のダイヤルでドラグ操作を行うのがスタードラグ、レバーで操作するのがレバードラグリールです。

パッと見ただけでは外観だけの違いに見えますが、じつは性能面でも大きく異なります。

レバードラグの仕組み

オシアジガーのスタードラグ

一般的なスタードラグリールのドラグは、メインギアの内側にワッシャーを入れ込んで、回転に対する摩擦を作り出します。

そのため、ドラグの直径はメインギアの内側に収まるサイズに制約され、それ以上大きくはできません。

マーフィックスのドラグワッシャー

一方、レバードラグリールのドラグワッシャーは、スプールの側面に取り付けられています。

スタードラグよりも大きなワッシャーを使えることで、高いドラグ値を掛けられ、なおかつ動作が安定することがレバードラグの特徴です。

スタードラグのクラッチ

もう一つの違いが、クラッチ機構の有無。

スタードラグリールは独立したクラッチ機構を持っており、クラッチのON/OFFでスプールフリー状態と巻き上げ状態を切り替えます。

レバードラグのクラッチ

それに対してレバードラグリールは独立したクラッチが存在せず、クラッチの役割はドラグが担っています。

つまり、ドラグの調節も、スプールフリーへの切り替えも、すべてレバー1本で行うわけです。

レバードラグの使い方

レバーの位置

レバーは、手前側に倒すとスプールフリーの状態になり、奥側に倒すとドラグが強くなります。

つまり、レバーを手前に倒してジグをフォールさせ、着底したら真ん中辺りまでレバーを起こして巻き上げへと移行するということです。

やりとり中にドラグの調節をする場合、強めたい時は奥に、弱めたい時は手前に倒します。

レバードラグリールの調整

そして、ベースとなるドラグ設定は、レバーの根元にあるプリセットノブ(プレスノブ)で行います。

設定をする時はまずレバーをフリーの状態にしておき(超重要)、プリセットノブで最大ドラグを決めましょう。

それから、ファイトゾーンやストライクゾーンと呼ばれる真ん中の位置までレバーを起こし、ラインを引っ張り出してドラグ値をドラグチェッカーで計測します。

目的のドラグ値になるまで、この作業を繰り返してください。

ドラグの設定をする際は、リールをロッドに取り付けてラインを通した状態で計測するのが理想です。

レバードラグのメリット&デメリット

レバードラグリールでジギング

ここからはレバードラグリールのメリットやデメリットを解説します。

ドラグの調節がしやすい

レバードラグのやりとり

スタードラグと比べ、やりとり中のドラグ調節がスムーズです。

スタードラグはある程度回さないとドラグ値が変化しませんが、レバードラグはレバーを1クリック(1ノッチ)分動かすと瞬時にドラグ値が変化します。

1クリック当たりどれだけドラグ値が増減するかを覚えておくと、ファイト中にも適正なドラグ調節ができ、その後に正確に元の値へと戻すことも可能です。

ちなみに、スタードラグでファイト中にドラグを操作した場合、元の値に戻すのは至難の業……。

しかし、焦って倒し過ぎると急激にドラグが強くなるので、注意は必要です。

ドラグが強くて安定している

レバードラグのドラグ力

大きなワッシャーが入っているので、ドラグ力が安定していて強いです。

圧力の掛かっている面積が大きい分、摩擦熱によるドラグ性能の低下も少なく、長時間のファイトでも挙動がムラなく安定しています。

そのため、ハイドラグを多用するカンパチジギングや、ファイトが長時間になるマグロジギングなどで好まれます。

繊細なドラグ調整は苦手

レバードラグの強さ

レバー1クリック当たりの変化量は決まっており(500g前後の機種が多い)、それ以下の細かなドラグ調節はできません。

低負荷での繊細なドラグ調節を求める場合は、スタードラグリールが向いているでしょう。

フォール速度をコントロールしやすい

 

スタードラグのようなメカニカルブレーキはなく、完全なスプールフリー状態にできるため、スプールの回転スピードが速いです。

実釣時はジグの抵抗やサミングの影響もあるので、一概に「フォールスピードが速い」とはいえませんが、状況によっては素早い底取りができます。

また、ドラグ値の調整次第では、レバーをメカニカルブレーキのように使うことも可能。

低いドラグ値の中であれば、レバードラグで微妙なテンションをスプールに掛けられるので、フォールスピードを調整したり、バックラッシュを防いだりもできます。

壊れにくくて軽い

レバードラグリールの巻き上げスタードラグに比べて構造が単純でパーツ点数も少ないため、その分壊れにくいです。

例えば、スタードラグリールの“定番故障”である、クラッチレバーのストッパー折れやワンウェイクラッチの不具合。

レバードラグリールにはクラッチが存在しないため、もちろんそんなトラブルは起こりません。

レバードラグリールの操作性

また、パーツ点数が少ない分だけスタードラグよりも軽量なモデルが多いです。

試しに、ほぼ同規格のオシアジガー2000NR(スタードラグ)とブルーヘブンL50(レバードラグ)の自重を比べてみると……

オシアジガー2000NRが595gなのに対し、ブルーヘブンL50は515g!

マーフィックスC3のメンテナンス

さらに、分解も簡単なのでメンテナンス性も優れています。

こういった作業がある程度できる人であれば、自分でオーバーホールするのも可能です。

毎釣行メンテナンス、定期的にオーバーホールできれば、かなり長い期間性能を維持してくれます。

根掛かりのリスクが高い

レバードラグの根掛かりリスク

スタードラグはハンドルを回すとクラッチが繋がり、そのまま巻き上げに移行できるので、1アクションで底切りができます。

しかしレバードラグは、着底したらレバーを真ん中まで起こし、そこからハンドルを巻くので底切りに2アクションを要するわけです。

時間にすると1秒も差はないと思いますが、その間にジグが海底で倒れたり、底を転がったりするため、とくに根が荒くて潮が速い場所ではスタードラグよりも根掛かりしやすくなります。

筆者は、着底時に素早く親指でスプールを押さえ、同時にロッドを持ち上げてジグが底で寝るのを防ぎ、その後レバーを起こして巻き上げることで根掛かりを回避しています。

おすすめレバードラグリール7選

おすすめレバードラグリール

人気のレバードラグリールを集めたので、ぜひリール選びの参考にしてください。

なお、ダイワ・シマノは国内市場でレバードラグリールを展開していません。

オクマ カバラ CAV-5NII

オクマは台湾の釣具メーカーで、国内ではゼニスが取り扱いをしています。


リーズナブルなレバードラグリールですが、2スピードギアを採用しており、ギアレシオ3.8と6.4を切り替えが可能です。


ボディは一体成形加工のアルミフレームなので、剛性も優れています。


ハンドルに力を伝達しやすいよう、人間工学に基づいてハンドルノブを設計していることも特徴です。

自重460g
ギア比6.4/3.8
最大ドラグ力7kg/11kg
巻取り長さ107cm/63cm
PE糸巻量(号-m)4-300

スタジオオーシャンマーク ブルーヘブン L50Hi/R

ブルーヘブンは、日本の釣具メーカーであるスタジオオーシャンマークが製造するリールです。


ブルーヘブンシリーズの中でも、L50はオールラウンドに使える1台。


アルミ製の鍛造ギアボックスに大口径のマウンテンモジュールギアを入れることで、強靭な巻き上げ力を実現しています。


軽量なスプールを2個の小径ベアリングによって支持しており、スプールフリー時の回転の良さも特徴です。

自重515g
ギア比6.3
最大ドラグ力9kg
巻取り長さ110cm
PE糸巻量(号-m)2-1000

マクセル レイジ R25H

マクセルは中国に拠点を置くグローバルなリールメーカーで、日本ではロッドメーカーのレスターファインが代理店となっています。


OEMの実績も多く、とくにアメリカ市場での支持が厚いメーカーです。


レイジR25Hはマクセルの中でもっともコンパクトなモデルで、とくに近海のジギングで使いやすい1台。


軽量・コンパクトなリールながら、ワンランク大きなリールに匹敵する巻き上げ力を備えています。


カーボンドラグワッシャーを搭載しているのでコルクワッシャーよりも食い付きが少なく、細糸を使いやすいことも魅力です。

自重401g
ギア比6.2
最大ドラグ力7.6kg
巻取り長さ93cm
PE糸巻量(号-m)1.5-600

エイテック マーフィックス C3-RH

マーフィックスは1998年にマミヤOPから発売され、その後リョービ、エイテックへと製造が引き継がれた歴史の長いリールです。


C3はシリーズ中もっともコンパクトなモデルで、スローピッチジャーク(スロージギング)にフォーカスして設計されています。


「マクセルの中ではコンパクト」とはいえ一般的には大型の部類ですが、その大きなボディサイズによってギアレシオ4.8で100cmの巻き取り長を確保していることが特徴。


大口径のヘリカルギア(斜め方向に歯が切られたギア)とローギアレシオのセッティングにより、非常にトルクフルな巻き上げ力を実現しています。


ドラグはカーボンワッシャー仕様です。


 

自重660g
ギア比4.8
最大ドラグ力8kg
巻取り長さ100cm
PE糸巻量(号-m)1.5-1200m

アキュレート バリアント BV2-500N-SPJ

アキュレートはロサンゼルスに拠点を置くメーカーで、高度なジュラルミン加工技術と設備を備えており、リール以外にも航空機部品の製造も行っています。


BV-2-500N-SPJは、日本のジギング専門店「アンバージャック」がBV-2-500Nをベースにスロージギング用に別注したモデル。


樽型ノブのロングハンドルに変更し、ギアのクリック音発生機構を撤去することで、操作性を高めています。


2スピードギア設計で、ギアレシオ3(巻き取り長55cm)と6(巻き取り長110cm)の切り替えが可能。


スプールの両端にワッシャーを搭載したツインドラグシステムにより、ドラグの安定感も抜群です。

自重504g
ギア比6:1/3:1
最大ドラグ力14.5kg
巻取り長さ110cm/55cm
PE糸巻量(号-m)PE3号-600m

オーシャンフリークス キャプチャ 30HG

キャプチャは、岡山県に拠点を置くジギング用品メーカーのオーシャンフリークスが発売するリールです。


ボディ・スプール・レバードラグは6061冷間鍛造アルミ材から削り出されています。


ドライブギアは独自開発の特殊表面加工強化アルミ製で、高い強度と滑らかな巻き心地を実現。


ドラグはカーボンワッシャー仕様で、同クラスのリールではトップクラスの10kgのドラグを掛けられます。


その上で、自重はわずか360gしかありません。

自重360g
ギア比6:1
最大ドラグ力12kg
巻取り長さ92cm
PE糸巻量(号-m)2-500

エバーグリーン オケアノス ワイドHD

ルアーメーカーのエバーグリーンが発売するレバードラグリールです。


ドライブギアとピニオンギアはステンレス製なので硬度が高く、それによって感度を高めています。


ドラグの設計が唯一無二で、特殊な形状のアルミドラグディスクに特殊なドラググリスを塗り、低負荷域からもスムーズに動作することが特徴。


その他にも、ラインの偏りによるトラブルを防ぐラインガードや調整式のリールフットなども採用されています。

自重545g
ギア比7.2
実用ドラグ力6kg
巻取り長さ106cm
PE糸巻量(号-m)1.0-1000

レバードラグでジギングの世界が広がる!

レバードラグリールでの釣果

レバードラグリールの長所をまとめると、ドラグの強さと安定感、調節のしやすさです。

また、スタードラグにはない大型番手も多いので、より大きな魚を釣りやすいリールといえるでしょう。

多少の慣れは必要ですが、使いこなせば強い武器になるので、大物志向の方はぜひお試しください!

画像提供:tsuki

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