沖磯で釣りがしたい!
渡船を使った沖磯への釣行では、堤防や地磯では味わえないロケーションで釣りを楽しめます。
渡船代金は生じますが、それ以上の楽しみや魅力があり、筆者のように沖磯に魅せられる釣り人は少なくありません。
一見ハードルが高そうに思えますが、装備やリスク、渡船の利用手順さえ把握しておけば、初心者の方でも十分楽しめます。
本記事では、沖磯に挑戦してみたい方に向けて、その安全な楽しみ方を解説します!
沖磯の魅力
まずは沖磯釣行ならではの魅力について紹介します。
魚影が濃い
沖磯に行く一番の理由は、「釣れるから」でしょう!
一口に沖磯と言ってもさまざまな磯がありますが、基本的には堤防よりも魚の数は多いです。
潮通しや地形変化といった条件が良く、根魚から回遊魚に至るまで多くの魚が磯に寄っています。
また、沖磯は長い時間をかけて釣り人や渡船屋によって開拓・情報収集がされているので、魚種ごとの好ポイントが明確だったり、直近の釣果情報があったりするのも沖磯ならではです。
ほぼ貸切で楽しめる
磯広さや混雑具合にもよりますが、1組で1箇所の磯に渡してもらえることが多いです。
つまり、他の釣り人を気にせず、仲間内で磯を貸し切って釣りを楽しめます。
また、相乗りになった場合でもスペースに余裕があることが多く、“対人的なストレス”は皆無と言えるでしょう。
地磯より楽で安全
当たり前ですが、磯までは船で運んでもらえるので、地磯のように荷物を持って歩く必要はありません。
また、予約&乗船時に「初心者です」と一言伝えておけば、より安全な磯に渡してくれる渡船屋さんも多いです。
さらに、安全確認のために定期的な見回りに来てくれる渡船屋さんも多く、釣況によっては磯変えを提案してくれることもあります。
海が荒れてきて危険になってきた場合は、渡船屋さんが早めに回収しに来てくれるので、地磯よりも圧倒的に安全だと思います。
揃えておきたい装備
沖磯を安全に楽しむためには、専用の装備も必要です。
最低でもライフジャケットとスパイクシューズ、グローブは必ず用意しましょう。
ライフジャケット
命を守るためにライフジャケットは必ず着用しましょう。
自動膨張式は岩に当たって破れる可能性があるので、固型の浮力体が入っている固型式ライフジャケットを選んでください。
着用する際は、股紐を通すのも忘れないように!
シマノ ネクサス フローティングベスト VF-142Q
スパイクシューズ(磯靴)
転倒を防ぐため、スパイクシューズ(磯靴)も必ず着用してください。
スパイクにもさまざまな種類がありますが、オールマイティーなのはピンフェルトソール(ピン+フェルト)のものです。ピンフェルトソールなら、ゴツゴツの磯もツルッとした磯にも対応します。
ソールは消耗品なので、ソールを張り替えられるタイプが便利です。
シマノ ジオロックシューズ FS-080T
グローブ
グローブも必ず着用するようにしましょう。
グローブをしていないと、転んで磯に手を着いた時にフジツボやカメノテなどで怪我をしてしまいます。
プロックス ライトストレッチ グローブ PX3623
偏光グラス
必須ではありませんが、偏光グラスは用意するのがおすすめです。
沖磯は影がなく、四方を海に囲まれて照り返しがキツいことも多いので、目の疲労を軽減し、怪我も防止してくれます。
また、地形や魚影、潮の流れを確認しやすいのもメリットです。
シマノ フローティングフィッシンググラス HG-067J
ヒップガード
レインウェアを着て磯に座ると、擦れて防水性能を損ったり、穴が空いたりするので、ヒップガードを着用するのがおすすめ。
また、クションとしても機能するため、磯に座った時にお尻が痛くなく、万一尻餅をついても衝撃を吸収してくれます。
プロックス 低反発ヒップガード PX388
沖磯に乗る手順
ここからは沖磯に乗って釣りをする際の手順を紹介します。
渡船屋さんによっては細かな手順が異なるところもありますが、大まかな流れは一緒です。
渡船屋さんを調べる
まずは渡船屋さんを調べましょう。
ネットやSNSで探すか、釣具店で聞けばおすすめの渡船屋さんを紹介してもらえるはずです。
渡船屋さんのホームページを見ると、釣果情報やポイント、時間、料金、集合場所等がわかります。
予約する
沖堤防への渡船とは異なり、基本的に沖磯は電話での事前予約が必要です。
日程、名前、連絡先、人数、対象魚などを伝えましょう。
HPに記載されている出船時間とは異なることもあるので、予約の際に時間も確認しておいてください。
出船確認
天候や海況次第では出船できないこともあるので、必ず前日に出船確認をしてください。
休船になった場合に電話をくれる渡船屋さんは少なく、こちらから前日の夕方頃に電話するのが基本です。
天候によって出船時間が前後する場合もあるので、時間も再確認しておきましょう。
集合
集まり次第出船する渡船屋さんもあるので、時間には余裕をもって到着し、準備も済ませておきましょう。
目安は集合時間の30分前くらいです。
渡る磯はリクエストできるパターンや先着順、予約順、常連優先、ランダムなど、渡船屋さんによってさまざまです。
一つの地区に複数の渡船屋さんがある場合は、日によって渡す磯が割り当てられている場合もあります。
磯へ
船長は各磯を回って釣り人を順番に下ろすので、「〇〇さん、次の磯で降りてください」と声を掛けられたら船首の方へ行って渡る準備をしましょう。
渡礁する時は焦らず、船長の合図を待って降りてください。荷物は先に降りてから受け取る方が安全なので、仲間同士で協力して受け渡しを行います。
この時、絶対にしてはいけないのが“船と磯を跨ぐ行為”!
波の影響で船が磯から離れると海に落ちてしまい、次の打ち寄せる波が来ると磯と船に挟まれて大惨事になります。
筆者はクーラーボックスが挟まれているのを見ましたが、クーラーボックスがバラバラになっていました。「あれが人間だったら」と思うと、ゾッとします……。
実釣
磯に渡ったらあとは釣りをするだけです。
早速竿を伸ばしたくなると思いますが、その前にまずは玉網を組んでおきましょう。
玉網を先に用意しておけば、万一荷物が風に吹かれて落下した際に掬って回収できます。
釣りをする前に高いところに登れば、おおよその地形を把握できます。
偏光グラスを掛けていれば海中のシモリ(根)も見えるので、それらを考慮して釣り座を決めましょう。
磯には「迷ったら船着き」という格言があり、船が着く場所は水深が深くて好ポイントになりやすいので、場所選びに迷ったら船着きから釣りをスタートするのもおすすめです。
帰港
片付けは余裕を持って行い、船が来る頃にはすべて片付いている状態にしましょう。
迎えの船が来る30分前には片付けておくのが理想です。
堤防と同じく、ゴミは必ず持ち帰り、撒き餌が散らかっている場合は、バケツなどで洗い流してください。
行きと同様に、帰りも荷物は渡し合った方が安全です。
船がしっかり着いてから乗るようにし、この時も絶対に磯と船を跨がないように!
帰港後は精算して、沖磯釣行は終了です。
沖磯で本格的な釣りを楽しもう!
沖磯は釣果だけでなく、非日常的なロケーションも魅力です。
初めはハードルが高いと思いますが、安全を心がけ、渡船のシステムに慣れれば、とても楽しい釣りができると思います。
ぜひ沖磯に挑戦してみてくださいね!