高級魚”ハモ”を狙ってみたら…

高級魚「ハモ」。
そんなハモが意外と簡単に釣れるとなると、狙ってみたくないですか!?
あまり釣れる魚ではないイメージがありますが、意外と湾内や近場で釣れることも多く、岸から釣れる魚の中でも長さで言えばトップクラス!
本記事では、ハモを釣り続けて分かった生態や釣り方、捌き方と料理方法までご紹介します。
こんなデッカイ”ハモ”が釣れちゃいます…!

☝︎1m23cmのハモ。怪魚です。
筆者は若狭湾でハモを毎年追いかけていますが、意外と湾内でも1mを優に越すモンスターサイズが釣れてしまうんです!
釣り方と時期、あとは場所がここ数年で見えてきたのもあり、割とコンスタントに釣れるようになってきました。

☝︎湾奥で釣れた118cm!
こんなところにこんなサイズが居たの? と当初は驚きましたが、居る場所や釣れるタイミングなどに共通点がありました。
ハモを釣るための方法を、順を追ってご紹介します!
ハモの生態

ハモの生息地はおもに西日本が中心とされ、水深100m以浅の沿岸に生息しています。
砂地や岩場、砂泥地など生息環境はさまざまで、湾奥でも外洋エリアでも釣れる魚です。
ハモが狙える時期

ハモは年中狙えますが、岸から釣りやすい季節は初夏から晩秋。
8月に産卵を迎えるので、産卵前の7月頃が釣りやすい時期で、8月頃になると産卵行動にともなって釣れづらくなります。
産卵前の時期プラス、産卵後の回復のために捕食が活発になる9月〜11月頃と、年間で見ると岸から狙いやすい期間が長いのもハモ釣りの魅力です。
ハモが釣れる時間帯

ハモは夜行性のため、釣れる時間帯はおもに夜。
薄暗くなる頃から餌を求めて徘徊しだすようで、日が落ちてから釣れ出します。
また、ハモは夕暮れ後が釣れやすいというのはまさにその通りで、巣穴から出て餌を探し始めるタイミングは活性も高く釣りやすい時間帯です。
▼満月は釣れない!?

満月の夜にはアナゴや鱧などの魚は釣れづらい。ということを聞くことがありますが、結論から言うと「釣れます」。
ですが、新月周りや月が隠れているタイミングと比較すると、圧倒的にアタリは少ない印象。
あくまで筆者の経験からの推測ですが、夜空が明るすぎると巣穴から出てくるハモが少ないのかもしれません。
ハモが狙える場所

ハモは、砂地がある場所での実績が高め。
理想は砂地に岩礁や牡蠣殻が多いエリア。ハモが隠れられる場所も多くてよく釣れる印象があります。
また潮通しも大切で、潮がよく流れる外洋に近いエリアを狙うと釣果が望めるでしょう。
始める前に抑えておきたい「ハモの釣り方」
ハモ釣りのタックルは!?

ハモ釣りのタックルは、シーバスロッドやショアジギングロッドなどルアーロッドを代用してもいいし、もちろん投げ竿でもOK。
PEラインの2号〜3号程度が扱える、やや強めのタックルが理想です。
ハモの仕掛け

ハモ釣りの仕掛けは、図のような簡単なもの。
ほぼ一般的なぶっ込み仕掛けで、極端に小さい針や細い糸でなければ問題ありません。
特別決まった仕掛けは無さそうですが、注意しておきたいポイントはいくつかあるので解説します。
1.中通しタイプの天秤を使う

しっかりと食い込ませたいので、ハモが餌に食い付いた時に違和感を与えないよう、天秤は中通しのものがおすすめ。
通常の天秤でやった事もありますが、アタリはあれど1回目のアタリで餌を離してしまうということが何度もありました。
オーナー 遊動パイプ天秤 55mm
2.ケミホタルを餌の付近に装着する

ハモを狙う場合、ケミホタルを針から30cmほどの位置に取り付けるのがおすすめ。
餌を目立たせることができ、暗闇の中でボヤッと水中で光って広範囲にアピールしてくれます。
ケミホタルあり・なしで比較した時は、圧倒的にケミホタルありの方が当たったので効果があるのは間違いなさそうです。
3.ハリスの太さ

ハリスには、フロロラインを使うようにしています。
餌が底に落ちているので、リーダー周りの根ズレ対策とハモの歯への対策です。
太すぎても食いが落ちますし、細すぎても切れるので、35lb~50lb程度がオススメ。
モーリス バリバス フロロカーボン ショックリーダー 35LB (10号)
4.ハリは専用品、もしくは太糸で使いやすいカン付きの太軸鉤

針はハモ専用のものを使っても良いですし、タマン針のような太軸のものがおすすめ。
専用針は、結び目からフックの曲がり部分までが長く、ハモの歯によるラインブレイクを防げる利点があります。
筆者は、タマン針をサイズ別に用意して代用しています。カン付きなので太めのフロロラインでも結びやすいのです。
がまかつ タマンスペシャル 20号
ハモの餌は鮮度が大切!

声を大にして言いたいのは、ハモの餌は「鮮度が命!」ということ。
ハモ自体生きている魚やイカ、甲殻類などを捕食しています。
そのため、できる限り鮮度の良いサバ、アジ、イカなどが理想なのです。
鮮魚店やスーパーなどでもなるべく当日水揚げされた新鮮なものを選ぶと、間違いなく釣果が変わります。
▼餌のサイズは状況を見て変えるよ
餌は切り身にした状態で使います。
仕掛けを投入し始めたタイミングでは、臭いを多く出してハモを寄せたいので、餌は大きめに。
3〜4回は大きい餌で寄せ、アタリが出だしたら少し餌のサイズを落として食い込みを重視します。
ハモは危険な魚でもあります

つぶらな瞳が可愛く、サイズも大きくまだ釣ったことがない方にも挑戦して欲しいハモ釣り。
ですが、ハモには危険も多いので釣る前に知っておくことが大切です。
釣り上げた後の歯が超危険!

ハモはとにかく歯がヤバい! 写真を撮るよりも先にまずは〆てしまいましょう。
手を近づけると高い確率で噛みつこうとするので、いきなりナイフなどで締めるのは危険です。
ハモバサミがあればそれで頭を挟んで固定して脳天締め、手軽な方法だと頭部をある程度太くて長め木などで叩くのが安全でしょう。
叩いたのち瀕死の状態になれば、ナイフで脳天、もしくは鰓蓋の上の方の骨を断ち切って活けじめは完了。
〆た後に血抜きして持ち帰れば、獰猛なハモが高級食材へ変身します!
▼ちなみに「毒」もあります…
ハモには、”イクシオトキシン”と言われるウナギやアナゴと同じ毒があります。
目に入ったり生食したりすると中毒や炎症を起こすので、加熱調理する前の扱いには注意が必要です。
ハモの捌き方は正直難しい! けど美味しい!
実際釣れたハモを持ち帰りいざ調理!となっても、普通の魚のように捌くことはできません。
ハモの可食部となる筋肉には、皮下に埋没するように硬い骨が走っており、いわゆる骨切りが必要です。
専門の職人がいるくらいなので最初は難しいですが、慣れれば意外とできるので挑戦してみましょう。
ヌメリの処理

ハモにはヌメリが多く、臭みの原因にもなるのでこれを取り除きましょう。
ハモのヌメリは酢をかけると固まるので、固まった状態で包丁でシゴいていきます。
白濁して固まったヌメリをまとめて、洗い流せば完了です。

ヌメリを取ったら身を外していきます。開くのは普通の魚と同じ「3枚おろし」の手順でOK。
腹側と背中側から包丁を入れて、中骨の上を滑らせるように刃を入れて3枚におろしましょう。
骨切りは道具が大事かも

ハモの骨は複雑で、皮の方に小骨が大量に入っています。
その骨を断ち切らなければ、とても食べられたものではありません。
骨切りは、身側から1cmの間に7〜8回包丁を入れるというイメージで、皮目ギリギリまで身と同時に皮下の骨を切っていきます。

専用の骨切り包丁があればベストですが、筆者は麺切り包丁を代用しています。
あまり包丁を前後に動かさず、手前から奥への一太刀で一気に皮ギリギリまで包丁を入れるのがコツ。

こんな状態になれば骨まで切れています。
最初は、切ったところに皮目が見えているかチェックしながらやるのがおすすめ。
「ザッ、ザッ、ザッ」と、一発で切らないと身が崩れます。
皮まで切るのを恐れて手前で刃を止めると皮下の骨が残るので、ギリギリまで攻めましょう。
ハモ美味すぎ! とくに天ぷらがヤバい

やっと調理まで辿り着きました。笑
骨切りしたハモの身は、適度なサイズに切ってお好みの料理に使いましょう。
オススメはナンバーワンは天ぷら!
他には、湯引きしてから梅で食べたり、蒲焼にしても最高です!
身近で釣れる「美味しい怪物」を狙ってみて欲しい!

地元でもハモを狙って釣っている人はほぼいません。そのため競争率も低く、暑い夏でも涼しい夜にできる釣り。
サイズも大きくて引き味も食味も良く、アタリを待ちながら夕涼みしている時間はたまりません!
もしかしたらアナタの近所の海にも潜んでいるかもしれないハモ。
迫力満点で味も絶品な魚を一度狙ってみてください!







