ズボ万能400をインプレ
ここからは各ロッドの使用感を振り返ってまとめます。
ズボ万能は名前通り、王道の釣り堀竿でした。
細ハリスも使えて青物も釣れる
全長が長くてしなやかなので曲がりしろが大きく、マダイやシマアジを釣るには最適なパワーです。
マダイを釣った時にかなりの余裕を感じたので、青物にも十分対応できると思います。
また、魚が掛かれば胴までスムーズに曲がり、伸びの少ないPEラインでも竿が叩きにくいのも印象的でした。
竿が叩かない分、ハリやハリスに掛かるテンションも安定するため、マダイのハリ外れやシマアジの口切れはかなり少ないはずです。
実釣時は2号のハリスを飲み込まれても切れなかったので、食い渋った時に臆せず細ハリスや小針を使えますよ!
ウキ釣りには最高
長めのレングスながら持ち重り感が少ないのはさすが! 体感としては、3mや3.3mの竿とほぼ同じに感じました。
それでいて4mの長さがあるので長いハリスを使いやすく、渋くてエサをフワフワさせたい時に役立ちます。
穂先のブレが少なくてIMガイドを搭載しているので、PEラインを使ってもまったく穂先に絡みません。とくに風が強い日は嬉しいですね!
また、長さを活かしてイケスの真ん中付近を狙いやすい反面、狭い釣り堀では3mや3.3mに比べるとやや取り回しにくい状況があるかもしれません。
脈釣りにも
穂先にはカーボンソリッドが継がれており、一般的なチューブラー穂先よりもしなやかで目感度にも優れるので、脈釣り(探り釣り)も楽しめます。
マダイがウキ釣りに反応しない時や、シマアジ狙いに有効なノーシンカーのミャク釣りにも使えるので、かなり守備範囲が広い竿です。
高いレベルで繊細さと強さを両立しているので、これ1本で釣行することも十分可能だと思いました!
泳がせ330をインプレ
泳がせ330はやはり泳がせに特化した1本でした。パワーがあるのはもちろんですが、それプラスαの魅力がありますよ。
しなやかかつ強靭
「10kgサイズの青物を想定」しているだけあって、青物を掛けた時の安心感は文句なしですね。
“硬さによるパワー”ではなく、曲げ込んでトルクが湧いてくるようなロッドなので、女性の方でも大きな魚を取りやすいと思います。
穂先は張りの強い極太チューブラーなので、どんな状態で喰われてもアワセが効きやすく、太軸のハリを貫通させられるでしょう。
ただし、穂先が喰い込まないので、冷凍イワシやカツオでズボ釣りをすると、ちょっとアタリを弾きやすいかもしれませんね。そんな時は糸を送って喰い込ませましょう!
驚くほど軽い
ハイパワーな青物竿ながら、持ち重りが非常に少ないことに驚きました!
モーメントを比較しても分かる通り、体感はズボ万能400とほぼ同じレベルの軽さです。
また、魚が掛かってからは曲がって粘る一方で、操作時は張りがあるので青物竿にありがちなダルさは一切ありません。
操作性に優れるので、泳ぎ回るアジのコントロールもしやすいですね。
大口径ガイドが○
他の3本とは異なり、泳がせ330のみ大口径のガイドを搭載しています。
そのため、ウキ止め糸はもちろん、ウキ止めゴムもスルスル抜けてくれます。
これならウキ止めゴムがトップガイドでつっかえて穂先を折る心配もありません。
へち誘い300をインプレ
ヘチ誘い300はかなり尖ったロッドですが、探り釣りではこの上ない使用感でした。とくに上級者の方におすすめしたい1本です。
感度が抜群
短いカーボンソリッドを継いだ先調子の竿なので、目感度と手感度ともに抜群です。
本命のアタリはもちろん、エサ取りの小さなアタリも伝えてくれます。
実釣時にくわせ350を使っていた編集部しみけん氏は「いつの間にかエサが取られている」と言っていたのに対し、ヘチ誘い300を使っていた筆者はエサ取りのアタリをほとんど感知できていたのには驚かされました。
また、ゆっくり竿を下げていけば、ガン玉Bと練り餌の重みだけでもイケスの底網に仕掛けが乗る感覚も判り、ボトム付近を舐めるように丁寧に探れます。
そのうえで軽くて穂先のブレも少ないので、アタリを取りやすく、まるで黒鯛釣りのヘチ竿のように繊細な竿ですね。
フッキングスピードが速い
しなやかな穂先に対してそれ以下の部分はハリが強く、アワセの入力が素早く針先へと伝わるため、即掛けが可能です。
活性が低くて待っても喰い込まず、ショートバイトが多発する時にも、魚がエサを離す前に掛けアワせられます。
ウキ釣りで簡単に釣れる状況なら、ウキ釣りでオートマチックに数を伸ばすのが得策だと思いますが、“そうではない状況”でアタリを出せるのがヘチ誘い300の強みですね。
竿を捌いてファイトする必要がある
操作性と感度に振っている分、正直、パワーは強くありません。
中型シマアジまでならなんとかなりますが、青物がヒットするとかなりしんどいはずです。
先調子で張りがある分、竿を溜めてオートマチックに魚を浮かすのは難しく、ハリスへの負荷も大きくなるので、強い突っ込みに対しては竿を捌きながら対処する必要があります。
誰でも使いやすい竿ではないと思いますが、使いこなすと“人が釣れない時”にも釣れる玄人好みの竿ですよ。
くわせ350をインプレ
残念ながらくわせ350での釣果は出せませんでしたが、編集部のしみけん氏が撮影の合間に魚を掛けていたので、使用感を聞いてみました。
置き竿でオートマチックに
仕掛けをぶら下げている時は先調子ですが、魚が食うと1番節全体が追従するので、置き竿でも勝手に喰い込ませて針掛かりさせてくれます。
貸切りで竿が複数本だせる釣り場だと、置き竿で欲張って楽しめそうです。
しみけん氏はノーシンカーの泳がせで表層の青物を狙っていましたが、穂先がアジの動きをしっかり表現していてかなり良さそうでした。
ズボ万能400ほどのパワーはありませんが、全体的にしなやかな調子なので中型の青物程度なら難なく対応できると思います。
ウキ釣りもできるので、大型青物への適性を除いてはかなり汎用性が高い1本です。
しみけん氏は「置き竿で穂先が舞い込むのは、石鯛釣りみたいな楽しさがあるな〜」と語っておりました。
海上釣堀を極めたい人に!
今回は6時間ほどの釣行でヒット数も多くはありませんでしたが、それでも、4本すべてに価格相応のクオリティと明確な個性を感じました。
たしかに4本揃えると釣り堀を完全攻略できそうですが、お値段的にすべて買うのはなかなか厳しいですよね(笑)
1本で幅広く釣りをしたいなら、ズボ万能400。大物1本狙いなら、泳がせ330。
既にベーシックなタックルをお持ちの方は、へち誘い300 or くわせ350がおすすめです!
“アルティメイト”の言葉に嘘はなかったので、海上釣堀を極めたい方はぜひ使ってみてくださいね。
がまかつ 海上釣堀アルティメイトスペック ズボ万能 4m
がまかつ 海上釣堀アルティメイトスペック 泳がせ 3.3m
がまかつ 海上釣堀アルティメイトスペック へち誘い 3m
がまかつ 海上釣堀アルティメイトスペック くわせ 3.5m