ポイント移動後は、極先調子170に持ち替えて狙います。
段々と潮が速くなり、船が流れて仕掛けも浮きやすくなってきました。
ここでスッテを外し、スパイクローやフラッシュブースト(シマノ)などのエギ系で仕掛けの安定性を高め、しっかり止めて抱かせることを意識します。
障害物の多いエリアで、仕掛けを引き摺ると根掛かりが多発するので要注意。
極先調子の操作性(仕掛けの浮かせやすさ)で障害物をかわしつつ、マメに仕掛けを自分の前に置き直し、糸が流れるのを防ぎます。
それでも仕掛けは流れ、ちょっとアワせにくい船下の位置でヒット!
上がってきたのは、600g程度の良型!
数は出なくても、これくらいのサイズが釣れてくれると満足感がありますね。
ロッドのパワーも不足ナシです!
さらにサイズアップに成功!
足が何本か切れていましたが、それでも余裕の1kgオーバー。
終了間際にも400gサイズを1杯追加し、この日は5杯で納竿。
竿頭は7杯と、ハイシーズンながらかなり渋い日でしたが、なんとか少ないチャンスをものにできたと思います。
ちなみに……
カメラマンとして同行した編集部しみけん氏は、先調子178をメインに使い、撮影をこなしながらも6杯の釣果。
「フラットなエリアが多い明石は先調子178、根が荒い場所も多い東京湾は極先調子170の方が使いやすそう」とのこと。
自分より釣るのやめてもらっていいですか?笑
ここ明石では資源保護の取り組みの一環として、遊漁船で“タコマイレージ”という取り組みが始まっており、筆者達も協力してみました。
100g以上のタコを1杯リリースすると1ポイント貯まり、一定ポイント毎にステッカーが貰えます。(100g以下のタコはリリースが義務付けられています)
資源を保護しながらタコ釣りを楽しむ意識が大切ですね。
先調子178をインプレ
まずは先調子178からインプレします。
「船タコロッドの王道」といえる、ベーシックな調子のロッドでしたよ!
オートマチックにボトムキープできる
穂先が柔軟なので、“オモリを浮かさずに誘う”ことが簡単にできます。
とくに明石のような潮が速い状況では、硬い竿を使うと仕掛けが浮きやすいのですが、しなやかな穂先が仕事をしてオートマチックにボトムキープしてくれるのが魅力!
オモリを海底から浮かさずに誘うのは、慣れていないと意外と難しいので、誰が使ってもタコを釣りやすいロッドだと思います。
また、軽くて細かいシェイクなどもしやすく、疲労が少ないのも嬉しいですね。
荷重変化でアタリを見分けられる
先調子の穂先は柔軟で入り幅が大きく、タコのアタリをわかりやすく表現してくれます。
穂先で聞いてみると荷重の変化がよく判り、オモリがスタックしているのか、タコのアタリなのかを判断しやすいです。
小型のタコのアタリもしっかりわかったので、「これ以上の感度は必要ないのでは?」と思わされました。
塗装がないので視認性が心配でしたが、スレッドがしっかり見えるので視認性も十分です。
糸絡みの心配はナシ
タコ釣りはロッドの穂先を使ってアクションをするので穂先絡みが起こりやすいのですが、実釣中に一度もありませんでした。
タコロッドの中には、柔らかい穂先と高さのあるガイドを組み合わせたことで穂先絡みしやすいものもありますが、オクトライズにそのような心配はありません。
LDBガイドが前方に傾斜しているので糸を拾わず、拾ったとしてもスルッと糸が滑って解けてくれます。(動画参照)
糸フケが出やすい叩くようなアクションをしても全然絡まりませんでした!
明石にベストマッチ
先調子178は、フラットな砂地が多いポイントや潮が速い状況に最適です。
柔軟な穂先が曲がり込んでくれるので、多少の地形変化や船の揺れがあったり、潮が速くなったりしてもオモリが底から浮きません。
言い換えると、仕掛けを浮かしにくくて根掛かりしやすいのですが、フラットな砂地ならネガティブ要素は出にくいです。
明石はフラットな砂地を狙うことが多く、潮が速いので、明石で1本選ぶなら先調子178がおすすめです。
操作性とパワーのバランスが○
軽量ながらバットパワーは強靭です。
明石の速い潮の中でもしっかりとアワセが効き、タコを海底から引き剥がして回収できます。
市場にはタチウオテンヤロッドの延長のような極端なロッドもありますが、操作性とパワー(安心感)のバランスが良い使いやすいロッドでしたね。