トップチニングで大事なルアー操作と狙うべきポイント
トップで狙うべきフィールド条件の次に重要なのが、その中でも狙うべきポイントとルアーのアクションです。
ルアーを投げるべき場所
トップルアーをただ闇雲にキャストしても釣れる事もありますが、狙う場所やトレースコースを考えてキャストをすると釣れる確率が上がります。
何処に投げれば良いのかは、わたしの経験上時間帯で変わってきます。
朝マズメ時は、比較的岸の手前まで来ているチヌが多く、上への意識も高いのでワンドの内側を広範囲に探ると、活性の高い魚に出会えるでしょう。
日が昇ってから、とくに真夏の炎天下はチヌもシェードに潜み易くなるので、シモリや割れ、スリットなどをピンポイントで狙った方が身体にも精神的にも良く、釣果にも結びつきます。
チヌの習性や性質を考える
チヌの胸鰭を良く観た事がありますか?
チヌに限らず鯛系の魚は胸鰭が長く、水平感覚が優れているので、何度も連続でルアーをついばむことができます。
しかし、シーバスのように大口で一気に吸い込むほどの吸引力がある魚ではありません。
リアフックに掛かる事が多いのがよい例で、何度も吸い込みに来てやっとヒットした、なんてことが起きるのはチヌの捕食方法ゆえ。
また、チヌは大胆な面もありますが、実に繊細で警戒心の強い面もあります。
なるべく自分の姿をチヌに見せないよう、手前ギリギリまでトレースせずに早めに回収するのがおすすめです。
着水音も釣果を左右する要素
見逃されがちですが、着水音もトップチニングでは重要な要素。
これは大胆さと神経質な面が行き来するチヌの性格と、”釣り場の深度と流れ”に関係してきます。
浅く潮が流れない釣り場では、ルアーの着水音でチヌが逃げたら戻って来ない場合がほとんど。
一方で深場の釣り場や潮が早い釣り場では、着水音で一度逃げてもまた戻って来る事が多くあります。
さらに深場では、少し離れた所に居たチヌが着水音をきっかけに『何だ?」と見にくる事も多々。
これらの事象を踏まえ、「ここの水深は? 潮の速さは?」と少し考えて着水音に気を配ると、釣果が上向いてくるでしょう。
チヌの性質が地域で異なることも
僕がまだ某ルアーメーカーのテスターをしていた時に、“とある対決企画モノ”でアウェイの瀬戸内海の小豆島でトップチヌ対決をした時のこと。
九州でのチヌの出方は、ルアーを常に動かし続けていないとすぐに見切られてしまいます。
しかし瀬戸内海のチヌは、ルアーをポーズさせてからしばらく経って食い付いて来る“超スローペース”。
結局、それを理解して1尾食わせるのに丸2日間を要してしまい、最終日に何とか2尾釣って体裁を整えましたが冷や汗かきまくり。
これは地域性の違いが大きく出た実例ですが、地域ごとのチヌにあったアクションでルアーを動かす事も大切なのを知るきっかけになりました。
トップチニングで意識するポイントとルアー操作
- 1.ルアーを投げるべき場所マズメ時:湾内のオープンエリアを広く探る 日中:シェードや潮通しのいい場所をピン打ち
- 2.ルアーの引き方一度出たら乗るまで諦めずに引き続ける。しかし手前までやりすぎない
- 3.着水音
浅場では静かに、深場ではあえて着水音を出す。ポイントの水深・潮流によってアプローチを変える - 4.地域性
エリアや餌の違いでチヌが食うアクションが異なる、ということを考慮する
小さなコツを掴めばトップチニングは成立します!
トップチニングは、成立する地域でさえあれば数々の小さなコツが釣果に結びついていきます。
梅雨明けから8月いっぱいに本番を迎えるトップチニングを楽しんでみてください!