世の中には様々な釣り餌が存在します
今回の記事を書くのは“怪魚ハンター山根ブラザーズ(兄)”
こんにちは! 身近な魚から珍しい魚まで、出会ったことのない生き物を求めて釣り歩いている怪魚ハンター山根です。
今回は、この釣り餌はちょっと特殊だな……と感じた釣法を短いエピソードと共にお届けいたします!
明日にも堤防釣りで使える身近な餌から、海外ならではのダイナミックな餌までバリエーション豊富な10選をお楽しみください!
堤防釣りで『パン粉』を撒いてみたら……
海釣りで『パン粉』が効果的!という話を聞いて試してみました
堤防や磯釣りでコマセに使う配合飼料には“パン粉”が入っているものがありますよね。
「それじゃ、パン粉単品でも釣れるんじゃない?!」ってことで釣りハックTVのロケで検証したことがあるんです。
海外の淡水魚を狙った釣りで、パン粉とパンを練って作る吸い込み仕掛けでナマズを釣ったことはありますが、海釣りでは初体験。
パン粉だけでロケを成立させる自信がなくって、集魚剤としてV9や乾燥小エビとか色々用意してみたんですが……。
パン粉の集魚力が意外と強くてびっくり
なんと、海水でふやかしたパン粉単品でも色んな魚達が集まってくるんです。
トウゴロウイワシ、スズメダイ、カゴカキダイ、下の方では何やら大きな魚も見えています。
丸めただけだと海面に浮いてしまいますが、練り込むことで沈むダンゴに成形できるので『付け餌』としても機能してくれます。
パン粉でブダイが釣れました
最初は撒き餌としては使えても、さすがに付け餌は無理かな……と思っていたら、編集部のイシカワがパン粉で良いサイズのブダイをキャッチ!
「釣具屋が無く、集魚剤が買えない離島や海外釣行でも使えるな!」と素直に思えた釣行となりました。
その後、乾燥小エビも大活躍してくれましたよ! ぜひ、動画でもお楽しみください!
『マグロの刺身』が大当たり!ニジマスの釣り堀で爆釣体験
ニジマスの釣り堀でたくさん釣るために色んな餌を準備してみました
ある日、記事の取材も兼ねて奥さんと一緒にニジマスの釣り堀に出掛けることになりました。
せっかくなので、奥さんにたくさん釣って楽しんでもらいたいところ! いつも以上に準備の段階から気合が入ります。
ルアーを使う管理釣り場には良く遊びに行くのですが……今回は餌釣り専用釣り場ということで、色んな餌を用意してみました。
餌のバリエーションで取り合えず奥さんの笑顔GET
放流直後は釣り堀で購入できるイクラで釣れていたのですが、30分もすると沈黙タイムに……。
魚は泳いでいるのに、イクラに食いついてくれない。よくあるニジマスの釣り堀の風景ですよね。
そこで、用意したマグロとアジの刺身、ワカサギ、ブドウ虫、ソーセージをクーラーボックスから登場させます!
もうこの時点で「こんなに用意してたん? えー、どれから試してみるー?!」と楽しそうにしてくれています。
マグロの刺身にニジマスが連続ヒット
この日は、マグロの刺身とワカサギが当り餌だったようで、イクラに警戒心を覚えたニジマスが次々に掛かってきます。
「これ以上釣っても食べきれないね!」って所で早めの納竿。釣り餌の準備って大切だなと改めて感じた釣行でした。
『大量の活きエビ』をばら撒く贅沢な釣り
スジエビ(モエビ)を生きたまま撒きます
関西地方では「エビ撒き釣り」という呼び名で親しまれている釣法を、TSURI HACK TVのロケで試してみました。
読んで名のごとく、活きたスジエビを海中に撒いて魚を寄せたり活性を上げる釣り方です。
ちなみに、活きたスジエビは100g(100匹弱?)で650円程度で販売されていました。
なんでも撒けば撒くほど釣れるようで、“銭撒き釣り”なんて呼ばれることもあるようですよ(笑)
専用のエサ撒きカゴって道具が売っています
水深が深い場所や、表層で餌取りに取られてしまうような状況では専用のエビ撒きカゴを使います。
今思い返すと、これが無ければサンバソウに餌やりして終わってしまうところでした(笑)
活きエビの威力は凄かったです
最初は関西の釣りを真似して川でスズキを狙ってみたのですが、上手に釣れず……セイゴだけで終わってしまいました。
リベンジ釣行として堤防釣りでエビ撒き釣りをやってみると、「釣れる!釣れる!」クエやイシガキダイまで釣れちゃうミラクルでした!
少しエサ代が気になるケド、あの釣れっぷりはオキアミやイソメと異質な感覚を覚えましたね。
ぜひ、TSURI HACK TVでもお楽しみください!
アフリカの地で激推しされた餌が『トウモロコシ』だった
憧れのナイルパーチを求めてアフリカへ
僕は生涯で「絶対に釣りたい!」って思っている魚が何種類かいるんですが、その内の一種“ナイルパーチ”という魚を求めてアフリカを渡航した時のお話をさせてください。
ナイルパーチは最大で2m100kg前後にまで成長する大型淡水魚で、日本の四国や九州に生息するアカメの仲間です。
アカメの仲間ということで、凶暴な肉食性の魚のため、大きな魚を使った泳がせ釣りで狙っていきます。
活き餌の確保に苦戦……。
怪魚釣りでよくある話なんですが、活き餌の調達に苦戦するんですよね……毎度(笑)
世界共通の万能エサ“ミミズ”を使えば何かしら釣れると思っていましたが、必要としていた40~50cmの魚がなかなか釣れません。
1時間程、四苦八苦していると船長がニコニコしながら「コレ使ってみな!」といって『コーンの缶詰』をくれたんです。
ミミズで釣れない状況下にも関わらず、トウモロコシで爆釣したゾ
半信半疑でコーンを3粒程、針に刺して木の陰に投げ込むと、着水と同時にギュィーーン! と道糸が横っ走りしたんです(汗)
あまりの電光石火のアタリに脳みそは一瞬戸惑いましたが、身体は魚の動きに反応していてしっかりフッキング成功。
強烈な引きとジャンプを往なして無事にアワカと呼ばれるカラシンの仲間をキャッチ! コレだけで充分満足感のある大きさですが、今回はこの魚が餌!
弟と一緒にものの10分でアワカを必要数確保してナイルパーチの潜む淵へ向かいました。
最終日に兄弟の夢叶う
船長の話を聞くと、アワカは木の実を好んで食べる習性があるようで、ミミズよりコーンの方が勝負が早いとのこと。
やはり、郷に入っては郷に従えってことですね! 海外釣行では、案内してくれる人を信じるかどうかで釣果に差が出ることが良くあります。
肝心なナイルパーチは、納得のサイズを釣るのに最終日まで掛かってしまいましたが、これぞナイルパーチという堂々たる魚を釣ることができました。
『女性用ストッキング』に詰め込んだ意外な餌とは……
あ~なるほどね!って思わされた釣行
最大で6mにまで成長する超巨大魚“シロチョウザメ”を求めて訪れたのは、サーモンの遡上で有名なカナダ・フレーザー川!
莫大な量のサーモンが遡上するフレーザー川で、チョウザメ達はイクラやサーモンの死骸が大好物なんです。
マッチ・ザ・ベイトを意識するのはルアーフィッシングに限ったことではなく、餌釣りでも大事なテクニック!
とはいえ、どうやって小さくて柔らかいイクラを巨大な釣り針につけるのだろうか……。
女性用ストッキングが最適らしいです
今回の記事テーマは“変わった釣り餌”ですが、あまりにも意外なものを使ったので紹介させてください。
船長がタックルボックスから取り出したのは、なんと女性用のストッキング!
なんでも、このデニール(タイツを編んでいる糸の重さ)が良いらしいです。ホントかな?(笑)
ストッキングにイクラを詰めて輪ゴムで縛って完成!
これならニオイと味を保ったまま釣り針に付けることができますね!
釣り人のアイデアって面白い!
人間の手によって、一度は絶滅寸前のところまで乱獲されてしまったフレーザー川のチョウザメですが、今ではすっかり復活していました。
釣り人が資源管理に参加するって本当に大事なことだし、世界の成功例を学ぶことができた釣行となりました。
▼シロチョウザメの釣行記はコチラ!
▼釣り人参加型の資源管理のシステムについてはコチラの記事でご紹介!
『雑草』を空中にぶら下げて魚を釣る
草を食べる魚“ソウギョ”を狙う
普通の魚が食べられない雑草を好んで食べるソウギョという魚がいます。
最大で1.2mを超える大型の淡水魚であり、除草目的などで日本各地に放流され生息しています。
アシの葉を丸っと一本使って仕掛けを作る
コイと同じように食パンを使って釣ることもできますが、ソウギョ本来の生態を知りたいというマニアックな方には『草針釣法』がオススメです。
まずはアシ帯に分け入り、ソウギョがアシを食べた痕跡を探し、ソウギョが生息しているか確認します。
ソウギョの餌場を見つけたら、アシを一本切り出し緑色のマスキングテープを使いながら糸とオモリをアシに付けていきます。
超接近戦!空中にアシをぶら下げていると…
岸からわずか数十センチ、水深なんと30cm! そんな浅瀬で警戒心の高いソウギョとの知恵比べを展開します。
釣り糸があると察知されないよう、水面につけるのはアシの先端だけ。
食い逃げを繰り返されながら、初めて草針でソウギョを釣った時はメッチャ嬉しかったです!
『100時間以上待てる餌持ち最強餌』を噛み砕く魚が凄すぎる
活きたタニシを餌に狙うアオウオ釣り
貝や甲殻類など川底に棲む動物性のエサを主食とする“アオウオ”という魚がいます。最大で1.8m、80kg前後にまで成長する大型のコイですね。
写真のように活きたタニシを針に房掛けにして狙っていくわけですが、とても生命力の高いタニシは何日でも同じ餌を使い続けられるんです。
なんなら、アオウオやコイが釣れた後でも再利用可能です(笑)
タニシを使用する理由はナマズの存在
アオウオ釣りのメッカである利根川や霞ケ浦、江戸川では、カラス貝の剥き身やザリガニ、アオイソメなんかでもアオウオの釣果が出ていたようですが、アメリカナマズが出現して以来、ナマズが食べられないタニシしか使えなくなってしまいました。
ちなみに、アオウオやコイは咽頭歯という特殊な器官を使ってタニシを砕いて食べることができます。
何日も待ち続けるタフな釣りでした
1週間張り込んでも釣果が出ないなんてことは当たり前! 1年間やって1匹2匹でも釣れれば上出来。それがアオウオ釣りです。
タニシもタフですが、アオウオを狙っている釣り人もタフじゃないと出会えない特殊な魚です。
『規格外の餌』には超巨大魚が掛かる理論をアメリカの濁った川で思い知った
アリゲーターガーの餌はコイの輪切り
僕たち兄弟が初めて巨大魚を狙いに行ったのは、アメリカのアリゲーターガーでした。
ガイドが用意してくれたのは、見慣れた魚“コイ”。それを輪切りにしてトリプルフックに付けてブッコミます。
2m越えを釣りたいという僕のリクエストに用意された餌が規格外だった
シンプルかつ豪快な釣りですが、ガーの楽園とも言われる川のポテンシャルは凄く、次から次へとガーがヒットしてきます。
たくさん釣れると欲が出るもので、ガイドに「明日は2m超えの巨大なガーを釣りたい」とリクエストしてみたんです。
苦笑いしながら、『任せとけ! 兄弟たちよ!』と言い放ち、翌日用意されていたのは4kgはあろうかというビッグサイズのドラム(淡水イシモチ)でした。
マジで釣れちゃいました!
餌の重さだけで余裕の1kg越え。これは小さなガーでは飲み込めそうにありません。
重すぎて投げ込めないのでボートを使って投入地点まで運びました。
そして、本当に2mを優に超えるアリゲーターガーが掛かったんです!
はじめは信じられなかった『養殖用ペレット』は餌として完璧に機能した
情熱の国スペインでヨーロッパオオナマズを狙う
最大3m、100kg前後にまで成長すると言われる巨大魚“ヨーロッパオオナマズ”は、日本のナマズに姿かたちが良く似ていてる肉食魚です。
僕は幼少期のころからヨーロッパオオナマズの生態や生息地を図鑑で勉強して、いつかこの手で絶対に釣りたいって思っていた魚です。
活き餌を使うのかと思いきや……
ビワコオオナマズを釣るように、活き餌かルアーで狙うのかと想像していましたが、高確率でビッグサイズを釣るにはスペインで確立されている『ペレット釣法』が有効とのこと。
釣り方やスタイルにこだわりがない僕たち兄弟は、迷わずスペインを選んだ訳ですが、養殖に使うようなペレットでホントに釣れるのか半信半疑でした。
本当にペレットで巨大ナマズをGET!
岸から180m離れたポイントまで仕掛けをボートで運び、オオナマズが掛かるのをひたすら待つ。
腹が減ったら宅配のピザを頼み、寝たければ寝る。アオウオの釣り方と同じでとにかく待ち続ける釣り方でした。
水に溶けにくいペレットは半日放置しても、小魚に多少突かれても原型を残していました。
そんなペレット、本当によく釣れたんです! 僕たちはもちろん、周りのオオナマズフリークのアングラー達も良い釣果に恵まれていましたよ。
▼ヨーロッパオオナマズの釣行記はコチラ!
もっと早く知っておきたかった『海釣りでも機能する練餌』
練餌は海釣りでも機能するのか
記事途中から規格外な餌ばかりになってしまったので、最後は明日にでも試して欲しいオススメ餌を紹介させてください。
練餌といえば、川や池でコイやフナを釣る餌という固定概念を持っていたのですが、『生ミック』という餌を1日海釣りで使ってからは考え方が変わりました。
撒き餌としても付け餌としても使える生ミックが凄い
生ミックの凄い所は、千切ってパラパラと撒くことで撒き餌としても使用できることでしょう。
堤防に色んな棲む魚達が集まってきますよ!
嫌なニオイも無く、手に引っ付きにくい。ホントに扱いやすい練餌です。
色んな魚が釣れるので超オススメです
朝から夕方まで生ミック縛りで堤防や砂浜を釣り歩き、なんと14魚種もの魚と出会うことができました。
個人的には、シロギスやオオモンハタなども釣れたことに驚きを感じましたね。
実釣シーンはTSURI HACK TVで公開していますので良かったらご覧ください!
まだまだ僕の知らない意外な餌があるはず
今回の記事ではちょっと特殊な餌をご紹介いたしました。
僕が知らないだけで、色んな釣り餌がまだまだ存在することでしょう。
これからも色んな魚釣りを通して、新たな発見を皆さまにお伝えしていければ嬉しい限りです!