ヘラブナ釣りに初挑戦したい方へ
あらゆる釣りの中でも、とくに奥が深い釣りと言われる『ヘラブナ釣り』。繊細な竿や仕掛け、美しく塗り上げられたウキに配合パターンに富む練りエサ……。
ほんの少しの違いで釣果が大きく左右する、釣り人の腕の差が如実に出るのがこのヘラブナ釣りの最大の魅力です。
今回は「ヘラブナ釣りを始めてみたい!」と思っている方向けに、必要な道具や釣りの始め方をプロの方に聞いてきました!
教えてくれたのは、この方
萩野 孝之インストラクター
- 管理釣り場からの釣りまであらゆる釣りをこなすオールラウンダーで、トーナメントシーンでも輝かしい成績を上げるトッププロ。マルキユーのインストラクターを務める傍ら、へらウキ「一志」の作者でもある。
本記事を読んでぜひヘラブナ釣りに初挑戦してみてくださいね。
はじめてのヘラブナ釣り|場所はどう選ぶ?
初挑戦の方には、安全かつ手軽にヘラブナ釣りが楽しめる「管理釣り場(釣り堀)」がおすすめ。
釣り座が用意されており、管理も行き届いています。トイレはもちろん、受付でエサを販売している管理釣り場もありますよ。
なかには、レンタルセットを貸し出している管理釣り場もあり、手ぶらでもヘラブナ釣りを体験できちゃいます。
トラブルにならないよう両隣とひとつ釣り座をあけて座ると良いでしょう。
- ●受付にて料金を支払う
- 釣り場の規定(ルール)が書いてあるので確認しておきましょう。
- 昼食を注文できる釣り場もあるので、頼む時は釣り券購入時に注文しましょう。
- ●釣り座を決めて準備&釣り開始!
- まわりの方に挨拶をしておきましょう。
ヘラブナ釣りに必要な道具
ここでは、ヘラブナ釣りに必要な道具一式をご紹介!
ヘラブナ釣り必要な釣具・用品
- ■釣り竿 ■万力 ■竿掛け ■竿受け ■玉網 ■ウキ ■エサ ■エサボウル ■計量カップ ■クッション ■仕掛けケース ■仕掛け(道糸・ハリス・針・板オモリ・ヨリモドシ・ウキゴム・ウキ止めゴム) ■ハサミ ■タオル
中古の道具や安い道具でも十分にヘラブナ釣りを楽しめますよ!
【準備編】初めてのヘラブナ釣り
次に、ヘラブナ釣りを始めるための準備をみていきましょう。
STEP1:エサを作る
まずはあまり難しく考えずに、パッケージに書かれている分量通りに作ってみましょう。手を熊手状にして15回から20回を目安に「ガシャガシャ」と混ぜていきます。
水が麩に行き渡ったら少し放置して、水をエサに馴染ませます。
へらエサは配合、入れる順番などパターンはさまざま。
ヘラブナ釣り難しい……と思うのが、このエサ調整ですが醍醐味のひとつとも言えます。
自分なりの配合パターンを試すのも面白いですが、まずは教科書(パッケージ通り)に作ってみてくださいね!
STEP2:万力・竿掛けをセッティング
エサの準備ができたら、竿と仕掛けに移ります。万力に竿掛けをセットした後、へら台に万力をセットします。
右利きの方であれば、中心より右側にセットすると釣りがしやすくなりますよ。
STEP3:竿・仕掛け・ウキを準備
①道糸にチチワ結びを作り、リリアンに結ぶ
仕掛けをリリアンに結び、竿を繋いでいきます。竿は必ず細い方から繋いでいきましょう。
②竿尻+10cmほどで道糸をカット
サルカンに結ぶ時のために、少し余分に道糸をカットすると良いですよ。
③ウキゴム、ウキ止めを道糸に通し、ウキをセッティングする
道糸をカットしたら、ウキストッパー→ウキ止めゴム→ウキストッパーの順で道糸に通していきます。
ウキストッパーを動かすときは少し濡らしてあげると、滑りやすくなります。
④ウレタンチューブを通し、道糸とサルカンを結束→板オモリを巻く
ウレタンチューブを通し、サルカンを結びます。
このとき、結び目でウレタンチューブを固定しましょう。
その後、ウレタンチューブの上から板オモリを巻き付けていきます。
ちょっとの工夫ですが、釣り中のトラブルをなるべく抑えるように工夫するのも大事なことです!
STEP4:ハリスを結ぶ
次にサルカンにハリスを2つ結びます。
市販のハリスでも、長さが測れるものが売られているので、おすすめですよ!
STEP5:ウキ調整をする
次に行うのがとても重要な“ウキ調整”。
ウキ調整はエサが付いていない状態(エサ落ち)で、どのメモリまでウキが沈むか把握するために必ず行いましょう。
エサ落ちのメモリを把握していないと、いつエサが無くなったのかわからなくなってしまいます。
少し多めに板オモリを巻いておき、少しずつカットしていき、自分の好きなメモリに調整します。
この時合わせたメモリは覚えておきましょうね。
STEP6:エサの付け方
直径1.5cm程にエサを丸めて針に付けます。
丸めたエサの下から針を引っ掛けるように刺してエサをつけます。
エサの中央部に針がくるように、しっかりとつけましょう!
まずは、なるべく丸く付けるように心がけましょう!
【実釣編】ヘラブナ釣り初挑戦の方
準備が終わったら、いよいよ実釣開始!
初心者におすすめなのが『浅ダナ両ダンゴ釣り』
その名の通り浅いタナ(水深)を両方ダンゴのエサで狙う釣り方。
ヘラブナ釣りには場所、季節によりさまざまな釣り方がありますが、今回は初心者の方でも釣りやすい『浅ダナ両ダンゴ』の釣り方を教えてもらいます。
※注意)『タナ規定(ウキ〜サルカンまでの長さ)』を設けている管理釣り場がほとんど。ルールを守り快適にヘラブナ釣りを楽しみましょう。
振り込み
竿を上げてエサを同じポイントに送り込むように振り込みましょう。
ルアー釣りと違いヘラブナ釣りでは、同じポイントに魚を寄せるイメージで釣りを組み立てて行く必要があります。
ウキの動き
エサの重さにより浮きが沈んでいきます。これをへら師は「なじむ」と言います。
水中でエサがバラけていくと、徐々にウキが上がってきますよ。
馴染ませないと釣りにならないので、エサをしっかりと付けることが大事なんです。
ヘラブナのアタリについて
エサを吸い込む“力強いアタリが本命”ですが、仕掛けに魚体が触れたり、小魚がつついたりとさまざまなウキの動きが出てきます。
食いアタリにも、ウキがすべて沈み込むアタリから、1メモリだけ「ツッ!」と入るアタリもあります。
まずは、失敗を恐れずに色々なアタリを合わせて行ってみてください!
アワセ方
アワセの動作は、やや斜め上に腕をあげる意識で行います。
力みすぎるとハリスが切れてしまうので、何度もアワセを入れて練習してみましょう。
魚をかけてから
アワセが決まったら、ヘラブナとのファイト!
延べ竿一本でのファイトは、釣り人と魚の純粋な力比べ。
繊細かつシンプルな仕掛けなので、魚の引きもダイレクトに感じられます。
ヘラブナの口を水面に出す形で寄せてきます。
ヘラブナ釣りで意識したい大事コト
ここまでの基本動作をしっかりこなしていれば、しっかりとヘラブナは釣れるはずです。
そうなった時には意識すべきことをご紹介します。
Point①:毎回同じポイントにエサを送り込む
前述もしている通り、とくに浅ダナの釣りで大事になるのが“毎回同じポイントにエサを送り込むこと”。
あちこちにエサを落としてしまうと、安定した釣果は見込めません。
エサが真下に落ちていくので、
Point②:エサをしっかり付ける
初心者によくあるのが、ウキがなじまないこと。
ヘラブナがエサをつついて仕掛けが落ちていかない。ということもありますが、エサ付けが甘いのが原因で途中でエサがバラけてしまう……ということが多いです。
ウキが馴染んでいかない場合は、まずエサをしっかりと付けることを意識しましょう。
Point③:待ちすぎはNG!
コンスタントに釣れない人に共通するのが”待ちすぎている”こと。
ウキが上がってきてもアタリが出ない場合は、エサを付け替えて切り替えることも大事ですよ!
ヘラブナ釣りを始めてみませんか?
幾多のへら師を魅了してやまないヘラブナ。
数多の釣りを経験した釣り師が、最後に行きつく釣りと言われているのも釣りの“奥深さ”があるからこそ。
身近なゲームフィッシュ「ヘラブナ」を攻略してみませんか?