0.2号をインプレッション
ここからは新規格の0.2号をインプレッションします。
春ということで、ノッコミシーズンのチヌを狙いました。
操作性
特別に飛距離や精度が優れるわけではありませんが、軽いウキの投入は一般的な0.6号程度のチヌ竿と同じ感覚で行えます。
しかし、大型円錐ウキや自立式棒ウキなどの重いウキを使った場合、キャストフィールに違いが。
張りの強い竿に比べ、ウキの重みで大きく曲がるため、リリースポイントが変わります。
普段軟調竿を使っていない方は少し違和感があるかもしれませんが、筆者も使っているうちにコントロールできるようになったので、これは慣れの問題ですね。
柔らかい竿なので穂先絡みなどを懸念していましたが、ナイロンラインもPEラインも捌きやすく、糸絡みはほとんどありませんでした。
また、ラインメンディングもストレスなく行え、心配していた操作性は“一般的な0.6号と比べて遜色ない”というレベルです。
釣趣を重視した0号などにありがちなベナンベナン感はなく、「これが0.2号たる所以か」と、数字の意味を感じさせられます。
ただし、風に押された時には弱点が現れました。
8m/sの風をまともに喰らうと竿が大きく曲がってしまい、操作が難しかったです。この点は、0.6号や競技系モデルとの差だと感じました。
曲げて獲る醍醐味がある
魚を掛けてからは大きく曲がり込み、「どこまででも曲がり続けるんじゃないか」と感じるほどの懐の深さを感じます。
使い始めてすぐは、あまりにもよく曲がるので、普段先調子系の竿を使っている筆者は不安に感じてしまうほど。
竿を信頼せずに糸を出し過ぎた結果、潜られたり擦られたりして、バラしてしまうシーンもありました。
逆に、思い切って糸を限界まで出さずに、柔軟性を活かしながらグッと耐えると、ジワジワとチヌを浮かせられます。
普段なら糸を出すタイミングよりも、一段階・二段階深いところでもタメが効き、曲げて獲る楽しさを存分に味わえます。
実釣時は最大40cmまででしたが、竿に合ったやりとりさえすれば、年無しも楽しみながら獲れるでしょう。
こちらは40cmのチヌがヒットした時の竿の曲がりです。
じつはこの時、PEラインを使っているのですが、まるでナイロンラインの時と同じような挙動をしています。
イナシステムが採用されたおかげか、伸びが少ないPEラインを使っても、竿がほとんど叩かないのには驚きました。
明らかに手元へと伝わる振動が少なく、チヌがスーッと浮いてきます。
PEラインと好相性
魚からの入力(引き)というのは、おもに竿と糸(厳密に言えば針と人も)で受け止めます。
そのため、伸びが少ないPEラインを使用すると糸がクッションとしての役割を果たさないので、それだけ竿が叩きやすくなり、ハリス切れや針外れ、魚を無駄に暴れさせることにも繋がるのです。
しかし、スーパープレシード0.2号はしなやかで曲がりしろが大きく、糸が伸びない分のクッションを補填してくれるため、PEのネガティブ面を消してくれます。
ライントラブルもなかったので、PEラインとの相性が非常に良いと感じました。
細ハリスを使いやすい
曲がりしろが大きくて叩かないので、“細ハリスをいたわりながら”良型とやり取りすることに長けた竿なのは間違いないでしょう。
堤防や障害物の少ない磯なら、積極的に1号のハリスを使っていけそうです。
普段磯では2号以上しか使わない筆者も、ワンランク細い1.5号ハリスを安心して使えました。
竿がハリスの直線強度をフルに活かしてくれるので、まるでハリスがワンランク太くなったように感じます。
0.6号と比較
オールマイティな0.6号、玄人好みの0.2号。
両号数を実釣比較してみると、ありふれた表現ですが、このような印象を受けます。
「どんな場所でも状況でも1本で」という方には、王道の0.6号がフィットするでしょう。
そんな0.6号に対し、0.2号は“0号の楽しさをベースに、0号のネガティブ要素を極力排した”ような竿だといえます。
そのため、「0.6号よりも遊べる竿が欲しいけど、0号は使いにくそうだな……」という方には非常におすすめな1本。
使ってみると、0.2という数字に込められた意図がよくわかるはずですよ。