釣り界隈で最近話題の…
最近、釣り界隈で耳にする「究極の血抜き」。
長谷川水産の津本氏が考案した、美味しく魚を食べるための仕立て技術で、食味や保存時の持ちが大きく変わるんだとか。
そんな職人の手仕事を、誰でも再現できるツールがハピソンから登場したらしい。
道具ひとつで魚の味が良くなるなら試さない手はないでしょう!
釣って血抜きして食べる人
編集部K
TSURI HACK加入直後、脂の乗った釣りたての魚のおいしさに目覚め、ソルトの釣りに開眼。
それまでバスオンリーのキャッチ&リリース派だったのに、釣ったら美味しくいただく派へサラッと転向した根っからの食いしん坊。
食べ過ぎが祟ってか、自分の腹部にも脂が乗ってきたのが悩ましい妙齢編集部員。
今回使ってみる「津本式」3種の神器
今回の検証では、ハピソンから新たに登場した津本式ツールを使用します。
津本式 計測マルチハサミ
ハサミを基本形にしたマルチツール。
刃は分解してナイフとして使うこともできるうえ、グリップには締めカギを内蔵し計測アプリ用のマークも。
計測して脳締めから血抜き、腹出しまで1本でこなせる便利ツール。
津本式 血抜きポンプ
充電式電動ポンプ、血抜きノズル、タンクを一体で持ち運べるポータブルポンプセット。
2種類の津本式ノズルが付属し、水圧を使った血抜きと神経締めという職人の技術が、船上や家のキッチンで再現できる優れもの。
津本式 密封パック機
食品を入れたパックを脱気・密封できるマシン。
内容物のサイズに合わせて脱気の加減を自在に調整できたり、本体内部に水分が入り込まない機構がついていたりと、まさに鮮魚仕様。
見た目こそ良くある真空パック機ですが、津本式ならではの魚に特化した工夫が凝らされています。
まずは魚釣らないとね!
とにもかくにも、まずは魚を釣らない事には話が始まりません。
2月に入って相模湾でサワラが釣れている情報を聞きつけ、速攻で船を予約!
サワラは血の気も多く鮮度落ちが早い魚だけに、津本式ツールの実力を試すのにはうってつけです。
相模湾のサワラはキャスティングとジギングで狙うのが定番。
釣行したタイミングではジギングでの釣果が目立っていたので、旬のサワラめがけて全力でジグをしゃくります!
開始からしばらくは沈黙が続いたものの、時合いが来るとこの通り!
一時は全員のロッドが一斉に曲がってタモが追いつかないほど。(笑)
無事魚をゲットできたので、津本式ツールを使って美味しく食べるための処理をしていきます!
計測マルチハサミで「脳じめ」してみる
最初に計測マルチハサミを使って、脳締めと血抜き穴を開けます。
このハサミはグリップに手カギが内蔵され、刃の片側も血抜き穴を開ける際にエラに入れやすい形状。
道具を持ち替える事なく、釣れた魚を効率よく処理することができます。
実際にやってみると、サクッと脳締め&血抜きの穴あけが完了。
こういった複数の機能が備わったツールの場合、専用工具には使い勝手の面で劣るのが常ですが、計測マルチハサミは使い勝手良好。
よく考えられた機構で怪我の心配も少なく、これ1本タックルボックスに入れておけばOKな手軽さです。
からの、津本式血抜きポンプで「究極の血抜き」
脳締めした魚を、今度は血抜きポンプで血抜き処理していきます。
ポンプ本体のスイッチを押して電源を入れ、ノズルのボタンを押すと勢いよくタンク内の水が射出されます。
血抜きの際には、付属のノズルは付けずにそのままの状態で使います。
ハサミで開けた血抜き穴からノズル先端を入れ、エラの上部にある背骨(腎臓にあたる部位)に当てて水を流し込みます。
コツは断続的に射出ボタンを押すことで、より強い水圧で血抜きが可能。
このとき、力を入れすぎてノズル先端が身に入らないように注意しましょう。
水を流し込むのは短時間でOK。実感として、3〜4kg程度の青物でも上記のノズル操作を30秒もやれば十分な印象でした。
ポンプによる血抜きが終わった魚は、15分ほど立てて余分な水分を排出させるのがメーカーからは推奨されています。
が、今回試した船上では実施が難しいのと、当日中に捌いてしまう予定だったので省略して潮氷が入ったクーラーで冷やし込みました。
また比較のために、1本は津本式血抜きポンプで究極の血抜き、残り3本は脳締め後エラ切りし、海水にしばらく浸けておく従来の方法で血抜きしてあります。
血抜きポンプはこんな使い方もできるよ
津本式血抜きポンプには、尻尾側からの血抜きや神経締めをするためのノズルが付属しています。
ノズルは射出部の口径が1.5mmと2.0mmの2種類。
1.5mmは1kg以下の小〜中型の魚に、2.0mmは4kg程度までの中〜大型の魚に最適とのこと。
せっかくなので血抜きポンプを使った神経締めと、尾部からの血抜きも帰宅後に試してみました。
尻尾を包丁で骨の途中までカットし、折るようにして背骨の上下にある神経の穴と動脈を露出させます。
神経締めは背骨上部の神経繊維が通る穴にノズル先端を入れて、水圧をかけていきます。
この時もノズルのボタンは押し続けず断続的に水を射出し、可能な限り高い水圧がかかる状態で作業します。
神経穴に水圧がしっかりかかると、このように脳締めした穴から排出されてきます。
今回は上手くいきませんでしたが、魚のサイズや状態によっては神経の軸索がまるっと排出できるそう。
尻尾側からの血抜きは、背骨の下側の穴にノズル先端を入れて水圧をかけます。
エラの血抜き穴からノズルを入れる前にこの作業をしておくと、身に残る血の量をさらに減らす事ができるようです。