海水温がもっとも低下するのは、2月から3月ってご存知ですか?
3月初旬の海水温について
僕たち人間が生活する陸上は、1月下旬から2月中旬にかけてもっとも寒くなるのに対して、海の中は2月下旬から3月中旬にかけてもっとも冷たくなるんです。
まずは、海の中の季節の進行は陸上よりも2週間から1ヶ月ほど遅れる理由を一緒に考えてみましょう。
海水温の変動は1ヶ月遅れるとイメージしよう
水は空気よりも暖まりにくく、冷めにくい性質があることをご存知な方も多いと思います。
お風呂のお湯が冷めにくかったり、やかんのお湯が沸騰するのに時間がかかるのも水の比熱が大きいことが原因ですね。
海水温が変化する要因について豆知識
海水温が変化する要因は、気温差や太陽による海面の冷却や加熱だけでなく、海流による水塊の移動、表層と下層の海水の混合などによって引き起こされます。
この中で、急な水温変化が生じるのは海流の影響を受けた時と言えますね。
気温低下だけが原因ではなく、海流によって水温差のある水が入ってきている可能性もあるんです。
低水温といえども、安定すれば釣果は上向きます
一番良くないのは急な水温変化
魚種によって活性の変化はさまざまですが、一般的に変温動物である魚にとって急激な水温変化は一時的に活性を下げる要因になりやすいです。
とくに水塊ごと入れ替わってしまうようなダイナミックな現象が起こると、たとえ水温上昇であっても魚の動きに影響することがあります。
急激な水温変化によって変わった魚が現れることも
湧昇(海で、深層・中層の海水がたえず表層にわきあがる現象)などによって深海の冷たい水が上がってくると、ミズウオやニタリなど普段見ることのない冷水性の魚が上がってきたり、黒潮などの暖流が接近すると本州でもオキザワラやツムブリが釣れたりします。
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低水温で安定してくれれば釣果も期待できる
さて、今回のお題である一年で最も水温の低い2月下旬から3月中旬の魚釣りに話を戻していきましょう。
確かに、とっても水が冷たい期間ですので、魚達は積極的には動けません。
でも、低水温なりに一定の水温が保たれた時期でもありますので、魚種によってはある意味安定した釣果が望めたりします。
もっとも冷たい2月下旬から3月中旬に釣りに出掛けるメリット
釣り人(ライバル)が少ない
低水温で安定しているとはいえ、夏や秋のハイシーズンに比べるとどうしても釣果は乏しいと言わざるを得ません。
でも、そんな水中極寒期ならではのメリットもありますよ!
餌取りが少なく狙った魚を釣りやすい
低水温期はフグやベラの仲間といった餌取達の活性も低いため、ターゲットを定めて釣りをする場合は低水温期の方が快適だったりします。
防寒対策をしっかりすれば意外と快適
これはメリットではありませんが、真冬でも正しく防寒対策をしていれば意外と快適です。
一番億劫なのは家を出る時……。「釣り場に行っちゃえばやっぱり楽しいかった!」ってのが真冬の魚釣りってものですよ(笑)
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メバルやカレイなど低水温期にベストシーズンを迎える魚もいる
産卵から回復してくるメバル
3月に入ると、産卵から回復してきたメバル達の活性が高くなる時期でもあります。
このように冷水に耐性がある種類の魚は、一年で一番水温が低い時期でも狙って釣ることができますよ!
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冷水性の魚であるカレイの仲間
メバルと同様にカレイも、産卵期である1月から2月にかけては一旦釣果が落ち着きます。
3月になると産卵を終えたカレイは、体力回復のために荒食いを始めるので釣果に期待感がでてきます。
▼カレイがルアーで釣れるって?!
カサゴやアナゴは年中活動していますよ
2月下旬、メバルもカレイも産卵中で厳しい……そんな時は!
カサゴやアナゴなど「寒さも暑さも大丈夫!」っていう強者を狙ってみましょう。
カサゴはブラクリを使った穴釣りがオススメ、アナゴ釣りは夕暮れ時からブッコミ釣りで狙ってみましょう!
▼真冬の根魚を狙うならブラクリ仕掛けが◎!
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3月中下旬は産卵を控えて荒食いをする魚もいる
3月に入ると産卵の準備に入る魚の活性が上がる
海の中は冷たくても、日照時間は温度と関係なく確実に長くなる3月。
魚達は水温上昇よりも先に、昼の長さで春の訪れを認識することができます。
4月に産卵期を迎える魚達は、極端に水温が上昇し始める前の3月中下旬から「乗っ込み」と呼ばれる産卵前の移動を行い、深場から浅場に入ってきます。
乗っ込みのチヌ
地域によって1ヶ月程の差がありますが、クロダイの産卵期は4~5月と言われています。
産卵期の早い地域では、3月中旬には深場で越冬していたチヌ達が群れで港内や磯際にやってきます。
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所によっては岸からマダイが釣れる
3月は、サーフや磯からマダイが釣れる大チャンスでもあります。
チヌと同様に乗っ込みで浅場に入るタイミングで、イワシなどのベイトが絡むとルアーで大鯛の釣果が出たりします。
▼初春に岸から真鯛を狙う
シーバス達はゴカイ類の産卵(バチ抜け)を求めて高活性
2月下旬から3月初旬は“バチ抜け”の時期
2月から3月の港湾部や河口域では、ゴカイ類が産卵期を迎えます。
大群で産卵するゴカイ類をアングラーは「バチ抜け」と呼びます。
産卵後のシーバスでもバチなら効率よく食べられる
産卵を終えて体力が落ちているスズキにとって、積極的に追いかけなくても食べることができるバチは格好の餌です。
低水温な2月から3月でもバチ抜けパターンであれば、比較的簡単にシーバス釣りを楽しめますよ!
▼バチ抜けシーバスについてはコチラの記事
3月は淡水の魚釣りもシーズンイン
水量が小規模な水域程、水温上昇が早い
海より一足先に春を感じられるのは淡水域なんです。チヌやマダイの乗っ込みと同様に、ブラックバスも産卵を意識してシャローに入ってきます。
パターンさえ分かれば、数もサイズもウエイトも期待できる3月の“春爆”を一度味わうと「3月=バス釣りでしょ!」ってなること間違いなしですよ。
▼春バスを狙うのに知っておくべきこと
ウグイの仲間であるマルタ釣りが面白い
関東地方では、3月に群れで川を遡上するマルタウグイを狙うのも楽しいですね!
平均サイズが40cm前後と大きく、川の流れの中でヒットするためファイトも充分楽しめますよ。
▼都心で釣ったマルタウグイを食す。
3月は待ちに待った渓流釣りも解禁!
3月になると、いよいよ渓流釣りが解禁となります。まだまだ山は寒い季節ですが、冷水性の渓流魚たちは果敢にルアーや餌を追ってくれるシーズン。
解禁当初は、比較的警戒心の薄いヤマメやアマゴ、イワナを釣ることができるので渓流入門者にオススメですよ。
海中極寒期は、寒くても餌を食べるに狙いを定めて釣行すると良いでしょう。
しっかり冷えて低水温なりに安定する3月に入れば、日を追うごとに釣れる魚が増えていきますよ!