奥深い“明暗シーバス”攻略!
シーバスを釣る上で重要なポイント『常夜灯によりできる明暗部』。
あらゆる場所に存在し、最も馴染み深いポイントの一つでしょう。
中でもシーバスアングラーが最もイメージしやすく、ポピュラーな明暗でもある“橋脚明暗”。の釣り方についてご紹介したいと思います。
常夜灯と橋脚が作り出す明暗の境目。私がホームとする東京湾奥はもちろんのこと、全国でも数多く見られるポイントの一つです。
数、サイズともに期待できる“橋脚明暗”。ぜひこの機会に攻略をしてみてください。
なぜ明暗部が釣れるのか
常夜灯により照らされた明部には、プランクトンからマイクロベイトといったあらゆる種類のベイトフィッシュが集まりやすいです。
シーバスはこれらのベイトを捕食するために、(一般的には)暗部に入り、明部から流れてくるベイトを待ち構えているという原理。
時折、明部に集まったベイトは流されたり、別の場所に移動を始めるため、暗部に入っていきます。
つまり暗部に身を潜めているだけで、無駄な体力を使うことなく、捕食活動を行えるのです。
どんな明暗でも良いワケではない
明暗は様々な種類があります。常夜灯の色、橋の高さによって様々です。
例えば白やオレンジ。ほかにもLED灯でレッドやブルー、グリーン、ピンク等といったカラフルな色まで存在します。
ズバリ1番オススメしたいのは「常夜灯がオレンジ色で、橋脚が低く、しっかりと水面に光が当たり明と暗がはっきりと出ている場所」です。
明暗が濃く出るため、とくにシーバスがつきやすくなりますよ。
アップ側とダウン側 どちらを選ぶべき?
一般的には、ベイトが一番先に流れてくるアップ側(流れの向きに対して上流側)に、エントリーするのがベターです。
アップ側はセオリー通り『明部 → 暗部』にルアーを流す、明暗部攻略の基本となるドリフトでのアプローチが行いやすいという利点があります。(この条件は下潮、上潮で反転します。)
しかしながら、ダウン側(流れの向きに対して下流側)にもメリットが沢山あります。
秋のハイシーズンなどのベイト量が多い季節の場合、アップ側の明かりに溜まりきれなかったベイトは、下流部にまで散らばることがあります。
そしてダウン側の明暗にも、魚はしっかりと付くのです。とくに橋脚がストラクチャーとなり発生する“ダウン側のヨレ”が、大きな狙い目となります。
ルアーの流し方
ルアーは『明部 → 境目 → 暗部』という順番で流すのが一般的です。
初めはリトリーブスピードとロッドワークで、明暗の境目1m前後を少しでも長くトレースできるよう意識しましょう。
そして、立ち位置から上流側にキャストするアップクロス、下流側にキャストするダウンクロスと、それぞれを順に試していきます。
筆者は明暗の境目より上流に立ち位置を取り、ダウンクロスから境目のやや上流の明部へキャスト。
ルアーの流れている場所を意識しながら“しの字を描く”ことをイメージしながら、境目から暗部へ流していく場面が多いです。
ロッドワークとリトリーブで調整すると、橋脚の頭やブレイクなどのピンにルアーを送り込みやすく、明暗を長く狙えるからです。
アップクロスに投げる場合は、“上流側にキャストしルアーを流す”というよりも、“ラインでルアーを引っ張りながら流す”イメージで行います。
そのようにすることで、レンジを入れやすくなったり、よりルアーをナチュラルに見せられるのです。
とくに、スレた大型シーバスを狙う時、非常に有効なメソッドなので、ぜひ試してみてください。
立ち位置は流れに合わせて変えよう!
橋脚明暗の釣り方で、最も重要なのは「立ち位置」の選び方です。
同じ立ち位置で移動する事なく投げ続けられている方を、たまに見かけますが……それは、非常に勿体ないのです!
立ち位置を変えるだけで、ルアーのトレースコースが変えられます。
ルアーを通していないコースにいるシーバスに対して、的確にアプローチをし続けることで、キャッチ率がぐんっと上がるはずです
流速に合わせて、立ち位置を移動する!
例えば、明暗の境目からやや上流側の立ち位置で釣りをしていたとします。
潮止まりから流れ始めであれば、流れが緩いため、安易に明暗の境目からやや暗い方にかけてルアーを流していけます。
しかし、流れが走り出すとどうでしょうか。
▼ 流れが強まるとルアーが一瞬で通りすぎてしまう
ルアーは一瞬で狙いたいコースを通り過ぎ、遥か奥の暗部に流れてしまいます。
さらにシンキングのルアーでレンジを入れたくても、そのレンジに到達する前に流れきってしまうのです。
▼ 上流に立ち位置を変えるのがおすすめ
このような状況下では、さらに上流側の立ち位置へと移動しましょう。
より長く、明暗の境目付近を流しやすくなると思います。
このように筆者は常に流速を意識し、数歩移動しては数歩戻って……という作業を繰り返しています。
明暗攻略のルアーはこれがオススメ!
ミノーはもちろんのこと。
スローなピッチで動き、程よく水噛みするシンキングペンシルや、スローリトリーブでも扱いやすいバイブレーション系統のルアーがオススメです。
時合をより長く楽しむ方法
時合に突入したときは、より丁寧な攻め方を心がけましょう。
以下のポイントを意識するだけで、アプローチできる本数が変わるので、より長く時合の釣りを堪能できるはずです。
(1)序盤は明部のみ探る
始めから境目、暗部に潜んでいるシーバスを狙うのではなく、先に明部だけを通し活性の高いシーバスを狙います。
明部を探ってから境目、更に暗部を狙うのがオススメです。
(2)手前から順に探っていく
いきなりフルキャスト先の奥(流心)からルアーを引いてくると、手前まで全ての魚にルアーを見せる事になります。
これはどうしてもスレる要因の一つとなってしまいます。
なるべく手前の魚から狙い徐々に遠くの魚を狙うように心がけましょう。
(3)レンジは必ず上から徐々に刻む
上のレンジから順に探りましょう。
沈んでいる魚にプレッシャーを多く与えることなく、浮いている魚から順に釣っていく事ができます。
例えばいきなりバイブ等を投げるのはNGです。
(4)アクションやルアーのピッチを変える
同レンジでもウォブリングアクションに口をまったく使わなかった魚が、ローリングアクションに変えた途端に口を使ってくれるなんてことも
同レンジ感の中で数種類のアクションを試していきましょう!
(5)いきなり強波動のルアーを入れない
最初は低波動のルアーから。徐々に波動が強いルアーに変えていきましょう。
とにかくスレさせないことを心がけて、釣りを組み立てることが重要です。
明暗は無数の攻め方が存在
明暗部は立ち位置、トレースコース、リトリーブ速度を変えるだけで魚の引き出し方が無数にあります。
アングラーが入れ替わると突然釣れたりするのはこれらの違いからだったりします。
魚がいることは前提で付いている場所を想定し、その場所のピンへ流せるよう意識して行うと魚も釣れるし上達も早くなりますよ。
これまで書いたような事を意識し魚にアプローチしてみてください。
最後に
橋脚明暗は非常に人気の高いポイントです。
しかしながら、この釣りをする際は、ほかの場所以上に注意をしなければいけない事があります。
それは歩行者を巻き込む事故などです。
万が一の事態を避けるため、キャスト前の後方確認は毎回行う事。この辺は神経質なぐらいが丁度いいです。
また、人や犬の散歩コース等に針やラインが捨ててあるのをたまに目撃します。
大変危険ですよね。当たり前ですがゴミは必ず各自で持ち帰るようにしましょう。
“来た時よりも美しく”ということを心がけ、釣り場を守りながら楽しんでいきましょう!