冬でも安定して釣れる『堤防の穴釣り』について
真冬の坊主回避手段といえば『穴釣り』
『寒い&釣れない』と分かっていても、魚釣りに出掛けたくなる。それが釣り好きってもんですよね!
放射冷却でギンギンに冷え込んだ朝マヅメにイッピキも釣れず、太陽が昇るにつれ漂う“ボウズ感”……。
今回はそんな釣果の乏しい真冬の堤防釣りでも、なんとか魚の釣れそうな『穴釣り』をご紹介いたします!
堤防の穴釣りってどんな釣り方?
堤防の継ぎ目や消波ブロック、敷石などさまざまな“隙間”に餌を落とし込む釣りを「穴釣り」と呼びます。
穴釣りで釣れる魚はカサゴやソイをはじめ、メバルやアイナメといった美味しく食べられる高級魚が多いのが穴釣りの魅力!
穴釣りは一年を通して楽しめる釣りなので、他の釣り方でなかなか釣果をあげにくい冬でも魚からのアタリを感じるには最適です。
穴釣りに適したポイントや場所とは
穴釣りは消波ブロックや敷石のある堤防や漁港であれば、どこでも楽しむことができます。
ただし消波ブロックには様々な形状や大きさがあり、乗ると危険!
消波ブロックは人が乗ることを想定していない為、滑り落ちやすいだけでなく、落ちた後に這い上がることも困難です。
消波ブロックに乗らずとも穴釣りは楽しめますので、安全のために足場の良い堤防の際で行いましょう。
またライフジャケットだけでなく、スパイクシューズなど滑りにくい装備で安全第一で楽しみましょう。
ダイワ フィッシングシューズ
穴釣りの注意点|潮位が低い時や雨の日は要注意
敷石に付着したノリやコケのような付着藻類は、とても滑りやすいので注意が必要です。
干潮時など、潮位が低いときに海中から露出した黒っぽい部分は大変危険です。
とくに雨などで濡れてしまうと、付着藻類との境界線がわかりづらくなるので気を付けましょう。
堤防の穴釣りで釣れる魚とリリースについて
カサゴ(ガシラ)|年中釣れる穴釣りのメインターゲット
穴釣りでもっとも良く釣れる魚は『カサゴ』でしょう。冬でも住み家を大きく変えずに餌を捕る魚なので、真冬でも堤防から釣ることができます。
カサゴは岩や岩礁などの影に隠れ、目の前に餌が現れるのを待つ待ち伏せ型の狩りを行う肉食魚です。
▼知る人ぞ知るカサゴの絶品料理
ムラソイ|カサゴより浅い場所を好みます
ムラソイも穴釣りでよく釣れる魚としてあげられますね。
他にも、アイナメやメバルといった、根魚と呼ばれる魚は穴釣りで釣ることができますよ。
▼ムラソイの釣り方と美味しいレシピ
ベラやウミタナゴといった外道も釣れますよ
真冬は海水温が低く、「エサ取り」と呼ばれる魚達からのアタリは少な目ですが、ベラやウミタナゴは冬でも釣れることがあります。
魚からのアタリが少ない時期は外道でも釣れれば嬉しいものですよね!
▼知る人ぞ知る美味!『ベラ』の釣り方とおすすめレシピ
思わぬ大物も……(汗)
消波ブロックや敷石の隙間の下には想定外の空間があったりして、大物が潜んでいることもあります。この時は大きなトラウツボが掛かってきました(笑)
冬のウツボはとても美味しいので、嬉しい外道なんですよ。
▼ウツボの食べ方についてはコチラの記事
根魚は持ち帰りすぎないように注意しましょう
カサゴやメバルといった根魚は、アジや青物と違い回遊性の少ない魚です。一度生息数が減ってしまうと、その場所で資源量が回復するのに長い時間が掛かってしまいます。
釣られすぎによって、カサゴやメバルが極端に釣れにくくなっている場所も現実として存在します。
いまだルールの整備は進んでいませんが、将来も穴釣りを楽しめるように持ち帰る数については釣り人各々が考えるようにしましょう。
ちなみにカサゴやメバルは、お腹の中で卵をかえす『卵胎生』なので、お腹の膨らんだお母さんが釣れたら優しくリリースしてあげたいですね。
堤防の穴釣りで使う仕掛けの種類について
ブラクリ|穴釣り専用仕掛けとも言えますね
穴釣りの仕掛けで一番大切なのは“根掛かり対策”。短いハリスや丸いオモリを使うのがキモですね。
『ブラクリ』と呼ばれる専用仕掛けが販売されているので、初心者の方でも簡単に穴釣りを始められますよ!
オモリの重さは、足場の高さや潮の流れや穴の深さなどで決めますが、軽すぎると扱い辛いので迷ったら4~5号を購入しましょう。
ブラクリの種類と必要な数
近年、さまざまなメーカーから色とりどりのブラクリが販売されていますが、まずは安くてシンプルな物を選べばOKです。
安い物で3個入り300円前後で販売されています。穴釣りは根掛かりが頻発しますので、予備は多めを心掛けましょう。
あくまでも目安ですが……初めて穴釣りにチャレンジする方なら、1日で10個くらい予備があった方が安心です。
ささめ針 ブラクリ
穴釣りに使用するタックル|基本、持っているものでOK
大抵足元がポイントになるため、穴釣り専用竿は1-1.5mと極端に短いものが主流です。
確かに短い方がやりやすいですが、6ft(1.8m)前後のルアー竿でも問題なく穴釣りは楽しめます。
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もちろん4m前後のサビキ竿や磯竿でも、足元から遠い穴を狙えるので長竿の使用も全然アリですよ。
穴釣りをやりこんでいる釣り人は、極端に短い竿と長い竿を2本使い分けています。
穴釣りは障害物で糸が傷つきやすいので少し太めの糸が良く、フロロかナイロンの4号前後がオススメです。
穴釣りのコツ|“釣れる穴”の見つけ方
穴釣りのコツは“釣れる穴”を効率良く探すこと
カサゴやソイは、目の前に餌が現れると素早く食らいついてきます。
なので穴釣りはジッと待たなくてOKです。穴に仕掛けを落とし込み、着底して10秒当たらなければ次の穴に落としましょう。
これは寒い冬でも同じこと。とにかく、たくさんの穴にブラクリを落とすことが穴釣りで釣果をあげるコツです。
釣り餌は2種類以上、用意すると良いですよ
カサゴやソイは、動物性の餌であればなんでも食べる魚なので、ニオイで誘うサンマやサバの切り身、動きで誘うアオイソメがオススメです。
針から外れやすいものの、食い込みが良いオキアミを使うのも良いでしょう。
▼穴釣りの餌についてはコチラの記事で深堀り
一度釣れた穴を覚えておくと次回も釣れる可能性アリ
穴釣りで魚が釣れる穴は、魚達にとって優良物件なんです。
つまり、釣り上げて空き家になった穴でも数日……いや早ければ数分後には他の魚が入居することがあります。
釣れた穴はしっかり覚えて、時間をおいてもう一度ブラクリを落としてみましょう。
ブラクリを使った根掛かりの対策方法と外し方
着底を予測しながら釣りをする
いくつか穴を探れば、その辺りのおおよその水深が分かってきますよね。
例えば、「1、2…あッ5秒で着底した!」って感じでカウントしても良いでしょう。
着底が予測できれば、素早く糸の弛みを取ったり、着底寸前で仕掛けを止めることもできます。
ブラクリがゴロゴロと転がる感覚を覚える
ブラクリのオモリは、引っかかりにくくするために丸い形をしているため、波がある場合引き波の流れによって穴の中で転がります。
このゴロゴロと転がる感触が意外と魚のアタリと勘違いしやすいんですよね。
魚と勘違いして竿先を送り込んでしまうと……「ガツッ」とオモリが食い込んでしまって根掛かりになりがちです。
引っかかったら、引っ張らず5cm竿を下げる
根掛かりが発生した場合は、“引っ張る前にまず5cmくらい竿先を下げて”みましょう。
引っかかってしまった針を、オモリの重さを利用して下方向に引っ張って外すイメージですね。
コンクリートや石に針先だけ掛かった状態ならば、これを数回繰り返せば外れることがあります。
それでダメなら、潔く道糸をタオルなどでしっかりつかんで力で引っ張ってみましょう。海藻などの場合は取れる可能性があります。
真冬って寒いケド、やっぱり魚が釣れると楽しいんですよね!
なにも釣れていない漁港や堤防でも、穴釣りだけは釣れるなんてことも珍しくありません。
寒い時期でも釣れてくれるカサゴやソイに感謝しながら、穴釣りを楽しんでみてはいかがでしょうか。