【フロロorナイロン】シーバスのリーダーはどっちを使う?
シーバスにおける「ショックリーダー」。
メインラインにPEラインを使用する場合、フロロもしくはナイロンリーダーを組むことが必須となってきます。
ではどちらの種類を使うのが最適なのでしょうか。今回は、ナイロンとフロロの比重や柔らかさの違いなどにフォーカスして、それぞれの使い分け方をご紹介していきます。
フロロとナイロンの違い
ご存知の方も多いと思いますが、ナイロンとフロロはまったくの別物。様々な性能に違いがあります。
簡単にまとめると、ナイロンは伸びが良く衝撃吸収性に優れ、しなやかで扱いやすい。フロロは伸びが少なく、耐摩耗性が高い。
というのが、一般的なイメージでしょうか。
どの程度違うのか検証してみた
言葉で理解していても、実際どの程度なのかは見てみなければわかりません。
今回は、同じ太さ、同じ長さのフロロとナイロンをそれぞれ用意し、簡易検証を行ってみました。
伸びを比較検証
まずは「伸び」の比較検証です。
2kgの負荷を掛けて、それぞれのリーダーの伸び具合を比較してみました。
結果はご覧のとおり、ナイロンの方が3cmほど多く伸びたのです。
つまりフロロよりナイロンリーダーの方が、クッション性に富んでいるということ。
逆にナイロンよりフロロの方が伸びないため、ダイレクトに力が伝わりやすいというわけです。
重さを比較検証
ナイロンよりフロロリーダーの方が重いです。当然、水の中での沈下速度も変わってきます。
結果は動画の通り。落ち角度や形状で多少沈む速度は変わりますが、フロロの方が圧倒的に早く沈むのです。
水中での透過性を検証
じつはフロロとナイロンでは、水の中での透過性も異なります。
写真の通り、ナイロンリーダーはよく見えていますが、フロロリーダーは目視しづらいのがよくわかりますね。
水の屈折率が1.33に対して、フロロは約1.42、ナイロンは約1.53。フロロのほうが、より水に馴染みやすいのです。
フロロとナイロンリーダーでは、まったく違う特性を持った糸だと分かりましたね。
リーダーで釣果は変わるのか
そんな違いのあるナイロンリーダーとフロロリーダー。
しかしながら、使用する長さは1m弱程度。実際に釣果が変わるのかと思われる方も多いと思いますが……。
今までの経験から、筆者としては「変わることもある」と考えています。
同時に両方のリーダーをまったく同じ状況で試すのは不可能ですが、少なからず「リーダーの種類によって、釣りが変わる」ことを留意するのが大切です。
しかしながら、使い分け方は存在しますので、それを理解しておくことは必要だと思います。
ルアーを引けるレンジが変わる
先ほどご紹介したように、フロロとナイロンでは比重が異なります。
それゆえに、ナイロンリーダーで30cm程度の潜行レンジだったとしても、フロロリーダーに変えると30cmより下のレンジを泳がせることが可能なのです。
リーダーの種類によるレンジの変化で、アタリが出るようになることも多々ありました。
フロロリーダーを使うケース
「硬い」「根ズレに強い」「沈み易い」「透過性が高い」といったような特徴を持つフロロリーダー。
障害物や底を狙うことも多いシーバスゲームでは、フロロリーダーをメインで扱うアングラーも多いようです。
デイゲームに強い
デイゲームでは、水中も明るく糸の存在感が出てしまいやすいです。
冒頭の実験でもありましたが、フロロの方が水中での糸の存在感を消せます。
また、フロロリーダーは張りがあるのでライン自体も真っ直ぐになりやすく、余計なプレッシャーを与えなくて済みます。
ボトム攻略
ボトムの攻略にもフロロリーダーは最適です。
岩や藻など障害物が多い中で、多少障害物の擦れにも強くある程度耐えてくれます。
また水深のある場所で抵抗の強いバイブレーションの釣りなどの操作感は、伸びの少ないフロロラインならより繊細に探れます。
ルアーを沈めたい時に
少しレンジを沈めたい時には、フロロリーダーに変えてみるのも一つの方法です。
例えば、波風がキツく少し下の層を安定させて巻きたいときなどにおすすめです。
「ショートバイトが多いので、同じルアーで少しレンジを引いてみよう」というときにも、この重さを活かすことで可能となります。
めんどくさがりの方に
毎釣行リーダーを組み直すのが面倒という方にも、フロロリーダーは最適です。
ナイロンリーダーは吸水性があり、強度が変化してしまいます。そのため、毎釣行ごとに、リーダーを組み直す必要があるのです。
フロロリーダーは水を吸わないため、傷みや劣化が少なければ数日間は使用できます。
ナイロンを使うケース
吸水性があり、傷みが早いとされるナイロンリーダー。
しかしながら「伸びが良く、しなやか」「比重が軽い」という特徴を活かしたいシチュエーションもあります。
春先のマイクロベイトパターン
春先はシーバスが産卵を終え、回復のために捕食がしやすいベイトを食べているのが一般的です。
メインベイトとなるバチやハクなどを初め全体的に小さいベイトが多いので、扱うルアーも小型で小さなフックを搭載しています。
小さいルアーは、動きも繊細で少しのリーダーの太さや素材の違いで動きが一気に変わります。さらにシーバス自体の吸い込みも弱く、フックも細軸のため伸びやすいのです。
だからこそ伸びが良いナイロンは、理にかなっている選択だと言えます。
トップウォーターを使用するシーン
フロロに比べ比重が軽いナイロンは、浮いたルアーを扱うトップウォーターゲームには欠かせません。
ドッグウォークメインで左右に首を振らせたい場合なども、ナイロンの柔らかさが活き、綺麗に泳がせることが可能です。
とくに止めの時間を長めにするとき。フロロリーダーだとファーストアクションでダイブしてしまったり、動き出しが悪くなることもあります。
ただし、フロロリーダーが活きるシーンもあります。
例えば、完全にバイトが水面に出切らないシチュエーション。このような時は少し潜らせるようなダイビングアクションで、反応が良くなりることもあります。
フロロラインを扱うとラインが沈み、ルアーの頭から少し潜らせるダイビングアクションが出しやすくなるのです。
具体的なイメージを持って、ショックリーダーを選択するのがおすすめです。!
ジョイントルアーやビッグペンシルに
ジョイントルアーやビッグベイトは、左右に大きく動くものも多いです。
またジョイントルアーの場合、止めた状態でも流れや風を受けてナチュラルに動き漂うのが特徴でもあります。
軽くてしなやかなナイロンを使えば、そのルアーの特徴を最大限に活かせるのです。
またビッグベイトやジャイアントベイトなど重いルアーの使用時には、太いリーダーを組む場合が多々あります。
高切れ防止のため、40〜50lbなどのリーダーを組むとなると、フロロリーダーの硬さが際立ち、摩擦系ノットが組みづらいのも特徴です。
もちろんフロロリーダーでも、しっかり組めば抜けるようなことはありません。とはいえ、ナイロンリーダーの方が食い込ませやすく、摩擦系ノットを組みやすいのです。
オススメのリーダー
バリバス VEPナイロン
ナイロンの特徴でもある、伸びとしなやかはもちろん、耐摩耗性にも優れたリーダーです。
ルアーの泳ぎを活かしつつ、障害物周りを攻めたい場合などに活躍してくれます。
筆者のナイロンリーダーは、長年これ一択。ラインナップとして50lbまであるので、ビッグベイト用として選択できるのも魅力の一つです。
クレハ シーガーグランドマックスショックリーダー
シーバスで扱うことの多い4〜5号のリーダーは、16lb(4号)、20lb(5号)といったものが一般的です。
対して、グランドマックスは19.5lb(4号)、24lb(5号)と同じ細さでも、一回り強いのです。
さらに伸びも極限まで抑えてあるため、よりリーダーが直線になりやすく、操作性や感度もバッチリですね!
状況に合わせたチョイスを
今回ご紹介させて頂いたのは、あくまで一例。これ一択だとは断言できません。
しかしながら、確かにその場の状況やルアー、釣り方に合わせたリーダーチョイスは釣果にも繋がるのは確かです。
ラインブレイクのリスクを回避し、魚へのダメージ、根ズレや根がかりによるルアーロストを少なくすることもできます。
ラインシステムは非常に重要です。しっかり拘ってチョイスしていきたいですね!