目次
深海魚『キンメダイ』の生態や特徴について
キンメダイはタイの仲間ではありません

キンメダイはキンメダイ目に分類され、日本近海には『キンメダイ』の他にナンヨウキンメやフウセンキンメ、キンメダマシというキンメダイの仲間が確認されています。
怪魚ハンター山根
いずれも食用魚として利用されていますよ!
キンメダイの大きさと寿命

1歳魚で約20cm100g、4歳魚で約30cm500g程度まで成長し、40cmになるまで10年近くかかると言われています。
キンメダイの目が金色な理由

キンメダイの棲む水深300~800mは弱光層と呼ばれるほど、極僅かな光しか届きません。
僅かな光を利用するためにキンメダイは目を大きく発達させ、網膜を通過した光を反射させるタペータム(輝板)と呼ばれる器官を持っています。
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タペータムに光が反射して目が金色に見えるという訳ですね。
キンメダイの産卵期は夏、旬は地域により異なり夏と冬とされる

キンメダイの産卵期は夏で、地域によっては産卵前がキンメダイの旬といわれます。
対照的に寒くなる冬に脂が乗り、冬がキンメダイの旬と謳う地域もあります。
ただし、キンメダイが生息する中深層の水温は1年を通して大きな変動がないので脂の乗りは水温ではなく、摂餌状況に左右されていそうですね。
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産地によって脂の乗り方や値段が全然違うのもキンメダイの特徴といえるでしょう。
キンメダイの釣り方|餌釣り
地域によって水深や針の数が異なります

キンメダイが生息する水深は300~800mと幅があるため、地域によって使用する釣り具が大きく異なります。
また、針の数を制限している地域や船宿がありますので、釣行前にどんな道具で釣りをするか船宿に確認するようにしましょう。
1日に投入できる回数は8回程度

水深500m前後を狙う場合、仕掛けの投入から回収までの一連の動作に30~40分もの時間を要します。
一日の釣行で投入できる回数がとても少ないのが深海釣りの特徴ですね。
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そのため、効率良くキンメダイを釣り上げるために使用する仕掛けの針数は15~20本と多くなります。
多数針の胴突き仕掛けを使って効率良くキンメダイを釣り上げよう

キンメダイは海底付近に群れているため、ひとたびキンメダイの群れに仕掛けが入れば何尾も仕掛けに掛かります。
海山等の起伏の激しい地形に生息するキンメダイを釣るのに根掛かりはつきもので、根掛かりを利用してキンメダイの群れの中に確実に仕掛けをとどめる場合もあります。
キンメダイ釣りには、鉛より環境に優しくて安価な鉄筋を捨てオモリとして使用することが多く、使用するオモリの重さは水深と潮流に合わせて1kgから2kg以上までと様々です。
キンメダイの餌釣りにはお金が掛かります

深海釣りには、PE8号以上を1000m以上巻ける大型電動リールが必要不可欠です。
怪魚ハンター山根
リール30万、竿5万、メインライン4万……。
破格ですよねw
破格ですよねw
また20本針の仕掛けや鉄筋も、基本的には投入ごとに使い捨てになるので消耗品代も嵩みます。
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キンメダイ釣りに初めて挑戦してみたい方は、レンタル釣り具が充実した船宿をオススメします!
ジギングによるキンメダイの釣り方
近年、流行している深海ジギング

大型電動リールを購入しなくて済むだけではなく、針数の多い仕掛けを毎回たくさん用意しなくても済みます。
キンメジギング|メインラインの太さとジグの重さについて

ジグは軽い方が食いが良い傾向にありますが、着底を感じられないと根掛かりが多発して釣りになりません。
メインラインはPE1.5~2号が目安。細いラインほど程潮流の影響を受けにくくなります。
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どうしても根掛かりが頻発する釣りなので、ジグの予備だけではなく、道糸の高切れに備えて予備のリールやラインも用意しておくと安心です。
糸フケを抑え、着底を的確に感じることがコツ

ジグの重さや形状、メインラインの太さをその時の潮の流れに的確に合わせられるかで釣果に差が出てきます。
レンタルタックルを利用して初めてのキンメダイ釣りに挑戦してみた
レンタルタックルを利用してキンメダイを釣ってみよう

大型電動リールと専用竿、15本針仕掛け&2kgの鉄筋8セット、そしてカツオの切り身が120切。これだけの道具を12,000円でレンタルできました。
乗船料2万円と合わせると一般的な乗合船よりはややお高いですが、総額30万近くする釣り具や大量の釣針などをレンタルしている。と考えれば割安感がジンワリと分かってきます。
キンメダイ釣り初心者でも楽しめる!

『キンメダイ釣りが初挑戦』ということを伝えていたので、船頭さんや中乗りさんが仕掛けの投入や魚の採り込みなど、キンメ釣りの難しい部分をしっかりサポートしてくれました。
これなら、沖釣り初心者の方でも充分な釣果を得られるなぁと感じました!
怪魚ハンター山根
とにかく旨い魚を釣り上げたい!
そんな方にはオススメですよ!
そんな方にはオススメですよ!
忠兵衛丸のHPはコチラ!
深海釣りならではの外道も釣れて大満足

深海には、キンメダイの他にも様々な魚が生息しています。
今回の釣行では、キンメダイの他にも高級魚として知られるアコウダイや僕的に大興奮な深海ザメの一種「フトツノザメ」も釣ることができました。
キンメダイを上手に寝かして、極上トロキンメ料理を堪能しよう
キンメダイは血抜き不要??

釣り上げたキンメダイをできる限り美味しく食べたいので、締め方を少し勉強してみると……。
脂の乗ったキンメダイは、血抜きをしない方が良いという説があることを知りました。
怪魚ハンター山根
なんでも、血に交じって極上な旨味が抜けてしまうのだとか。
ノドグロの呼び名で知られるアカムツも血抜きをしてはいけない魚として知られています。
ノドグロの呼び名で知られるアカムツも血抜きをしてはいけない魚として知られています。
キンメダイの血抜きについては賛否両論あるものの、氷などが解けて出る水に直接魚体が触れることは、ちょっとした傷口から身に水が入るためNGとのこと。
キンメダイ釣りに行く場合は、魚を入れる厚手のビニール袋を用意すると良いでしょう。
キンメダイをトロキンメに熟成させてみよう

持ち帰ったキンメダイの、エラとワタ、そしてウロコを綺麗に取り、青紙とも呼ばれるグリーンパーチ紙で巻いて6~8日間寝かせてみました。
ちなみに、新島沖のキンメは寝かせた方が旨いって散々聞いていましたが、半身だけ釣ったその日に刺身で食べてみたんですが、普通に美味しかったです(笑)
でも、今となっては大変後悔しております。
熟成キンメダイの刺身と炙りが旨すぎる

少し面倒ですが、毎日グリーンパーチ紙を取り換えながら一週間熟成させたキンメダイの身は、白く白濁して釣った日の透明感のある色味とは別物に変化していました。
怪魚ハンター山根
旨味ととろける触感もまるで別の魚のようです。
キンメダイは身と皮の間に美味しい脂を蓄えています。この脂を無駄にしないためにも、皮を引かずに湯引きや炙りでいただくのが一般的。
怪魚ハンター山根
もちろん、皮を引いた刺身でも旨いですよ!
引いた皮は捨てずに塩をさっと振って炙れば美味しく食べられます。
引いた皮は捨てずに塩をさっと振って炙れば美味しく食べられます。
トロキンメのしゃぶしゃぶ

昆布と酒でとった出汁に幅5mmほどに、切り分けたトロキンメの身をくぐらせて食べるキンメダイのしゃぶしゃぶは究極の美味でした!
脂が強いトロキンメでも、しゃぶしゃぶにするといくらでも食べられてしまいます。
怪魚ハンター山根
柑橘系の風味の利いたポン酢で食べるのがオススメですよ!
贅沢だが一番旨いのは塩焼きだったかも

少しもったいない気もしながら、キンメダイの塩焼きも食べてみましたが、コレがメチャ旨かったんです!
熟成させたことで全身に脂が回っているため焼いても身は柔らかで、火が通っていくにつれ表面に脂がにじみ、まるで揚げたように焼き上がります。
怪魚ハンター山根
この極上の香ばしさといったら、他に類をみないほど。
魚の塩焼きとして最上級な味わいでした。
魚の塩焼きとして最上級な味わいでした。
キンメダイの煮つけに生姜やゴボウは必要なし

キンメダイと言えば煮つけですよね!
残念ながら今回は爆釣とはならず、煮つけに回せたのは頭とアラだけでしたが……とっても美味でした。
魚の煮つけと言えば、臭み対策に生姜やゴボウなどを入れますが、キンメダイには不要です!
酒・みりん・水で強火で煮立て、仕上げに砂糖を入れて照りを出せば汁まで美味しいキンメダイの煮つけの完成です。
キンメダイを食べたくなったら、また釣りに行きます

今回の新島沖のキンメダイ釣りを振り返ってみて。スーパーで売られているキンメダイと新島沖のキンメダイでは、身や旨味の質が全然違うということが一番印象的でした。
新島沖のキンメダイがこんなにも美味しい食材ということを知ってしまったので、年に1度はトロキンメを釣りに行きたいなと思います。
深海釣り用の道具は高額でなかなかチャレンジできない分野かと思われがちですが、今回乗船した忠兵衛丸さんのようにレンタルタックルを充実させている船宿も増えてきています。
ぜひ僕のように、気軽かつ手ぶらで激旨キンメダイ釣りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
ライタープロフィール
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