釣り人がフィールドを汚している現状
私は今年から釣りを再開した、リターンアングラーです。
約15年ぶりに訪れたフィールドは、ゴミの多さが本当に目立ちます。飲み物の缶やペットボトル、タバコの吸い殻など……そしてなにより、釣りに関するゴミが多いこと。
人気のジグヘッドワームのパッケージとタバコの吸い殻。
こちらはPEラインとリーダー。明らかに釣り人が残したであろうゴミです。
15年前、サーフでのルアー釣り、アジやメバルのライトゲームは、現在ほどメジャーな釣りではなかったと記憶しています。
明らかに釣り人が残したであろうゴミが増えているは、そのような釣りが広まったことと、無関係とは思えません。
新型コロナの影響により、密になりにくいアウトドア・アクティビティを楽しむ人が増加しました。
それに伴い海や山、キャンプ場などで、ゴミの増加やマナー違反などが問題視されるように。
釣りに関しても例に漏れず、ゴミのポイ捨て、立ち入り禁止場所への侵入など……問題が増えていることは、ニュースやSNSを通してみなさんも感じるところでしょう。
アングラーは海や川、湖など、水辺に立ち釣りをします。釣り場でアングラーが捨てたゴミは、大袈裟な言い方をすれば環境汚染です。
港湾部は、本来漁業や海運業の方たちが働く場所。当然、その場所を管理している組織や人たちがいます。
ゴミを捨てるなどのマナー違反が横行すれば、関係者以外立ち入り禁止の措置が取られ、アングラーは釣り場を奪われてしまうでしょう。
河川や湖なども県や市町村が管理しており、こちらも同じく利用状況が悪ければ、立ち入り禁止や釣り禁止となるのは明白です。
放置されたフック。故意にしても、そうでないにしても、なるべく落とさないように努力したいところです。
ゴミを拾えば、“ツキ”を呼ぶ?
少し話は逸れますが、現在メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手の母校(花巻東高校野球部)の佐々木監督は、ゴミ拾いに関してこんなことを言っています。
「ゴミは人が落とした運。ゴミを拾うことで運を拾うんだ。そして自分自身にツキを呼ぶ。そういう発想をしなさい」
実際にメジャーの場でも、大谷選手は「試合中のグラウンドに落ちているゴミを拾っている」とメディアが報じていました。
そう、“ツキ”を呼ぶ。釣りにおいては、これが“釣果”として返ってくる。そんな風に思うようにしています。
ラインは本当によく落ちていますね。
「#一袋運動」とは?
一袋運動とは、主に釣行やペットの散歩などをする際に、ゴミを一袋分持ち帰る活動のことを指します。
どこでどんな魚が釣れているのかをTwitterでチェックしていた際、釣った魚の写真とともに、ゴミ袋の写真を上げているサーフアングラーの方を見かけたのがきっかけです。
主にアングラーによる投稿が多いのですが、他にも犬の散歩とともにゴミ集めをしている方、釣りはせず、釣り場の清掃だけをおこなっている方もいらっしゃいます。
「#一袋運動」で投稿した写真の一部
私が一袋運動に興味を持ち、自らも実践するようになった理由は、やはり釣具に関するゴミの存在が気になったからです。
釣行後の少しの時間を使い、ビニール袋一袋分のゴミを回収する。やっていることはたったそれだけ。でも、やらないよりはマシ。
こちらはある日見つけてしまったゴミ。「拾わなきゃずっとこのままだ」と思い、手持ちの袋にゴミを入れ周辺を歩きました。
このとき持っていた袋は、デカい魚を釣るつもりで用意していた大袋。釣具ゴミだけではいっぱいにならなかったので、見える範囲のペットボトルや空き缶を拾い、袋半分ほどになったところで釣り場を後にしました。
最終的には自分の釣り場を潰さないため、また、大谷選手のように“ツキ”を自分にもたらすため。人のために活動しているというよりは、自分のためになっているのかもしれませんね。
今日は大量!
ゴミの話です?
一袋では飽き足らず二袋運動してきました?
2バラシ0キャッチ、明るくなってからは全く反応無かった
今日は珍しく仙南入りました。またテニス肘痛くなってきたなぁ?#一袋運動#継美隊2021#仙南サーフ pic.twitter.com/G3twF6RgOg
— カズ・サバイブ (@kazsurvive) November 16, 2021
拾うのではなく、“残さない”を考えることが第一歩
我々アングラーが一番簡単にできることは、ゴミを拾うことではなく、ゴミを釣り場に残さないこと。
意図的に捨てている人は別として、意外とうっかりや不注意でゴミを出してしまうこともあると思います。
ラインの太さなどタックルを見直すことも、ゴミを出さないことに繋がります。高切れや合わせ切れ、ノット抜けは、ルアーや仕掛けを水中に残すことに繋がります。
残ったルアーや仕掛けは、根がかりの原因にもなり、また新たなゴミを生み出す……そんな負のサイクルに陥るでしょう。
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