堤防にはさまざまな“未利用魚”が棲んでいます
堤防で釣れる魚はアジやイワシだけじゃない

堤防釣りの定番魚と言えば、「アジ」や「イワシ」といった釣って楽しく、食べて美味しい魚が真っ先に思い浮かびますよね。
他にも、青物やグレなど初心者に限らず、釣りをやり込んでいる人にも人気な魚も堤防釣りの対象魚として挙げられるでしょう。
でもですよ! アジや青物が釣れない時もあるじゃないですか……そんな時は釣り人に相手にされないような、小魚たちに目を向けてみてはいかがでしょうか?
招かれざる客にも美味しい魚がいます

以前アジやイワシが釣れず、仕方なくスズメダイを持ち帰って食べてみたんです。
「初夏のスズメダイは旨い」という噂どおり、綺麗な白い身には包丁に纏わりつくほど脂がノリノリで、刺身でも塩焼きでも衝撃的な美味しさでした。
と感じた出来事でした。
▼スズメダイの味に感動した記事はコチラ!
試しにカゴカキダイを持ち帰ってみた……

スズメダイの一件で成功体験を得た僕は、次の釣行で試しに『カゴカキダイ』を持ち帰ってみたんです。
一応、美味しくなかった時に備えて1匹だけ(笑)
恐る恐るお刺身で食べてみると……カゴカキダイもメチャ旨だったんです! 正直言って、小さなサンバソウよりも脂を感じました。
そんなことで、今回はカゴカキダイの魅力に迫っていきます!
未利用魚としての『カゴカキダイ』について
カゴカキダイってどんな魚?

黄色と黒の縞々模様が特徴的な『カゴカキダイ』は、茨城県から沖縄県にかけて広く生息し、最大で20cm前後にまで成長するスズキ目の魚です。
カゴカキダイは岩礁帯を好む性質があり、磯が隣接する堤防や漁港内を群れで泳ぐ姿を目にすることができます。
産卵期は4~5月で、大型のカゴカキダイは沖合に生息するためか、堤防で釣れるのは10~15cm程度までの個体が多いですね。
堤防釣りの餌取りとしての厄介者

カゴカキダイが生息する地域では餌取りであることに間違いありませんが、魚体に対して口が小さく針掛かりしにくいため、餌取として認知されていないこともあります。
いざ、堤防際を群れですばしっこく泳いでいるカゴカキダイを釣ってみようとしても、なかなか針掛かりしない……。
カゴカキダイってそんなキャラクターな魚です。僕も10匹まとめて釣るのに結構苦戦しました。
小さな魚でまとまった量が漁獲できないため食材として流通しにくい

海辺に住む人の間では“カゴカキダイは美味しい魚”と言われていますが、まとまった量の水揚げが期待できない魚であることから、スーパーなどに並ぶことはほとんどありません。
カゴカキダイの釣り方を考えてたどり着いた方法は
ワカサギ用の仕掛けを用意しました

晩御飯のメインディッシュにしようとすると、10尾ほどのカゴカキダイを釣り上げたいところです。
おちょぼ口のカゴカキダイを狙って釣るために、僕が用意ししたのは「ワカサギ用の仕掛け」です!
極端に小さな針と細いハリスでカゴカキダイを狙ってみます。
餌は練餌の「生ミック」

カゴカキダイは、オキアミなどの動物プランクトンから藻類まで何でも食べる雑食性の魚です。
今回はオキアミと練餌を用意しましたが、針の大きさに合わせて小さく付けられる練餌が扱いやすく良く釣れました。
趣味娯楽社 生ミック
▼なんでも釣れる万能エサ『生ミック』についてはコチラ!
カゴカキダイが簡単に釣れました!

堤防際に生ミックを付けたワカサギ仕掛けを垂らすと、カゴカキダイが飛びついてきました!
他にも、スズメダイやベラの仲間、時にはツノダシやチョウチョウウオなど普段は釣れない小さな口の魚が色々と釣れてくれました。
ただ……
ハリスが細すぎてラインブレイクが多発するのが難点

ワカサギ仕掛けの最大の欠点は、ハリスが細すぎて頻繁に糸を切られてしまいます。
切られないように魚とファイトするのも楽しかったのですが、仕掛けの予備は多めに持っておいた方が良さそうです。
僕は3セット持って行き、2時間程楽しむことができました。
ささめ針 ワカサギ 速返し6本鈎 C−214 針1号−ハリス0.3号
カゴカキダイは飼育してみたくなるくらい綺麗で可愛い魚
カゴカキダイは可愛くって綺麗な魚

鮮やかな色と模様もカゴカキダイの魅力のひとつと言えますよね。
観察ケースに入れて撮影していると、とても可愛くっていつか飼育してみたいと思ってしまいました。
そこでカゴカキダイの飼育方法について、少し調べてみました。
カゴカキダイの飼育について

カゴカキダイは飼育下でも10~15cm程度まで成長するので、60cm規格以上の水槽での飼育が望ましいようですね。
カゴカキダイ同士の混泳は可能で、水槽内でも群れを作ることがあるようです。
カゴカキダイを捌いて料理していきます
カゴカキダイでどんな料理を作ろうかな

10cm前後と小さな魚ですが、10尾も集まれば晩御飯の主役になりそうです。
前回サンバソウと一緒に持ち帰った時に、刺身で美味しい事は知っていたので刺身は確定次項です。
他にも、素材の味を感じられる塩焼きや汁物も作っていきましょう!
カゴカキダイのウロコはやや多め

小さな魚ですが、折角いただく命ですので丁寧に捌いていきます。
カゴカキダイのウロコは多いですが、包丁で簡単に落とすことができました。
カゴカキダイを5品の食べ方で頂いていく!
カゴカキダイのお刺身

小さな魚ですので1匹から4枚のお刺身しか取れませんが、しっかりと脂が乗っているためか身の色が白く濁っています。
実際に食べてみると脂の甘みが最初に感じられ、その後に白身魚らしい香りと味わいがやってきます。
カゴカキダイの汁物

刺身を作った際に出たカゴカキダイのアラで、お吸い物を作ってみました。
たった2匹分のアラでしたが、しっかりとお出汁が出ていて1人前のお吸い物には充分でしたよ。
カゴカキダイの唐揚げ

小さなカゴカキダイは、素揚げや片栗粉をまぶしただけの唐揚げでも美味しくいただけます。
開いてから揚げれば、骨までパリパリっと食べられますが、背ビレがとても尖っているので気を付けましょう。
カゴカキダイの煮つけ

カゴカキダイの煮つけは、身が締まることはなくやや柔らかく身離れの良いというのが第一印象でした。
白身魚らしい美味しい煮つけですが、お刺身で得た感動よりはやや劣ります。
カゴカキダイの塩焼き

煮付けよりもオススメなのが、カゴカキダイの塩焼きです! 塩を振って30分程置いてから焼き上げるのがコツですよ。
皮と身の間に脂があって、香り高い旨味を感じられます。
ぜひ、焼きたてアツアツ状態を食べてみてください!
カゴカキダイは可愛いだけじゃない!食べても美味しい魚でした

今回、改めて堤防に棲む魚って奥が深いなぁと感じることができました。
カゴカキダイは小さな魚ですが、お刺身や塩焼きで美味しく食べられる魚ですので、堤防際を泳ぐ姿を見たら釣って食べてみてはいかがでしょうか。