海釣りの2大万能エサのひとつ『ゴカイ(イソメ)』について
ゴカイってどんな餌?
海釣りの万能エサと言えば、『ゴカイ(イソメ)』と『オキアミ』ですね。
オキアミは、柔らかくて魚の食い込みが良い、まさに海釣りの代表的なエサ。しかし針から取れやすく、フグやベラなどが多い場合や投げ釣りをする場合は全然釣りにならない事も……。
ゴカイ(イソメ)は針に残りやすいので、オキアミよりも汎用性の高い餌と言えるでしょう。ゴカイ最大の短所と言えば、見た目が気持ち悪いことでしょうか。
今回は、そんな万能エサであるゴカイについてご紹介します!
ゴカイとイソメの違い
厳密にいうと、「ゴカイ」と「イソメ」は、スズキとフグのように分類学的に違う生き物ですが、“魚釣りで使う餌”という目線では、多毛類(ゴカイ類)ということで同じような生き物と考えて良いでしょう。
荒っぽく例えるなら、スズキとフグを「魚類」と呼ぶのと同じですね! どちらかといえば、イソメ類よりもゴカイ類と呼んだ方が一般的でしょうか。
釣り人はしばしば、ゴカイ類を「虫エサ」とも呼びますね。
多毛類(ゴカイの仲間)は、現在知られているだけでも8,000種。他にも大量の名前すら与えられていないゴカイの仲間が存在します。
ゴカイは種類によって値段が変わる
釣り餌として用いられるゴカイの仲間は、アオイソメ・石ゴカイ・本虫・チロリ・ストロームシ・ユムシ・コガネムシ……といったように、言い出したらキリが無く10種以上が販売されています。
値段はゴカイの種類や大きさによって様々で、一般的にはアオイソメがもっとも安価で本虫やユムシなどは高価な餌として知られています。
一日で使うイソメの量はどのくらい?
釣れる魚やフグなどの餌取りの数によっても大きく変わってきますが、アオイソメ100g(1,000円前後)を竿2本で使用すると、約3~4時間釣りができると考えて良いでしょう。
夏から秋は餌取りが多いので少し多めに、冬から春は魚のアタリが少ない場合もあるので少し控えめに購入すると良いでしょう。
もっとも汎用性の高いゴカイは『アオイソメ』
迷ったらアオイソメを選ぼう
『魚種は何でも良いから、色んな魚を釣ってみたい!』という方には、色んな魚が選り好みせず食べてくれる、アオイソメがオススメです。
細すぎず、大きすぎず、安価でほとんどの釣具屋で取り扱われているアオイソメは、良く動き&匂いもよく出るため海釣りの万能エサの代表格と言えます。
アオイソメで狙える魚
アオイソメを使ったちょい投げではキスやハゼ、穴釣りではカサゴやアイナメ、ウキ釣りではグレやスズキなどが狙えます。
堤防釣り以外でも、船釣りではアジやカワハギ、海上釣り堀ではマダイやイシダイの良い餌になることもありますよ。
アオイソメの付け方
アオイソメはさまざまな魚が狙えるので、付け方も千差万別です。
スズキやマダイなど大物を狙う場合は、1つの針に3~6匹と沢山のアオイソメを付ける“房掛け”が良いでしょう。
1匹のアオイソメを針に掛ける場合は、牙のある頭側から針を入れ腹から針先を抜きましょう。
ハゼやキスなどを狙う場合は、針先から数cmの場所でアオイソメをカットして短くすることも有効です。
▼アオイソメの付け方についてはコチラの記事で詳しく紹介
アオイソメの別名と大きさ
アオイソメは、地域によって『青虫』や『青ゴカイ』『赤虫』と呼ばれることもあります。
ゴカイの仲間は地方名がたくさんあるので、購入する際に別名があることを意識しておくと買い間違えをしなくて済みますよ。
また、アオイソメの大きさを分けて販売している釣具店もあります。迷ったら中太を選ぶと良いでしょう。
▼アオイソメの『赤虫』についてはコチラの記事で詳しく紹介
ハゼやキスなど小物狙いには『石ゴカイ(ジャリメ)』が良いでしょう
坊主(釣果ゼロ)は避けたい!そんな方は『石ゴカイ』を選びましょう
石ゴカイはアオイソメに比べて細身で短いため、魚の食い込みが良いのが特徴です。
「魚の大小は問わない。小さな魚でも良いから釣りたい!」そんな方には石ゴカイがオススメです。
石ゴカイで狙える魚
石ゴカイが効果を発揮するのは、キスやハゼなどの小型の魚です。
他にも、堤防際を泳ぐベラや木っ端グレ、メバルや小アジにも石ゴカイは効果的です。
石ゴカイの付け方
石ゴカイはアオイソメよりも細くて魚へのアピールが小さいので、もしアタリが無いようでしたら、頭に針を刺す“チョン掛け”を試してみましょう。
チョン掛けは、ゴカイが良く動き、弱りにくいため魚に大きくアピールしてくれます。
餌が取られやすいという弱点がありますので、魚がいることが分かれば“遠し刺し”や“縫い刺し”に付け替えてみると良いですよ。針はケン付流線やハゼ針の6号前後がオススメです。
▼石ゴカイの詳しい記事はこちら
石ゴカイの別名
石ゴカイには『砂虫』、『砂ゴカイ』、『ジャリメ』、『赤イソメ』など様々な別名があります。
まれにアオイソメや本虫を赤イソメと呼ぶ地域や釣具屋もありますので、石ゴカイを購入する際は、ゴカイの大きさをしっかり確認してからにしましょう。
カレイやマダイなど大物狙いには価格は高いが『本虫(マムシ)』がオススメ
一発大物狙いには本虫(マムシ)が最適
アオイソメよりも太くて硬く、匂いも強烈な本虫(マムシ)はおもに投げ釣りの大物狙いで使用されます。
本虫は値段がアオイソメの2~3倍と高い割に、強い匂いが仇となりフグやベラなどの餌取りに突かれてしまうことが多いため、冬場や時合を見極めた使い方が求められる餌でもあります。
本虫(マムシ)で狙える大物
本虫は、カレイ釣りの定番餌として人気があります。他にも、マダイやクロダイなどにも効果的です。
総じて、砂地の大物狙いに有効な餌といえるでしょう。
本虫を針への付け方は、大物狙いの場合でも房掛けにする必要はありません。
3~5cm程度にカットし、“遠し刺し”にし、ハリスまで本虫をこき上げるように付けると良いでしょう。
本虫の別名
本虫(ほんむし)には『マムシ』、『赤イソメ』、『岩イソメ』、『岩ムシ』、『タイムシ』など、20以上の呼び名があると言われています。
赤イソメについては、石ゴカイやアオイソメを意味する場合もあるので注意が必要です。
ゴカイを上手に使うための便利グッズ
ゴカイを使いたいケド触りたくない……
色んな魚が釣れる万能エサと言うことは分かったケド……そもそも気持ち悪くて触れない!
そんな方には、ゴカイ専用のピンセットがオススメ。手を汚さずに針に付けられるので、ゴカイを触れる人にもオススメですよ!
ゴカイの滑り止め
ゴカイは粘液を出すためヌルヌルで滑ってしまい、上手に針に付けられない!
そんな時は、ゴカイ専用の滑り止めをまぶしてみましょう。集魚剤が含まれた滑り止めも販売されています。
長時間の使用はゴカイが弱ってしまうため、針につける直前にまぶすと良いでしょう。
ゴカイを模したワームもありますよ
どうしてもゴカイは無理ッ! という方には、偽物のゴカイがオススメです。
姿かたちはそっくりですが、ルアーフィッシングで使うワームのような素材で作られている人工物ですのでご安心ください!
余ったゴカイの保管方法について
冷蔵庫で1~3日程度、一週間持つ場合もあるが……
一日の釣りで餌を使いきれずに終わることもありますよね。
釣具屋で購入した際のゴカイの鮮度や釣り場での扱い方(クーラーボックスで冷やして保管しましょう)で、保管できる期間が大きく変わります。
冷蔵庫の野菜室で概ね1~3日程度と考えて良いでしょう。
状態が良ければ1週間以上生きていこともありますが、冷蔵庫ではどうしても水分が奪われてしまい、細くなったり切れやすくなります。
▼アオイソメを上手に保管する方法はコチラの記事
塩漬けにするという作戦もあります
捨てるにはもったいないくらいイソメが沢山余ってしまった。そんな時は、塩漬けにしてみてはいかがでしょうか?
塩で締めることでゴカイは死んでしまいますが、身が締まり餌持ちが良くなり、活き餌と違った長所が生まれますよ。
▼アオイソメや本虫の塩漬けの作り方はコチラの記事
万能エサ『ゴカイ』を持って釣りに出かけてみよう!
ゴカイは色んな魚が釣れる万能エサですが、種類ごとの特徴を知っていると釣りたい魚に一歩近づけます。
今までゴカイの種類を意識していなかった方は、これを機会にゴカイを使い分けてみてはいかがでしょうか。
筆者紹介
山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活動中。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017