1日振り続けられる軽さ
自重215gはライトショアジギングロッドの中ではまずまず軽量な部類ですが、実際に使ってみるとカタログスペック以上に軽く感じます。
筆者は普段180g台のシーバス系ロッドをLSJに使っていますが、それと比べても「重い」という印象がありません。
キャスト時のウエイトの乗り方や振り抜けの良さ、ジャーク時のブレの少なさによって、体へ掛かる負担が少なく、持った時の軽さに加えて1日使い続けて体感する軽さ(疲労感の少なさ)があります。
4.5万円のキャストフィール
キャストフィールに関しては、しなやかな竿と硬い竿の“いいとこ取り”という印象。
ベースはしなやかな竿なので、テイクバック時にウエイトが乗りやすく、リリースポイントがシビアではないという扱いやすさがあります。
しかし、右手のリストを返すあたりからの反発力、フォロースルー時のブレの収束に関しては、1ランク硬いロッドに感じるほど。
このしなやかさで、スリークォーターで投げてもこれだけ穂先周辺が暴れないのはかなり優秀だと思います。
ブレが少なくて収束が早いため、雑に手投げしても8m/sの向かい風で投げ続けても、糸絡みは一度も起こりませんでした。
「キャストフィールは4.5万円」といった印象です。
ジャーク時のブレも少ない
キャストと同様にジグをシャクっても、しなやかさの中にシャープさを感じました。
柔らかいロッド特有の腰砕け感(横方向へのブレ)がかなり少なく、縦方向にシャクれば、穂先が一度真下に絞り込まれ、そこから真上に戻ってきてくれます。
ロッドのパワーロスが少ないので無駄に力を入れることなく、スローからハイスピードまでリズミカルにジャークできます。
最小限のドラグでファイトできる
コヨーテSは曲げ込んでファイトできるため、かなり楽しいロッドです。
ガチガチのショアジギングロッドとは異なり、ドラグを締めこんで磯竿やのべ竿のようにファイトできるので、竿を曲げたい派の方にはドンピシャでしょう。
実釣時は、2.5kgのハマチ(イナダ)や2kgのシオ(ショゴ)をドラグフルロックで楽に引きずり回せました。
ロッドが魚に追従してライン・フックへの負荷を軽減してくれるため、ドラグはギリギリまで締め、ドラグで糸を出してファイトするのではなく、竿で魚を締め込むようなファイトがおすすめです。
しなやかな竿を使うとドラグを緩めたくなるかもしれませんが、曲がる竿こそドラグを締めこんでください。
ルアー別の使用感
ショアジギングとは言うものの、使うルアーが多様化している近年のショアジギングシーン。
青物狙いで使われることが多いであろうルアーごとの使用感を紹介します。
メタルジグ
公式HPでは“20〜40gのジグに対応”と記載されていますが、操作して気持ちがいいのは鉛の30〜45g、タングステンの30〜50gあたりでした。
20g前後のキャスティングは難なくできますが、シャクった時に竿が勝ち過ぎいて操作感が薄いです。
大型鉄板バイブ
30〜42gの大型鉄板バイブを使ってみたところ、非常に気持ちよく扱えました。
適正範囲を超えますが、42gも難なくフルキャスト可能。42gはシーバスロッドだとややオーバーウエイト感があるため、これを100点のフィーリングで使えるのは個人的に大きな魅力。
しなやかなロッドとは言え、シーバスロッドよりはフックに掛かる負荷が大きいため、青物を狙うのであれば太軸2フック仕様のルアーがおすすめです。
125mmクラスのミノー
鉄板と並んで青物狙いで多用される125mmクラスのミノーもストレス無く使えます。
ロッドにウエイトが乗るので飛行姿勢を安定させやすく、強い向かい風を受けても回転せずに飛んでくれます。(さすがに固定重心は回ります)
取り回しが良いため、どの方向にもジャークしやすいところも好印象です。
スピンテール
ショアジギングロッドだと大型魚にフックを伸ばされがちなルアーですが、ドラグをそこそこ締め込んでもロッドが粘ってフックへの負荷を吸収してくれるため、2kgクラスのシオも不安なくキャッチできました。
青物を想定していないルアーが多いので過信は禁物ですが、ドラグによるラインの放出が最小限で済むため、一般的なショアジギングロッドよりははるかに扱いやすいと思います。
トップ
ロッドが軽くてしなやかなので、20〜50g程度のトップウォータープラグもストレスなく扱えます。
ベイエリアは青物用の大型トップではなかなか食ってこないため、小ぶりなポッパーやペンシルが扱いやすいのはかなり嬉しいところです。
ジグヘッドワーム
30g前後のジグヘッドも快適に使えますが……シーバス系のジグヘッドを使う場合は少しドラグ設定に気をつけてください。
試しにフルロックにしたところ、VJ28(コアマン)のフックは2kgクラスのシオに伸ばされてしまいました。